2026/02/25 のログ
ご案内:「放課後の教室棟(過激描写注意)1」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
放課後の教室。机の上で整理する書類をまとめて一息を吐く。

──その少女の容姿、プロポーションは学園随一。
  成績優秀、運動神経も抜群、非の打ち所がない。
  誰にでも明るく、距離感なく接する、皆から慕われる少女。
  多くの生徒の目にはそう映っていた──

ただ。物事には必ず光と闇がある。

完璧超人、なんて冗談めかして揶揄される凛霞は、時にやっかみの対象にもなっていた。
けれどその品行方正な振る舞いが、そんな感情を表立たせることはなかった。

――そう、表立たないだけだった。

「よしっと…後は本庁の方にちょっと寄ってから──」

夕方に差し掛かり、黄金色の陽光が教室に差し込んでいる。
下校途中の生徒達で校門は賑やかだ。
風紀委員としての見回りの日でなければ、自分も混じって遊びに出かけたい。寒さも少し和らいだ、そんな日だった。

伊都波 凛霞 >  
『伊都波ー、ちょっといい?』

教室を出ようとした少女を呼び止めたのは一人の少年。
普段から明るく、お調子者で。楽しげに接してくれる友人の一人だった。

「あれ、卓也くん。どうしたの?」

カラオケなんかの遊びの誘いはいつも、他に男女数人を交えて声がかかる。
そんな彼が一人、教室で自分を呼び止めるというのは少し珍しくて思わず目を丸くする。

『実はさ』

あれ…?

何か違和感を感じる。
少年の背中に、何か薄ぼんやりとした黒い影のようなものが見えた気がして、思わず瞬きをする。
すると、それはもう消えていた。疲れ目かな…なんて処理して。

でも。

その少年の表情がいつもの親しげな笑みとはどこか違うように感じて。

「何? 相談事?」

凛霞は鞄を置き、少年へと近づいた。

伊都波 凛霞 >  
いつもの笑顔を浮かべて近づこうとしたその瞬間、教室の入口のドアがバタンと閉められる音が響いた。

「えっ…?」

思わず振り返る。
教室の入口には親しげに話してきた友人の男子が二人、立っていた。

『伊都波とゆっくり話したくてさ、俺達』

「何、どうしたの? 改まって」

なんだかいつもと雰囲気が違う…気がする。
三人の笑顔が、見知らぬもののように見えて。

一人がゆっくりと近づく。
彼の手には、スマートフォンの画面が光っていた。
映っているのは――制服姿の凛霞の写真。
登校時のもの、体育着に着替えている瞬間らしきもの、下着の色が透けて見える角度から撮影されたもの───。

「………は?」

──意味がわからなかった。

伊都波 凛霞 >  
彼らは笑いながら、今この瞬間をどれだけ待ち望んでいたかを吐き捨てるように告げた。

『実はずっと前からさ、お前の写真で抜いてたんだよな』
『清楚そうな顔して、近くうろうろされてんだから堪らねえよな』
『毎晩俺らのオカズでがんばってくれてたんだぜ。風紀委員様』

友人――少なくとも凛霞はそう思っていた顔ぶれから告げられたのは、
自分の無防備な笑顔が彼らの欲望の材料として増幅され、卑猥な幻想を肥やす餌になっているという現実だった。

「───」

言葉も出せずに、見開いた目が三人から視線を外せない。
どうして突然そんなことを? 疑問と共に、脳が理解を拒む。

「そんな冗談、らしくないよ?」

「何かあったの? そういうの、あんまりおもしろい話じゃ───」

動揺に表情を変えないように、頑張って笑顔を維持しながら彼らに近づいた。

パァンッ───。

言葉に返ってきたのは鋭い平手打ちだった。
教室に響くのはただ乾いた音。頬に走る熱と痛みが、現実を骨の髄まで叩き込んだ。

『冗談なわけねえだろ。頭どうなってんだ?』

伊都波 凛霞 >  
言葉の刃は、信頼という鎧を易々と貫く。
頭の中が真っ白になる。きっと悪質な冗談だと思いたかったそれはばさりと斬って落とされた。
頬に残る痛みと熱。───呆然とする凛霞の首筋に冷たい感触が伝わる。

バチッ───。

身体に刺すような電流が奔った。
四肢の支えがなくなったような感覚───。

『風紀委員だからな。武術も使える。
 油断してると三人がかりでも逃げられるぞ』

動かない腕を掴まれ、机の上へと押し倒される。

『ずっとこのカラダをブチ犯してやりたいと思ってたんだよ』

待って。どうして。なんで───。
口を手で塞がれ声が出せない、端に涙の浮かんだ視界。男子生徒の背中に、また黒いシミのような靄が広がるように見えた。

制服のブラウスが引っ張られ、胸元を留めていたボタンが彈け、舞う。白い胸元が露わになる。

『人当たりいい顔して、俺らのこと誘ってたんだろ?』

やだ。やめて、やめて───。
スタンガンに弛緩させられた四肢は言うことを効かない。ただその肌感覚が現実を明瞭に伝える。

スカートが捲り上げられる感覚に続いて、下着が引き剥がされる感触が続いた──。

ご案内:「放課後の教室棟(過激描写注意)1」に天琴 衣詞さんが現れました。
天琴 衣詞 >  
「ふむ。」

こつり、こつりと、小さく足音を立てながら、放課後の教室棟を歩く人影ひとつ。
千早のような作りの上着を着た、巫女服を思わせる形状の和服と袴姿の、小柄な少女である。
小さく歩みを進める度、ふわりと広がるボリュームのある白い長髪が軽く揺れ、シルエットだけは大きく見える。

「広いな。」

歩みを進めつつも、そんな言葉を小さく漏らし。
天琴の家も広いは広いが、それとはまるで規模が異なる。
早い内に慣れた方がよかろうか、と、自由な時間を活かして校内散策といくつもりであったが。

「同じような光景が続くな。」

幸い、教室番号などがあるお陰で完全に迷うという事はなかった――ものの、下手をすれば
迷子一直線であったかもしれない。
まだまだ浮世に慣れていない、という判断を下し、日も暮れて来た事なので、
ここらで今日は切り上げ――と、思った所で。

「……………。」

声が聞こえた、気がする。
何処か、邪な気を感じる、声。迂闊。もしや魔性のものか。

「………。」

しずしず、と、足音を鎮めながら、「声」の聞こえた先を辿る。
辿り着いたのは、人の気配を感じる教室。
ふむ、と、一度思案し。

(まずは、様子見。)

こんこん、と、閉じられていたドアを、軽く叩いて様子を伺う。
同時に、内部の気配を探る為に。

(共銘――天詔琴(アメノノリゴト)。)

神器と心身を重ねる事で探知にも応用可能な那岐流・尾羽張の技法が一つ。
それで以て、室内の気配を探りに掛かる――。

伊都波 凛霞 >  
『…おい、誰か来たぞ。鍵かけてあるんだろ?』
『……教師呼ばれても面倒だな』

一人が凛霞の下を離れ、教室の入口へと赴く。

『何だ?部活動で使用中だ。部外者は入れないぞ。
 忘れ物でもしたなら、係のところへ届けておいてやる』

ノックされたドアに近づき、そう声をかける。

残りの男子生徒達はそんな様子を伺っていた。
黒いシミのような靄は、生徒の背中に張り付き、染み込むように消えていった。