2024/12/16 のログ
■Dr.イーリス > 「重高さんの心配り、とても素敵ですよね。この包丁も、とても使いやすいものを選んでくださっていますよ。私みたいな力のない人でも、力入れる事なく切りやすいです」
重高さんはエルピスさんやイーリスが使いやすいものを選んでくれたのだろう。
よりお料理を楽しめるように、ほんとに考えてくれているのだと思う。
「常世島スタンプラリーはゆるく考えましょう。全部埋めるって目標をもつのもそれはそれで部活としてたのしくなると思うのですけど、おさんぽ同好会の活動をスタンプラリーに限定する必要はないですね。常世島スタンプラリーと並行して重複している場所に行ってもいいと思いますし、忙しい時期はちょっと島をおさんぽできない事もあるかもしれません」
おさんぽ同好会はゆるく、そしてたのしい活動にしたい。
白地図を埋めるように色んな場所へとおさんぽするのも、ちょっとした目標があってもたのしいと思うからだ。無理をしてまで、重複する場所を避ける必要なんて全然ないと思ってる。
「各区の具体的な行く場所は、ゆったりたのしく決めていきましょうね。未開拓地区は、この前話題に出た通りキャンプを考えての冒険にしてみたいですよね。異邦人街は不思議なスポットがいっぱいありますし、歓楽区もまたいっぱい遊べる場所があってカジノホテルなんかも行ってみたら楽しいかもしれません」
楽し気に、部活動のことを話すいーりす。
そんなイーリスは、たまねぎを切っている。
「あぅ……。うぅ……。お目めが痛いです……。私、たまねぎ弱いんですよ……。涙出てきます……ひくっ…………」
たまねぎを切って、涙をぽたぽたすごく流して苦戦していた。
■エルピス・シズメ >
「お散歩する場所には、困らないのは確かかも。」
ちょっと思考を巡らせるだけでも多くのスポットがある。
もしかすれば、卒業した後でもまだまだ行ける場所が残っているかもしれない。
すべてを受け容れた坩堝のような常世島は、それ相応に観光地も多い。
「ううん、たまねぎばかりはね……これも料理の試練なのかも。
でも……切ったら目に染みるものでも、料理して食べられる食材として認知されているのは……
……ある意味、すごいことなのかも。」
どうしても目に染みる。そればかりは避けようがないと思えば、苦笑い。
切ったら目に染みるものでも食べてしまう、と言う所に、ほんのりと人間の文化と歴史を感じたりもした。
下ごしらえを進める。根菜を軽く水につける。
軽めに灰汁抜きを済ませてから。鍋にサラダ油を薄く強いて根菜、次いで鶏肉を軽く炒める。
崩れないように軽く炒め終えたら、火力を落として煮込みに入る。
味付けの分量などは、失敗しないように手堅そうなレシピを参照することにした。
「こっちは少し煮るのに時間が必要だから……カルパッチョが出来たら、一旦ラップをかけて冷蔵庫に入れちゃって。」
■Dr.イーリス > 「常世島って、素敵な場所が色々ありますからね。全区画のスタンプラリーを制覇できたとしても、それは島全体のほんの一部に過ぎません」
様々な部活の人達がたのしいスポットをつくるために頑張ってくれていたり、霊的なあれこれが何かしてたり、異世界から何か来ちゃってる事とかあったりで、とても楽しい島。それが常世島!
イーリスの底知れない好奇心とすれば、行きたい場所は枚挙にいとまがない!
「たまねぎの試練……。こんなにもお目めが染みるのに耐えなければいけないなんて、お料理の大変さが改めて感じてきますよ。えぐ……ううぅ……。切る時は辛いですけど、おいしいですからね、たまねぎ。視界が涙でぼやけて……あ、あぶなかったです……!? せっかく重高さんにいただいた包丁、あやうく私の指を切り落とす凶器になるところでした……!」
たまねぎは辛いけど、おいしい。
イーリスはお目めが痛くて耐えているけれど、それでもおいしいカルパッチョが出来ると思うとこの試練も楽しいものに思えてくるかもしれない。
「最近ずっとお料理一緒にしてますけど、えるぴすさんの方がどんどん手際よくなってきますね。さすがえるぴすさんです。私、ちょっと不器用なままですけど、えるぴすさんと一緒においしいお料理作るためにもう少し頑張らないとですね。わかりました、カルパッチョ、もう少しかかりますけどラップかけて冷蔵庫に入れておきますね」
頑張ってたまねぎの試練を終えた。
サーモンを切り始めている。
「私、お寿司の中ではサーモンが好きです。えるぴすさんは何がお好きですか?」
サーモンを切っていて、ふとお寿司のお話になっている。
カルパッチョを作っている途中ながら、お寿司はおいしい。
■エルピス・シズメ >
「そうかな。一度できるようになった料理に関しては、イーリスの方が上手に出来てる気がする。
たとえば……覚えた元のレシピからナナや僕のの味付けの好みを意識したりとか……」
覚えたレシピを調節して、自分やナナの好みの味付けに寄せる意識が出来るのはイーリスの強みだと思う。
