2025/02/21 のログ
ご案内:「白兔偵探社」にシェン・トゥアールさんが現れました。
ご案内:「白兔偵探社」にウィンドミルさんが現れました。
■シェン・トゥアール > 常世城砦の中にある、ネオンが光る看板…白兎偵探社である。
そのソリッドな外観を開いたものは、皆驚愕する。
可愛らしいカラーに彩られた家具、柔らかそうなクッション、ぬいぐるみ、
そしてなんらかの機器……。 『こじらせオタクのドールハウス』とも言われるような内装。
その主……小さな女の子の姿である探偵は、腕を枕にソファに寝そべっていた。
「んあー。」
咥えていたタバコ……ココアシガレットを口の中に運び噛み砕く。
口の中に甘い味が広がる。 タバコは禁止されていた。
ボディを管理する『ガラテア再現部』にである。
なんでも、タールが体内の機器を鈍らせるとのことだった。
「今日は平穏、おしなべて事もなしか…。」
一人呟く。
探偵業は人を詮索する仕事のはずだ。
そういった行動を欲しがる人がいないというのは、平和ということでもある。
……探偵からすればおまんまの食い上げである。
「…。」
寝そべったまま、頭の中でそろばんを弾く。 今月の経営を考えると、
ガラテア再現部にお願いして色々仕事を回してもらう必要がありそうだった。
えいやと起き上がると、クローゼットを開く。
色とりどりの、女の子向け…否、120cm程度のドールに向いた衣装が、みっちりと詰まっていた。
そっと扉を閉める。
「…何か飛び込みで仕事があるかもしれないからな。」
アレを着てガラテア再現部の写真撮影モデルになるなどの業務は、
恥ずかしいからあんまりやりたくない。今のボディは女の子型だが、
自分は男性だ…義体の中の電脳がそう主張するからには、そのはずだ。
■ウィンドミル > 平穏な一日だった、静寂と共にある夜だったそのノックの音が響くまでは
最初の動きは控えめなそれだった、耳が利くならきちんと届く程度
時間と共に、その力は強くなっていく。まるでその扉の向こう側の相手の不安を示すかのよう
「ここで間違いないんですの……」
とんとんとん、どんどんどん。組み上げられたその建造物、一角の扉
果たして耐えられるのはどのくらいなのだろうか……急いだほうが良いのかもしれない
■シェン・トゥアール > お金の捻出に悩んでいたところに、ノックの音が響く。
ウサギの耳がぴんと立ち、すっと気配を消してドアの方に近づいた。
「だれだ…?ガラテアじゃないだろうし、客か…?それにしては上品だな。」
常世城砦の住民は良くも悪くもフレンドリーである。
丁寧なノックをする相手はめったにいないはずだ。
そう考えていると、どんどんとノックの音が大きく…否、”ノックが力強く”なっていく。
「ま、待て、待ってくれ!ノックは不要だ!営業中だよ!」
このままではドアが歪むかもしれない。 修繕費という言葉が頭に浮かんだ瞬間、
素早くドアを開いて声をかけた。
「ようこそ白兎偵探社へ。 さあ入ってくれ。
詳しい話は中でやろう。」
ドアを開けた先にいたのは、可愛らしい女の子だ。
年のころは…中学生にも至っていないだろう。
いずれにせよ、放っておくわけにもいくまいし、きちんとお部屋に招き入れようと声をかけた。
■ウィンドミル > 「ありゃま」
危うく相手の顔面を殴ってもおかしくなかった所、すんでの所で静止が利く
鼻先にまで迫っていた手をすっと引っ込めて、自分の腰の前で掌を組む
始めの印象もさることながら、常世城砦ではほとんど見ないようなフリフリな衣装。そして隣には少女を丸めれば押し込めそうな程に大きな鞄
中に入ればいい、促される勢いもそのままに目の前の相手に詰め寄った。正しく、『ほかのものは視界に入っていない』とでもいうように
「おじさま。ミルを匿って欲しいんですの!!」
■シェン・トゥアール > 「おおっ…大丈夫。 慣れてる。」
ドアを開けた瞬間、拳が眼前に迫る。
ぴたりと拳が止まるのと、スウェーで回避しようとするのはほぼ同時だった。
「匿ってくれだなんて物騒な話だな。 わかった、話を聞こう。」
奥のソファを指し示す。 大きなソファにはぬいぐるみとクッションが鎮座し、
来客者を優しく出迎える気まんまんだった。
「…。」
特大サイズの鞄、そして衣装。出自はあとから確認すればいい。
それよりも気になるのは、自分を『おじさま』と呼んでくれたことだ。
嬉しい。 いやそうじゃなくて。 どこからその情報を手に入れたのか?
