2026/02/14 のログ
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁 青霧在の執務室」に青霧在さんが現れました。
青霧在 > 「度し難い……」

机に積まれたチョコレートを前にし、
脳裏に浮かんだ言葉がつい零れる。

ヴァレンタイン当日。
例年の如くチョコレートに囲まれた現状。
背後にもチョコレートの入った数個の段ボール。

今日は一日、自分の執務室で過ごした。
あの日負った死に瀕する重傷は既に癒えている。
とはいえ、治療時の魔術(前借り)の影響もあって万全といかず。
その説明を受けた同僚らに前線勤務を止められる日々。

今日は特に強く、ここ(執務室)にいるように言われた。
ついでなのだろう。
前線に出ないようにするついでに、ターゲットの一人(チョコレートを渡す相手)が動かないようにしたかったとか、
そんなところだ。

青霧在 > 「何をしてるんだろうな……」

天井を仰ぎ、呆れの言葉を吐く。
この執務室に籠っても、やる事など無い。
全くないという事はないが、
前線勤務の無い特別攻撃課が机に向かって出来ることなど限られている。
いつもなら降って湧いてくるような仕事(頼まれごと)も、あの日以降控えめだ。

―――早くかつてのような日々に戻って欲しい。
義務感で机に向かう日々は苦しい。
こんな日々に、役割の無い自分には価値がない。
これほどまでの評価(チョコレート)を受け取る価値など。

そんな考えが脳裏を過った辺りで、ぐっと呼吸を止める。

「いかんな……」

同僚らから受けるのは身体の心配ばかりではない。
気をしっかり持てと、心の心配も何度か。

……それほど、弱っているように見えただろうか。
それとも、刀匠が言っていた様にただの定型文なのか。

きっと後者だ。
後者であってほしい。

青霧在 > 「……何週目かな」

暇というのは、心を乱す。
こうして余計なことを考えてしまうのは、
暇を持て余しているからだろう。

それならば、暇で無ければ良い。
PCの開いているタブの一つをクリックする。

最前列に置かれたのはあの怪人……カタストロアについての情報。
既に何度か目を通したその情報に、改めて目を通す。

「節操が無い」

あの日の歓楽街、異邦人街、そして学生街。
自分、大神、そして公安。
未だ捕縛には至らず、被害者数は増加の一途。

「特定の個人を狙っている訳ではない……筈だ」

その場にいた人間へただ脅威を齎す。
その暴威に狙いがあるとするならば、
風紀か公安が既に突き止めているだろう。

青霧在 > 「『また会おう』か……」

あの日あの場所に居た委員が言っていた。
あの怪人は、俺に『また会おう』と言ったと。

同僚が言っていた。

もしかすると、また狙われるかもしれない。

「まさかな」

仮に狙われているとするならば、むしろ好都合だ。
言い訳をするようだが、あの日の俺は無防備もいい所だった。
何の備えも策も無かった。

狙ってくれるのならば、待ち構えることだって出来る。

「……考えるだけ無駄だな」

やはり、可能性は低い。
同僚の一部は万が一にでもと考えているようだが……

「……もっと有意義なことを考えよう」

視線をスクリーンから斜め下に逸らす。

そこにあるのは、チョコの山。

「………今年も神代に頼むか?」

昨年チョコを押し付けた後輩を思い浮かべながら、
深いため息を吐く。

「どうしたもんか」

ガラっと開いた扉から、チョコ大好き人間が「チョコをよこせ!」と押し入って来ないかと。
それこそ非現実的なことを考えながら、再度天井を仰いだ。