2024/09/12 のログ
ご案内:「Message」に蒼き春雪の治癒姫さんが現れました。
■蒼き春雪の治癒姫 > 蜘蛛の糸を握った、道中。
蒼い雪は
自らを助けるといった少女から、
少しだけ時間をくださいと離れた。
端末を握りながら、
このメッセージを送るか、
いや、送るべきではないだろう、
と延々と思索していた。
■蒼き春雪の治癒姫 > (送るべきじゃ、ないんだろうな。)
(でも)
(知って、欲しいな…緋月様…)
そ、っと、
迷ったメッセージを
全消去しようとして…
「あっ…」
■@MeltedSnow >
【To:緋月】 【From:蒼雪】
【Message:
もしかしたら紅き屍骸から、本当にただのおばけになれるかもしれない!】
■蒼き春雪の治癒姫 > しまった。
手が震えて
送信を…
押してしまった…
まずい
まずいまずいまずい
■System >
メッセージは削除されました。
■蒼き春雪の治癒姫 > (……見られて、ない、よ、ね……。)
ああまったく。
どうしてくれる。
助かる可能性なんてチラつかされたから。
未練がいつまでも
いつまでも
消えなくて
こんなこと、しちゃったじゃないか……。
ご案内:「Message」から蒼き春雪の治癒姫さんが去りました。
ご案内:「『数ある事務所』地下の医療ラボ」にDr.イーリスさんが現れました。
ご案内:「『数ある事務所』地下の医療ラボ」に蒼き春雪の治癒姫さんが現れました。
■Dr.イーリス > 図書館にて、イーリスはちゆきさんと出会った。
紅き屍骸化により殺害欲に支配されようとしているちゆきさん。
イーリスには、まだ殺害欲に支配されきっていないちゆきさんならば、完全感染していても治せるかもしれないとちゆきさんに提案した。
紅き屍骸の完全感染は、まだ治療の方法が判明していない。なにせ、完全感染した者は死んでいる故。
だがイーリスは長く紅き屍骸の研究をし続け、完全感染の治療法を限定的に編み出した。
普通の紅き屍骸を治療するのは無理でも、ちゆきさんのように殺害欲に支配されていない紅き屍骸なら治療可能かもしれない……。
試した事は一度もない……。それなりに成功率はあると思うけど、同じぐらい失敗する可能性もあるだろう……。
イーリスは『数ある事務所』の地下三階、医療ラボにちゆきさんをお招きした。
ベッドや様々な医療用機械、クローンが入ってそうな大きな試験管などが置かれている様は、病院にもラボにも見える。
事前に、ちゆきさんには出来る限り紅き屍骸の情報共有から遮断できるのであればしてほしいとお願いしている。
それが不可能、あるいは何らかのリスクがあるなら無理にとは言わない程度のお願い。出来る事なら、屍骸にラボの情報は知られないに越した事はないが、今はちゆきさんの治療が先決だ。
そのお願いで実際にどうなったかはさておき、イーリスのやる事は変わらない。
ちゆきさんには丸椅子に座っていただき、イーリスはPCのあるデスクの椅子に座っている。
「ここが私のラボです。それでは、具体的な治療法をご説明させていただきますね」
PCのモニターに、人体のイラストが映る。
「基本は、あなたの体内に新たなに疑似的な紅き屍骸の感染源を大量に注入する事で、それらがあなたの元々あった感染源を浸食し、上書きしていくという方法を取ります。この疑似的な紅き屍骸の感染源というのは、殺害欲が発生する事もないですからあなたの理性が失う事もありません。私が紅き屍骸を研究して、開発した感染源ですね」
そう微笑みながら口にしていく。
モニターには、人体に『元々あった紅き感染源が、それよりも大量に注がれた疑似的な紅き感染源に浸食されていく』映像が映る。
■蒼き春雪の治癒姫 > 図書館で出会った少女に連れてこられた。
ここは、落第街、なんだろう。