ガラテアだろうか? あるいは……転移前の世界とか。
いずれにせよ、脅威と見るのは尚早だ。
彼女のあとに続いて奥に移動しながらちょっとだけ集中する。
探偵の腕が唸る時が来た。
■ウィンドミル > 「……はっ、失礼なのだわ」
まずはそれを最初に主張すると決めていたのか、相手の反応で初めて促された方向に気付く
その視線の先にあるのは、相手の姿には良く似合い、外の環境では想像もできないような空間
少女の目線に疑問はない。外に置きっぱなしだった鞄を手に、持ち上げて進めて下ろす。そうして彼女は位置に辿りついたのだった
「こ、こんな時、どんな話をすればいいのだわ……」
対面する彼女は貴方を数秒見つめた後に目線を泳がせる
始めからそこに収まる事が正しいかのように
■シェン・トゥアール > 「そうだな…それならまずは自己紹介をしてくれないか?
君が何者なのかを教えてほしい。
なぜここに来たのか、それから…どこで俺を知ったのか。」
飛び込むことが目的でもあったかのような少女の態度に、焦らずに問いを続ける。
今はこの謎の少女についてきちんと確認すべきだ。
鞄の中身も気にはなるが…。少なくても時限式のなにかとかはなさそう。
義体に装備されたセンサでチェックした限りは。
「ああ、そうだ…人に言っておいて自分が名乗らないのは失礼だった。
俺はシェン・トゥアールだ。 君が探していた人物で合ってるかな?」
身を乗り出してから手を差し出し、にっこりと微笑みかけた。
やはりお客さんとは握手からだ。ふれあいは大事。色々なことがわかる。
■ウィンドミル > 「はわ……!!」
その対応、まるでアイドルと出会ったファンのよう
手を差し出されてると気付くまでの間、そして掴んで良いと気付いた時の素早さ
先程まで逸らしてた目線が完全に相手に固定される
その表情は後ろ暗いものを全く感じさせない、ニコニコ具合であった
「シェン、間違いないのだわ。ミルは、えっと、ウィンドミルで
何者かは言えない、もしもシェンがお家に味方したらダメなんだから!」
『何処で知った』、その話題には全力で首を横に振っている
勿論ニコニコな表情のまま、まともな精神ではありえない
「お金でなんでもしてくれるって聞いてるの
ミルの事を匿って欲しいんですの!!」
そして最初の言葉に戻る
■シェン・トゥアール > 「俺のファンかい? 嬉しいやら恥ずかしいやらだ。」
彼女が手を握ってくれたのに答えて自分も両手で彼女の手を握る。
傍目からみれば可愛らしい女の子二人が手を握り見つめ合っている構図であった。
「なるほど、ウィンドミル…ミルか。可愛い名前だね。 もちろん、可能な限り君の味方をするよ。
君自身が悪党でないなら、という前提ありきだが。」
情報の出どころを答えてくれない。 ゆっくりと頷く。
正体は掴めないが、名前からわかるものもあるだろう。心のメモに留める。
「むっ…金、金かあ…。 可能な限りは君の望みを叶えるよ。
少なくてもすぐに追い出したりはしない。約束する。
お客さんとして来て、匿ってくれという人を無碍にはしない。」
経営が心許ないのもあり、その言葉は魅力的だった。
ウサギの耳が興味深げにぴくぴくと動く。
「そうだな…君を匿う代わりに可能な限り質問に答えてほしい。
例えば…さっき俺のことを『おじさま』と呼んでくれたね。
この姿の俺をそう呼ぶからには、何かしらを知っているんじゃないか?
情報の出どころとは言わない、何を知っているかを教えてほしい。」
そっと手を握り、ずい、と前に出る。
じっと彼女の目を見やりながら”おねがい”した。
■ウィンドミル > 「ひゃわ……」
罠に引っ掛けられた、この手が繋がってる限り相手からは逃げられない!
思考がそこに追いついた時にはもう既に相手の目線が目の前
否応にも考える必要がある最優先事項へと繰り上げられる
さて、自身は『おじさま』の事をどこで知った、と
「おじさまは、おじさまだと……ずっと、言ってましたわ」
それは答えなのだろうか?でもずっと貴方が主張していた故と
ここまでたどり着いた過程で知ってもおかしくはない程度
けれど愛しのおじさま、そんな可愛らしい目で見られたら、ルミは……
鏡合わせのように顔が近付いてしまう。相手と同じ位前のめり
唇で唇を捕まえたくなるとはまぁ、情熱的な衝動というものだ
■シェン・トゥアール > 手を重ねた状態で、そろそろと彼女の手を、指を撫で触れる。
人間にはあるまじき、均一な美しい質感だ。
少なくても彼女の皮膚は人造のものであり…もしかしたら彼女も。
「そう、だれかが俺のことを『おじさま』であると君に…ミルに教えたんだね。
君はその名前を言えないわけだ…じゃあ、場所とかだけでも教えてくれないか?
