2024/09/11 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にマリアさんが現れました。
ご案内:「落第街 路地裏」にDr.イーリスさんが現れました。
ご案内:「落第街 路地裏」にエルピス・シズメさんが現れました。
ご案内:「落第街 路地裏」にさんが現れました。
エルピス・シズメ >   
 エルピス、イーリス、赫。
 3人で食事を摂った後、落第街のジャンク屋であるものを作る部品を見繕った帰り。

 分担して、あるもの……エルピスと赫の専用バイクを作る為の部品を持ち帰っていることだろうか。

「これだけ買えれば、めどは立ちそうだね。」

 エルピスは、イーリスと同じ装い。
 とくべつな異能の行使の残響で背が縮んだこともあり、身体能力も下がっている。
 とは言えイーリスと同じぐらいちっちゃくなったので、その場のノリ(折角だから)でイーリスと双子コーデをするに至った。
 
 

Dr.イーリス > イーリスもバイク部品が入った紙袋を抱えていた。
イーリスはいつもの袖なしセーラーワンピースだけど、今日はエルピスさんも同じ装いの双子コーデ。

「部品は集まりましたし、あとは組み立てお任せください。あのお店、美味しかったですね。また行きたいです」

そう楽し気に口にする。
そんな日常の風景。
日常の風景なので、メカニカル・サイキッカーは連れていない。

> 「…っていうか、バイクをマジで作る事になるとは思わなかったわ…俺、無免許だけど。」

まぁ、落第街でその辺りは今更だろうか。右目に黒い眼帯を付けている以外は何時も通りの赤毛の少年。
買い物と食事帰りに事務所の同居人たちとの帰り道。

(…と、いうか事情は大まかに聞いたとはいえエルピスが縮んでて何か変な感じだなこれ。)

そんな心中の思いは兎も角。今の所周囲に異変は無い。何だかんだ周囲には気を配っている。

マリア > 「みぃつけた。」

とん、建物の屋上から飛び降りる
拳には魔力の手甲、込めた魔力と殺意を重力も乗せて振り下ろす

地面に突き刺さる拳から魔力が破壊となって溢れ出す
地面を砕くそれは開戦の狼煙になる

「ご機嫌ようブリキ女ぁ、今日こそ死んでくださいますぅ?」

3人、見覚えがある男と無い女と殺すべき相手
狙う相手は先ずはただ1人

「家族とやらが揃っているみたいでいいですね。
文字通り仲良く死んで後腐れなく終われますねぇ?」

壮絶な笑みを浮かべたマリアは構える

エルピス・シズメ >  
「ッ!」

 異能としての【既視感】が呼ぶ、死の予兆。
 その予兆を理解するより前に、エルピスは全身でイーリスを抱き抱えて転がり、
 上空から飛来する拳とその衝撃からイーリスを庇う。

 現在のエルピスは、赫にも説明した事情────
 イーリスとエルピスの特別な相互回復行為の影響で、身体能力が低下している
 攻撃の余波だけでも、無視できぬダメージとなる。 

 

Dr.イーリス > 「私も無免許ですよ」

何やってるんだ風紀委員、と言いたくなる言葉。イーリスは最近、風紀委員になった。

「近い内に免許を取ろうとは思いますけどね」

さすがに免許は取る予定。

そんな時に、イーリスのレーダーに反応する落下物。

「何かきま……きゃあぁっ!!」

エルピスさんに抱えられて、地面で転がる。
落下してくる存在から、イーリスはエルピスさんに守られる。

> 「それでいいんか風紀委員……。」

いや、俺も元・風紀委員だけど…2年前に抜けてるし今は追われる立場なので…。
と、そんなツッコミをした瞬間、ぞわり、と感じる気配に反射的に飛び退いた。

「……まぁ、そりゃ”来る”よな…!!」

隻眼を不意打ちをしてきた存在――マリアへと向けつつ。
エルピスとイーリスは…エルピスが咄嗟に庇って共に回避したようだ。ほっと一安心。
二人の事情は大まかに聞いてはいるが…。

(…こりゃ、俺が盾役つぅか囮役やるパターンだなぁ。)