……知っている。彼女はストリートチルドレンであるという事も。
道中お願いされた事は、うまくいったかどうかは…今はわからない。
して。
蒼い雪柄の着物を纏う亡霊を騙るモノは、
丸椅子の上に座って、映像を見ている。
「……つまり、今ある殺害欲を齎すものを、上書きして、
殺害欲を持たない存在に生まれ変わらせる…無害化ってこと?」
何だか、意外と現実的な方法に感じられた。
そして、―――いけるんじゃないか、と思ってしまった。
「凄いね、貴女」
―――もしも、そんなことが出来たのならば。
そして、その可否はさておいて。
■殺害欲 >
"こんな研究をする存在、やっぱり紅き屍骸としては放ってはおけない"
"こいつは今すぐ殺すべきだ"
"殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ―――"
■蒼き春雪の治癒姫 > 「…ああなんでもない。早くしてくれると嬉しいな。」
■Dr.イーリス > ちゆきさんに頷く。
「そうなります。紅き屍骸になった以上、死者である事は残念ながら覆りません……。しかし、新たに疑似的な紅き感染源を注入する事で、少なくともアンデッドで存在し続ける事は可能です。お褒めいただきありがとうございます」
紅き屍骸は死者……。死者の蘇生はできない。
感染源を排除しても、アンデッドでなくなれば待ち受けるのは本当の死なのかもしれない。
だが別の観点から見れば、治療法を編み出せる。
無害化した紅き感染源を注入すればいい。
「……出来る限り、ご説明を手早く進めますね」
心配げにちゆきさんを眺める。
あまり遅くなりすぎると、ちゆきさんが殺害欲で支配されてしまう……。
「問題点も存在していまして、私が開発した紅き感染源は人体には感染しないという事です。機械に感染する感染源ですね。ただし、その感染源は改造人間である私にも感染させられます」
モニターの映像にある人体から、一旦紅き感染源が消える。
「つまり、あなたの体に機械を埋め込み、改造人間に近い体になっていただかなければいけません」
■蒼き春雪の治癒姫 > 「え、え、え、えええーーー」
「改造人間。機械を埋め込む。」
その説明を聞くと流石にビックリしたというか、
こまったような顔になった。
改造人間に近い体って。
「それ大丈夫なんでしょうね…」
「元に戻る…?いや」
「もうおばけの時点で元に戻るも何もないか…」
それはまあ、そうだろう
ハイ、治りましたなんて魔法みたいなものではない。
寧ろ、よく考えると…
そういうリスクがあり、
悪い工程を踏まえなければならないというのは、
余程、現実的だった。
普通は考えさせて、っていうべきだろうに、
そんな時間すらもうない。
「なるべく早くやって。」
「後もし失敗したら、後遺症がないように、出来るだけ残らないようにして。」
詳しい話は置いといて、
出来る限りリスクを排除して…
続けるように。何故、こう要望したのかといえば。
■蒼き春雪の治癒姫 >
「"死に方"くらいは自分で選びたいから。」
■Dr.イーリス > 「その……治療できるという事を伝えたくて、あなたの体の機械化の説明が今となり申し訳ございません。そこまで都合の良い治療方法はそうないです……」
ぺこり、と眉尻をさげて頭をさげる。
「今回は本格的な人体改造ではなく、あくまで緊急的にあなたを簡易的な改造人間にするだけで済ませます。つまりは取り返しがつく方法を選びます」
机の引き出しから瓶を取り出す。
そこには銀色の液体が入っている。
「大量のナノマシンが入り乱れ、液体状になっているものです。あなたの体にこの液体を多く注ぐ事により、ナノマシンがあなたの骨や内臓などにこびり付いて簡易的な改造人間にする事が可能です。それらナノマシンは私がコントロールできるようにしておきますので、外への排出も可能ですね。いつでも元の体に戻れます」