その人達にどうこうしたいわけじゃないんだ。 君が安全であることを確認、し―――」
顔が近づく。 このまま彼女を口説き落とせる。
そう思っていたところで… 柔らかい感覚が唇に振れる。
驚きにウサギの耳がピンと立つと、そのままふにゃりと力が抜けた。
「……。」
次第に目尻がとろんとさがり、頬を染める。
唇を触れさせたまま、握手したまま手指を動かす。
彼女を”調べる”のではなく、触り心地を…彼女を味わうためのそれ。
■ウィンドミル > 正直、出会った瞬間から限界だったのは言うまでもない
星を見るように憧れてきた、情報の中だけの相手
シミュレーションはガラテアの中で幾度と行ったはずなのに、
その理知の瞳で正体が一枚ずつ剥がされそうになる
自分の所属とその『証明』で納得させてしまいたい
でもその瞬間に、1つの関係がぽとりと落ちてしまう
気付いてしまう。彼女に宿るメルヘンというものに
この『愛情』の基準は誰が設定したもの?作り物の瞳に光が戻る
今の不安定さを記録したい、でもルミには仕事があるの!
「ダメなのだわ!」
『初日の接触は控えよ』、数少ない肌の露出部を遠慮なく重ねましたが?
この扉をくぐる前の注意をリピート、排熱を含んだ息の濁流から逃れ
味わう為に緩んだ手を(彼女なりに頑張って)振り払った
「決まりですわね、おやすみなさいなのですわ!!」
鞄を持つ、そしてお辞儀。先程までえんやと運んでいたのは何だったのか
凄まじい駆け足で寝室の方に飛び込んで行こうとするのです
■シェン・トゥアール > 「…!」
彼女の声ではっと我に返った。
呆然としている間に、彼女は荷物を抱えて寝室に飛び込む。
追いかけることは出来なかった。
「あ、ああ…おやすみ。 大丈夫、ゆっくり休んでもらって…。」
頭を下げる彼女に声を掛けたあと、一人で頭を抱えた。
依頼人にちゅーしてしまった。 あまつさえ、どこか…同類に感じるような安堵を感じてしまった。
「っすー……」
深呼吸。 このまま寝室に行ったらどうなるかわからない。
とりあえずは彼女について調べよう。 端末の前に座り、コンソールを叩く。
名前:ウィンドミル。
年齢:9歳程度…?
種族:造物の可能性が高い。
持ち物:鞄。中身は未確認。
その他:唇が柔らかくてあたたかい。お耳が大きい。
こちらのことを誰かから教わっている?
そこまで書いたところで、無意識のうちに手が唇に触れていた。
彼女に大きな負い目を作ってしまったし、なんなら…さっきの柔らかさが、
頭に刻み込まれてしまった。 初めてというわけでもないのに、どうしてこんなに?
煩悶としながら過ごすことになるのだった。
■ウィンドミル > ~暫く経って~
寝室の扉がゆる~く開かれる。そこから見える相手の様子を窺うように
気配に気付けば分かる事。彼女は先程のゴシックドレス衣装からパジャマに着替えてるという事
そして衣装のふくらみが大幅にナーフされた関係上、一部の強調が強まってるという事
「おじさま、起きてるのかしら……」
夜も遅い筈、早く来たらいいのに。そしたら添い寝……
いやいや、調整が出来るのに!
これまでの状況を要約しよう。貴方はすごい目付きで睨まれている
■シェン・トゥアール > 「……。」
寝室の隙間から見えるシェンは、船を漕いでいた。
彼女への罪悪感、そしてなんともいえぬ感情にさらされ続けた精神はすっかり疲弊し、
結果的にエネルギー不足に陥っていたのである。
眼前で灯るモニタには、今回の依頼人…ウィンドミルの正体を探ろうとしたログが、
そして「可愛い」とか「女の子の好きそうなもの」であるとかそういった言葉が踊っていた。
「…むっ…」
視線を感じたのか、眠たげな表情で目を開き、ゆっくりと伸びをする。
普段一人であった空間に人を匿うなどもやったことがない。
彼女が好むには?安心して匿われてくれるには?
そして…危険な関係にならないようにするには?
