2024/10/06 のログ
ご案内:「『数ある事務所』」にDr.イーリスさんが現れました。
■Dr.イーリス > 時系列にしてはツイン・メニーがギフターさんと相対した直後の事(ロルのRT10月1日頃)。
落第街の路地裏で、魔法少女ツイン・メニーとしてギフト騒動の首魁ギフターさんと戦った。
ギフターさんを追い詰めるところまではいったものの、最後は結局逃げられてしまった。
イーリスは『数ある事務所』のキッチンにある冷蔵庫に、二人分のプリンを置いた。
魔力の枯渇により昏睡状態のエルピスさんが目を覚ました時に、一緒に食べられるようにと……。
イーリスはエルピスさんと相部屋している自室に戻る。
ベッドではエルピスさんが眠っていた。
ベッドの傍に置いているクッションに、イーリスはぺたんと腰を下ろす。
そっと、エルピスさんの手を握った。
「エルピスさん……」
ギフターさんとの戦いで、エルピスさんはとても無茶をなされた……。
魔法少女からさらなる変身、魔法少年。
強大な力ではあるものの、エルピスさんにかかる負荷が大きい……。
■Dr.イーリス > そんな時に、録画データとメッセージが体内コンピューターの電脳世界から送られてくるのに気付いた。
「……超自我さんからですね。危険……!? どういう事でしょう……」
基本的に、超自我さんのプライバシーなども考慮して、彼女のいる電脳世界を管理はしても、監視まではしていなかった。気の向くまま、超自我さんが電脳世界を楽しんでくださればと、そう願う故。
なので超自我さんが何をしているか、その逐一を把握しているわけではない。
電脳空間の記録こそあるけど、イーリスが意図して覗こうとしない限り分からない領域だ。超自我さんがのプライバシーを考慮しているのは上述の通りなので、管理する上な部分でなければ覗いていない。
危険という事でそわそわしつつ、体内コンピューターと同期してあるスマホを取り出して、送られてきた動画を見る。
■Dr.イーリス > 「こ、これは…………」
青黒く、妖艶な綺麗さと可愛さのある装いで、黒い羽を生やし、蒼白の剣を持った魔法少女の姿……。
それは、魔法少女メニー・ホープが闇堕ちしたかのような姿だった。
「……魔法少年。あの姿ですね……」
ギフターさんとの戦いの最期でエルピスさんが変身した、魔法少女ならざる姿……。
“まほう”のリスクとして、忘却を呼びやすい事は以前に超自我さんから聞いた事がある。
魔法少女のステッキを開発した理由は色々ある。エルピスさんの“まほう”習得のお力になればという願いも込めて開発した魔法ステッキ……。
魔法少女が裏目に出ているという事にもなるのだろうか……。
■Dr.イーリス > イーリスは目を閉じる。
電脳世界にいる超自我さんの手元に、レターセットが出現する。
内容は、下記の通り。
『警告ありがとうございます。後日、お城へと赴きますね。ゆっくりお茶会を嗜みましょう』
目を開いて、エルピスさんへと視線を戻す。
イーリスはエルピスさんが目覚めるまでずっと寝ずに傍にいた。
次の日もエルピスさんが目覚めないなら、イーリスは学園を休んだ。
ご案内:「『数ある事務所』」からDr.イーリスさんが去りました。
ご案内:「道端」にリリィさんが現れました。
■リリィ >
道端に落っこちている。
■リリィ >
正しく落っこちていると形容するのがぴったりな姿。
どういうこっちゃといわれたら、うつ伏せでウンともスンとも言わずに転がっている状態だ。
見れば時折ぴくりと指先がか細く跳ねるので、恐らくは生きているのだろうが……
へんじがない ただのしかばねのようだ。
――否? よくよく耳を澄ませれば、地鳴りか獣の唸り声かといった重低音が聞こえるかもしれない。
■リリィ >
グォォオ……ごるるるるる……ぎゅごっ……
ご案内:「道端」にヴィシアスさんが現れました。
■リリィ >
最初は耳を澄ませねば聞こえなかったその音も、次第にボリュームを増していく。
すわ、怪異か化け物か、何処ぞのテーマパークから獣でも逃げ出したのか?
答えは 腹 の 音 である。
すっごいうるさい。
――すっごい、うるさい!
