2024/12/20 のログ
Dr.イーリス > 「ナナさん……とても嬉しいです……!」

先日、百貨店でイーリスも一緒に選んだダウンコート。
大切にしてくれている事が嬉しくて、目を細めてにこっと笑みを浮かべた。

「中毒性に関しては、単に美味しいというだけではありますね」

ただし、小動物にとって病みつきになる美味しさ。

「……せっかく、このゼリーを使えば小動物達をおびき寄せられると思いましたのに……て、まだ蓋すら開けていない状態で既におびき寄せられてますね! さすが、私の天才的発明! 小動物への効力は十分!」

ドアをゴンゴンと叩いてゼリーを求める小動物達。その研究結果に、イーリスは瞳を輝かせていた。
虚空にモニターを出現させて、研究成果を手早く纏める。
蓋を開けていない状態にも関わらず、そのおびき寄せる効力は十分……。

やがてナナさんの咆哮で、動物達が大人しくなる。

「お見事です、ナナさん! これで安心して目的のものを取りに行けますね」

お見事、とナナさんにお手てをぱちぱち叩く。
とりあえず、ゼリーは言われた通り仕舞う。
そこでエルピスさんの言葉で、さらに研究成果を綴っていく。

「とてつもなくおいしいゼリーの香りであっても、生物の本能たる恐怖には抗えないという事でもありますね」

研究成果を纏め上げると、モニターを閉じて扉の向こうに入っていく。

「目的のものがちゃんと無事でよかったですよ。消毒液は持ってきました。運び出す前に、軽く金型や部材の消毒を致しますね」

イーリス制スプレー型の消毒液を金型や部材へと慎重にかけて、軽く消毒を済ませていく。
消毒をすれば安全に持ち出せる事だろう。

「分かりました。部材はお任せくださいね」

部材が入っている籠を持ち上げる。
非力なイーリスにはそこそこ重いけど、なんとか持ち運べそうだ。

「無事に依頼をこなせそうですね。ゾンビが出てこなくて、ほんとによかったですよ」

ナナ >  
「ん゛っんぅ……なんか叫ぶ直前ものすごい扉に集まってたね…
流石に命か食事なら命ってことかなぁ。」

あの勢いで扉から飛び出してきてたら何匹かは食べて巨大化してたに違いない
本当に危なかったかなと苦笑いを浮かべつつ資材を探す

「ばっちぃし病原菌とかも怖いしね。
はいは~い、ちょっと重いけど……どうにかなると思う~」

金型をコンテナから出して地上まで運び始める
エレベーターなしで人力だとかなりの重労働だがこういう作業はお手の物

往復も慣れてくれば降りる時は飛び降りて時間短縮をし始めた

「結局ゾンビは居なかったけど、ゾンビよりやばいのができるとこだったね~?」

汚染の可能性がある人サイズのネズミなんてある意味ではゾンビより恐ろしい気がする
じ~っとイーリスの方を見つつ大きな荷物は階段上までは運び終えた

エルピス・シズメ >  
「とりあえず、動物を手懐ける方法と一緒に使わないと大変そうだね……。」

 迂闊にゼリーを外に設置しようものなら、猫まみれになりそう。
 聞き間違いじゃなかったら、巨大化……とか、聞こえたような。

「地下から運び出せるものはこれでよし、かな。
 あとは二階だけど……こっちよりも時間は掛からないと思うから、さっさと済ませちゃおうか。」

 手分けして地下のものを運び出し、空っぽになった部材管理室を見渡す。
 よくよく見ると、奥の方に非常用の予備電源らしきコンソールがある。

「この非常用電源を起動して……。
 エレベーターを動かせれば2階まで直通で行けるみたい。
 ええと……鍵をここに差し込んで……出来た。」
 
 予備電源が作動すると、暗い部屋に光が灯る。
 先に起動しておけばよかったかなと思いつつ。

Dr.イーリス > 《小動物用の脳裏から離れない超絶美味なる巨大化ゼリー餌》による巨大化はさすがに一生というわけではなく、効力だいたい数分。
数分でも、集団で巨大化する事は間違いないけれど……。

