2024/10/05 のログ
ご案内:「委員会合同慰安旅行 - 宿泊部屋」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
温泉から戻ってそれなりに時間が経った頃。

「───、ん…ぁ……うとうと、してた……?」

ちょっとはしゃいで、疲れてたのかもしれない。

宿泊部屋、妹と、紬さんとの三人部屋。
趣のある庭園の覗ける窓際のソファにかけてのんびり涼んでいたら、気がついたら少し寝ちゃっていたらしい。

涼しげな浴衣に、普段ポニテの髪をさらりとストレートに流した姿はちょっと新鮮。かもしれない。
何気に外へと視線を向ければ、ガラス戸に反射する自分の顔。
目元の泣きぼくろが反転して映って、…ちょっと前髪を片目に被せてみると実に妹に似ている、そんな手遊び。

妹は、悠薇は。
この旅行に来て、良かったと思ってくれているのかな。
宴会場でテンションがあがってしまって、逃げちゃうようなことをさせてしまったから、少し申し訳ない…。

ご案内:「委員会合同慰安旅行 - 宿泊部屋」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 >  
「おはよ」

机の上、変わり映えしない制服に身を包みながら部屋にある座椅子に腰掛けて、本を読んでいた。

いつもの、と言われるとそうだけれど、今日は『もうひとり』がいるから、やっぱり少し心持ちが違って。

「昨日、あんなにはしゃぐから、疲れちゃったんじゃない?」

てい。
じゃれるような、口撃。
別に怒ってはいないけど、これくらいは許される。

「まぁ、はしゃいでたのは、二人ともな気もするけど」

伊都波 凛霞 > ソファにかけたまま、視線を窓の外から部屋へと向けて、
 
「おはよ。ずっと本、読んでたの?」

はしゃぐから、なんて言われるとちょっと照れくさそうにはにかんで。

「折角の慰安旅行だしね。少しくらい羽目外したっていいじゃない。
 ──ていうか悠薇、まだ制服のままなの?浴衣、悠薇の分もあったでしょ?」

着付けてあげようか?なんて。
折角の温泉旅館、肩ひじ張らない格好でのんびりしてほしいなと思ったけれど。

「ふふ、黒條さんも確かに結構はしゃいでたかな」

あの場の、一部のちょっとヤな雰囲気を見事吹き飛ばしてくれた。

伊都波 悠薇 >  
「うん。おねえちゃ……こほん。姉さんが、すやぁってし始めた辺りから、かな」

本を閉じて立ち上がり、鞄のなかにしまって、部屋のなかにある、急須を手に。

「お茶飲む?」

声かけながら支度。

「悪いとは言ってないよ。姉さんって、みんなの前だとあんな感じなんだなと思っただけ」

お湯を急須に、注ぐ。

「いえ、セイフクデイイデス」

片言。制服以外であんなにたくさんの人の前にいるのは、レベルが高い。
せめて、スウェット、くらいだ。

「……そうだね」

姉さんとは、違う方向で暴れてたかも、なんて。
心のなかで付け足した。

伊都波 凛霞 >  
「もう、お姉ちゃんでいいってば。…あ、飲む飲む」

無礼講の慰安旅行、堅苦しく呼び方を変えなくても良いのに。
それはそれとして、お言葉に甘えてお茶はいただこう。

「あれ、そっか…こういうのに悠薇と一緒に参加するのって、学園に通い始めてからなかったっけ…」

ちょっと新鮮に映ったりももしたんだろうか。

「えー…悠薇の浴衣姿みたいみたーい、みたいでーす!
 他の人に見られるの恥ずかしいなら部屋の中だけでもいいから~~~」

珍しくおねだりモードである。

伊都波 悠薇 >  
「……やだ。恥ずかしい」

ぶんぶん。首を横に振った。なにより黒條さんには、知られているけど、子供っぽいと思われたくない。

「うん。結構バラバラだったからね。だいたい、家くらいじゃない? 一緒なの。かわいかったよ、はしゃいでるの」

それはそう。周りの評価のことを考えても同じところにいることは少ない。
だから、妹いたの? と言われるレベルだったのだから。

にこにこで、お茶を渡す。
熱いから気をつけてね、と。

「……えー」

珍しい。姉が駄々っ子だ。

「じゃあ、約束してくれるならいいよ。ひとつ」

良いタイミングだ。旅行終わってからとも思ったけど。

今のうちに渡してしまおうかなどと、思い付いて。

「……とある、プレゼントあげるから。旅行終ってから。私がいないときに一人で『聴いて』」


伊都波 凛霞 >  
そう気にしなくてもいいと思うけどなぁ、なんて思いながら。
そんなに恥ずかしいことなのかなぁとも…。でもきっと、妹の中で色々あったり、変わってきたのかなとも思う、

