2024/09/25 のログ
ご案内:「Free4 第二方舟」にノーフェイスさんが現れました。
■ノーフェイス >
【9/25 9:58】【適合値:66%】【浸食率:0】
『――――未だ彼らは我々にとって超常の存在と言えます。
大変容からこれだけの時間が経っても、です。
しかしいつか我々は彼らを隣人として――』
研究所の方針か、それとも研究員個人の思想なのか。
どこか夢見がちに語る先導の係員を尻目に、
それについて歩く、めいめいの感情を持つ学徒のなかからひとり、
人目を引く影が、するりと外れて脇道へと逸れた。
ぎょっとするほどの際立つ外見が不意に消えていることに、
一団のなかにも気づくものがひとりふたりといたが。
『――最新の薬剤開発のラボが――』
声を背に、薄暗くなっていく廊下を歩む。
やがて迷い込むようにして、人気のないはずれまでたどり着くと。
「……あっれー?おっかしいなあ、迷っちゃった!」
わざとらしく周囲を見渡して、声をあげた。
伊達眼鏡を外してケースに収めると、艶美にあどけなさと獰猛さを宿した貌があらわれる。
「ひとりぼっちって心細いな~。
抱っこしてくれるおっぱいおおきい女の人とかいないかな~――……さて」
リストバンドを見る。
66%、メモリは0。
一団がつけているものを見る限り、このパーセンテージのほうは個人差があった。
自分は高いほう――おそらく神性に対するなんらかの干渉値と見た。
これはなんですか、と係員に問うてみると驚かれた。
(……扱ってるモノは厄ネタといえなくもないケド。
正直、見たトコはふつうの研究施設……治験なんかも公募してるし。
もちろん、こんだけ進んだ機関なんて幾らか外れたこともやってるだろうケド……)
近づくな、という意味で言ったのかもしれないが。
おそらくあの女を実験材料にしているのは、此処。
「Pui!Pui!……でも、こういうロケーション歩いてると。
パニックホラーの映画を思い出すよな。いきなり警報とか鳴りだしたりして――」
■ノーフェイス >
【9/25 10:00】【適合値:66%】【浸食率:0】
■警報 >
嫌でも警戒と不安を煽る警報が響き渡る。
それと同時に照明が落ち、次々と非常灯に切り替わっていく。
遠くに聴こえる悲鳴と混乱、シャッターが降りる音。
――非常事態だ。
■ノーフェイス >
「あーらら……」
呆然と、薄暗くなった周囲を見渡す。
「研究中の試薬でも流出したのか?
変なモンに感染したら責任とってくれんのかなー。
これだけ磨いたお肌に影響出たらサイアクなんだケド」
――と言いつつ、奥まった場所に進む。
欲しいものは、情報だ。なんとなれば切り抜ける自信もある。
なにより、
(アイツのことも巻き込んでそーだし、やれることはやっとくか)
アタマを使う分野は、まあ苦手というほどでもない。
「……でもこういう状況。
映画なら、ゾンビとかに追われた研究員が"うわあああっ!"って」
■研究員 >
『うわあああっ!』
その背後から、助けを求めるように研究員が駆け寄ってくる。
『た、助けてくれ! 縺縺帙>後が流出した! このままでは――』
――溶解、否、融解というにもおかしい。
容器だけが消失したように、内容物がブチ撒けられた。
衣服を残して、黒い水となって――人間だったものが、床に広がっていった。
■ノーフェイス >
「……………」
呆然とそれを見ていた。
「マジかよ……」
もう余計なこと言わないでおこう、と大きめの掌が唇を覆っていた。
幾らか動揺が抑えられたのは、それこそ非常事態――超常事態、であるからだろう。
黒い液体。とはいえ、皮膚や内臓の腐食を早められたにしては無臭だ。
時間干渉。神性の権能としては強大だがありふれたモノ。おそらく、そうではない。
(……ボクの身体は溶けてない。ってコトは――浸食率か?)