“死に方”は自分で選びたい、その言葉の尊重。
何かあってもナノマシンをちゆきさんの体内から排出すればいい。
「あなたの体内に注入するナノマシンは医療用。感染源をあなたに流し込んだ後の感染状況や健康状態のチェックに役立ちます」
感染源を流し込んで終わり、というわけではない。もしこの治療法が成功したとして、しばらくは感染状況や健康はチェックしていかなければいけない。
なにせ、初めて行使する治療法だ。
「この治療法において実際に体を改造する方が良くはあるのですが、そこは治療に成功した後に考える時間はいっぱいあります。今はとにかく、早急な治療が大切でございますからね」
■蒼き春雪の治癒姫 > 「凄い怖い事言ってるような気がするんだけど…」
「なに、骨とか内臓とかにこびりつくって。」
「最悪まあ。どうとでもなるんならいいか…」
「感染状況、健康状態のチェック……そんなものまで。」
流石Drというべきか、聞こえてくる言葉はずいぶんとマッドでサイエンスな気がする。
それでも、此方の意図は伝わったようだ。
取り出された液体を見ながら…
今更おかしなことをするような子ではないだろうし、
その言葉を信じるとしよう。
……いや。
「ちょっといい?」
「貴女の事を信頼してないわけじゃないけど……」
「それやる前に、何も聞かずに、」
「貴女の鮮血を、私に頂戴。」
「くれたら、すぐに治療してもらって構わない。」
…何故求めるのか、理由の説明はしなかった。
■Dr.イーリス > 「骨や内臓にナノマシンがこびりつき、慣れるまで痛いですが、麻酔うちますので我慢です……!」
ちゆきさんにとっても楽な治療法ではない。
麻酔うつので、痛いのは多少耐えていただくしかない……。
イーリスが提示する治療法はマッド感あるが、手術を筆頭に医療というのは患者が怖いと思う事をしなければいけない事も多い……。
「鮮血、でございますか?」
きょとんとする。
「別に構いませんが、注射器で抽出した血液を試験管に入れてお渡しすればいいですか?」
■蒼き春雪の治癒姫 > 「ああいや、痛みとか苦痛は消すのは慣れてるんだ。治癒姫、だしね」
「前もってどんなことするか知ってたら全然平気。種族柄でもある。」
もとから、そういうのが専門分野だということにしていた。
痛覚から苦痛の取り除き、回復に至るまで多岐にわたる。
「良いよ、それで。」
「色々と必要だから、すぐ使わせてもらうけれど。」
少なくとも、この子の血液を啜っておけば、
最悪の事態は免れられるだろうって思って。
■Dr.イーリス > 「なるほどです、確かに《治癒姫》とも呼ばれているならそこは心配いらなさそうですね」
痛みを与える事に関しては、大丈夫そう。
空の注射器を取り出し、そして自身の血液を採血。
綺麗な試験管に注ぎ、それをちゆきさんに差し出した。
「どうぞです。私の血液をどうするのでしょう?」
首を捻る。
突然、鮮血が必要と言われても、説明も特になかったのでなんだか分からない。
だが必要という事は、ちゆきさんにとって意味があるものなのだろう。
ちゆきさんの異能、ブラッドアーカイブ・フェイクが発動してもイーリス自身に異能や魔術はない。
だがイーリスの“優位性”と言えるのはものはある。異能や魔術をも科学に取り入れた独自技術、それを編み出した奇想天外な頭脳になるだろう。
■蒼き春雪の治癒姫 > 聞かれて、逡巡。
「――まあ、いいか。」
どうせ。
助かったならこの子は恩人。
助からなかったなら私は消える。
喋ったところで、困る事はなかった。
「私ね」
「人の血液を啜って他人の持つ優位性の贋作を手に出来るんだ」
「本当の異能は治癒なんかじゃない」
「誰かのニセモノにしかなれない」