「そっか。そうかも…」

お茶を受け取る…。
涼んだ後の身体にその熱さが心地よい…。
確かに、学園に通うようになってからは家で一緒にいるくらい、だったかも。
委員会活動も忙しめだったし、休日も学園の仲間と遊ぶ時間が増えた。
殆ど毎日自宅で顔を合わせて姉妹の時間もあったりしたから、逆に気づかなかったな、なんて。

「お…なになに、条件なんていくらでも飲んじゃうよ?」

条件付きながら浴衣に着替えてくれるらしい、テンションが上がる。
しかも約束っていうのも──。

「プレゼント?悠薇から私に…?」

なんだろう、しかも悠薇がいないところで、なんて。
不思議そうに目を丸くして、首を傾げていた。

伊都波 悠薇 >  
気にする。姉だけならよいが、今日は二人ではないのだ。

学年が違うし、姉は人気者だ。
学内でだいたい誰かといるし、一人のときは本当にひとりでいたいときだ。
自分も自分で、側にいこうとか思ったことはない。

迷惑、かけるときもあるから。

「うん。約束できる? できるなら、着付けて? 着たことあんまないから、やりかた、わかんないし」

お茶を机の上において、両腕を横に。
たけとんぼー、のポーズ。

好きにして、のポーズだ。

伊都波 凛霞 >  
姉としては、学園内でも妹と一緒にいるのは吝かではない。
お昼を一緒に食堂に…なんてことはあったりもしたけど、意識して一緒に過ごすことは確かになかった。
姉妹や家族なんて、でもそんなものかもとも思っちえたし、家では普通に仲良くできていたから。
仲良し姉妹、だからって四六時中一緒にいるとは限らない。
姉のほうは、別に一緒にいたって全然良いのだけど。

「──うん、約束する。
 悠薇がいない時に一人で、でいいのね?」

任せて、とウィンク。
それは約束と、着付けと、両方の意味。

そう来たなら、後はお任せ。
部屋の椅子の上に置いてあった悠薇の分の浴衣をとって、制服を脱がせて、皺にならないように丁寧に折りたたんで…。

「──悠薇も女の子らしくなったなーって改めて思うなぁ」

縮こまったりしているから目立たないだけで、スタイルも悪くない。
ほんとに、自分が男の子だったら絶対放っておかない。

「髪は、いつものままでいい?」

しゅるしゅると、部屋に聞こえる絹擦れの音。
何でもそつなくこなしてしまえる姉。浴衣くらいなら着付けも実に手際よく。
下着のラインも出ないタイプの浴衣でよきよき。きゅっと最後に帯を締めて…できあがり。
実に涼しげ、温泉旅館に相応しい可愛い妹の出来上がりだ。

「よし!かわいい!写真とろう!」

うきうきモードでいそいそと手帳を取りに行く姉であった。

伊都波 悠薇 >  
これから、きっと、時が経つにつれて、一緒にいる時間は短くなっていく。
だから、いつも口にする言葉と。
普段口にしない言葉の、両方を覚えていてほしいから。