つまり何時もの損な役回りだ。慣れてるからどうとも思わないが。
既に腰の後ろの二刀を抜鞘――鞘に納めたままの状態で両手に刀を携えている。

マリア > 本気で狙った訳でもない
けれどあの見た事ない女、動くのがワンテンポ早かった
察知か何かなら先に潰すべきか

「でも、やっぱり貴方が邪魔しますよねぇ?」

相変わらず抜刀しない剣士に目を向ける
この前の機械が居ない所を見るに…

「お前が潰れたら終わりですねぇ。」

ニタリと笑い、前に飛ぶ
両拳には手甲…そして黒い何かが集まっている
その両拳を振り下ろした

エルピス・シズメ >  
「ご、てら、……前、……いー……、準……」

 呼吸が整えられず、状況が読めない。強い打撲で瓦礫で腕や足を切ったことと、
 危機が起こることだけを理解して、庇ったイーリスの前に膝を付く。
 
 護身用として持ち出した、何処にでもある拳銃。
 弾丸は非殺傷のゴム弾。朦朧とした意識で、殺意の先のマリアを勘で撃つ。

 感覚で撃っているので、狙いも定まらないしリロードにも時間が掛かる。
 替えの弾倉を落として、拾い直す。

 意識と状況が整うまで、既視感の経験に身を任せての、半ば無意識の応戦と援護。
 ……普段のエルピスと比べて、明らかにか弱い。
  
 

Dr.イーリス > イーリスの《体内超高性能コンピューター・イリジウム》がすぐに、イーリスが出掛けている間に《数ある事務所》のラボで他のメカのメンテナンスを行っているなど助手をもこなす《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅲ》に緊急出動命令。

「……ッ。ありがとうございます、エルピスさん。助かりました。エルピスさん……!!」

イーリスは庇ってくださったので無事。だがエルピスさんは打撲と、そして腕や足を切っている……。

「マリアさん……私を襲うタイミングもお構いなしでございますか」

マリアさんを凛と睨む。

「赫さん、今メカニカル・サイキッカーを発進させました! しばらくの辛抱です……」

メカニカル・サイキッカーが到達すれば、人数で押せる……。

> 「あいよー、こういう役回りは何時もの事なんで…。」

ナナやハインケルと共闘した時も、大体こんな感じで囮みたいに立ち回ったし。
とはいえ、真っ向からやり合うのはきっつい相手だ。しかしもう完全に魔法少女じゃねーなこれ。

「つー訳でそう簡単に潰される訳にもいかんのよ…ね!!」

振り下ろされる手甲纏った両拳。黒い何かも相変わらずのようで。
それを、あろう事か右手の刀一本で受け止め――た、瞬間に打撃の衝撃を”ズラす”。
少年の身が左に吹っ飛ばされるように跳んだ…かと思えば。

(――さて、生半可な攻撃じゃ通用しねーだろうし…!!)

身を旋回させて、マリアの背後に回り込み――左の刀に、空間圧を凝縮展開。
更に、竜の魔力を上乗せした打撃を背中に叩き込まんと。

丁度、エルピスの援護射撃が…狙いは全然だが、いい感じにマリアの気を散らしてくれる…と、思いたい。

マリア > 雑な射撃、しかも弾いた感覚は…ゴム?
舐められているのかどうなのか、一先ず厄介では有っても脅威ではないと判断する
イーリス自身も面倒ではあるがやはり今は剣士の方
直接戦闘力があるこの男を無力化すれば後はどうとでもできる

「えぇ!いつでも好きなタイミングで貴女を殺しにこれるんですよ。
痛みも何も消えたおかげでねぇ!」

だから万全を期した
体力、魔力共に充足し休養も取った
そんな中で楽しそうに買い物帰りの姿を見せられたら…やらずにはいられなかった

されど簡単に剣士は抜けない
矢張り単体での戦力ではこの剣士が最も厄介
だが、今回はまだ勝ち目もある

「お洒落な眼帯ですねぇ!
随分男前になりましたが、その後は如何ですか?貴方に焼かれた腕、戻すのに随分苦労しましたよ!」

焼け爛れたあの痛みを思い出す

「使っていいですよ、あれ。
万が一にお仲間に当たったら面白そうですから!」

背後に回られればマリアは嗤う
背中から噴き出る魔力の放出、イーリスとの戦いで見せた技を使って吹き飛ばし、前に出る
無力化できずとも隙があればもちろん狙いはイーリス
放出の反動で前に、イーリスとエルピスの元へ迫る

