2024/09/07 のログ
『凶刃』 > 『―――、――?――、――。』

「惚けやがってコイツ…いいから返せ。テメェが持ってても意味ねぇだろうがよ…。」

その”声”は曖昧ではっきりしないが、何故か言葉としてはしっかり認識できる。
ここに刃物があれば、今すぐにでも切り捨てたいくらいだが、忌々しい事にそれは出来ない。

鉄格子の暗闇の更に向こう側。椅子に座る誰かの影。相変わらずふざけた存在感だ…濃いのか薄いのかはっきりしない。

『凶刃』 > 時間は限られている。焦ってもイラついても意味が無い。そもそも面会した所で――…

「――《血濡れの戦犯》(ラヴェータの女狐)とか《無限山脈》(廬山の野郎)連れてきてコイツ始末できねぇかな…。」

まぁ、無理に決まっているのは男が一番よく分かっているが。
椅子に座る誰かの影。うっすらと口元が笑んだように見えた。

??? > 『――【妖精】さんに写真は返して貰ったの?
『凶刃』 > 「―――あァ?」

自然と声が低くなる。…何か痛い所を突かれたのか顔が苦々し気に歪んだ。
低くなる声とは裏腹に、男の表情から温度がスゥ…と消えていく。

――コイツだけは絶対に斬り殺してやる。いちいち癇に障る。
5分経過を告げる無機質なブザーの音。粘ってもあと5分…しかも奴は相変わらずだ。

『凶刃』 > 「やっぱオマエだけは何時か絶対殺すわ。最初からずーーっと気に食わねぇんだよ。」

気に食わない奴は腐るほど居る。だが、コイツだけは別格だ。
特に俺たちを俯瞰するような視点で見下ろしている感じなのが気に食わない。

さっさとくたばれとは思うが、自分の手で斬り殺さないとどうにも気が済まないモノをずっと感じてる。

??? > 『――あら怖い。…■■君と■■■■■さん、後は――やらかした■■君と、それからあっちに居る■■さん。…■■さんも最近よく気配を感じるけど…あぁ、■■さんも居たわね。』

『――それで?錆びて腑抜けになった刃でどうするの?』

??? > 『―――ねぇ?追影の紛い物の切人クン?』
『凶刃』 > 「―――――――――。」

何かがプツン、と切れた音が聞こえた気がする。
無意識に異能で鉄格子ごと、あの忌々しい■■をバラバラに斬り殺して―――!

「―――っづぁああああ!?」

激痛、全身に施された異能抑制装置が”危険域”を察知して強制的に抑制に掛かる。

(クソが、クソがクソがクソがクソがよぉぉぉぉ…!!!)

噛み締めた奥歯が砕ける、勢い余って唇から血が滲む。
全身の激痛と虚脱感と、それに耐えながら力を振るう――何も出ない。クソが!!

「…テメェ…だけ、はっ…!!絶対…っ!!」

??? > 『…今の貴方では無理。”コレ”を返す気も起きない…出直してきなさい。』

『――”彼女”から受け継いだものを貴方はきちんと理解しなさい、半人前。』

??? > 『それと、貴方はもうちょっとお友達を増やしなさい――見てて哀れになってくるわ?』

『貴方に足りないモノは周囲の人たちが持っている。それを得て、学んで、研ぎ澄ましなさい。…それくらい出来るでしょう?――【凶刃】。』

『凶刃』 > 「っざけんなクソアマぁ!!テメェは俺の親か何か―――おい、コラっ!!てめぇら放しやがれ…!!!」

10分経過。【看守】達に両脇を固められ、強制的に【牢獄】から退室させられていく。
異能抑制装置のせいで、上手く体に力が入らない。抵抗出来ずズルズル引き摺られていく。

「おいっ、まだ話は終わって―――!!」

『凶刃』 > 「―――次は絶対ぶった斬ってやるからな――【終極点】(クソババァ)!!!」

そう叫ぶ男の声も遠ざかり、後にはまた静寂だけが残る――一つだけ、呟きが木霊した。

特級監視対象【終極点】 > 『…えぇ、何時でもどうぞ…?出来るモノなら、ね。…その時を楽しみにしているわ…?』
ご案内:「【牢獄】」から『凶刃』さんが去りました。