「誰かの代わりにしかなれない」
「誰かのマネしかできない」
「紅色贋作記録、それが私の持つ力。」
――おかげで。
なりたい自分なんて、見つからないまま死んでしまった。
「貴女の血液啜っておけば、今から何をされるか、知恵を得られるかもしれない。」
「そうなれば、最悪の事態を逃れられるだろうって思ってね。」
そう言いながら、差し出された試験管を傾けて、採血された鮮血を啜った。
試験管を返すと。
「汚して悪いね」
「さ、どうぞ?治療を始めて?」
■Dr.イーリス > 「血液を啜る事で、優位性を得られる……あなたにそのような異能があったのですね。治癒も、その紅色贋作記録によるものという事になるのでしょうか」
そんな異能を聞けば、イーリスは驚いてしまう。
だがすぐに、微笑みに戻った。
「私も似たようなものです。誰かの、何かのニセモノから科学力で別の何かへと昇華していく、私もそのような方法を取る事があります。ニセモノや真似事でも、探求はできます。私の好奇心は、ニセモノから始まった研究でも満たしていきます。満たしても満たしても、次の知識や研究を求めてしまうのが私の好奇心なんですけどね」
にこっ、とイーリスは笑みを浮かべた。
「ニセモノでもそれらを搔き集めてオリジナルに昇華していければ、あなたらしさを見つけられるかもしれません。治療が成功した後、もし私の血で得た優位性であなたがあなたらしさを見つける要素の一つになれたなら、私はとても嬉しく思います」
そう口にして、イーリスは立ち上がった。
ちゆきさんにも、ベッドの方に移るよう促す。
「それでは治療を開始します。ご説明の通り、まずあなたの体にナノマシンを注入します」
ラボの端で待機していた助手を務める《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅲ》が、点滴棒をいくつか持ってきて、ベッドの傍に置く。点滴袋には、先程ちゆきさんに見せた銀色の液体が入っている。ちゆきさんが寝転んでくださったなら、イーリスは点滴の準備。
痛みを抑えるよう麻酔の注射をまず打ち、複数の点滴針をちゆきさんの四肢に刺しこむ。
■蒼き春雪の治癒姫 > 「――そう。」
「まあ。」
「本当のところは」
「自分が自分であるって証に治癒の異能だと偽って」
「ヒーラーという自己を作って、確立していたに過ぎないんだ」
死後の独白。
「そんなんだから、」
「貴女は、」
「――化け物共を相手に、何度もひどい目に遭い続けても立ち上がったんだろうね。」
道理で、おそれられるわけだ。
「探求か。」
「貴女の知恵で、そういう事をしてみるのも…良いのかもね。」
改めて自分を見つめなおすきっかけにはなるのかもしれない。
もっとも。
成功すれば、だけれど。
「―――では。お言葉通りに。」
「えぇ、これがさっきのナノマシンだね。」
ベッドへ寝転がる。
血液を啜ったからだろうか、これから何をされるか、
治療の過程が上手くいっているか、なんとなく流れがつかめてきた気がした。
そのまま、されるがまま、治療は進む。
■Dr.イーリス > 「そういう事でございましたか。《治癒姫》も、あなたがあなたでいるためではあったのですね。ふふ、私は《治癒姫》であるあなたは、あなたであるのだと思いますよ」
そう笑顔で口にしてみせる。
「弱くても立ち向かえる方法はありますからね。化け物に負けてなんていられません。私の血で、あなたも知的好奇心が擽られましたか? 探求するのはとても楽しいですし、生き様にもなりますよ」
底が見えなさ過ぎて満たされる事がない探求心。探求していくのは、とても楽しい。
そうして治療が始まる。
ナノマシンが注がれて、それらが骨や内臓にこびりつきち、痛みを押さえる麻酔があってもちゆきさんは痛い思いをするかもしれない。
