2024/06/16 のログ
ご案内:「Free5」にリョーガ・パレコルタさんが現れました。
■リョーガ・パレコルタ > ───────鳴火先生が写真を送ったのは彼も例外ではないだろう。
リョーガは屋上で記録をしながら、メッセージに気づいた。
『…ん、鳴火センセーからで?
一体なんの写真でい…』
メッセージを開いた彼が次にとった表情は…。
■リョーガ・パレコルタ > ───────無!
圧倒的、無!
思春期にあるまじき、無!
『…』
彼はメッセージを閉じて。
まあ記録に戻った。
■リョーガ・パレコルタ > しかしそれ以降は───暫く無表情だった…。
ご案内:「Free5」からリョーガ・パレコルタさんが去りました。
ご案内:「学園の屋上」にリョーガ・パレコルタさんが現れました。
■リョーガ・パレコルタ > 『…メッセージ位は返すかねい。』
リョーガは無表情で鳴火にメッセージを送る。
内容は。
■リョーガ・パレコルタ > 『鳴火センセー、疲れてんでい?』
■リョーガ・パレコルタ > それだけであった。
リョーガはスマホのメッセージを閉じ。
『…平和だねい。』
それだけをボヤいた。
ご案内:「学園の屋上」からリョーガ・パレコルタさんが去りました。
ご案内:「常世総合病院-個室」に五百森 伽怜さんが現れました。
ご案内:「常世総合病院-個室」にレナードさんが現れました。
■五百森 伽怜 >
白い病室。
少しばかり外に出ることはあっても、
今日も明日もまた、ここに戻ってくる。
あたしは、リハビリテーションを終え、個室で休んでいた。
毎日毎日、少しずつ。体が元通りに動くように、努力は怠らない。
痛みも、体が上手に動かないことでのままならない気持ちも、
日々心を蝕んでくるような気がする。
だからこそ、誰も居ない時だけは、ちょっとだけ重い気持ちと
向き合う時間を作るのだ。
端末を見ながら、横になって、
常世で起きている様々なニュースに目を通して行く。
その中には、新聞同好会の記事もあって。
何とも言えない気持ちが、胸の内側からこみ上げていた。
■レナード > 少年はある噂話を耳にして、まさかと思ってここまでやってきた。
居ても立っても居られない……そんな逸る気持ちだけが、
ここまで少年を動かした。
面会の可否なんかおかまいなし。
扉に鍵がかかっていたらどうしようという懸念だけで、
道中で誰かに見つかって、つまみ出されるような心配は一切ない。
時折見せる黄色い瞳は、壁の向こうにいる誰かの姿をよく映すもので、
今までそうして何度も潜入めいたことをしてきた実績があった。
事実、扉一枚隔てた距離まで、誰にも見つからずにやってきた。
生唾を吞む。
患者の名前がそこにあったし、噂に違いはなかった。
そうであってほしくないと思っていたけれど、事実は変えようがない。
ここまで来たのだから、もう引き返すつもりはない。
扉をそろそろと開ける。
どんな顔をして面と向かえばいいのか、迷いながら。
「伽怜」
個室の中にいるであろうあなたに、声をかけた。
■五百森 伽怜 >
病院外の人間の面会に関しては、原則断るようにお願いしていた。
病院側からも、あたしの特性上、トラブルが起きる可能性を考慮して、
なるべく病室での面会――特に1対1のそれ――は、断るようにお願いしていたのだ。
新聞同好会の面会希望だけは、ありがたく受け入れた。
彼らは新しいカメラを買ってくれて、病室に置いていってくれた。
沢山お金があるわけじゃないのに。そんなことしなくていいのに。
でも、気持ちは嬉しかった。
だから、いつもカメラを隣に置いていた。
情報の波を、閉じた。
あたしがベッドの上で寝ている間も、この学園は動いている。
何だかずっと後ろに置いていかれる気がして寂しかったけど、
早くよくなって追いつかなきゃ、という前向きな気持ちを
奮い立たせる。
そんな中、廊下に人の気配を感じた。
思わずそちらに振り向いて、目をぱちぱちとさせる。
自分の名を呼ぶその声には、聞き覚えがあった。
「……いッスよ、入ってきてくださいッス」
■レナード > もしここで帰れと言われたら、潔く踵を返すつもりだった。
ここまでやってきたことを知るのは、自分と彼女だけ。
来た時と同じように忍んで帰れば、彼女に何か起きたということもなく、
かけた言葉もただの気のせいで済ませられたから。
そんな覚悟も杞憂にしてくれた言葉に、伏し目がちだった顔を上げる。
わざわざ"入室を許可する"言葉をかける状況にあるにも関わらず、
返してくれたその言葉には、自分の存在を認知している雰囲気さえあった。
「……うん」
小さく頷いてから、そろりと部屋に入ってくる。
後ろ手に扉を静かに閉めてしまえば、多少の音は外には漏れ出なくなるだろう。
それでも隠せない緊張やら、色んな気持ちがない交ぜに、
音を立てない足取りで、おずおずとベッドの傍に近づいた。
「……久しぶり、だし」
目を見て話すことが、少しできないままに。
■五百森 伽怜 >
「お、お久しぶりッス!