「ど、動物達をおびき寄せられるぐらい究極的に美味しくなるよう研究していたら、巨大化の成分も付与されて仕方がなかったのです……」

気まずそうに、ナナさんから視線を逸らしてしまった。
部材を入った籠を慎重に地上に運ぶ。

「た、たぶん、超絶美味しい餌をあげた人をご主人様と思ってくれるはずです……! 半日ぐらいは……! ミケちゃんとクロミちゃんで試したら、巨大化しつつも懐いてくれました!」

凄く頼りなく“たぶん”と前置きしてしまった。
一応、ミケちゃんとクロミちゃんで試した成果がある……。普通のねこではない二匹だけれど……。

「エレベーター起動の非常用電源、今見つけてよかったですよ。2階のものを運び出すのが楽になりますね」

そうして、イーリスはエレベーターの方に向かう。


「ひゃあああああああぁぁぁっ!!」

そのエレベーターの方から響き渡るイーリスの悲鳴。

状況 > 開けられたエレベーターの扉。
そこにいたのは、全身が腐りきった男性。
ただ棒立ちで、イーリスを見下ろしている。

男性「ヤット……デラ…………レル……」

明らかに雰囲気がおかしかった。
もはやその男性に生気を感じられない。

男性は一歩ずつ足を踏み出していく。

ナナ >  
「手懐けてもあの必死さはちょっと怖いけどねぇ…」

例えるなら飢餓状態に近いそれを感じた
あの状態だとこっちの声も聞いては貰えなさそう

「はいは~い、電気がつけば色々見やすくなるだろうしちゃっちゃと行っちゃおう!」

メカニック的な事はよく分からないので二人のサポートに徹する
途中ゼリーの残り香に誘われたネズミ達はしっしっ!と追い払う

「逆になんで巨大化させる成分なんて見つけたのさ…ってミケ達で実験したの!?」

初耳であった
まさか既に実験済みとは思っていなかった、それもかなり身近な存在で

と、割とゆったりとした空気を引き裂く悲鳴に振り返り

「イーリスに近寄んな!」

腐敗した人型の存在、その動体めがけて手元の金属部品を投擲
救助はエルピスに任せて自分は投擲直後に駆け出す

狙いは勿論ゾンビ(仮)

エルピス・シズメ >
「メカにも効くんだ……。」

 生体・有機部品に作用するのだろうか。
 そんなことを考えていたところ──何かが降りてきた。

 今度は動物ではない、と、悲鳴をあげるイーリスを庇う様に即座に前に出る。
 先手はナナが仕掛けているので、焦らずに間合いを掴んで臨戦状態に移行。

「これは……。」
 
 理由は分からないが、閉じ込められていたらしい。
 怪異やアンデッドの類かと判断しながら、何時でも対応出来る様に様子を伺う。

Dr.イーリス > 「天才的な発明の過程において、巨大化の成分もついでに見つけてしまえるのです! ミケちゃんとクロミちゃんは、えるぴすさんの生体義肢や私の体のように、バイオテクノロジーも駆使した生物部分もあるメカなのですよ」

そう口にして、どやっとした表情をする。
生体部分があっても、機械部分があるのも確かではあるけれど、ミケちゃんとクロミちゃんは数分巨大化した。


エレベーターを開けて目の前に生気のない腐乱した男性を見れば、イーリスは震えながら後退りして、壁際にあっさり追い込まれる。
腐りきった男性の手がイーリスに迫っていた。

「……こ、こないで……」

震えた声を発しながら、咄嗟に、先程も使った消毒液のスプレーを振りかける。
消毒液がお顔に掛かるけど、特に効きはしなかった。ゾンビやっつける用の消毒液でもない。

だが、エルピスさんがイーリスを庇うように立ちはだかってくれた。

「えるぴす……さん……」

イーリスは安心感を覚えつつ、それでも少し震えた手で後ろからエルピスさんのハイネックセーターをぎゅっと掴んだ。

状況 > 男性「……ヲレヲミステタ……ココノヤツラ……ユルサナイ…………。ミナゴロシダ……ミナゴロシダ……。ソモソモ……フツウニカンガエテ……エレベーターニトジコメラレテイル……ヲレニ……キヅクモノダロウ……? ワザト……カ……? ヲレ……ナンカシタ……? ナンカシタラ……アヤマルケド……ソレデモ……エレベーターニトジコメラレテ……ミテミヌフリハ……ナイヨネ……」

