2024/10/07 のログ
ヴィシアス > 「でけえ」

凝視した。
ヴィシアスはでかいほうが好きだった。

「 何 故 皮 を 食 う。」

「アッ因みにそのバナナの皮は決して踏むなよ」
「ソレは踏んだ者を情け容赦なく確実に転倒させる呪縛がかかっているからな」

非常に危険、とも言えないけれど。
面白魔法らしい呪縛がかかっているのが、そのバナナの皮の山である。
踏むことをトリガーに転倒させる物凄い呪縛があるのだ。

「ええいわかった、分かったからそれを喰うのを辞めろ。おかわりほしいなら作ってやるから!!」

見るに見かねる。
こっちまで渋い顔になるわッ

「病院がホスピタルだったら」
「あれか?」
「トマトはトメイトォか?」
「タマゴはタメィゴォか?」
「意味が分からんだろうがッ」

「分かったから、許すから。全くもうおちゃめなんだから。」

落ち込んでいるのでこっちまでちょっと申し訳なくなってくる。

「だから…」

「それを……」

「食うのを………」

ヴィシアス > 「やめんかいッッッ!!!!」
ヴィシアス > 「なんかもうリリィの行く先が心配になってしゃーないよ私はもう……」

バナナをひとふさ丸ごと作ってあげて渡しながらトホホといった顔

リリィ >  
さしものポンコツも、そのでけえが何を意味するかはわかったらしい。
かぁっと頬を紅潮させて――

「えっち!」

遥か昔――古に流行ったという暴力系ヒロインよろしくビンタをかまさんとしたッ!

ビンタ出来ても出来なくても、振り上げた手はそのままの勢いで胸をぎゅっと押しつぶすようにして隠そうとする。
隠しきれないけど。

「え、お腹がすいたから……?」

それはそれとして、皮は食う。

「なんて恐ろしい……そんな危ないものを放置するわけにはいきませんね。
 食べなくちゃ……。」

ひょいぱくもぐもぐ。
ひょいぱくもぐもぐ。

これは食い意地が張っているのではない。
恐ろしい呪縛が巻き起こす悲劇を回避する為の、止むを得ない行為なのだ――。

「えっ!やめます!おかわりいただけますか?」

すーぐ止めた。
おかわりもらってホクホク顔で頬張り、よく噛んで頂く。

「もぐもごもぐぐ……もぐもぐり!(訳:初対面なのにそんなにも……お優しいんですね!)」

にっこりと明るく朗らかな笑みを浮かべるが、
頬をパンパンに膨らませてる所為で台無しだった。

ヴィシアス > 「ゴフッ」

普通に当たった。
悪魔なのに。最高位の悪魔なのに!
普通に当たった。

その脅威の肩砕きのパワーを受けてズザーッと吹っ飛んだ後、
街路の壁にヒビを作りながら背中から埋まった。

「何で喰うの?」

「何でやめたの?」

「なんなの?」

「恐ろしいものを放置するわけにはいかないんじゃなかったの?」

だめだ、ツッコミが止まらない。
なんだこいつ……!

こいつ――強い……。

この最強最悪の魔王と呼ばれた私がてこずらされるとは…

リリィ…恐ろしい子…!

リリィ >  
ポンコツ淫魔のビンタを真っ向から受け止めて壁にめり込む最高位の悪魔。
出身はギャグ漫画かな?

公共物を男の巨体で破壊した犯淫魔は、真っ赤な頬を膨らませてぷいっ!とそっぽを向いている。
謝らねえぞコイツ!

「えっちなのはいけないとおもいますっ!」

尚もバナナをもぐもぐしつつ。

「え、だって皮より中身の方が美味しいじゃないですか?」

至極当然って感じで言ってのけた。
程なくひと房食べ終えて、「ご馳走さまでした。」と手を合わせる。

「さて、またしてもご馳走になってしまいましたから、
 わたしに出来ることでしたらお手伝いさせてください。
 いただいたバナナの分は働きますよっ!」

皮で小山が出来るくらいの量のバナナで肩もみ(粉砕)ならば、
バナナひと房で如何程働くことになるのだろうか?

やる気満々といった風に腕を曲げてむんっ!ってしている。

「あ、バナナの皮は持っていきましょうね。……えーと、危ないですし。」

取って付けたように告げて皮を両手に抱える。
その際チラ見えするかもしれないが、シーツの下はすっぽんぽんのようだ。

ヴィシアス > バナナの分はだと…?」

前進。

「クリームパンとコーラは?」

前進。

「それに。」

前進。

「何より。」

前進。

「最初に何でもするって言っただろ。」

前進。

ヴィシアス > 「騙されんぞ。」
ヴィシアス > 悪魔は約束事には極めて厳格ッ!