そ、それにしてもよく分かったッスね、ここ……!
というか、あたしは何も聞いてなかったッスよ~!
びっくりしたッスよ~!」
精一杯の、笑顔で迎える。
驚きに、気まずさも多分にあったが、
何より心配をかけたくなかった。
会うのはいつぶりだろうか。
突如現れた眼の前の相手に、動揺は隠せない。
普段から人の目は見ないようにしているから、
それも加わって、かなり挙動不審になってしまっているかも
しれない。
「よ、良かったらそこにある椅子、座ってくださいッス」
色々と紛らわせるために、深呼吸する時間を作る為に、
一旦椅子を勧めることとした。
■レナード > 「ま、まあ、その、
お互い、色々と忙しかった、し……?
なんというか、物理的なすれ違いが多かったかなーなんて……
そ……そう、思うわけ!」
妙なテンションだ。
心配をかけまいとしてくれているのが、これでもかと伝わるから、
向こうの精いっぱいの笑顔に、こちらもつられて必死に繕って。
その場しのぎの言葉をいくつも紡いで、声をかけあった。
「……じゃ、じゃあ、お邪魔するし」
そういえば立ったままだったっけ、言われてやっと気づくくらい。
傍にあった椅子に目をかけると、いそいそと向かってそこに落ち着いた。
少しくらいなら、長居してもいいのかな、などと。そんな期待も少しだけ。
「…………ふう」
こうして腰を落ち着けて、やっと逸る気持ちにも一区切り。
お互いに深呼吸できるだろう頃に、漸く言いたかったことを口にできる。
「会いたかったし」
できれば、もっと違う場所、違う形で。
その言葉は口にしなかったけれど。
■五百森 伽怜 >
「そ、そッスね……!
忙しかったッスよね! そりゃ、そッスよ……ね!」
一生懸命気を遣おう、気を遣おう、すればするほど。
何だか不自然になってしまう。
いつもだったら上手に出来る気遣いも、今日ばかりは、
この相手ばかりは上手にいかなくて。
「ど、どぞッス……もー、ばんばん座っちゃってくださいッス!」
あははー、と。
椅子に座る彼からは視線を外しつつ、
裏返りそうな声色を何とか保ってみせた。
「……そ、ッスよね。
申し訳ないッス。再会がこんな形になるなんて……」
相手も同じことを思っていることだろう。
病院のベッドの上で再会なんて、惨めだった。
■レナード > 「き、気にすんなし……っていうのも、変だけどさ」
読まれてる。
でも、それも不思議ではないとばかり、話を繋げる。
考えてることなんて、案外彼女には筒抜けなのかもしれない。
……だったら、この機会に。
「なにがあったか、なんて……
今の状況を見て掘り返すつもり、ないわけ、だけど」
傍目にさえ見える、全治ンか月の大怪我の類。
そんな何かに巻き込まれるなんて、
この世界では割とありうる話かもしれないけれど、
身近な相手であれば誰だって話は別だろう。
ただその具体的なことを今更、掘り返す真似はしない。
思い出したくないこともあるだろうから。
「そのとき、キミの傍に僕がいたら、何か変わったかなー……なんて。
そう、思ったり……するわけ」
いつの間にか、彼女の顔を、目を見ながら。
ぽつりぽつりと、淀みつつも穏やかな口調で言葉をかける。
いたところで、同じ目にあって二人ベッドの上だったかもしれない。
居るだけ無駄だったかもしれないし、
多少怪我の具合が変化しただけかもしれない。
自分に、そんな強者の力は備わっていないのはよくわかっている。
「もっと伽怜の傍にいたかったなー……なんて、
そう、思うわけ」
これは後悔だ。
こうなってしまわなければ、もしかしたら出てこなかったかもしれない。
ここまでしないと腰が上がらなかった自分への戒めでもあった。
■五百森 伽怜 >
「……」
彼の話をただ無言のまま、聞く。
見せていた笑顔はいつの間にか消えていて。
ただ、彼の言葉選び、声色に多くのあたたかさを感じ取って。
表面にない、心の内側も少し元気が出てきた。
「もー、もしもの話、なんてしだしたらキリないッスよ~!