> 「――あ、そう?個人的にはドラゴンの柄とか入れてみたいんだけど、何かほら…アレじゃん?」

と、軽口を叩きながらもマリアの挑発には小さく笑みを返すのみ。
殺すのは無理だが足止め…時間稼ぎ程度なら俺でもどうにかなる。
背後に回り込んだはいいが、魔力の放出で少年が思い切り後ろに吹き飛ばされる!マリアから見れば絶好のチャンス――だった筈だが。

「――余所見するなよ美少女さん。アンタの足止め役は俺なんで。」

そう簡単に抜かせる訳がないだろう?忽然と、少女の前に吹き飛ばされたはずの少年が姿がある。
二人に迫ろうとするならば、こちらからも間合いを詰めて、竜の黒い魔力を纏った双刀で迎撃に掛かる。

エルピス・シズメ >   
 痛打を受けた混乱から立ち直りつつある。
 朧気ながらに、戦況を理解する。襲撃犯がイーリスを死に追いやったものと理解する。

 同時に、圧倒的な暴力から何かのロジックによって護られた事を理解する。
 視界の前では、赫とマリアらしきものが戦っている。

「赫さんに、は……特別手当、出さなきゃね。
 ……ちょっと熱いけど、気を付けて。」

 身体能力は低下している。異能の行使自体に支障はない。
 そのためには、赫が立ち回ってくれている間に思考と身体を立て直す必要がある。

 頼れる仲間()想い人(イーリス)がいるのだから、焦らない。

 弾倉をゴム弾から、テルミット焼夷弾の一種に換える。
 拳銃に採用されるようなものではない違法品のため、調達できた弾倉は1つきり。

 水や消火剤をかけても消せない、科学と物理反応によって燃える火の波と鱗。
 とは言えその種を理解されてしまえば、物質操作能力によって消されてしまうもの。
 
 相手の能力の測定も踏まえて、マリア本人とその足元に向けて連射する。
 意識が戻りつつある今、先ほどと違って狙いは精確だ。
  

Dr.イーリス > 「呪いウイルスとナノマシンがあなたの体内から消えたのは、本当に痛手です……」

悔し気に表情をしてしまう。

マリアさんが急接近……! だが、赫さんが対処してくれる。ありがたい。
エルピスさんの応急処置もままならない。

イーリスはスカートの中、太腿に仕込んでいる木製の脇差を手に持つ。
湧梧さんからいただいた武器。緋々金樹という、並の鋼より余程頑丈な妖木を何とか削って作った木刀。
磨き上げられた黄金のような、金属質な輝きを放っているという不可思議な木刀。

「湧梧さん……あなたから授かったもの、使わせていただきますね。《緋々金樹の脇差》!!」

イーリスは鋼より硬い木刀を構えるのではなく、ブーメランのようにして投げる。
だがイーリスが投げただけでは、木刀は変な方向に飛ぶだけだし威力も全然でないはずだった。
だがそこは技術力に優れたイーリス。木刀の柄に機械のリングがつけられており、そのリングが体内コンピューターで制御されて、自在に投げた木刀をコントロールする。
木刀はやたらと変なところに飛んでいく。一見ただのノーコン。だが急に鋼をも砕く程の速度で高速で回転し、マリアさん後頭部に正確に向かっていく不意打ち。

マリア > 「ちっ、羽虫の様に鬱陶しい!」

空間系の異能か魔術か
真面な防御が出来ない以上数秒でいい物を
防がない訳にはいかない、双刀を手甲で防ぐ

「くそっ、邪魔くさい!」

こちらを狙った弾丸
狙いが正確と警戒して避けたが、炎が広がるのを見れば忌々し気に顔をゆがめる
なんて物を使うんだあの少女はと

「狭い!面倒くさい!」

連携が鬱陶しい、ちょこまかと邪魔をされ目の前の剣士の相手もままならない
後方から変な投げ方をした脇差が迫る

「良いでしょう、出し惜しみは無しです」

背中から再度魔力が放出される
両の手でそれらを自身の周囲でかき回し、円形のバリアを作り出す

ただのバリアと違う点は、魔力が鮫肌の様に高速で動いている事
木刀から後頭部を守り、弾き飛ばす

> 「うーーむ、誉め言葉みたいなもんかな…。」

少年の異能はそもそも役に立たないので魔術の応用だ。
本来なら溜め時間が必要だが、竜の魔力のお陰で瞬間発動が出来た。
とはいえ、乱発は出来ないしあまり多用すると先読みや対処される恐れもある。