赫さんや重高さんも好みや体調でレシピやメニューを調節してたから、その辺りの心遣いもひとつの技術だと思う。
自分が作る時は、こなれてはいても中々そこまで意識が向かないことが多い。
「えっと……涙拭く?」
サーモンの調理に移る前に、イーリスの涙をティッシュでそっと拭こうと伸ばす。
煮物の方は定期的に様子を見る段階に入ったので、身体が空く。
「うん……僕もサーモンと……マグロとは頼んじゃうかも。
あとは……鰤とかカツオも好きかな。他にも色々あるけれど……
高くなかったら、色々食べてみたくなっちゃう。」
男子相応に胃袋は大きいので、寿司のネタを一通り注文しても食べきれる。
その辺りは、何だかんだで男の子。
■Dr.イーリス > 「えるぴすさんやななさんの好みの味付けは、意識するようにはしていますね。それだけでなく、孤児院でお料理する時も、子供達が喜ぶものは意識してしまいます。せっかくのお料理、みんなで美味しく食べれた方が嬉しいではないですか」
そう口にして、小首を傾げる。
重高さんも赫さんも、エルピスさんやナナさん、イーリスの好む味付けを意識してくれているのだろう。
だからとてもやさしくておいしい。
ふたりのお料理を思い浮かべて、イーリスは目を細める。
「とは言え、料理人となるとお料理自体は文字通りプロですけど、お客さんそれぞれの好みに合わせるのは非常に難しいです。えるぴすさんはとてもこなれていてお料理とてもおいしいですし、料理人向きだったりするかもしれませんよ」
家庭料理とレストランに並ぶお料理は、そういったところに違いがあるかもしれない。
それぞれ違った良さがあって、どちらもとてもおいしい。
「えぐっ……。……涙拭いてほしいです……うぅ……ありがとうございます……」
サーモンを捌く前に、エルピスさんに涙を拭いてもらった。
たまねぎから解放され、涙もエルピスさんが拭いてくれて元気になる。
「マグロ。鰤、カツオ、どれもおいしいです! 今度、お寿司とか食べに行きたいですよね。扶桑百貨店にはおいしい回転寿司があるとも聞きます」
そう口にして、にこっと笑みを浮かべてみせた。
サーモンを切り終えたり、レタスも切り終えたり、味付けもしていく。
カルパッチョの完成が近づいていた。
■エルピス・シズメ >
「そう考えると……料理ひとつとっても、色々あるんだね。
……この事務所にイーリスを匿って再稼働させた時は、ペットボトルの水と携行食糧……
食糧に入れていいか分からないけど、生命維持用のアンプルで過ごしていたっけ。」
イーリスをこの事務所に匿った直後は、料理のカタチなんて考えられる状況ではなかった。
こうして和やかに会話できていることが、奇跡の様に思う。
たまねぎによって流れたイーリスの涙を拭き終えてから、再び様子を見る。
ほんの少しだけ灰汁を取って、暫く様子見。
「上の方は、確かグルメフロアだったっけ……
折を見て、食べに行ってもいいのかも。」
タイミングが合えば、ナナも連れて三人で食べに行っても良いかもしれない。
やりたい事や、食べたいものが増えていく。……もうちょっと稼げるように頑張ろう、と内心で決心しつつ。
■Dr.イーリス > 「大変な日々でした……。えるぴすさんにも、とても大変な思いさせてしまいました……」
携帯食料の生活。それでも、イーリスにとっては、エルピスさんの心温かさでとても美味しく感じられた。
生命維持用のアンプルも、あの時のイーリスが生きていく上で必要なものだった。分類上はお薬だけど、生きていく上で必要なものという意味では、食料のように大切。
携帯食料の合間に、エルピスさんはプリンを冷蔵庫に三つも入れてくれていた事があった。イーリスは、エルピスさんのその心温かさに、泣きながらプリンを食べていた。あの時のプリンの温かい味は、今も覚えている。
今も、エルピスさんはたまねぎを切って涙が出ているイーリスの涙を柔らかく拭ってくれた。
(えるぴすさん……私は、そんなとても温かくてやさしすぎるあなたが、だいすきです)
えるぴすさんを眺めて、目を細めて微笑む。
いーりすの愛情により、胸部の《パンドラ・コアMk-Ⅱ》が桃色に輝いたりもしていた。
「そうですね、扶桑百貨店にはおいしいお店いっぱいあると聞いてます。おいしいお料理を食べるのも、とても幸せなものですからね」
にこっと笑みを浮かべ。
「カルパッチョ、できました! 中々おいしそうに出来たと思いますよ! 重高さんからいただいた包丁がとても使いやすかったからかもしれないですね」
出来上がったカルパッチョをラップして、冷蔵庫に入れる。
そうして、『数ある事務所』は夕食の時間を迎える事だろう。
今日も今日とて、応接間のこたつで、えるぴすさん、ななさん、いーりすの三人でたのしく夕食を食べている光景があった事だろう。
とても美味しい夕食だった。
ご案内:「『数ある事務所』」からエルピス・シズメさんが去りました。
ご案内:「『数ある事務所』」からDr.イーリスさんが去りました。