■ヴィシアス > 「な、なんだ……ふむ。」
何かが……何かが聞こえる……。
唸り声みたいな、何かが……
「なんだ……?なんだこれは……。」
二本ツノ生やした悪魔の巨漢は、
そのデケェ図体に似つかわしくない素振りで恐る恐る、
妙な音がする道を歩く。
「―――ッ!!!」
音が、大きくなった。
そして
気付く
■ヴィシアス >
「なんか落ちてるーーーッッ」
■ヴィシアス >
凝視。
確認。
ナンダコレハ…ナンダコレハ…?!
白いシーツ…?
めっちゃすごい音が鳴ってる!
ナンダコレハ…!
ナンダコレハ…ッ
■リリィ >
そう、落っこちている。
明らか服ではない布一枚でその身を包んで、
尋常ならざる腹の音を鳴らして、
落っこちている。
■リリィ >
腹の主張はクソ程激しいが、肝心の異音の主はウンともスンともいいやしない。
雲が如く雪が如く百合の花が如く真っ白い髪が広がっている…。
■ヴィシアス > ナンダコレハ…
ナンダコレハ…
ナンダコレハ…ッ!!
「あ、ああー」
「おほん」
「ええっと。」
「聞こえるかい?」
「あのう…?」
巨漢はその威圧的な風貌に似つかわしくない小声で、
めっちゃ音を奏でる音の主に声をかけた。
■リリィ >
観察すると判明することと言えば、
ひとつ、それはどうやら女の姿をしているらしい。
ひとつ、それはどうやら気を失っているらしい。
ひとつ、それはどうやら人間ではないらしい。
耳の上辺りから頭部に添うように黒い角が生えているし、白い足の間に悪魔っぽいサムシングの尻尾も見えている。
ただ、恐る恐ると声をかけたならば、
ぴくり、と、指先が跳ねる。
もごもごと、地面と熱いヴェーゼを交わしている真っ最中の口が動いて、
「お……、」
■リリィ >
「おなか……すいた……。」
蚊の鳴くが如き声が応える。
尚、腹の音で掻き消される可能性もフツーにある。がんばって聞き取ってもろて。
■ヴィシアス >
超★親近感ッ!
)
■ヴィシアス > 「な。なんだ、腹が減ったのか…?」
「……うむ、クリームパンとミルクティーしかないが。」
何か聞き取れた。
そして理解した。
多分この子同族かなんかじゃなかろうか。
見捨てておけねえわ。
元々アレ、おせっかい焼きの巨漢はといえば、
聞こえるなりかけよってしゃがんだ。
聞こえたらしい。
地獄耳だからな。
「ああバナナは無限に食えるぞ。そういう魔法があるんだ。」
■リリィ >
記入忘れててごめーんね★
か細い声で応じた後も、女っぽい姿をしているそれは、もごもごと口を動かし続ける。
もしかしたらジャリ…ジャリ…って音が聞こえるかもしれない。
砂利を食べてる……?
ピコーン!!
「く、く、くださぁい!お願いしますっ!なんでもしますっ!!」
男の言葉を聞くなり、ガバッ!!と勢いよく身体を起こして叫んだ。
同時に、流れる様な動作でもって跳ね上がり空いた隙間に畳んだ足を捻じ込んで、額を地面にたたきつける。
華麗なる土下座スタイル――!
いまなんでもするって(ry)
■リリィ >
食べ物の予感に細い尻尾がブンブンするから、後ろから見るとお尻が丸見えだが知ったこっちゃねぇ!それより食べ物だッ!!
■ヴィシアス >
「今なんでもするって言ったな???」
繰り返しちまった。様式美だ。
■ヴィシアス > ――け、ケツが見えてる!
ケツだッ!
ケツだッ!!
ケツだァァァァッ!!
「おほう。でけえ。――否、でけえ。」
何がだ。
「じゃあとりあえずほら、クリームパン。」
「4個入りの1個食ったからあと3個しかないけど。」
「はい、手を広げて」
貴女(?)が言われたとおりに手を広げると
ぴん、と指を鳴らすといつのまにやら手の上にあまーいクリームパンが一つッ!