エルピスの弾丸の援護…意識が戻ってきたのか狙いは先ほどと比べて遥かに正確だ。
続いてイーリスの援護…木刀?何か勝手に動いてるぽいが、まぁ有難い援護に変わりは無い。

マリアの取った行動に僅かに隻眼を細めつつ、徐に両手の刀を真上に放り投げ――同時に間合いを詰める。
高速で旋回する魔力のバリア。打ち破るのは非常に困難そうだ…実際めんどい。

「――けど、動きが止まったよな?」

躊躇なく右手をバリアへと押し当てる…竜の魔力を凝縮していても、弾かれそうな勢いだがそこは根性でカバー。
…で、ほぼゼロ距離な訳ですよ。つまり…こうします。

「――【竜閃爆砲(バースト)】。」

己ごと吹き飛ばす勢いで、バリアに接触した状態で竜のブレスを圧縮した砲撃をかます――!!

Dr.イーリス > 木刀はバリアで弾かれると、イーリスの手元に戻ってきてキャッチする。
木刀は一旦、太腿に戻した。

「厄介ですね……。以前、天空で戦っていた時は違います。あれがあなたの本領でございますか……。呪いウイルスが消えて、これ程までに強くなってしまうなんて……」

天空での決戦では見せなかったバリア、そして最後に空中要塞をも破壊した魔力放出。
空での戦いでは、以前のマリアさんの方が強かったと称したけど、認識を改めなければいけないかもしれない。

「エルピスさん……!」

エルピスさんに背後からぎゅっと抱きしめる。身長の差がなくなっているので、エルピスさんを抱きしめやすい。

「私の想い……受け取ってください。あなたを……愛しています……。すき……です……。十年間……ずっと……」

頬を赤らませて、エルピスさんに愛を告げる。
エルピスさんへの想いが強まっていき、《パンドラ・コアMk-Ⅱ》がその愛情をエネルギーに変えていく。
イーリスの心臓近くにある《パンドラ・コアMkⅡ》が桃色の光を放ち、イーリスの胸部が桃色に光るように見えるだろう。
その光が、そして愛情が膨大なエネルギーに変換されてエルピスさんへと流れていく。

アルターエゴ・サイキッカー・エルピス >  
 
かんばん(弾切れ)こっちも(銃身)、保たない。赫さん、もう少しだけおねがい。」

 最後の一発を撃ち切って、弾切れと破損。
 銃身が強い熱を持ち、歪みつつあり、もう撃てないと判断する。

 拳銃で違法な特殊弾頭なんて撃つものではない。

「いつも支えてくれて、ありがとね。イーリス。
 僕も愛してる。ずっと、愛し続ける……うん、頑張れる。」 

 イーリスの《パンドラ・コアMk-Ⅱ》から継いだ桃色の光の力。
 その想いを想いを受け取り、炉を通して動力に変える。

 想いを継ぐ異能が無くとも受け取れそうと思いながらも、
 浮足立っていられないので丁寧に感情と異能の両面から想いを受け取る。

 赫が攻勢に出てくれているとは言え、愛に浸っている状況ではない。
 受け取った愛を動力と意志に変えて、応える。

(想いを継いで、継いだかたちを。僕があゆむ。)

 記憶・経験の継承による疑似的な再演異能。
 エルピスの異能をより発展させた、ムネーモシュネー・システムに類似した再現異能。

 その異能を以って、イーリスにとっての『正義のロボットさん』。
 同時に、イーリスのメカニカルサイキッカーに互換する存在。
 全長2m程の、パワードスーツ(強化外骨格)

 そのひとつとしての、アルターエゴ・サイキッカーへと、変身する。

「お待たせ。勢いを削いでくれて助かった。……こっからは僕も応戦出来る。」
 

マリア > 「自爆ですか、私と同じ発想は良いですね。」

魔力の質では竜のそれには及ばない
だがこちらは流動と量でカバーする
直撃はしたがバリアそのものはまだ生きている
しかし、爆風も併せてバリアの外が何も見えない

「ちっ…どこまでも邪魔な男。」

飛び出すわけにもいかない、このバリアを維持しながら確実にイーリスを仕留める
煙が晴れれば…あいつらは何をやっているんだ

「こんな場所で抱きしめて、死ぬ前のお別れですかぁ?」

そこの似たような格好のガキともども、そう一歩を踏み出すが妙な光が集まっている

変身、機械の人形が出てきた
あれはどうやら中身入り?

