2024/08/05 のログ
ご案内:「数ある事務所」にエルピス・シズメさんが現れました。
ご案内:「数ある事務所」にナナさんが現れました。
■エルピス・シズメ >
落第街の裏通りにある、数ある事務所。
栗色の髪の少年が、1Fの給湯室で冷蔵庫の中に飲食料を詰め込んでいる。
「とりあえず、これだけあれば大丈夫かな……」
朝方に学園で補講を受け、
その足で商店街で買い出しを行い事務所に戻り、今に至る。
■ナナ >
「ただいま~」
と、自宅の様に玄関を開く女が1人
居候なのに遠慮という言葉がかなり抜け落ちてきているナナである
外の暑さが空調の効いた室内に入ることで緩和される
「あ、エルピスお帰り。もう補講終わったの?」
涼しい飲み物を求め冷蔵庫に向かえば家主の姿を見つける
朝早くから出かけていた彼、冷蔵庫で冷えていた水に手を付ける
そんなナナの手には猿が魔法帽子と杖を持った意外と著名な人物が書いてたらしい『猿でもわかる魔術の基礎』が握られていた
■エルピス・シズメ >
「お帰り、ナナ。食べ物と飲み物は冷蔵庫に補充してあるよ。」
自然体で戻るナナに声を掛け、入れ替わりで給湯室を出る。
「うん、魔術面の補講だから、さくっと終わらせてきたよ。
……体質の問題で、一般的な魔法の実技が出来なくてね。」
苦笑しながらナナに応える。
冷えた水は十分にある。落第街である以上、入浴などの為に供給されている水は質が良くない。
飲めなくはないかもしれないが、気分と衛生の問題で水は別途常備されている。
「……ナナも魔術のお勉強?」
ナナが握った本に視線を移す。
著名な人物の書物であるため、その名前と表紙の雰囲気に覚えがあったらしい。
■ナナ >
「いっつもありがとエルピス、お金はまたカツアゲに会ったら払うから。
さくっと終わらせれるんだそういうの…良いなぁ。」
女相手だと舐めた相手から迷惑料を頂くのがナナの主な収入源
髪色が周知され始めてそれも少なくなってきている
実技ができない分知識はほぼ完ぺきなのだろう
純粋に羨ましい、自分は基礎無しから詰め込まなければいけないから
喉を潤し、一息つく
「うん、ちょっと色々思う事が有ってね。
こういうのも覚えておかないと手札が少なくて負ける事になりそうだから。」
ひらひらと参考書を見せる
表紙にイラっとはするが中身はかなり有用…らしい
■エルピス・シズメ >
「たくましくやってるみたいだね……」
多分、カツアゲ返しをしているのだろう。
特に咎めることはせず、苦笑い。
「いまのところ座学……知識だけだからね。他のお勉強と同じ感じ。」
「実際に行使するのは、体質の問題で上手く行かないからね……。」
エルピスの状況は、概ねナナの認識通り。
魔法を行使することはできなくても、理解が出来れば対処は出来る。
そのために講習を受け、座学と補講で単位を取っているのが現状だ。
「……そうだね。僕も『手札が少ない』って思うことはいっぱいある。
今までは上手く行っていたけど……正直、大分厳しい。」
参考書の表面を改めて見る。
この感情を煽ってイラっとさせるテイストはやっぱり見覚えがる。
「……ナナは『手札が足りない』と思うこと、なんかあったの?」
水を一本取って、ぽふっとソファーに座る。
■ナナ >
「そりゃぁね、そこらの不良には負けないよ。」
腕に力こぶを作って見せる
アームレスリング王者の様な腕、それがすぐに少女らしい細さに戻る
「体質ならしょうがないじゃん。
知識があるなら十分私は羨ましいかな。
あ、そう言えば私って魔力は割と多めみたいなんだ。」
知り合いに測ってもらった結果を嬉々として報告する
元々魔力が殆どなければ頭を抱えたが、それは回避できた
後は本当に学んで覚えて実践あるのみ
「…厳しいって、この前イーリスがボロボロになって帰ってきた関係?」
