2024/10/16 のログ
ご案内:「放課後の学園・放送室」に夢月 闇美さんが現れました。
夢月 闇美 >  
日も暮れかけた薄闇刻。
鍵がかけられている筈の教室棟の放送室の中には、一人の少女の姿。
ほっそりとした華奢な少女はどこかだらしなく制服を着崩し、
放送席の椅子に腰掛けくるんとそれを回して、ゆったりと脚を組み上げる。

「闇美ちゃん、ジャ~ック♡」

パチン、と校内放送のツマミを切り替える。
全校放送ではない、教室棟のみに放送が流れるスイッチだ。

夢月 闇美 >  
「こんな時間まで残ってるイケナイ男子?ヤリたがり女子~?」

「そ・ん・な、貴方はぁ~、今スグ体育館裏に集合、だゾ~♡」

甘く蕩ける様な声に乗せるのは、催淫の魔法。
心に隙あらば入り込み、内側からくちゅくちゅと人間が本来持つ獣の如き欲求を刺激する──。
己を律することに長けている人間や、純潔…貞操観念の強い者、そして真の愛をしる者…。
そういった、淫魔の誘いが通じない人間は兎も角──まぁ年頃の、特に男子なんてモノは隙だらけなモンである。

「あっ、風紀委員に見つからないようにねぇ~。
 見つかったら、風紀委員さん!学生街で事件です~!なんて言っとけばきっとダイジョブ♪
 あ、それでも捕まったら目一杯騒いでね♪」

いい囮になるから。

夢月 闇美 >  
前置きは終わり。
すー…っ、と大きく息を吸って──。

ここからが本番。
薄く笑みに細められた金眼。
しっとりと艶のある唇が開かれ、マイクにキスを落とす様の距離───。

「×××、××××…♡ ×××××、××~……♡」

淫猥な言葉の羅列。
脳に直接囁く様な、甘く染み込む、卑猥なる毒の言霊──。

心の隙を見せた者への淫蕩の贈り物(プレゼント)──

夢月 闇美 >  
「───、んふっ…♪」

ものの数分…一淫靡なる言霊を囁き終えればパチンと放送スイッチを落とす。

同時に、高まりを感じる教室棟内での──淫気…。

「クスクス。あれぇ、思ったよりいっぱい残ってたですか…?♪」

耳を澄ます…。
体育倉庫…、用具室…、鍵のかかる教室各所…
生徒達の若いエネルギーの迸り(とびっきりの御馳走の音)

ぞくっ…♡と小さく細い肩を震わせ、思わず口元を指で撫ぜる。
──何処が一番、美味しそうかな──? と。

夢月 闇美 >  
「ん」

放送室の前の廊下足音を感じる。
バタバタと慌てた様子の足音はドアの前で停まり、鍵穴に鍵を差し込むガチャガチャという音が続く。

「ふふ、せんせーでも残ったですかぁ…?
 しからば、退散♪」

放送部か、残っていた教諭か、はたまた。
どちらにせよ唐突な猥褻校内放送に慌てたに違いない。

ズ…と少女の足元に染み出す様に広がった闇溜まり。
底なし沼に沈む様に、白髮の少女は嘲笑をその場に残しながら、姿を消す。

鍵を開け、中に踏み込んだ者が見たのはもぬけの殻となった放送室。
そして、くるりくるりと、人が直前まで座っていたことを示す様にまわる椅子の姿だった。

ご案内:「放課後の学園・放送室」から夢月 闇美さんが去りました。