早計だが。
少なくとも、幾らかリスクを負わねばならない状況。
――悪くない。なによりも。
「ツいてる」
見上げる。こうなった時のためか、アナログな案内板が最寄りの部屋の名称を示していた。
■ノーフェイス >
【9/25 10:02】【適合値:66%】【浸食率:0】
第二方舟 資料室
■ノーフェイス >
「…………」
案の定、ほとんどの棚は閲覧不可能な状態だ。
こんな時でも保安は万全。そうだろうとも。
だからこそ、開いた棚の下に落ちている水たまりとファイルが――否が応にも目を引く。
(触りたくねえ~~……)
なにが起こるかわからない。
酸化や腐食の痕跡は床には見られなかったが、人体に対してどういう影響があるか。
……しかるのち、自切して再生。それしかないか。
正直、自己再生の人智魔術はコスパが劣悪なので、使いたくはないが。
(指紋を残さないように手袋つけてきたケド、防水加工じゃないんだよな……)
しゃがみこみ、おそる……とそのファイルに指をふれ……水たまりに波紋が生まれる。
――――どくん
■男の声 >
やはり、きみは素晴らしいな。" "。
肉体だけではなく、精神体までも非凡だ。
おそらくは――魂も。
ここまでの施術を受けてなお、一切のほつれが見られない。
……きみはなんなのか。
そのこたえは、これから証していけばいい。
さて……これからは" "という名は名乗らないように。
安心したまえ。きみの欲してやまないものはもうじき手に入る。
神に愛されしものよ。我らを導きたまえ。
■ノーフェイス >
【9/25 10:04】【適合値:66%】【浸食率:3】
「…………ッ」
頭痛。眉根が寄った。
(……久しく思い出してなかったんだケドな。
あのクソの情報に、脳を占められたくない……)
首を横に振って、ファイルを取り上げ――
……肉体に、即座に影響はないようだ。
(うー、きもちわる……
でも、なにか……カードキーとか……)
ちゃぷ……。音を立てて……人間ひとりぶんにはどこか足りないような水のなか。
探って――……
(……リストバンド。これ使えないか?)
Aクラス。……裏面を見る。
見なきゃ良かった。
「………………」
ファイルとリストバンドを手に、立ち上がる。
死ねば、ただの骸。いつかそう言ってたヤツはいたが。
「ねぎらいくらいは、かけてやってもイイだろ。自分のために」
十字を切って、祈っておいた。あわれみたまえ、と。
(…………あわれみ……)
棚に背を預ける。
ファイルを開いた。
「…………神の愛なんて。
生まれてこのかた、欲したことはねーよ」
■ >
【CHOISE!】
②怪しいところから調べよう。
【黒い液体】の中に落ちているファイルが明らかに怪しい。
■ノーフェイス >
【9/25 10:50】【適合値:66%】【浸食率:3】
――第一方舟:星骸計画。
「…………驚いた。第一のほうもあるのか。
てっきり現世のノア気取りで第二を名乗ってるんだと思ってたケド……。
こっちは……星骸……だよな……」
漢字は当て字が多すぎる。読み進める。
(人類の定義の多様化、ゆえの人類の再定義ね――)
要するに、強制的な人類の進化――というより強化実験の類。
方舟とは言うが、ずいぶんとまあ間口の広いこと。
余計なお世話。
実際問題として、地球人類と神を含むそれ以外との折衝は、
大変容後数十年を経ても、解のでない話題である。
異種族を外敵として見なすのもわからない話ではない――なにより、
(いや……)
首を振る。最近、すこし回顧することが増えた。よくない。
(『星』……第二方舟の連中はこぞって神性をそう呼んでる。
なんでだろうな。宇宙から来たるモノと定義してるのか?