ここに居候して薄々分かってきたことは大きく分けて3つ
1つはエルピスとイーリスの仲について、もう1つはエルピスとイーリスの過去に何かがあった
最後の1つ、これは2人が何かと命懸けで戦っているという事
余り突っ込んで聞く気は無かったけれど、いい機会かもしれない
「この前落第街で化け物みたいな魔法使いと会ってさ、魔法を覚えないと真面に相手にもしてもらえない相手も居るって気が付かされた。
私の目標の為にも物理以外にちゃんと覚えようかなって。
エルピスはどういう事で思ったの?手札が足りないって。」
彼と同じ様にソファーに座った
ご案内:「数ある事務所」からナナさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所」にナナさんが現れました。
■エルピス・シズメ >
「ナナ、純粋なフィジカルだと僕よりも強いだろうからね……
変化速度も速いし、使いこなし方に迷いもない。」
屈強に変化した腕を見る。
自在に身体を変化させる彼女の姿は、彼にとっては強力なものとして映っている。
「魔力も多めなんだ。成長性抜群だね。
質に関しても測定の時に言われてないなら、大丈夫かな。」
嬉々として報告するナナを微笑ましく思い、褒める。
肉体と魔力の両面に優れた存在は頼もしいし、内心で憧れる。
「うん。イーリスがタチの悪いストーカーと戦っていてね。少しでも力になりたいから……。」
言及されれば正直に答える。
ナナは同居人だ。訊かれれば答えようと思っていた。
「ナナが無事で安心したよ。とは言え、ナナがそう言うって事は、相当の化け物かな……」
「『相手の得意分野』で戦うことは危険だけど、搦め手や布石には良いのかも。」
化け物じみた魔法使いの話を聞き、険しい表情を浮かべる。
そのような手合いがこの近辺に居る事を、強く警戒している素振りだ。
「さっきの話に繋がるけれど、一番はその手合いと戦った時。
それと、氷割りのお祭り"で色んな人の実力を見た時。」
俯き、水を飲む。
続く言葉は、彼にしては珍しい弱音だ。
「『みんな強い』。僕も、頑張らないと。」
■ナナ >
「多分肉体勝負なら私この島でも結構いい線行くと思うなぁ。
エルピスも腕を動かすのに考えたりしないでしょ?それと一緒だよ。」
要は慣れること、ただそれだけ
何千回何万回と似た様な事をしていたら思考をせずに体が覚える
「ま、量に関しては根拠もあったしね。
質は…混沌だって言われた、色々ごちゃ混ぜなんだってさ。」
それが良いのか悪いのか、まだわからない
混沌と言うくらいなのだから使える種類は多いのだろうが器用貧乏になる気がする
そこだけは少し不安で
「イーリスがあぁなる相手のストーカーって凄くない?
少なくともそこらの一般人って訳じゃなさそうだけど。」
随分過激派なストーカーも居たのものだ
しかもあの時の傷を見れば殺す気だったのは見てわかる
随分と面倒な相手に狙われたもので、可愛いのもこうして損になる事もある
「あの人相手に得意分野で勝負は無理かなぁ、普通にやっても勝てる未来が見えないけど。」
純粋に戦いたくないと思う相手はこの島で初めてだった
なので戦わないし、敵対もできればしない
どうしてもとなったら逃げられる様に手数を増やすのだ
「例の氷祭り?あれ面白そうだったよね、私も行けばよかったかも。」
以前の氷割りのイベント
面白そうだったが不特定多数が集まるという事で遠慮したが、かなりの大盛況だったらしい
そこで他の実力者達を見てそう思った、と…
「お互い目標に向けて頑張らないとね。
エルピスもイーリスも機械が専門だけど魔術とか異能をどうこうする技術もあるし、頑張れば何とかなるよ。」
そう言葉をかける、自分だって頑張る側なのに
「ま、エルピスはモチベーション高いし大丈夫じゃない?