ーーまた、会ってみたいな

そう、思っているうちあっというまに。

「そうかな? 食べ過ぎないようにしてるぐらいだけど」

特別、努力はしていない。
辛いものを過剰に食べるくらい。そういえば、体重はもうかれこれ2年変わってない気もする。

「たまには、三つ編みじゃなくて下ろそうかな」

結わなくていい、と返せば。
出来上がり。手際が違う。

「えっ!? 写真っは、だめです」

そして、今のうちに。
端末を操作して、送った。

音声データ。

ご案内:「委員会合同慰安旅行 - 宿泊部屋」に黒條 紬さんが現れました。
黒條 紬 >  
「おっ待たせしました~!」

扉を開ければびし、と敬礼。
中身のぎっしり詰まったビニール袋を片手に、
浴衣姿の紬が現われた。
今晩は姉妹と相部屋なのだ。

「おおっ! 悠ちゃんが浴衣姿に……!
 良いですねぇ、やっぱり形から入ると気分も変わりますから~
 存分に慰安旅行楽しみましょ~っ」

さて、そんなことを言いつつ、
すす、と。足早に部屋の中に入ってくれば、
空いたスペースにビニール袋を置いた。

中から覗く、罪悪感の塊、塊、塊――。
売店で買ってきた数々のお菓子やジュースがそこには詰まっている。

「飲み物も入ってるので、お好きなもの持っていってくださいね~」

伊都波 凛霞 >  
「お帰り黒條さん。わっ…いっぱい……」

中身ぎっしりの袋を見て、おぉ…と感嘆。
同時に。

「ふふ、どうどう? 可愛いでしょー?」

浴衣姿になった妹をぐいぐい、前に押し出す。
自慢の可愛い妹を見て見て、という気持ちいっぱい。
──手帳で受け取った音声データ。これが悠薇からのプレゼント…?
言われた通り、約束通りに、一人の時に聞くことにして。

「写真撮りたいのに悠薇がヤダって言うの~、黒條さんからもお願いして~」

旅行の場だからか、姉のほうも姉のほうで、なんだかいつもより緩い。
姉妹ともに髪型も服装もいつもと違う、黒條さんも浴衣姿。
記念に写真くらい~、と強請るのである。

伊都波 悠薇 >  
「ぽぇ?」

油断していた。今ならと思ったのだ。
いないし、まだ、もうちょっと余裕あるだろうし。
着付けてもらったあと、姉が満足したら着替えてしまおうと。

結果。

ーーしっぱい。

「あ、えと、その、あの。き、着替え、ま。ちょ、ちょっと、姉さん!?」

ぐいぐいされると、逃げられない。
スウェット! スウェットがとれない!?

黒條 紬 >
凛霞の言葉を聞いて、紬も同調して親指を立てる。


「悠ちゃん、せっかくなんですから思い出とっておきましょうよ~っ!
 せっかくの機会、家族同士、友達同士で写真撮りたくないです?
 
 後から見直してあったかい気持ちになれますって!
 
 撮りましょうよー、いざいざっ」

そう口にして、オモイカネを取り出すのであった。

「はーい、撮りますよ~っ!」

早速撮影モードに入っている! 動きが早い!

伊都波 凛霞 >  
はわはわと慌てる妹。
ノリ気でオモイカネを取り出す同僚の女の子。

「大丈夫だって~可愛いから!」

ほら、と。悠薇の横へと寄る姉、凛霞。
妹の手をとって人差し指立ててー、と耳打ちして。
二人で手を重ねて人差し指を立てれば完成するのは姉妹ピースサイン。

姉妹ふたりとも髪をおろしているから、雰囲気はちょっと違えど顔つきはほとんど同じ。鏡写しの泣きぼくろ。

「ぴーす!ほら、次は黒條さんと!」

次は自分が撮ってあげる番、と言わんばかり。
きゃいきゃいとお祭りムードだ…。

伊都波 悠薇 >  
「うぇ!?」

すごい。陽のパワーがどこからでも振ってくる。
眼を回しながらもう、どうにでもなれ……せめて、前髪だけでもと整えたけど。
左目は隠れずに。
言われた通り手を重ねる。

