2024/06/05 のログ
ご案内:「学生街にある道場」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 >  
朝早く。

姉、が家にいないタイミング。
最近、通学は一緒にして、いない。
というのも、とある理由があって、姉の顔を見れないから、というのがあるのだが。

そのため、少し空いた時間に頭の整理をするために道場へ。

父は、今ではもう、ここにくることは反対していない。

ありがたいこと、だ。

「ふー…………」

正座をして、息を吐く。

学校へ行く、早朝の限られた時間ではあるが集中して。

目を開く。

「ふっ」

無駄な動作をしないよう、流れるように立ち上がり、「構える」。

構えない、ことが自分のスタイルではあるが、こうして基本を繰り返すことは大事だと思っている。

ーー実を結ぶかは、また別として。

ご案内:「学生街にある道場」に伊都波 悠薇さんが現れました。
ご案内:「学生街にある道場」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 >  
力を込めすぎず、左手の引き、右手の押し出しを同時に。

右手の振り抜きと同時に拳を捻って、瞬間力を込める。

ーーぱぁん

空気が、爆ぜる。

(うん、調子、いいかも)

そのまま、左手の押し出し、右手の引きに切り替える。

それを交互に繰り返す。

(新しい友達は、まだ、増えてない。松風、との約束だし、100人、がんばりたい、けど)

先日のことを思い出すと、気が重い。
でも声掛けはやめないように、しないと。
チャンスは、自分から、だ。

(それにしても、姉さん、最近、大丈夫かな)

心配だ。

伊都波 悠薇 >  
姉の実力は疑っていないし、人柄もそう。

自分なんかが心配する、ことは少ないが。

押しに弱いところ、不意に弱いところ。

ここだけが、悩みの種である。

(…………だから、キスされちゃう、とか)

先日、出会った先生のことを思い出す。
身のこなしが凄く、自分などではおそらく、手が届かない、かもしれない流麗な予備動作が見えない迅さ。
異能か、それとも修練の賜物か分からないが、スキンシップをたくさんしてきそうな、そんなイメージが、ある。

(……ホントにキスだけなのかな。流れに身を任せたら、するするとあれやあれやと、お姉ちゃんのことだからいいようにされちゃって)

ーー最近、自分が愛読している小説にもいた気がする。
大人の女性が、年したを雰囲気でながして、なし崩しで押し倒して。

69回目。

手から足の動作に切り替うようとして。

(いやいやいや、せつどある、こうどうはふうきいいんだからだいじょーぶ、でもあのせんせい、きっとけいけんほうふだし、あれやそれや、これとかもきっとできちゃって、おねえちゃんをてだまにーー)

頭の中では漫画一冊分の行程が想像できた。

現実世界での経過時間は、4秒にも満たない。

「あいたぁ!?」

その証明として、足の動作に切り替えたその一瞬でぼんっと頭が沸騰して、転んだ。

伊都波 悠薇 >  
「…………」

大の字で、道場の真ん中に倒れながら。
顔を手で覆う。

「…………うぅ、ふうきが、みだれちゃうよぉ」

乱れているのは、脳内だけだが、事実なら大変だ。

「やっぱり、きいてみよ」

気になる、ので。
帰ってきたら聞いてみることに、した。

身体が、熱い。

「しゃわー、しよ」

立ち上がり、いろんなものを流しに浴室に向かうのだった。

ご案内:「学生街にある道場」から伊都波 悠薇さんが去りました。