なにせ愛する人の為だもんね~これは男の子なら燃えなきゃ。」
ニヤリと笑ってそう言った
■エルピス・シズメ >
「僕もそう思うけど、得意分野で戦える事って案外少ないから油断はしないでね。
そういう意味でも……ナナの追手が怖いかな。」
追手が居るとすれば、ナナの実力を折り込んだ手合いのはず。
そんな認識の下、懸念を吐露した。第三の腕も無意志に揺れている。
「混沌。『多くを内包する意味での混沌』かな。
『具体的なカタチを持たない意味での混沌』の可能性もあるけど……多分大丈夫。」
自分の見識を照らし合わせる。
とは言え悪いことにはならなそうだと判断し、安堵感から息を吐いた。
「ゾンビで熊で月の魔術師で統率者のてんこ盛りのストーカー。
紅き屍骸はもしかしたら、噂ぐらいにはなっているかも。」
もう一歩踏み込んで話す。
思い返すとやたら属性が多い。自分で厄介さを追認し、言葉に眉をひそめた。
「そうだね、何はともあれ一緒に頑張ろう。」
「魔術に関して僕も知識面なら手伝えると思う。疑問を言ってくれたら一緒に考えるよ。」
そう親切心から提案して先輩風を吹かせたのも束の間、
ニヤリと笑ったナナに図星を突かれて、露骨に顔が緩んだ。
"はわ"、と、奇妙な鳴き声も出た。
「それは、えっと、その……そう、だけど……。
……ちなみに、いつぐらい……から……?」
"察されていたのだろう。"と。
たぶん、傍目から見てもばればれ。
■ナナ >
「もっちろん、逃げ足は折り紙付きなんだから。
追っ手はまぁ…来るとしても何とかするよ。流石に向こうも街中で大手を振れる連中じゃないし。」
そういう意味ではこちらにアドバンテージは有る
問題は数ではなく少数精鋭で来られる事
余裕のあるうちに魔術を使えるようになる必要が有る
「たぶん多くを内包の方かな、私の経歴を考えたらそっちの方。
色々できるけど極めるのは無理ってなりそうなのが不安なんだけどね~」
まぁそれはそれでどうにかすると親指を立てて
「ゾンビと熊と月?なにそれそいつも混沌じゃない。
紅き屍骸…あんまり聞かないけどそれが件のストーカーなんだ。」
想像する姿は溶けかけたクマが月夜を行進する姿
そんな可愛らしくは無いと思いつつ、魔術師と聞くだけで厄介極まりないと小さなため息
同居人が本当に厄介な相手に狙われたものである
「勉強面では頼らせてもらいますよ~先生。
いつって、ここにきて3日目くらい?男って分かってから確信したよ。
割とすぐ顔に出るし分かりやすいよね~
私は別に邪魔しないし見てる方が楽しいからどんどんイーリスといちゃついても良いよ♪」
そう言って投げキッス
■エルピス・シズメ >
「了解。大手を振って歩けない連中、ね。
イーリスが気に掛けるのも納得かな……。」
大手を振って歩ける連中ではない。ナナの後ろ暗い事情を再認する。
"イーリスが匿いたいと言ったのも納得だ"と、無意識に頷く。
「そうだね。もしその手の『何か』を見掛けたら……気を付けて。
……話を魔術に戻すけれど、意外と"混沌"なものは世に多い。」
心配の意図だけ告げれば話題を切り上げて、魔術に戻す。
本心では逃げて欲しいと思っているが、個体毎の力量と状況に因る所も多いため、何も言えない。
「『純粋なもの』が少ないと言った方がいいのかな……。
『純粋な何かに見えて』も、案外『組み合わせ』だったりしたりね。」
「火は熱気と乾気から。水は冷気で、乾いてないから湿気も含む。
だから案外、心配しなくていいかも。」
軽く笑って、ナナの不安を緩和するたとえを探し出す。
そんな魔術の話も、恋の話にとってかわり。
「あ、う、うん……その、ありがと……
……イーリスにも、そう伝えておくね。それとも、もう言ってる……?」
どっちなんだろう。
ちょっとばかり好奇心がくすぐられた。
■ナナ >
「そ、子供相手でもしっかり人体実験するゴミ共だから。」
言葉がきつくなるが仕方ない
あいつらなんてそう言う扱いで十分
「見たら逃げろって事ね、まぁイーリスに付きまとうなって文句ぐらいは言って逃げ切るよ。」
同居人であり恩人に多大な迷惑が掛かっているのだ
文句の1つくらいはぶつけてやろうと
「そうなの?人それぞれ属性が~みたいに思ってた。」
ならばそこまで悲観しなくても良さそう
魔術について知識が豊富な彼がそう言うのだから単なる慰めでもないだろう
「イーリスには何にも、そういう事言われたら意識しちゃうだろうし黙って見守ってる。
割とと言うかだいぶ素直で優しすぎだからね、あの子。エルピスが悪い大人だったら事故らせてたよ。」
なんて、冗談みたいに言ってみる
■エルピス・シズメ >
「そうだね。……そして、ナナは被害者。
ナナは悪くない……。」
感じ入るものがあったのだろう。
重ね合せた何かに言い聞かせるように、呟いた。
「あくまでルーツの一つだけどね。でも、ルーツを意識することは大事。」
「最近は火・水・土・風・光・闇みたいな、四元素二霊みたいな魔術の方がメジャーかも。」
「精神や概念に作用する類は流石にややこしくなるけれど。」
魔術と言ってもカタチ色々。
ナナの手元の魔術の本がどう解説しているかにもよるし、
実際に教本で解説されているそれも正しい。
「……そっかー……でも、事故らせてたって……?