意外と饒舌な腐乱死体。
ナナさんによる金属部品の投擲が腐乱死体の頭に直撃すると、腐りきった男性が苦しむ。

男性「……グワアアアアアア……」

ぎろり、一番手前にいるエルピスさんを睨む。

男性「……ユル……サナイ……」

エルピスさんに両手を伸ばし、首筋に噛みつこうとしていた。

ナナ >  
「こっち向け死にぞこない!」

走る勢いそのままに男の顔面に向けてドロップキックを叩き込む
優先すべきはイーリスの保護、それと凡そ体に何かあってもどうにかなる自分にヘイトを向かせること

「なんかごちゃごちゃ言ってるけど、とりあえず許さないとか言ってる死体は碌なもんじゃないから…もう一回ちゃんと死んどけ!」

立ち上がれば腐乱死体を踏む
足、腕、腰ととにかく機動力を奪う様にストンピングを続ける

ちゃんと話を聞けば同情の余地があったりするのかもしれない
もしかしたら根は良い人でお互い分かりあえるかもしれない

だがエルピスに手を出そうとしたのでもう敵である

エルピス・シズメ >  
 恨み言の類が聞こえるものの、まともに取り合うべき相手ではないだろう。
 冷静に状況を判断し、背を掴むイーリスを左手で庇いながら身を翻し、
 ドロップキックを繰り出すナナのアクションに動きを合わせる。

 踏み続けてゾンビを捻じ伏せるナナの邪魔はせず、応戦を任せる。
 
「イーリス、大丈夫。」

 その辺に落ちてた廃材を引っ掴み、ゾンビの頭から口を杭打つように差し込む。
 頭を刺してしまうのが早いだろう、との判断。

状況 > 男性「ギュグワアアアアアア!!」

ナナさんのドロップキックが腐りきった男性のお顔に入り、死体が倒れ込んでしまった。
その後、ナナさんに踏み続けられる死体の男性。

男性「グガ!! イタイ……。マッテ……。スコシダケ……フマレルイタミ……クセニナル……。シンデルカラカナ……」

ナナさんに踏まれている最中、エルピスさんが男性のお口に廃材を突っ込む。

男性「ガガガガガガッガガガガガガガ!!!」

うるさいお口を封じられて、まともに喋られなくなった。
やがて、男性は動かなくなる。

Dr.イーリス > 腐乱した男性が動かなくなると、イーリスは安堵の域を漏らした。

「ふたりがあの方を止めてくださったので、私に怪我はありません。ありがとうございました。ふたりのお陰で助かりました」

ふたりに、微笑んでみせて。
動かなくなった死体に、悲し気な視線を向ける。

「この方は、このビルが放棄された時に、運悪くエレベーターに閉じ込められて誰にも気づいてもらえなかったのですね……。依頼者さんに……この方の事もご報告した方がいいでしょう」

男性に跪いて、両手を組んで祈る仕草をするのは、イーリスが幼い頃にシスターの義母を持ってスラムの教会でお世話になったこと、そしてその時の教えを今スラムの教会と《フェイルド・スチューデント組》が経営している孤児院の子供達に伝えている事にある。