なんてことない、素敵な面白魔法ッ
■リリィ >
咄嗟に口走ったそれを反芻されて、「あ」とか「え」とか「う」とか、そんな感じの戸惑う声が聞こえるか。
お手本に出来そうな程にうつくしい土下座をかましてる中、隠れた顔は狼狽を浮かべていたが……。
「っな、なんでも!します(ん)!」
ちょっと語尾がおかしいけど、確かに肯定した。……筈。たぶん?したかな?したかも?
尚、ケツは尻尾がシュンとしたので再びシーツの奥に隠れてしまった。
顔を上げると、乱れた前髪の隙間から強かに打ち付けて赤くなった額と薄いイエローの瞳が覗く。
言われた通り、そろりと両手を揃えておわん型にしてみると、手品みたいに(※魔法です)クリームパンがあらわれたではないか!
「……っ! い、いただきますぅ!」
言うが早いか、自らの手に顔を突っ込む勢いでクリームパンに齧り付く。
クリームパンは飲み物だった……?ってレベルであっという間に平らげるも、腹の虫は未だに低く唸っている。
■リリィ >
じっ……。
おかわり待ちの目だ……!
■ヴィシアス > 「なんでもしろッ!」
そんないちいちデカイ声で言う事じゃなかろうに。
語尾があいまいな事すら許さずに悪魔は冗談めかして迫った。
かわいー。
きれー。
愛らしく素直にクリームパン受け取って食べる様子に悪魔は若干嬉しそうにしている。
「――クリームパンは、3つあるといったな。」
■ヴィシアス > 「あれは――」
■ヴィシアス > 「あれは本当だッ!」
「はいどうぞ。」
「ゆっくり食べてね。」
「喉に詰めないようにしてね。」
「ミルクティーあるけど俺ののみかけだったわ。コーラでいい?」
やたらお節介である。
おかわりまちの彼女に次々にクリームパンとコーラとかが並べられていこう。
まるでそう
手品のようにッ
■リリィ >
ひっ!て喉から引き攣る悲鳴が出た。ゲップも出た。
「……では、例えばなにを、したら……?」
恐る恐ると訊ねてみる。
シーツの下で細い肩をふるわせて、小動物めいて潤む瞳を瞬かせた。
が、クリームパンの話になると剣呑とした光を宿す。
――クリームパンは、3つあるといったな。――
――あれは――
■リリィ >
本当なんかーい! かーい! かーい…!(エコー)
■リリィ >
なにこの人(?)、めっちゃやさしい……。
有り難く食べる。ガツガツたべる。現れた端から食べる。
クリームパンもコーラも一瞬で消える。
「んむっ、もぐぐっ!もご、むぐ!」
口いっぱいにクリームパンを詰め込んで、げっ歯類張りに頬を膨らませてなんか言ってる。
手で口を抑えてるから、ばっちぃものを見せたりはしないよ。
■ヴィシアス > 「え?そりゃもうホレアレだよグヘヘヘヘ」
「君のような見た目麗しい少女に求める事なんかアレに決まっているだろうンヘヘヘヘヘ」
「食っちまったなら先払いだからな…ッ!クックック――!」
ツノ生えた巨漢はその見た目に似つかわしくないニヤけた顔で彼女にアレを求めるッ!
「ああ因みにバナナもあるよ。」
「本当は魔力から無限に必ず転ぶバナナの皮を生成する魔法だったんだけど」
「普通にバナナがいくらでもできるようになっちゃった。」
「ほれ。」
妙なきんきらきんのエフェクトが見えた後、やけに実りの良いバナナを適当に差し出す。
変な意味ではありません。
■ヴィシアス > 変な意味ではありません
■リリィ >
アレ……?
アレとは……?
瞳を縁取る睫毛から、ぱさぱさと音が聞こえそうな程に瞬きを繰り返す。
わかってない。このポンコツ淫魔、わかってない。
だが、分からないなりに考える。
もぐもぐとほっぺたに収納したクリームパンを食べながら。
みるみる内に膨らんだ頬は元のほっそりとした輪郭を取り戻していく。
ごくん。
「分かりました……では、満腹になるまで少々お待ちください。」
なんか分かったらしい。
神妙な顔は、カクゴをキメたようにも見えなくもなくもなくもなくもない。
そんなことよりバナナである。
無限に出てくるらしいバナナを受け取って、細い指で皮をぺりぺり剥いて、空っぽになった口で思いっきり齧り付く。
思いっきり、齧り付く。
ムシャァッ!