……僕もここに事務所を作ってたぐらいだし、そんなに良い子でもないと思うんだけど……」
何か不安になってきた。
冗談みたいに軽い調子のナナの冗句と言えど、イーリスが絡むと心が揺れがち。
■ナナ >
「被害者だけど、一応最高傑作らしいよ。
その最高傑作にぐちゃぐちゃに蹂躙される。ゴミにはお似合いの未来だよね。」
他でもないこの手でそれを成し遂げる
それが今のナナの中で最高のモチベーション
「ルーツ…元素と言うか物理法則はある程度理解してるからそこで何とかならないかなぁ。
精霊とか言われ出したらチンプンカンプン、私にはそう言うの向いてないかも。」
手で触れられる自然現象ならともかくそうでないと理解から難しい
それらを理解して応用までできるかどうか、ちょっと不安になってきた
「そりゃ、イーリスに気付かれない様に殺してた。毒持ちの生き物って信じられない位多いんだよ?」
ナナの指が蚊の口元を巨大にした注射器の様に変わり…
そしてまた元に戻る
「ま、あくまでエルピスがイーリスの害にしかならないゴミだったらッて話。
エルピスは良い人だよ、私はそう思ってる。
それにここまでお世話になって恩を仇で返す様な真似はしないよ。」
■エルピス・シズメ >
「……。」
押し黙る。黙ってしまう。
彼女が択んだ道を自分が択べるかと言うと、分からなかった。
「なら、共通規格化された汎用魔術と……『錬金術』あたりは良いかもしれないね。」
「その著者の『猿でも分かる』って言うのはムッとくるけど、それだけのことはある。」
「錬金術は、限りなく物理法則に近い魔術だよ。僕の主分野もこっち。」
それとなく、彼女に合いそうなルーツを勧めてみる。
エルピスの主分野も錬金術。厳密には古代錬金術だが。
「あはは……それだけイーリスのことを想ってくれるなら、『僕も安心できる』よ。ありがとう。」
ナナのストイックさに気が緩み、『もしも』を匂わせる言葉を零した。
『手札が足りない』──というのは。
「そう言ってくれると嬉しいな。善人はともかく、出来る限りお人よしで居たいから。」
「……改めてよろしくね、ナナ。」
■ナナ >
「はは、変な話しちゃったね。
錬金術か~物理が効かない相手にはそれでも丁度いいのかな?
万能の武器でも作れればそれで魔法は要らないかも?」
派手に燃やしたり超自然現象を操らなくても良いならそれも有りかもしれない
武器を作っておき、それを自分が自由に使う
割と有りなのでは?なんて考え始める
「…惚れた相手の世話は自分でしてよね。
私は恩を返す位しか義理は無いんだから、甘えるならイーリス相手にして。」
安心されてたまるか、と
自分の事で精一杯なのだから他人まで抱えられない
そんな冷たい言い方しかできない
「お人好しに甘えてる私としては、それが良いかな。
うん、よろしくエルピス。
私は2人の事嫌いじゃないし、味方だよ。」
それだけははっきりと言葉にしておく