宇宙、……虚空――……その、骸。まあ、実験素材にしてるんだろうケド……)
――内容はだいたいわかった。暗記済み。
後から調査も入るだろうし、ファイルは再び、水たまりに戻しておこう。
……さて、残りは――
「……開いたわ。悪いね、借りるよ―― 」
棚も開くようだ。さすがクラスA。
ネームプレートに書いてあった名前を、甘い声で呼ばわり。
起こさないように、静かに……
■ノーフェイス >
【9/25 13:50】【適合値:66%】【浸食率:3】
読み解いた資料の多くは、概ね@王道オーソドックス@なそれといえた。
概ね――である。この一点が、その認識を大きく捻じ曲げてくる。
「イカれてる……」
感情もなく、ただ事実をつぶやいた。
黒杭。
表層をなぞれば神殺しの逸話の示現であるものの、
これは武器ではなく、器具だ。神性――星を実験材料にするための。
神から作られた、神をより効率よく純度の高い素体に圧縮・錬成する装置。
なるほど科学者らしいアプローチである。
神を神とも思わぬというのなら、ひどく人間らしいとでも。
神性、に類する個人がそれなりに確認される常世島、ひいては外側の世界においても、
特級の厄ネタにして、非人道的行為。公にされたらとんでもないニュースになる。
だからこそ、研究区の連中は密やかにやってるんだろうに――
「……『自らを救ってみるがいい。苦しみの杭から、降りてきてみろ』、か」
嘆息。
そしておそらく、この現状は星骸――液状化させられた神性が周囲に及ぼす影響だろう。
自分のリストバンドを見る。3――若干進んでいるようだ。
そして、クラスAの のリストバンドは浸食率11。おそらく10が生存圏。
「それで、このリストが――《人類の再定義》?」
■ノーフェイス >
「星核の移植……、」
リストの記述をなぞる。
おそらく、これとこれは、実験の推移と結果。
「…………摘出?」
――あのとき、確か。そうだ。
あの女の個性と印象を語るのに、もっとも大きな事実。
聴こえなかったのだ。
「実験動物……」
……なんとなく、事件のあらましは読めたが。
「―――困ったな。連絡先知らないんだよな。
施設やってんだっけ。そこを尋ねるのが――ン……?」
あらためて、リストを見遣る。
「焔城……?どっかで……」
見た名前だ。――覚えておこう。学校案内か、どこかかもしれない。
少なくとも、あれと同世代である可能性はある。なんならあの女に訊いてもいいか。
「………そして、最終的には兵器利用に落ち着くんだな。
歴史は繰り返すというか、収斂するというか…………こんなモンか」
結構時間がかかった。膨大な資料だが、だいたい丸暗記できた。
問題は出力するのが大変ということ。帰宅したらパソコンに向き合わなきゃならないか。
そこで、近くのデスクに湯気を立てるカップが置かれた。
■女性の声 >
『お勉強、おわった?』
優しい微笑が、知らない目線でむけられた。まっすぐに。
『晩御飯もうすこしでできるからね、 。
……だいじょうぶよ、ミルクたっぷり入れたもの。
このまえみたいに、お姉ちゃんのまねをして、
無理して苦いまま飲まなくていいの』
知っている。
知っている声だ。
脳が麻痺し、体から力が抜けるような。
『きょうはね――あなたの大好きな、クラムチャウダーです!