■リリィ >
もっぐもっぐもっぐもっぐ。
もっぐもっぐもっぐもっぐ。
もっぐもっぐもっぐもっぐ。
めっちゃよく噛む。たくさん噛むと消化にもいいし、満腹中枢も刺激されるからね。
一本、二本、三本、四本、五本、六本、七本、八本――途中でめんどくさくなって房でもらったりしたかもしれない。
兎も角、バナナの皮で黄色い小山が形成された頃、漸く腹の虫の声は聞こえなくなっていた。
「ふぅ……ひとまずこれで少しはもつでしょう。ご馳走さまでした。」
手を合わせてバナナと男に深く感謝を捧げる。
■ヴィシアス > 彼女、良い喰いっぷりである。
なんという神妙な顔であろう――
覚悟を感じなくもなくもなくもなくもない――
どっちやねん。
めっちゃ食ってるなァこの子。
途中でもうバナナ一本じゃなくてゴッソリ食って行ってる。
ああよかった。
本来の用途と全然違うけどバナナ生成する魔法学習しといて。
「はいどうもおそまつさまでした。」
なんかものっすごい妙な形で役立ったわ。
芸は身を助けるってやつだ!
「アレと何か…?決まっているだろう――!」
「アレ…」
前進。
「アレ…!」
前進。
「アレ…ッ!!」
前進――!
■ヴィシアス > 「君みたいな麗しい少女が無防備に寝っ転がってたらやる事なんて一つッッ!!」
■ヴィシアス >
「分からんか」
「分からんか…?」
「分からんか…!!」
■ヴィシアス > 「とりあえず適当に寝床と飯ある所に連れてくね。」
「普通に心配だから。健康状態とかも。」
「私病院で住み込みしてるんだけど良い?来る?」
素性よくわからんけどね。
行き倒れてくいっぱぐれてるあたり、大分危険な状態なんだろうと思うから。
そういうわけで妙にお節介な提案を、お一つ。
■リリィ >
食べ終えたバナナの皮の山をちらっとみる。
拾っておけばあとで食べられるかなとか思ってないよ。
そんなことよりも、
「いえ、分かっています。覚悟も……しました。」
すっと背筋を伸ばして姿勢を正す。正座。地べただからめっちゃいたい。
「え……? っと、それは……場所を移して、ということでしょうか。
此処でお礼をするのでは問題がある、と?」
きょとん。
この女っぽい姿の淫魔、ココ(外)でお礼をしようとしている――!
■リリィ >
「ご飯のあるところ。」
じゅるり。
唾を飲む音がした。文字通り、山ほどバナナを食べた直後なのに。
「あ、でもわたし、おかね……もっていなくて……。」
眉をハの字にして、困り顔で顔を伏せた。
■ヴィシアス > 「いやぶっちゃけ何で倒れてたの君」
「っていうか、行くアテあるの?」
「いや、あるなら良いんだけども」
「いや、なくても私が信用ならんなら適当にどっか逃げてくれていいんだけども」
誘っておいてなんだけど、この先何かあるなら別にいい。
それくらいのお話。
あと倒れるくらいなので健康状態くらい見ておきたいってわけだ。
あの喰いっぷり見たら心配いらなさそうだけど。
「倒れる場所によっては危ない目に遭わんとも限らんだろう」
「ああまあ……何か…なんだ。あの。」
「金がないのか。…別に構わんが、敢えて言うなら、あれだッ」
■ヴィシアス >
「体で払ってもらおう」
労働だけどな。健全な労働だけどな。
■リリィ >
「空腹が限界を越えて倒れていました。」
A.お腹が空いて倒れた。
「行くアテ……は、ありませんね。」
A.ない。
「こんなにたくさんご馳走してくださった方から逃げるなんてしませんよ。」
A.逃げないよ。
ついでに言うと別になんにもない。
ひとつひとつ丁寧に答える女っぽい姿――めんどくせえな――ポンコツ淫魔は、
腹の虫の声が異常だったことを除けばぱっと見健康そのもの。
「はい。はい?はい。」
頷く。頷く。頷く。
「はい。」
頷いた。
答えは全部、YESです。
■リリィ >
「謹んでお支払いさせていただきたく思います。」
深々と頭を下げて、再度謝辞を示す。
「あまり……自信はないのですが、精一杯がんばりますね……。」
そういうわけで、よっこらしょっと立ち上がり、男の背後へ回り込むと、
気恥ずかしそうに囁き、男の肩へと手を伸ばした。
拒まなければ、白魚の如くほっそりとした指が這い――
肩を揉み出す。もみもみもみもみ。
■ヴィシアス > 「……なんかあれだ。」
「君……あれだ。」
「物凄い面白いヤツじゃね……?」
めっちゃ話してて思ったんだけど。
ちょーおもしろいのではないか?!