そんな悩みが未だに頭の中で暴れまわっているのだった。
のろのろと立ち上がり、寝室へ赴こうとして……。
その奥に彼女が、ミルがいることを思い出す。
かあっと頬が赤くなり、うさ耳がぺたんと伏せられた。
ゆっくり深呼吸。大丈夫、俺はオトナだしプロだ。
依頼人に変なことをしたりするわけがない。
自分に何千回も言い聞かせながらゆっくりと寝室へと進み……。
「あ……。」
彼女と目があってしまった。
■ウィンドミル > 「うぐる……」
弱々しく立つ姿、顔を紅く染めて伏せる振る舞い
感情を直球で表す耳の形。そして自分と鏡合わせのような可愛らしさ
思わず喉が唸るのも無理はないだろう。おじさまがまるで獲物の様な……
「って。そんなぼーっとしないんですの!」
尻尾と耳が立つ。それより優先される使命があるのだ
お互いこうして見合っていては、夜が明ける方が先になる
先に動けたのは、自分の方だった
だから相手の腰に手を添えて、姫のように持ち上げる
機械が詰まった貴方の身体を難なく、である
彼女の咄嗟の行動は、ベッドに放り投げやすいからだった
実際にふんわりと沈み込むような感触を相手に与えるまで、そう時間はかからなかったのだろう
■シェン・トゥアール > 「…!」
唸り声と視線、その2つが体の動きを止める。
自分の電脳ではなく、ボディに…『ウサギの女の子』に組み込まれた何かが、
肉体を、そして精神にも干渉しつつある。
『ウサギは狼に食べられてしまうもの』『自分を捧げる』…
そういった導きがボディから押し寄せるも、電脳は必死に足掻く。
自分は人間で、ウサギでもない。彼女だって狼でもない。
自分の中での戦いに身じろぎできずにいたところで、急に体が浮いた。
「ミル…!? あの、あっ…ま、って…!」
ひょい、と優しく…女の子にやるような持ち上げ方でリフトされる。
反射的に相手の首に抱きつく。 これではどちらが女の子なのか…
『お姫様』なのかわからない。
そっとベッドに横たえられると、相手の方を見やって口を開いた。
「ミル、ミル……。」どこかすがるような、甘えるような声色。
そんな声が自分から出てしまうことが信じられなかったけれど、
憔悴仕切った体と精神のせいだ。 きっと。 そう思いたかった。
■ウィンドミル > 「べ、別に怒ってないんですわよ!」
元はと言えば自分の暴走が所以というのも放り投げて
相手が宥めるような甘い口振りを選ぶのも、もどかしい
真意というのはまだ一方的なもの。悪い事をしたのはこっち
そしてまた、延長の上で自分は悪い事を続けるつもり
仕事を果たせることが使命であり誇り。それが探偵の態度だもん
「おじさまは疲れてるのだわ。ちゃんとおやすむのだわ」
胸の前で掌を組んで、言い聞かせる
その形は祈るようでもあり、何かを抑えるようでもあり
■シェン・トゥアール > 「うん、よかった…。 依頼人に心配されてしまうとは、
俺もまだまだだな…。」
安堵のため息をつき、ゆっくりと深呼吸。
彼女の言葉が慰めとなり、じんわりと体に広がっていく。
考え続けての消耗は想像以上に激しかったのだ。
じんわりとまぶたが重たくなってきて、彼女のささやき声にのろのろと頷くのと、
まぶたが完全に閉じるのはほぼ同時だった。
すぐに静かに……彼女の目からすれば休眠モードに入ったことがわかるだろう。
静かに、満足げな表情で横たわっている姿は、ガラテア再現部の精髄が込められた…
まさしく等身大ドールのようでもあった。
■ウィンドミル > 「……な、何とかなったのですわ?」
きつく組み合わせていた手が解かれる
両手をだらんと下ろしたと同時に、きぃ、と聞かれれば『全て』を知られてしまう音がする
その所在の胸部の事は一旦放置、まずはやらなければいけない事がある
相手の休眠状態に顔を近づけて、思わずその匂いを嗅いでしまう事……ではなく
自身の首の後ろと相手の首の後ろに指を添える
貴方の『体』は正直なもので、おじさまの疑ってる事を先に確信してくれる
相互に露出されたコネクタを、1つのコードで繋ぐこと
そうして真夜中に行われた行為というものを知っているのは、
灯のない夜闇の満ちたの部屋で怪しい依頼人ただ独りだった
ご案内:「白兔偵探社」からシェン・トゥアールさんが去りました。
ご案内:「白兔偵探社」からウィンドミルさんが去りました。