2024/06/16 のログ
ご案内:「堅磐寮 マトの自室」にマトさんが現れました。
マト >   
「……」

転移荒野との一件から僅かばかりの時間が経ち、マトは自室へと帰ってきていた

「エロ本……」

結局、マトが持ち帰ったエロ本は3冊ほど、残りは田中くんが管理しているため、恐らくやろうと思えば借りれるだろう
だが、一度に自身が消化できる量を考えると、このくらいが無難だとマトは判断した

「浩平にもああいったし、しっかり、目を通してみよう」
「あの後スマホでも調べたけれど、エロ本というのは主に性的行為……いわゆるエッチな事が書かれた本」
「僕に年齢は意味のない事だけど、本来は18歳以上が読むものだ」
「……禁書庫とかでもこの手の本が無いとは限らないし、知っておいて損は無いはず」

いや多分無い

マト >   
「まずは… ひよこババア戦記」
「浩平がいいセンスだ、といっていた本だね」

ぺらり、とめくりあげる

「… っ」

相変わらず直ぐに現れる肌色… 男女の裸体に目を奪われる

「成程、悠久を生き有休を望む少女姿の吸血鬼の話か……」
「ストーリーは多分面白いといえるんだろうけれど、吸血シーンが……濡れ場、だっけ」
「うわ、噛みついてる……痛くないんだろうか、僕は痛覚を一部遮断できるけど……」

エロシーンは吸血鬼であることを活かしたものが多く、攻めがロリ吸血鬼なのもあって

「両性具有はエロ本の世界だとふたなり、というんだね、なら僕もふたなり、か」
「興味深い内容、だね、相手も……女も、男もいるし、あ、この子は男の娘……?知らない表記だね」

「女の子の恰好をした男の子……なるほど、まつりみたいな子か」

エロ本の知識が増えていくにつれ、読み込むマトの目にも熱が入りだす

マト >   
「"例え体が冷たくても、重ね合う心が暖かければ良い"か……」
「そう、だね、体がどうであるか、というのは一つの状態でしかないのかもしれない」
「実際、オファニムとも分かり合えたわけだし……」

「それにしても、んっ……」

少し身をよじらせ、股間を抑えるようにしながら体を震わせる

「熱……下半身に、之が……っ、ぁっ…… 性的、興奮?」
「調べて理解はしていた、つもりだけどっ、何だか脳の処理能力を奪われているような感じがして」
「これは、制御できないと人造生命体(ゴーレム)としての役割にも支障をきたしかねない、な」

マト >   
「… 優希はどうしているんだろう、いや、こういったものがあるかもわからないか」

最も身近な同類の事がふと頭に浮かぶ

「少なくとも、僕という存在に……こういう、要素がある事を知れただけでも、よかったのかも」
「こう、して… 自分自身で向き合う、機会もできたわけだし」
「…… んっ」

ワンピースの上から股間を押さえつける彼女は、自分の体が微妙に服を擦る様に動いている事に気づいていない
それが意味するものを知識として調べただけでは気づかない事が、世の中にはごまんと存在するのだ

「何だか、ちょっと、暑い、な」

そして、それを知らぬままに本を読み進めていく、エロさもそうだが、ストーリーの巧みさもこの本の魅力らしい

マト >   
「性欲、人、いや子孫を残す欲求という意味では生物には欠かせないモノ」
「だけど、ゴーレム()に必要とする理由は……いや、人らしく、と存在させられるなら」
「必要は…… あ、あっ、主人公が……っ」

いつの間にか食い入るように読んでいた本の後半、敵に捕まった主人公が、無理やり襲われ、幼い秘裂を開かれて声をあげる

「…… 」

ごくり、と息をのむ中、吸血鬼の下半身から破瓜の血が零れる
(特筆すべき点として、彼女は今まで男性相手には後ろか口しか使っていなかった)

「……これは本、物語、実際の事じゃない」

だが、エロ本の常か、直ぐに喘ぎだす主人公を見ながら、マトの指はゆるゆるとワンピースの中に入っていき

「こ、この辺り…の」

果たして、当然の帰結として、それをみながら、自身の同じ部分を触れ始める事となる

「ん、ぁっ…ぁっ、こす、れっ」

更に言えば、両性具有たるマトの、男性の部分がワンピースに擦れるのも自明の理と言えるだろう

「が、頑張れっ、主人公……!」

いれるという行為をしないのは恐れか、それとも自制か、下着の上を指の腹で擦るように刺激しながら
何とか陵辱されながらも反撃しようとする主人公を応援する、其処に自分を重ね合わせているのかどうか
性に目覚めた彼女に判断はつかないだろう

マト >   
「あっ……」

そのまま、健闘虚しく主人公の中に敵の白濁が注ぎ込まれる
最も、その直後から反撃が始まるのはお約束なのだが……

「~~~~~っっ!!」

それとほぼ同時に、マトの体が小さく、小刻みに震える
人造生命体(ゴーレム)としての学習能力の高さは、こんな所にも遺憾なく発揮されていた

「は、ぁ、ぅ……」

小さく肩で息をしながら、ゆっくりと指をワンピースの中から引きだし、ぬらりと濡れ光る指をぼうっ、と見つめる

「…… 」
「っ、ぁ、床、汚しちゃまずい、な」

我に返ったマトは、濡れた液体… 自信の体液を能力を使って硬める
丸めた土のようになったそれを、そのままぽいっ、とゴミ箱へと放り投げた
流石にそれを、何らかの形で使う気にはマトにもならなかったのだろう

「…… あ、之で終わり、かぁ」

その後、改めて本を読み進めれば物語は平和裏に大団円を迎える
お互い思いあいながらも口や後ろでしか体を重ね合わせていなかった少年との初めてのエッチが物語を締めくくっていた

「面白かった、かな、うん、多分」

ぐるぐると自分の中の気持ちをかき回されるような不思議な気持ちを感じながら、本を閉じる

「3冊… 読む予定だったけれど、1冊でお腹いっぱいだね」

マト >   
「汗とかも、ちゃんと処理しておかないと、何だか匂う… かもしれないからね」

誰へとも知れずそういいながら、手に持った本を何処か大事そうに本棚へとしまい込む

「……うん、とりあえずすっきり、したかも」
「って、うわ、ワンピースの裏が…… 失敗したなぁ」

所謂賢者タイムというものに入ったマト、それは必然的に、男性の方も多少ながら興奮した事を示し
その証の液が、ワンピースの裏側を汚しているのも当然、というものだろう

「……こういう本、読む時は服は着ていない方がいいのかな」

そんな当たり前の発想と、また読む予定があるような事をつぶやくマトは、確実に昨日とは変わっている
その変化がどのような方向に進むかは……

きらりと外に降り注いだ流れ星(スターダスト)だけが知っている

ご案内:「堅磐寮 マトの自室」からマトさんが去りました。