「ああそう、じゃああれだ。病院いこっか。ね。」
「私そこで働いてるんだ。嫌じゃないなら、ウン。」
「ええとー……名前をなろう。」
「私はヴィシアス。一応癒しの魔法を司る悪魔だ。」
名乗り始めたあたりで、肩を揉まれた。
おほう。
気持ちいい。
癒される。
因みに見た目通りめっちゃくちゃゴツいので、
指先にはめっちゃくちゃゴツい感触が返るだろう。
「冗談だ冗談。冗談だから。やらなくていいから。」
「いや結構気持ちいいからやっぱりやって。」
「ソレやりながら話聞いて。」
「ええっと。」
■ヴィシアス > 「何話してたんだっけさっき。」
■ヴィシアス > 肩揉まれてるうちに話の内容が頭から飛んだ。
見た目以上におまぬけである。
「めっちゃ面白いなーって話をしていたのは覚えているんだが果てなんだったっけ。」
「肩揉みが気持ち良すぎて頭真っ白になってた。」
■リリィ >
きょとん。
「面白い、ですか? ……はじめていわれました。」
白い頬にぽっと赤みが差す。
うれしかったんだろう。もみもみしてる手に段々力が篭っていく。
「ヴィシアス様ですね。
わたしはえっと、一応此方ではリリィと名付けられております。
場合によってはさっきゅんと呼ばれることもありますが。」
もみもみ…もみもみ…(まだ気持ちいいレベル)
「はいっ!随分凝ってますね。お忙しいのですか?」
もみっもみっもみっもみっ(段々おや?ってなってくる)
「ふふふ、ヴィシアス様はお茶目なお方なんですね。」
モミギチッモミギチッモミギチィッ…!(そろそろ痛いかもしれない)
■リリィ >
ギチギリギチギリギチギリィッ!!
お腹も満たされて、親切にされて、褒められて、
嬉しくなっちゃったポンコツ淫魔。
ほっそりした手に似つかわしくないパゥワーで凝りどころか骨ごと揉み潰して柔らかくしようとしている!
■ヴィシアス > 「リリィ、あるいはさっきゅん。……関連性が見えない。」
「ンンッ……さっきゅん(※二重発音魔法)」
妙な面白魔法だけは自信があるのでな。
「まあ、リリィで良いかな?
私の事はなんだ、ヴィシアスでいいよ。様付けはちょっと。」
力が強まる。
「病院で運ばれてくる人々の応対などをしているからね」
力が強まる。
「だから確かにちょっと忙しいといえば忙しい。」
力が強まる。
「クックック、君も大概おちゃめだぞリリ痛いッちょッ」
力が強まる。
「あーまったまったまったストップ」
力が強まる。
■ヴィシアス > 「待った待ってちょっと痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
■ヴィシアス > ……そうは言うけれど。
笑っている。
笑っている……ッ
この状況で。
この圧倒的な、淫魔ちゃんに囚われて
一方攻撃を受けている状況で……ッ!
■リリィ >
「いんきゅんと呼ばれる場合もありますね。」
のほほんとした声色。
緩やかに秋へと移り変わる世界で、春の陽気と縁側。日向ぼっこする猫を彷彿とさせるような、穏やかな声――。
尚、肩もみのオノマトペはギチミシメキメキである。
「ですが、ヴィシアス様は随分と高位のお方では?
バナナをいっぱい出してくださいましたし。」
バナナいっぱいくれたから高位判定してる?