「抱き合って愛と友情で立ち上がるとか、ムカつきますねぇ。
もっかいバラバラにしてやりますよブリキ女とそのガラクタが。」

> 「んな訳ねーだろ。俺は別に自殺願望無いんで。」

右腕がズタボロになりつつ、吹っ飛ばされた体がピタリ、と不自然に止まる。
そのまま静かに着地しつつ、両手を上に挙げて落ちてきた刀をそれぞれの手でキャッチ。

(…バリアぶち壊すのは流石に無理か。流動の性質が思ったより厄介だな…あと、量で負けたか。)

竜の魔力をあまり多用し過ぎると反動を含めて後が怖い。
と、泣き言も言ってられない。足止めと時間稼ぎが俺のポジションです。
…とはいえ、結果的には時間稼ぎは十分に成功したようだ。やれやれと一息。

「そりゃ【悪竜】なんで。邪魔でうざくてしつこいのは誉め言葉にしかならんっての。
…んで、エルピスも応戦できるなら俺も助かるよ。」

右腕のズタボロは気にしない。動きに支障は出るがどうとでもなる。
しかし、ちょっと戦闘スタイルを変える必要がありそうだ。溜息と共に刀の一本を腰の後ろに戻す。

一刀流になれば、右手で鞘を持ち…左手を刀の柄に添える。
…抜刀術の構えだが、少年の刀はそもそも鎖が雁字搦めに巻かれて抜けない仕様だ。

「――んじゃ、第二ラウンド開始と行こうかね。」

少年の左手が霞んだ――だが、抜刀はしていない。
にも拘わらず、不可視の斬閃がバリアを全方位から切り刻もうとする
これでバリアを打ち破れるとは思わないが、牽制にはなるだろうし――隙あらば…別の手を混ぜるつもりだ。

アルターエゴ・サイキッカー・エルピス >  
 状況が整う。
 赫の剣閃にあわせて、アルターエゴ・サイキッカーに搭載された4つの異能の内の一つ行使する。
 
「ミュートスガイスト、タケミカヅチ……バースト!」

 異邦覚醒異能の二。神秘覚醒異能。
 イーリスにおける神話型魔術生成AIの互換にあたる、使い切りの神威の行使。

 東洋の雷神の名を借りた、物理事象ではない雷撃群。
 一つ一つは大規模な威力ではないが、数が多い。
 
 前を担う赫を避けて、合わせるように援護雷撃。
 幾多の稲光が、執拗にマリアとそのバリアへと迫る。

「……一気に詰めるから、僕にあわせて木刀を届けて、貸して欲しい。
 その木刀で前に出て抑えるから……メカニカルサイキッカーがきたら、宜しくね。」

 言葉と共に、雷撃に乗じて無手で前線に出る。
 イーリスが木刀を操作できるなら、待たなくても問題はないと。
 

Dr.イーリス > エルピスさんへの想いを《パンドラ・コアMk-Ⅱ》で膨大なエネルギーに変える。そしてその愛から変換された膨大なエネルギーがエルピスさんに注がれた。

「ありがとうございます。正義のロボットさん、そしてエルピスさん。私にとってあなたが“希望”です。十年前からも、これまでも……」

そう口にして、イーリスは目を細めて微笑んだ。

「……赫さんに、とても無茶させておりますね…………」

申し訳なさそうに眉尻を下げる。
敵はとてつもなく強い……。状況が状況……。

「わかりました……! 《緋々金樹の脇差》、受け取ってください!」

エルピスさんに頷き、再び《緋々金樹の脇差》を取り出す。
《緋々金樹の脇差》をエルピスさんの進行方向に投げた。
イーリスは身体能力がなくてノーコンだけど、柄にはめ込まれた機械リングによりコントロールされて、エルピスさんが受け取りやすい位置ジャストに飛んでいく。