「ぴ、ぴーすっ」

写真をとられた。とられてしまった。
一枚とられればもう、ダムは決壊。

止めることはできはせず……

黒條 紬 >  
「お、可愛いですよ~! いい感じですよ~っ!
 これは男子達が見たら放っておきませんなぁ~っ」

一番放っておかないのは姉ではあるのだろうが。

ダムが決壊したのを良いことに、
可愛いポーズでどんどん撮っていく訳である。

「こっちは、あれやりましょあれ!
 二人でハート作るやつ~っ」

ノリノリで、悠薇の隣に行って、ポーズを作る。

「凛霞さんお願いしま~っす!」

伊都波 悠薇 >  
「え、いや、そんなことないでしゅ……」

男子がと言われると、声がちっちゃくなる。
なんでこう、二人とも言いなれてるんだろう。

「は、はーと!?」

順繰り。次と言われると……
姉の時より、恥ずかしそうに、合わせて。

「ぅぅ……」

伊都波 凛霞 >  
「あっ、その手もあったか…あとでお姉ちゃんともやろう! それ♪」

手作りっぽい可愛らしい手帳ケースに入ったオモイカネ。
3角度くらいでじっくり撮っちゃう。

妹もある意味吹っ切れ…振り切れちゃった感じがする。

そんなこんなで、浴衣姿の撮影会が突如はじまって……。

………

「…だ、大丈夫? 悠薇…」

終始ぐるぐるしていた妹に、 黒條さんの買ってきたジュースなんかを手渡しながら、
いっぱいに広げられたお菓子なんかを囲んで。

黒條 紬 >  
「ありがとうございまーすっ!
 いやぁ、楽しいですね、撮影会っ……!」

紬は紬で満面の笑みを浮かべている。
心底楽しんでいるのだろうことが、外から見ても分かる。

「こっちで撮ったの、送っときますね~!
 いやぁ、思い出の写真、大切にしないといけませんな~っ!」

撮影会、続行。

そして。

…………

「さーすがにちょっと気合い入り過ぎちゃいましたかね~」

ジュースを手渡す様子を見ながら、人さし指で頬を掻く紬。

伊都波 悠薇 >
「あぅぅ」

    「ぅぇぇ!?」

  「そ、そんなポーズも!!?」

されるが、まま。
目の中の光が消えかけるがなれて無さすぎて、恥じらいは消えることがなく、時間が過ぎーー…………



「…………ーー」

ちーん。
部屋の隅、自分のスペースだと言わんばかりに固持した眼差し。

体育座り。もちろん、速攻浴衣は、スウェットに変わった。
地味なグレーのスウェット。

「ぅぅ……」

伊都波 凛霞 >  
「ほ、ほら、悠薇もこっち来なって…お菓子いっぱいあるよ!ほら!」

黒條さんがいっぱい買ってきてくれたよ!
あせあせ、なんか恨めしげににも思える妹の眼差しにわたわたする姉。

浴衣姿、可愛かったんだけどなあ。
すぐ着替えられてしまって、ちょっと残念。

「──こ、黒條さんはどう?慰安旅行、楽しめてる?」

眼差しに耐えかねて話題を黒條女史へと振った。
この姉、妹に弱すぎる。

黒條 紬 >  
「そうですよー、激辛ポテチも買ってきてますよ~!
 通常の10倍の辛さって書いてありますし、
 多分、悠ちゃんも気に入るんじゃないかと~!」

まるで人間を警戒する動物を餌付けするようだな、などと思いつつ。
紬も凛霞と一緒に悠薇へ優しく声をかける。

「へ? 私ですか?
 そうですねぇ、そりゃもう存分に楽しませていただいてますよっ!
 普段はなかなか、こういう風に皆で遊ぶことって、ないですしねっ」

親指をビシ、と立てる紬。

「凛霞さんとも仕事の話をあれこれしたのが最後ですし、
 こうした空間でご一緒できるのは嬉しいですよっ」

伊都波 悠薇 >  
「げきから……」

ぴくり、反応して。
すすす、と距離が縮まる。
遠目でラインナップをみて、ひとつ、目に止まった。

「あ、ボンタンアメ……」

ぴゅっと、今までの動きの中で最速で手に取り。
もぐり、ひとつ、食べた。
おいしい。

(そういえば、二人の会話聞いたこと無かったな)

と、思いながらもぐもぐ。
まだいろいろ、落ち着いてないから会話に混じらないように。
もぐ、もぐ。

伊都波 凛霞 >  
「そういえばそっか、黒條さんとはお仕事でのお付き合いばっかり……」

夏からこちら、秋にいたるまで、それなりに激動でもあった委員会まわり。
機界魔人、そしてギフト騒乱…。
そんな皆の疲労をねぎらう意味も込められた慰安旅行だ。

思い出す…機界魔人テンタクロウに妹が重傷を負わされた時。

「………その節は本当に申し訳ありませんでしたぁ」

ふかぶか~。
その一報を受けた時、一瞬で頭が真っ白になって、たまたま一緒にいて自分を抑えようとしてくれた黒條女史を突き飛ばしてしまった。
忘れられない一件である。

黒條 紬 >  
「えっ?
 あ、いや~……大丈夫ですよ! お気になさらず!
 いやその、本当にその、凛霞さんは悠ちゃんのことが大好きなんだなって……
 ハイ、本当によーく理解できましたので……!
 だから寧ろ、今回お邪魔しちゃって大丈夫だったのかなー、なんて思ったり
 思わなかったり……」