いい匂いでしょう。ポテトもたっぷりいれたからねー!』
その手が、伸ばされ、て――
『……よく、できました』
■ノーフェイス >
悲鳴のような声を上げ、手を振った。
都合のいい妄想が露と振り払われる。
物欲しそうな顔をした子供に、慈悲が与えられる幻。
肩で息をしながら、ずるりと資料棚にもたれた。
「……、…………?」
体が服のなかで、じっとりと汗じみている。
「……幻覚症状……、生存圏を侵す前から影響があんのか……」
自死の幻覚、だけならず。
……あんなものまで。いや、想起したのはおそらく、殺人鬼の内面に踏み込んだ影響もある。
「時間は、かけてられない……か」
後にする。
■ノーフェイス >
【9/25 14:26】【適合値:66%】【浸食率:3】
第二方舟 B1保管室
■ノーフェイス >
「…………完全に兵器庫だな、こりゃ……」
保管室だなどと、よく言ったものだ。
厳重な保安の先にあったものに、苦笑が浮かぶ。
なにかを持ち出すにも嵩張るものばかり。
なによりもこの研究所の母体や、のちのち調査に入るだろう機関の追及は避けたい。
「たしか――」
足を向けて、該当箇所を捜す。
のリストバンドをかざし、解錠。踏み込む。
居並ぶのは複数の――
(――長さは……、3メートル)
目測で測量する。
(幅……80センチメートル。コレか……)
目を細めて、検分。果たして、中身は入っているのかどうか。
「この太くて硬ぁいのを、ブチ込む敵もあるってコトだよな……」
事実かどうかはわからないが、人類と『星』の終末戦争でも見ていそうな語り口。
それが誇大妄想だ――というには、既に使用実績があるという事実が邪魔をしてくる。
「とんでもないコトに巻き込んでくれたな、ホント。
一発ヤらせてでもくれなきゃ帳尻が合わないっての」
がしがしと血色の毛をかき混ぜて、その場を後にする。
ここに保管されているあらゆるものは、現在の自分には関係がないもの。
荷物は少ないに限る。
■ノーフェイス >
【9/25 14:35】【適合値:66%】【浸食率:3】
第二方舟 B1所長室
■ノーフェイス > 「所長の名前は、水卜千利……」
なんて読むんだ、特に名字――と眉をひそめた記憶がある。
研究責任者というには存外若く――もちろんこの時代に外見年齢などあてにならないが――見えたものだ。
「こんばんは!」
いつか見た映画になぞらえて顔を出す。
――執務室だ。応接セット。おそらくここまでは客人をもてなす場所。
黒い水は――ない。直前まで、ここに誰かがいたということはなさそうだ。
めぼしいものはといえば、非常灯以外の照明となっている……
「つけっぱなしでお出かけなんて。
……電気代だって無料じゃないだろうに。なぁ?」
操作しようとして――
(……なんだ?)
■ノーフェイス >
「……吐いたのか?」
うええ、と端末操作部を汚す黒い水に目を細める。
とはいえ人間ひとりぶんが液状化したにしては、少ない。
周囲を見渡す。液状化した人間の痕跡も――ない。
奇妙だ。
「融けたまま動いてんのか……?」
這いずった痕跡もないものの、これが指紋に類するものだと仮定して。
これは操作の形跡だ。黒い水にまみれながら、なにかを起こしたものの。
「…………、」
リストバンドを確認。浸食率は――3。息を呑む。
軽度の幻覚。ここから踏み込むと何が起こるかはわからない。
少なくとも段階11の連中も表向きはそのままだった。
漏出しているのは、資料にもあった星骸――その影響。
おそらく、この66%という数値が、「星核」との適合率だと仮定するなら、
自分の肉体はおそらく親和性が高いのだ。……そうなのだろう。
「…………ッ」
端末に、触れる。
――――どくん
■ノーフェイス >
【9/25 14:35】【適合値:66%】【浸食率:7】
割れそうなほどの頭痛がする。視界がぐにゃぐにゃ歪む。
聴こえるはずのない声が聴こえる――これが、一番よくない。
それでも――意識は保てている。問題ない、はずだ。
「………クソ……」
操作を受け付けない。絶え間ない通信状態にあることが画面の表示からわかる。
何かを、どこかに送信し続けている。なにかの状態……経過……実験。
「まさか、この緊急事態そのものがなんかの実験なんていうつもりじゃないだろうな……」
自分を含め、多くの実験動物がいるなかで。
クローズド・サークルとしてもパニックホラーとしても、紋切り型の状況だ。
「……事が起こって、四時間とすこし……風紀……公安、生活か……?