あの時は仕方がなかったッス!
あたしが悪かったッス! それだけの話ッスから!
次からはあたしも、もっと気をつけるし、だから――」
両の掌を、わたわたと振りながらレナードの言葉を否定するように話す。
自分が居たらなんとかなったかも、なんて。
そんなこと言い出したらキリがないし、
あたしのせいで起きたこのことの重みを、
なるべくなら少しでも背負ってほしくない。
そう思った。
「――あ……」
わたわた、と繰り出していた言葉の波が、途絶えた。
『もっと伽怜の傍にいたかった』。
その言葉で、全てがフリーズして。
「えと、その……あの……」
再び、わたわた。
ちょっと顔が赤くなってるかもしれない。
いつもより余計に、顔を逸らした。
「あたしも頑張って早く足を治すッスから……
そしたら、一緒に何処かへ遊びに行くッスよ。
あたし達は2年生なんスから、
学園生活は……まだま続くッス!
そうッスよね?」
そこまで口にして、少しだけレナードの方へと目を向けた。
ほんの少しだけ。
■レナード > 「…………」
きっと、背負ってほしくないなんて、思っているんだろうし。
でも、僕はあの時、一番つらかった時に傍にいてくれたキミに救われたから。
同じように、返したいわけ。
その言葉は、自分の言葉をわたわた慌てて否定したり、
そうかと思えば赤くなった伽怜を、暖かく見守る感情の内に伏せておく。
「ん」
お互い、まだ2年生。
これからを過ごすのに時間を費やしすぎたわけでもない。
別れが近い、わけでなし。
一緒に何処かに遊びに行こうという言葉に、小さく首肯して。
「互いの知りたい色々は多いはずだし。
まあ、まだまだ時間はあるから、これから知っていけばいいし。
そんな僕はまだ、伽怜の隣にいたいと、そう思っていいわけ……?」
ちらと視線を向けてくれたのを、逃しはしない。
瞬き一つ見せない蛇は、じぃと貴女を見つめている。
■五百森 伽怜 >
「……それを否定しちゃうようなあたしなら、
あの時、あんなことしなかったッスよ」
それは、レナードが遠くへ旅立とうしていた時の話。
その影を探して、探して、探し求めて。
世界で一番短い恋が始まって、終わった時で。
でもそんなちっぽけな恋を、もう少し延ばしてみたい、と。
眼の前の相手が言うのなら。
「それ、いちいち確認する必要あるッスか?」
諦めたように、あたしはレナードの方を見た。
そこで、ここへ来て初めて蛇と視線を交わし――。
「いッスよ、隣に居たいって。そう、思ってくれても」
精一杯の笑顔なんかじゃない、自然な笑顔。
それだけ口にするのだった。
■レナード > 情けない話だけど、ここまできたらもう全て洗い出しておきたかった。
自分にその資格は、まだあるのかな、なんて。
そんなのを聞くこと自体、恥ずべきことと知りながらも。
「……うん。
うん…………」
その言葉が届いた胸の内、じわりと溢れる暖かさに、目を瞑る。
どうやら自分は、その恋に浸っていていいらしい。
「……なんとなく、伽怜を抱きしめたくなったけど、
こんな状態でやったら悪化しちゃうとよくないので、
それは退院してからに取っとくし」
などと、そういう立場らしい冗談を口にしながら。
「……今後とも、よろしく」
ふわりと柔らかい笑顔を、貴女に向けよう。
■五百森 伽怜 >
「あはは、流石に退院延期は避けたいッスね……」
冗談には冗談で返し。
ああ、気持ちがいいやり取りだ。
梅雨の時期だというのに、窓の外からは涼しげで、
穏やかな風が吹き込んできていた。
「うん、よろしくッス。
夏休み、楽しみにしてるッスよ」
柔らかい笑顔には、太陽のような笑みを。
そっと、返すのだった。
ご案内:「常世総合病院-個室」から五百森 伽怜さんが去りました。
ご案内:「常世総合病院-個室」からレナードさんが去りました。