いやいや、と眉を下げながら、逆に申し訳なさそうに笑顔を浮かべる。
テンタクロウの件は本当に大変な一件であったが、解決してここまで
至ったのは目の前の彼女をはじめとした皆の努力のお陰だ。


「ま、美味しいお菓子でも食べましょうよっ!
 三人で……ボンタンアメならまだまだありますしっ」

ぐっと拳を握って、ちらっと悠薇の方を見る。

伊都波 悠薇 >  
「あ、えと」

あのときの話をされると、自分が悪いからなにも言えなくなる。

「お邪魔? 邪魔なんてことはないですけど……」

はて?

首を傾げた。

伊都波 凛霞 >  
「妹のこととはいえ取り乱しすぎでした…」

反省点だ。
反省は、きっちりして次は繰り返さないようにしないと…。
だけど。
ちら、と妹のほうへと視線を向けて。はぁ…とため息、

死ぬかもしれなかったわけだし、心配してしまうのも無理はない、と思う。

「あははむしろ私のほうがお邪魔かな?って思うところだけど」

妹と黒條さんが仲良くしてるのはそれなりに知っていたし。

「もちろん、私とも仲良くしてもらえるならそれに越したことはないけど」

姉妹ともどもよろしくおねがいします、といった感じで、にこにこしている。

黒條 紬 >  
「そのことは良いんですよっ!」
 
 テンタクロウの件については、それとなくぼかして話を流す。
悠薇にとって朗らかに語れる思い出でないことは知っているからだ。
とはいえ目の前の彼女も彼女で、きっちり謝罪しなければ気がすまないのも
理解はできる。難しい状況に内心色々考えを巡らせながら、
ただただ笑顔を浮かべる紬であった。

「ええ、大切なお友達のお姉さんですし!
 凛霞さんには仕事のことで色々お世話にもなったこともありますからね、
 今回は、姉妹水入らずにお邪魔しちゃって大丈夫かなぁ、とは思ってましたが……
 今後ともぜひよろしくお願いしまーすっ」

悠薇を誘った際、彼女の同室の願い出があった時には『しまった』と思ったものだ。
二人の邪魔になるような誘いをしてしまったのではないかと。
しかしそれは、杞憂らしかった。
ならばこちらも心置きなく楽しめようというものだ。

――いやぁ、この後私は無事に夜を過ごせるのでしょうかねぇ。

そんな懸念も無きにしもあらず、であるが。

「ささ、一緒にお菓子食べましょお菓子!」

そう言って、お菓子を幾つか持って部屋の隅へ。

伊都波 凛霞 >  
切り替えよう。
そのための慰安旅行でもあるわけだし。

「そういえばこうやってゆったり話すこともなかったから何だったけど、
 黒條さんと私と同い年?だったよね? さん付け、しなくていいよぉ」

黒條さんなんて呼び方も堅苦しいかな…?なんて思いつつ。

「私ももらおう、っと~♪」

色とりどりのお菓子を前に、気にする体重のこともこの際忘れよう。
夜にお菓子とジュース!…背徳…っ。

伊都波 悠薇 >  
首をかしげている。どうして二人ともお邪魔とかいうお話に……?

「……まぁ、でもそうか。姉さんのお邪魔はしちゃったかも。二人きりの時間つくれたかもだもんね。あの人と」

きっと誘ったに違いない。
姉のことだから。

「二人とも、考えすぎかも」

思ったことをぽつり。
これでは、大人数がいやだと逃げようとしていた自分はなんだったのか。

「……橘さんたち、うまくいってるかな」

ふたりきりといえばと思い出し、ぽつり。

黒條 紬 >  
「そうですか? じゃあ凛ちゃんってことで一つ!
 よろしくお願いしまーす、凛ちゃんっ!
 私のことも気軽にお好きに呼んじゃってくださいっ」

呼び名を変える。ただそれだけで、すっと距離が縮む感じがするものだ。

「そーですね、考えすぎかもですねっ」

悠薇の言葉を受けて、たしかに、と。
申し訳無さそうに頬を掻いて。

「色々なところで色々な方々の親交が深まってるんでしょうねぇ。
 まま、チートデーってことで、悠ちゃんもどんどんどうぞ」

そう口にして、ボンタンアメの袋を渡すのであった。

伊都波 凛霞 >  
「それじゃ、改めてよろしくね、紬」

ちゃん付けで呼ばれると妙に嬉しげににへ、と表情を綻ばせる。
誰かと距離が縮まるのはそれだけでなんだか嬉しい。
こちらは、彼女の名前で呼ぶこととする。
明るい中にどこか大人びた雰囲気も感じさせる彼女へのちゃん付けは、どこか幼いようにも感じたから。