外界はどうなってる……?オモイカネの回収も……ああ、もう……、」
倒れかける体を支えてから、息を吸って、どうにか姿勢を整える。
あとは――あっちだ。
「ベッドルーム……、職場にお泊りとは、熱心だこと。
……そこでくたばってたりしないだろうな……」
重要参考人。縛り上げて話でもひとつ聞ければいいが。
■ノーフェイス >
果たして踏み入った場所は無人。というよりも……
「独房かよ。……マジで寝に帰って来る部屋ってカンジ……」
生活感もなにもない。周囲を見る。
案外、壁に手をやったらガコン…とか凹んで楽しいものが出てくるかもしれないが。
そんなことをしている時間はない。おそらく自分の肉体は、この環境での長期間生存に向いていない。
準備がまったくなっていなかった。不覚、といえる。
「…………こっちもつけっぱ」
お金持ちなのねえ。なんて。
ベッドのほうに向かって、しゃがみこむ。
こちらは――通信状態にない。今どき珍しい、完全なる独立端末状態。
なにをするにもインターネットを経由するのが便利なこの時代で、
あえて断ってるってことは……
「見せていただきましょうか、キミのはしたないヒミツ……」
とはいえ、起動すると――パスワード入力画面。
「オクテなんだねぇ。……なに、M……?」
――Mは失敗した!それがパスワードのヒント、であるらしい。
なんのことやら、と考える。この状態だと、ぱっと浮かぶのは所長のファミリーネームのイニシャルだ。
自己の失敗を省みる、自責的な性格……とはいえ、彼のことはまったくわからない。
過去を調べれば、その経歴から洗えたかもしれないが――つくづく準備が足りてない、――
「失敗……過去……?」
■ノーフェイス >
――消息不明。四次実験。計画瓦解、凍結。
「…………M……?」
の、失敗。
すこしばかり、こじつけになるが――そのうえで、過去をなぞるなら。
キーを指が叩く。数度。それで十分。
他者の失敗をパスワードに託し、毎度それを入力して、
この水卜千利という男は、どんな感慨に耽っていたのだろうか。
その疑問は鍵が開いた先の日記で、ある程度は知れた。
「アルカディア……K……」
男の醜く、激しい情念が籠もった記述に、眉根をひそめる。
「………あるか……」
ずき、と頭が痛んだ。
制限時間にはまだ余裕があるが、自分の肉体が限界だ。
(……潮時だな……)
立ち上がる。もっと早くに委員会が踏み込んでくるかもしれない。
正規の学籍を持たない自分は、そもそも長居をするつもりもなかった。
去りがてに、ばったりと出逢った。
■ノーフェイス >
「あ―――――」
闇のなか、対面した幻影。
すこしだけ、自分より背の低く、しかし。
それでも同じくらいの背格好の、同世代の少女と。
「………………」
なにも言わずまっすぐに見てくる彼女が、幻影だとすぐわかる。
……それでも、本当にひさびさだった。まっすぐ、顔をみるのは。
ずっと顔も見れないままの、その面差しを見て。
…………自分の衝動的な行動の、いくらかに理由がついてしまったような。
(……そういえば、こんどはちゃんと歌きかせる、って約束……)
いつぞやの記憶を、思い出した。
ずっとまえのことのように思う。子供の時間は、それだけゆるく、濃密だ。
神の愛など求めぬまま、朽ちた教会で交わした密約。
そこに純粋な心はなかった。どこまでも弱い自分が隠されていた。
自嘲気味に笑い声を立てながら、ゆっくりと、その幻影をすり抜けて、通り過ぎる。
(なにやってんだか……)
ぐにゃぐにゃと歪む研究所の風景のなかを、立ち戻る。
この更に地下へと続く階段は――無視した。
そこになにがあろうとも、自分が立ち向かうべきことではない。
真相を解き明かすことでもない。自分がしているのは、義理と恩返しの話だから。
それでもただぼんやりと、逢いたいな、と漠然とした衝動を感じながら。
そして誰とも会わぬままに、回収すべきものを回収し、脱出する。
■ノーフェイス >
【9/25 15:43】【適合値:66%】【浸食率:7】
第二方舟脱出。状況終了。
ご案内:「Free4 第二方舟」からノーフェイスさんが去りました。