否否。無から有を作り出す――それも、男の言葉を信じるならば無限に――のは簡単なことではない。
対して自身はポンコツだ。無から有を作り出すどころか、基本的な種族の能力でさえ暴発することがある。
ギチギチミシメキ……。
「え?――あっ。」
――今、バキッ、って、音が……した気が……。
慌てて手を離す。
顔の高さで掌を晒し、自分、やってませんのポーズ。
※ 男の骨密度次第ではヤってる。
■ヴィシアス > 「あっ……」
■ヴィシアス > 「ギエェェエッェエエエエエイヤァァァア」
■ヴィシアス > とんでもない叫び声が、
何処ともわからん街路に響き渡った。
「君、ヤッたのが…癒しを司る…悪魔の…私で…良かったな…。」
「他の悪魔にヤッてたら今頃魂を奪われているぞ…リリィィィ…」
「確かに私は最高位の悪魔だといっていいだろう……リリィイイイ……!!」
赤黒い眼差しがじぃーっと彼女を見つめる。
「あれだ。」
「君には何が何でも体で払ってもらう事にした。」
「そういうわけだ。」
「これから否が応でもついてこい」
「病院で働かせてやるーーーッ」
まあ、嫌って言ってなかったから。
今更なんだけれど。肉体的労働の強要である。
■リリィ >
耳を劈くとんでもねぇ悲鳴に煽られて、ポンコツ淫魔の髪がそよぐ。
風速何メートル?ってくらいの衝撃が過ぎた。
直撃をくらったポンコツ淫魔の目がぐるぐると渦を巻き、でっかい雫型の汗をかいていた。「ふぇ~。」とか言ってる。ギャグ調にしてるけど被害者っぽいリアクションだ。元凶のくせに。
「ヴィシアス様……おっきいです……。」※悲鳴が。
雫型の汗をぽいっと捨てて、乱れた前髪を手櫛で直して渦巻き描いていた目も隠す。
「ひぇぇ…ご無体な、ご無体な~!」
身体を抱くようにして小動物みたいにふるふるして怯えるけど、
多分飯をちらつかせたら普通についてく。
■リリィ >
「ところで病院って、病院ですよね?
……わたしにできること、ありますか……?」
小首を傾げる。
今し方最高位の悪魔の肩をバキッとヤッたポンコツ淫魔に出来る仕事 #とは。
■ヴィシアス > 「君あれだな見た目以上にパワーあるな。」
「え?出来る事?――持ち味を活かせよッ!」
「私の方砕くくらいパワーあるなら力仕事何でもできるだろう!リリィ……」
肩が痛い。
こんにゃろう被害者ムーヴしやがって。
でもあんまり強く出られない。
そういうところお人よし。
君にもできることは沢山あるだろうってお伝えしてみる。淫魔病院デビュー、なるか?!
「――というかあのなんだ。」
おほん。
げふん。
■ヴィシアス > 「病院が病院じゃなかったなら何なんだリリィッ!!」
■ヴィシアス > 「全くもう」
「人間相手にそのパワー出すなよ」
「マジで今頃牢屋ブチこまれてるかもわからんぞ」
「ふーまったく」
癒しの魔術を統べる悪魔は、癒しの魔法においては自信があった。
きらきら~と悪魔らしからぬホーリーオーラが満ちると、
砕けた肩も綺麗に元通りッ
■リリィ >
「おかげさまでお腹が膨れておりますので!」
えへん!と胸を張る。
シーツの下でぽいんっ!ってした。
「あ、でも……ヴィシアス様のお肩を揉んだらちょっとお腹が空いてきたような……?」
燃費が悪いどころの話ではない。
お腹を撫でる。
あれだけ食べたバナナは何処へいったのか、ぼいんとシーツの所為で外からは見えないが、お腹はぺったんこ。
チラ……。
バナナの皮の山、その頂点をチラ見して、
目にもとまらぬ速さでシュババっと口の中に入れた!
もぐもぐ。ごっくん。
「……おいしくない。」
眉間に皺ッ。
■リリィ >
渋い顔でバナナの皮へ手を伸ばしながら。
「病院が病院じゃなかったら……ホスピタルでしょうか?」
首を傾げて、バナナの皮をもぐ…もぐ…。
「はいぃ、気をつけます……。
でも、普段はあの、ちゃんと気をつけてるんですよ?」
さっきはちょっと褒められて嬉しくなっちゃったっていうか……。
しょぼん…もぐもぐ……。