「おっけー、チートデー!
 ふふ、眠くなるまでお菓子三昧だ!」

きらん、と眼を輝かせた凛霞はいそいそ、おふとんの敷いてある場所へと移動を開始。
なんかお布団に入りながらお菓子食べーの、お喋りーの、は修学旅行感があって良い…。
ただそれだけの構え!

「あふー、お布団ふかふか…気持ちいい~。悠薇もこっち来なよ~♡」

伊都波 悠薇 >  
二人とも仲良くなったようで、なにより。

「ありがとう、黒條さん。激辛も、貰うね」

受け取りながら、お布団に潜ってる姉を見て、はしゃいでる、と嬉しくなった。
もっとこういう人が増えてくれたらいい。
姉を支えてくれる人が。

そして、一緒に幸せになってくれたらいい。
黒條さんも。余裕がないかもと、言っていて誤魔化した彼女が少しでも。

緩んでくれたらいい。

「……姉さんがなにか企んでる気がするからここでいい」

妹、いまだ、けいかいちう。

黒條 紬 >  
「ほら、お布団行きますよ、お布団~っ!
 凛ちゃんも待ってますし、れっつごーれっつごー!
 
 せっかくなんですし、三人一緒で、ねっ!
 考えすぎって言ったのは悠ちゃんじゃないですかっ!
 
 今日はもう、恥ずかしがるようなことしませんからぁ~」


抵抗されなければがしっと抱きついて、そのまま布団まで連れていく勢いである。

伊都波 凛霞 >  
引っ込み思案な妹には、これくらいぐいぐい引っ張ってくれる友人がいたらいいなあ、と思っていた。

二人のやりとりを見ながら、にこにこ。
その後もお話なんかを続けて、、お菓子を体重なんて気にせず食べて。

そのうち疲れもあったのかも。
まだ同室の二人が起きている内に…すやすや。
静かな寝息を立て始めるのは、お姉ちゃんが最初でした───。

ご案内:「委員会合同慰安旅行 - 宿泊部屋」から伊都波 凛霞さんが去りました。
伊都波 悠薇 >  
「えっ!? そういう意味じゃっ」

がしっと、捕まれた。
逃げれる、わけもなく、そのまま布団の上に。

ぽふん。

(じゅ、じうぶんはずかしいかと!?)

悶絶。恥ずかしい。
そして、ちかい。

そのまま、黒條に姉に、翻弄されながら過ごし、姉が寝たころ。

ーーお風呂にいこうか、悩んで。

黒條 紬 >  
「ふふふ、一緒に楽しみましょ~っ!
 そのためにお菓子もジュースも沢山買ってきたんですからっ」

ふふん、とドヤ顔の紬。
ここから始まる夜の女子会に、ワクワクしているようだ。


…………
……


そのまま、あれこれ話して、夜も更けていき。

気づけば、いつしか眠ってしまっている、凛霞。

「寝る前に、お風呂でも行きます?」

時計を見て、そう尋ねてみる。

伊都波 悠薇 >  
「えっ」

お風呂、一緒に?
はだか、みられる……は、はずかしくない?

「た、たおるまいていいなら」

でも断るのもあれゆえに、そう返して。

黒條 紬 >  
「あはは、それで大丈夫ですよっ。
 それじゃ、行きましょ行きましょーっ。
 凛ちゃんを起こさないように……っと」

そうして支度をして、一緒にお風呂へと向かうこととする。

女子会も、そしてお風呂でも。
紬の表情は晴れやかで、心底楽しんでいるように見えることだろう――。

ご案内:「委員会合同慰安旅行 - 宿泊部屋」から黒條 紬さんが去りました。
伊都波 悠薇 >  
こくり、頷いて。
結局、恥ずかしいのも変わらず。
縮こまりながらも、それでも。

いっしょに、楽しんだ思い出ができて、ほっと。

どこでも、ひといきつくのだった。

ご案内:「委員会合同慰安旅行 - 宿泊部屋」から伊都波 悠薇さんが去りました。