マリア > 「勝手に死んでくれれば楽ですのに。」

遠く離れた剣士、腕も真面に刀を振れるとは思えない
少なくとも全力は出せないだろう

「とっととあのブリキ女を…!?
お前…ほんとに邪魔ですねぇ!!」

何かをバリアが弾いている
何も見えない、だが確実に何かは防いでいる
ともなれば…またあいつかと悪竜を睨む

そして追撃の雷撃
防げはする、防げはするが動く事が出来ない

「……ハハ、ハハハッ!
良いでしょうこのままじり貧なんてつまらない。
全力で終わらせてあげますよ!」

バリアの維持、そしてもう一つ
奥の手に集中する

> 「いや、だからそれは誉め言葉なんだって。
――邪魔って意識するって事は…つまり無視できない障害っつー事だからな。」

僅かに苦笑を浮かべつつ、左手が霞む度に不可視の斬閃が襲い掛かる。
バリアを打ち破れはしないが、結果的にマリアをその場に釘付けにする事は出来ている。
…うん、単なる時間稼ぎで足止めだ。繰り返すがそれが俺のポジションなんで。
勿論、抜刀術ではない。魔術との合わせ技だ。魔力は削るし一流の剣士とかには見抜かれる児戯。

「――おっと、全力だとさお二人さん。」

バリアを維持したまま何かをする気だ。これじゃこっちの攻撃も意味がなくなる。
攻撃の手は緩めないが、これでは彼女の全力とやらを防ぐ事も妨害する事も出来ない。

(――俺じゃ決定打に欠けるよなぁ、三流剣士だし。…けど、やっぱり”嫌がらせ”はしておきたい。)

なので、不可視の斬閃による全方位からの斬撃に変化を混ぜる。
不意に、バリアを切り裂かんと弾かれる斬撃が”破裂”したように爆発する。
火も煙も無いそれは、更に連続してバリアに叩き込まれていく。
斬撃に加えて見えない爆撃じみた波状攻撃。このくらいの嫌がらせはしておきたい。

バリアを削り切れれば御の字だが、あっちの奥の手の発動の方が早いかもしれない…が。

「エルピス、イーリス!ちょっと俺じゃそろそろジリ貧なんで頼むわ!!」

別に一人で戦っている訳でもないので、遠慮なく二人に頼むのだ。

アルターエゴ・サイキッカー・エルピス >  
(リミットイグノア。)

 異邦覚醒異能の一。能力覚醒異能。
 一時的に肉体と技術の成長係数を極端に引き上げ、ポテンシャルの上限を撤廃する。
 
 分かり易く言えば、身体強化能力。
 声には出さず、内心で呟いて異能を行使する。これも使い切りで、時限式。

「受け取った、イーリス!」

 イーリスの《緋々金樹の脇差》を受け取る。
 刀剣狩りの剣士がイーリスに託し、イーリスの技術により操作され、彼の手に届く。
 エルピスも受け取っているが、素の身体能力が低下していた為、持ち出していない。

 青を基調とするマリアがガラクタと呼んだ、強化外骨格(正義のロボットさん)が、虹色に煌めく。

「分かった! 赫さん、いっぱい時間を稼いでくれてありがとう! 無駄にはしないから……!」

 白兵を超え、バリアの至近と呼べる距離まで距離を詰める。
 奥の手に対し、全力で受けて立つ。

 イーリスや赫が持つ、形や理由は違えど共通する不殺の理念。
 その理念を達するためには、マリアの全力を耐えきり、敵愾心を折る必要がある。

 そうしてから、イーリスに託す。

 正義のロボットさん(エルピス・シズメ)は、そう考えた。
 悪を受け留めるものとして、マリアに立ちはだかった。
 
「……全力で、受け留めるッ!」
 

Dr.イーリス > 戦闘から時間も経ち、《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅲ》が上空に現れる。

「メカニカル・サイキッカー、到着しました! お任せください、赫さん! 前衛を張ってくださり、とても感謝!」

メカニカル・サイキッカーは右腕を巨大な大砲に変形させて、それをマリアさんに向けてエネルギーを貯めている。
マリアさんは気づくかもしれない。
かつてイーリスを臨死に追い込んだスターライト・スレイヤー。マリアさんの体内に注いだナノマシンが、マリアさんの細胞や遺伝子といったものを解析し、そしてそのスターライト・スレイヤーを違法改造異能化した技。元から強力なスターライト・スレイヤーなのでそもそも強化方面での改造は難しい。
違法改造されているので差異はある。今回の違法改造は純粋な強化とは限らず、どちらかと言えばメカニカル・サイキッカーがあの強力なスターライト・スレイヤーから派生した技を放つという意味合いが強い。