そこはちゆきさんご自慢の治癒で耐えていただきましょう。
そうして一時間後。
イーリスは苦しみに耐え抜くちゆきさんを鼓舞していたかもしれない。あるいはちゆきさんの治癒が凄くて、普通に雑談して過ごしたのかもしれない。
ともあれ、ちゆきさんの簡易的な改造人間化に成功する。
「これであなたは、疑似的な改造人間になりました。では治療を次の段階に進めますね」
■蒼き春雪の治癒姫 > 苦痛を抑えるという方面では、群を抜いている。
故に不死身の軍団なんて言われてた事もあった。
そういうわけで、意外や意外かもしれないが、普通は大変な事になろう治療も、
のんびり雑談をしながら、ベッドの上で先の注射を受けたりしていた。
「ええ」
「ええーっと」
「これで状況観察できるようになったわけだから」
「次がいよいよ本番、殺害欲のないモノにするってわけ」
「…あってる?」
内心では、そうあってほしいと思っている。
一刻も早く、上書きの工程になってほしい、と。
そうなったなら、抑え込んでいるこれが、
楽になるだろうから。
■Dr.イーリス > ちゆきさんとイーリスはのんびり雑談しながら一時間過ごした。
イーリスもちゆきさんの治癒能力にびっくりしていた。
「はい、その通りです。殺害欲のない疑似的紅き屍骸の感染源をあなたに流し込みます。それでは、紅き屍骸の感染源を流し込むため、私も紅き屍骸になりますね」
そう口にすると、イーリスの様子が変わった。
紅き文様が浮き出て、右目が紅く光っていく。
ご案内:「『数ある事務所』地下の医療ラボ」からDr.イーリスさんが去りました。
ご案内:「『数ある事務所』地下の医療ラボ」に紅き機械ノ女王さんが現れました。
■紅き機械ノ女王 > その外見は、かつて王熊がイーリスに呪いをかけられた姿、イーリス・ロッソルーナのもの。
そして、呪いと紅き屍骸の研究の末に辿り着いた禍々しき紅き屍骸の姿。
王熊の呪いを解析して、そしてイーリスが自分で自分にかけた強烈な紅き呪い。
その呪いにより、イーリスは疑似的な紅き屍骸となり、そしてこの姿になった時は機械に感染する疑似的な紅き感染源を操れるようになった。
「…………ぐ……」
紅き呪いの苦痛で一瞬膝をつくも、すぐに立ち上がる。
「これで、私も紅き屍骸になりました。疑似的ではありますが、あなたと同じです」
その笑みは普段通りだ。だが外見がどこか邪悪さがあり、その笑みもどこか禍々しいものに見えてしまうかもしれない。
■蒼き春雪の治癒姫 > 「……驚いた。」
それは。
殺害欲に飲まれる、紅き屍骸そのものの姿。
否
紅き屍骸の中でも、とりわけタチの悪い分類。
伝説クラスの化け物。
右目が輝いた状態で笑う姿は、
殺害欲に乗っ取られて狂ったような気すらする。
「紅き屍骸の私が言うのもなんだけど……正気じゃないね。よくこんなものを、自分から。」
■紅き機械ノ女王 > 「色んな人達の助けがあって紅き月輪ノ王熊の呪いが弱まり、逆に呪いを逆利用して解析できるに至りましたからね。使いようによっては、紅き感染源も役立てます」
イーリスは一旦机の方に歩いていき、そして紅い液体が入った注射器を取り出す。
その注射器を自身の首筋に打った。
「それでは治療を続けますね。あなたに直接、この私《紅き機械ノ女王》の感染源を注ぎ込みます」
邪悪ににこっと笑うと、先程の紅い薬品の効力なのか、イーリスの前歯二本がまるで吸血鬼のように鋭く尖った。いつものように笑っているつもりだが、邪悪に見えてしまう。
「痛い! うぅ……下唇噛みました……。気をつけなければいけないです……」
鋭くなった前歯が下唇に刺さり、コミカルな雰囲気で泣いていた。
だが気を取り直して。
ちゆきさんをそっとベッドから起こそうとする。
「あなたの首筋から、感染源を流し込みます。覚悟はよろしいですか?」