2024/10/16 のログ
ご案内:「放課後の学園・放送室」に夢月 闇美さんが現れました。
■夢月 闇美 >
日も暮れかけた薄闇刻。
鍵がかけられている筈の教室棟の放送室の中には、一人の少女の姿。
ほっそりとした華奢な少女はどこかだらしなく制服を着崩し、
放送席の椅子に腰掛けくるんとそれを回して、ゆったりと脚を組み上げる。
「闇美ちゃん、ジャ~ック♡」
パチン、と校内放送のツマミを切り替える。
全校放送ではない、教室棟のみに放送が流れるスイッチだ。
■夢月 闇美 >
「こんな時間まで残ってるイケナイ男子?ヤリたがり女子~?」
「そ・ん・な、貴方はぁ~、今スグ体育館裏に集合、だゾ~♡」
甘く蕩ける様な声に乗せるのは、催淫の魔法。
心に隙あらば入り込み、内側からくちゅくちゅと人間が本来持つ獣の如き欲求を刺激する──。
己を律することに長けている人間や、純潔…貞操観念の強い者、そして真の愛をしる者…。
そういった、淫魔の誘いが通じない人間は兎も角──まぁ年頃の、特に男子なんてモノは隙だらけなモンである。
「あっ、風紀委員に見つからないようにねぇ~。
見つかったら、風紀委員さん!学生街で事件です~!なんて言っとけばきっとダイジョブ♪
あ、それでも捕まったら目一杯騒いでね♪」
いい囮になるから。
■夢月 闇美 >
前置きは終わり。
すー…っ、と大きく息を吸って──。
ここからが本番。
薄く笑みに細められた金眼。
しっとりと艶のある唇が開かれ、マイクにキスを落とす様の距離───。
「×××、××××…♡ ×××××、××~……♡」
淫猥な言葉の羅列。
脳に直接囁く様な、甘く染み込む、卑猥なる毒の言霊──。
心の隙を見せた者への淫蕩の贈り物──
■夢月 闇美 >
「───、んふっ…♪」
ものの数分…一淫靡なる言霊を囁き終えればパチンと放送スイッチを落とす。
同時に、高まりを感じる教室棟内での──淫気…。
「クスクス。あれぇ、思ったよりいっぱい残ってたですか…?♪」
耳を澄ます…。
体育倉庫…、用具室…、鍵のかかる教室各所…
生徒達の若いエネルギーの迸り。
ぞくっ…♡と小さく細い肩を震わせ、思わず口元を指で撫ぜる。
──何処が一番、美味しそうかな──? と。
■夢月 闇美 >
「ん」
放送室の前の廊下足音を感じる。
バタバタと慌てた様子の足音はドアの前で停まり、鍵穴に鍵を差し込むガチャガチャという音が続く。
「ふふ、せんせーでも残ったですかぁ…?
しからば、退散♪」
放送部か、残っていた教諭か、はたまた。
どちらにせよ唐突な猥褻校内放送に慌てたに違いない。
ズ…と少女の足元に染み出す様に広がった闇溜まり。
底なし沼に沈む様に、白髮の少女は嘲笑をその場に残しながら、姿を消す。
鍵を開け、中に踏み込んだ者が見たのはもぬけの殻となった放送室。
そして、くるりくるりと、人が直前まで座っていたことを示す様にまわる椅子の姿だった。
ご案内:「放課後の学園・放送室」から夢月 闇美さんが去りました。