「大技いきますね!」

イーリスは風紀委員の腕章をつける。

『風紀委員Dr.イーリスです! 付近の住民に告げます! 容疑者無力化のため、大きな被害が想定される技を放ちます! 申し訳ございませんが避難お願いします! 繰り返します! 風紀委員Dr.イーリスです! 付近の住民に告げます! 容疑者無力化のため、大きな被害が想定される技を放ちます! 申し訳ございませんが避難お願いします!』

マリアさんもまた大技を放つ様子。周囲の住民の避難をさせる必要がある。
イーリスは小型のメガホンを取り出して、周辺住民を避難させる。

マリア > 意識を集中する
剣士の攻撃は鬱陶しいがまだ防げる
爆発音でこちらを揺さぶるがそれもあの機械の戦士の為の布石だろう

「ぴーちくぱーちく、五月蠅いんですよねぇどいつもこいつも。」

殺し合いの最中抱き合って変身?
そんな甘ったれた魔法少女みたいな馬鹿げた連中に負けられない
魔力を、殺意を込める
どす黒い感情を込める

五月蠅い音も物も、何もかも消えてなくなればいい

マリア >  


     「そんなに一緒に居たいなら仲良く死んどけゴミ共がぁ!」


 

マリア > バリアは消え、両の手から黒い球体が2つ放られる
2つはぶつかり、お互いを食らい合いながら膨張を始める

お互いがお互いを食い合い止まらぬ破壊を巻き散らす

暴走魔術
【ウロボロス】

> 「―――あ、こりゃあやべぇ。」

瞬時にソレを見て悟る。今の俺じゃどうしようもねぇわこれ。
エルピスとイーリスに完全にバトンタッチするしかない。
バリアが消えたとはいえ、不可視の斬閃は全てその食らい合い膨張する黒い球体に呑み込まれ霧散する。

自分に出来る事はもう何も無い。…本当にそうか?
アレは止められはしないが、何か少しでも弱体化出来ないか?

「――わーってるよ爺ちゃん。己の筋は通さないとな。」

手に持っていた刀も腰の後ろに戻して無手になれば、両手を一度パンッと打ち鳴らして。

「――後はお前らに任せる。俺に出来るのはこのくらいだ。」

狙いは黒い二つの球体…の、周囲の空間。食い合うアレを直接どうこうは少年には無理がある。
なので、暴走する黒い双球の周囲の空間に、全魔力を投入して――圧縮する。

「よぅ、元・魔法少女さん――小煩い邪魔ものの【悪竜】さんの意地を喰らえ。」

圧縮と暴走する黒球体が接触し――あっけなく圧縮ごと食い散らかされていく。
だが――十分だ、少しでも黒球の暴走速度を鈍らせればアイツらが後は決めてくれる…!!

「全く、俺ってこういうポジションで輝くよなぁ!!!」

自棄っぱちに叫んで笑う。自画自賛くらいしてもいいよな?

エルピス・シズメ >  
(助かった! でも、間違えたら、死ぬ……!)

 全てを破壊する2つの黒い球。

 赫さんが全魔力を込めて、その破壊を食い止めてくれている。
 その時間を十分に借りて、打開策を引き出す。

 感情魔力混合炉による生じた活力を打刀に籠める。
 感情魔力混合炉によらない、感情の魔力を打刀に籠める。
 イーリスから受け取った()を感情魔力混合炉を通して打刀に籠める。

「フロムロゥリス。……戦士さん、力を貸して。」

 異邦覚醒異能の三。技術覚醒異能。
 破壊の魔法を受け留めるために、足りない技能を彼方の戦士から借り受ける。
 当然、時限式で使い切り。

 正義のロボットさんの力は、すべて借り物。
 それでも、借りたものを受け継いで、頑張ると決めた。

「その黒く歪んだ双球()を……返して、みせる!」

 感情を含めた、すべての力で《緋々金樹の脇差》を覆って黒い双球に向かう。
 魔術の斬り方など、本来エルピスは分からない。

 ────誰かの魔技を借りて、『魔術を斬る』。
 剣は守るけど、斬る際に、どうしても双球に触れる。
 
 外装が剥がれる。壊される痛みが届く。
 それでも、振り抜く。

「きみの、そうなっちゃった……想いを、ここで止める!(間違えたら、死ぬとしても……!)
 
 懸命の果て、黒い双球に魔術を斬る剣を、通す。