「この者に、安らかな眠りあらんことを……」

ナナ >  
「ふぅ…なんか変な事も言ってた気がするけど、さすがにもう大丈夫でしょ!」

殆ど肉塊と言える状態まで踏み続けた達成感に額を拭う
悪い人ではなかったかもしれないが、もう死んでるので現世とは改めてさよならしてもらった

「まぁ、運がなかったんだろうね。
可哀そうだけど怨霊みたいな事言ってたし、エルピスに手…というか歯出そうとしてたし仕方ないよ。」

ドライというか、実はこの男については特に興味もないのでそんな淡白な感想
エルピスとイーリスが無事な安心感が殆どである

「な~む~…と、ほかに居ないだろうけどちょっと見回っとくね。」

ゾンビのおかわりなんて無いとは思いつつ周辺を見回っておく

エルピス・シズメ >
「……そうだね。その辺りは上手く伝えておく。」

 とは言え、そのまま伝えてもやや荒唐無稽な話で、少々角も立つ。
 適切な報告方法を思案しつつ、遺骸から離れる。衛生面のリスクもそれなりにある。

 作業後にスラムの教会から人を出して貰い、葬儀を代行してもらう形になるだろう。
  
「ん……了解。ナナに任せる。その間に僕とイーリスで試作室の金型と物資も回収するよ。
 何があっても僕とナナが居るから大丈夫。……行こう、イーリス。」

 背に居るイーリスに目配せし、手袋を外して手を差し出す。 


Dr.イーリス > ナナさんの仰る通り、この男性はとても運がなかったのだろう。
追悼の祈りを終えるとイーリスは立ち上がる。

「これ以上、怨念が増幅する前にふたりが止めてくれてよかったです。ななさん、周囲の見回り、助かります」

さすがにこれ以上ゾンビがいると思いたくないけれど、警戒するに越したことはなく、ナナさんに見回りを任せた。

「依頼者さんにお伝えして身元が分かればいいですね。葬儀も必要になるでしょうから、スラムの教会には私からお伝えしておきますね」

スマホを手早く操作して、スラムの教会の神父さんに早速お伝えしている。

「ともあれ、無事にエレベーターが使えるようになりましたからね。エレベーターも消毒しておいた方がいいですね」

ずっと腐乱死体があったエレベーター……。消毒しておいた。

「えるぴすさん……ありがとうございます。えるぴすさんとななさんがいて……私、とても心強いです」

にこっと笑みを浮かべつつ、えるぴすさんのお手てを握った。
イーリスはとても非力だけれど、それでも心強い仲間がいる。
ふたりにはとても助けられている。

イーリスの出来る事って、主に発明だ。
いつも助けられている分、イーリスの出来ることでふたりのこと、いっぱい助けていきたい。

ナナ >  
「調べてたらゾンビが出てきて襲われたんだし、追加報酬貰わないと。」

ナナはこういう時冗談ではなく本当に言う
そして嘘だと言われたらここまで引っ張ってきて直接現場を見せかねない

エルピスの肩に依頼人の安否がのしかかる

「ゾンビ~居るならでてこ~い。」

傘みたいなマークは無いか、妙にでっかい怪物なんて居ないか等探してみる
幸いなことに何もなさそう

「ぱっと見もう居ないっぽいよ~
ばっちいしゾンビまで致し帰ろ帰ろ~?」

二人に声をかけ、一階へと向かう
自分が運んだ重量たっぷりの資材の運びだしを思い出しちょっとげんなりしつつ運び出しを終わらせれば建物を後にするだろう

ただ一つ、何度も踏みつぶしたあの死体
焼いたりしてないけど大丈夫かな…なんて思ったりもしながら

エルピス・シズメ >  
「少なくとも、教会充てに葬儀費用位は出して貰えると思う。」

 遺骸を撮影しつつ、動かないことを確認。
 足も丁寧に潰されていることを踏まえ、現場に放棄。

 頭から口に掛けて廃材で貫いている以上、ここからの再生は無い……と判断。
 イーリスの心情も踏まえ、迂闊に触らず必要以上に遺骸を穢さないことにしたらしい。

「……これで必要分は回収できたかな。
 二人とも、気を配りながら帰ろうか。」

 三人で重労働を終えれば、予備電源を落として再施錠。
 教会から人手が派遣されるまではこのまま。

 何はともあれ、廃工業ビルからの回収を終えれば依頼達成。
 無事にこの場を後にして、回収したものを届けた上で状況を報告し、
 残されていた死体を処理した費用として、追加の報酬と埋葬の人手を確保した。

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