「君はこの最高位の悪魔の前で何でもすることを宣誓してしまったがゆえに。」
何でもしなければならないッッ!」
「分かるかリリィ…」
「クックック……!!」



「……ばっちいからそれはゴミ箱に捨てておきなさい。」

何故か持って行こうとしている山のようにあったバナナの皮を抱える様子を見て諫める。

リリィ >  
「えっ、肩もみしましたけど…?」

きょとん、ってしてる。

「わたし、お支払いしますって言って肩もみしましたよね?
 ヴィシアス様は、「結構気持ちいいからやっぱりやって」と仰いましたよね?

 ……? ちがうのですか?」

それでチャラでしょ?っていう顔だ。
おっとりとした仕草で小首を傾げた。尚もきょとんとしている。

「え…………で、でも、あぶないですし……。」

非常食にしようと思ってるし……。

ヴィシアス > 悪魔は約束事には極めて厳格ッ!
故に言葉を以って根拠にされると、揺らぐ―――

「君まじでふざけんなよ」
「まじであれでお支払いになったと思ってんの???」
「私肩潰されたんだけど???」
「ほんま君マジでそれ私以外の悪魔にやったら魂ごと味噌汁の具にされてるぞほんま君」

ダメだった。
流石に肩を潰される肩揉みで許す気はないらしい。

「危ないのはどっちかっていうとぉ!」

「コレを喰おうとしたり私の肩握り潰す君なんだよリリィ…」

「ふぅ……」

「君はとても愉快な子だが」
「ツッコミに私のMP(マジカル★ポイント)が取られてしまうな。」
「最高位の悪魔の無尽蔵のMP(マジカル★ポイント)を食いつぶすとは、恐ろしき存在だ。」

ほんのり疲れ気味の悪魔。
ゆるり、と立ち上がると。

「ああ、して。どうするね。」

「私はたまたま買い出しでもするかと歩いていただけだが。」
「行くアテがないならとりあえずくるか?病院。」

どうやら、そろそろ戻る気の様だ。
そして、オモイカネ8なる面妖な機械を差し出して。
魔力をびんびんする。
これで通信が出来るのだから大したものだ。妙なアプリを入れている。

「なんかあったら、ほれ。コレに連絡するといいし、しなくても良いぞ。」
「なんか、君はどこで何をやらかすか分かったもんじゃないので……」
「知らん間に味噌汁にされてたら嫌なので……」

リリィ >  
「ぴぇ……。」

詰め寄られると肩を窄めて眉でハの字を描く。
か弱く無害な女の子です……みたいな顔をしているこのポンコツ淫魔、
現状は女型であるが、実は男にも成れる――!

もしかしたら存外強かなのかもしれない。
本当にただポンコツなだけの可能性もあるが。

闇の中にある真相は置いといて、

「まぁ……MP(マジカル★ポイント)を? それは大変ですね、深呼吸をしましょう?」

労わるように優しげな声で優しげに微笑む。※元凶

「ええ、参りましょう。
 不肖リリィ、御恩はきちんと返します。」

バナナひと房分のね。

差し出されたビンビンされた機械を受け取ろうとして、
両手がバナナの皮で塞がってるのに気が付いた。

仕方ないので片腕分はそこら辺に都合よくあったゴミ箱に捨ててから、
空いた手で受け取る。バナナ臭い。
しまう場所がないので谷間にきゅっきゅと押し込んでおいた。

「有り難うございます。
 お味噌汁にされちゃうのはわたしも嫌なので、何かあったら連絡しますね。
 バナナが食べたい時もしていいですか?」

最高位の悪魔を非常時の食糧庫扱いしている――!


そうしてついていった病院で、存分にポンコツのポンコツたる所以を見せつけることになるのだろう――。
そもそもシーツを服代わりに巻いただけの女が働く病院ってどうなん?という話は……置いとこ。リリィしーらなーい!

ヴィシアス > 「そういうところだぞ君ほんまさあ!!」

ぴぇ……って!
深呼吸をしましょう?って!
バナナ喰いたい時にも連絡って!
気楽すぎるだろいくらなんでも。

「よ、よし、行くかぁ……」

……。

不安だ。

めっっっちゃ不安だ。

連れて行くっつったけどやっぱりやめといたほうが良かったんじゃなかろうか。

さて。

最高位の悪魔を自称するヴィシアスが、
ポンコツと称される彼女(?)を連れてった先でそのポンコツっぷりを見まくって
その予感は的中することになろうが、
多分それは。

ヴィシアス > 明日以降の出来事だ―――
ご案内:「道端」からヴィシアスさんが去りました。
ご案内:「道端」からリリィさんが去りました。