2024/10/30 のログ
ご案内:「コルヴィーナを舌に乗せて」に汐路ケイトさんが現れました。
■汐路ケイト >
「……つかれたぁ……」
午後の授業を終えた足でそのまま部活。
雨を吸った修道服が煩わしく、洗濯機へポイした。
身体を拭いて、お風呂を沸かす。ゆっくり浸かって眠りたい。
「はふー……」
ベッドにぼすんと飛び込む。
■汐路ケイト >
(逃げてきちゃった)
話していて、気まずくなって、思わず逃げてしまったのだった。
気丈に、本能に対して、正しく律しようとしていたあの娘の前で。
半端者の自分が、まるで足を掴んで引きずり込むような真似。
(……リリィちゃん。今度会ったら、謝らなきゃ……)
嬉しそうにしてくれたのだ。
友人をつくることも、安心してとはいかないだろうから。
それに応えるのが、きっと――そう、よいこと。
ともだちをつくることは、自分には許されていることだ。
赦してもらっていたことだった。
■汐路ケイト >
(………それにしても)
毛布をかぶって温もりを手に入れる。
闇のなかに籠もると、とても落ち着く。
(……おいしそうだったな……)
そんな――思考が。
頭のなかで、ぐるぐると、うまれはじめた。
(きっと、あの……お目々が……)
まるで――満月のような。
そんな瞳をみていたせいかもしれない。
■汐路ケイト >
「……………」
ぼんやり。
考えているだけで、時間が過ぎていく。
そんななかでも、眼は瞬きを忘れたように開き続けていて。
「……………」
つめたい。
「……………?」
■汐路ケイト >
「……!?わっ、あっ、うわっ!?」
気づいたら、口元がべとべとだった。
半開きになったままの唇から、やたら唾液がこぼれていた。
枕に――……染みが。
「うわああ……」
うわあ。
ぐんにょりしたまま、身体を起こす。
それとほぼ同時に、追い焚きが終わったことを知らせるアラートが湯沸かし器から響いていた。
「うー。ずっと雨なのに……」
お洗濯物が大変だ。
……ほかにも、いろいろ、大変だ。
ご案内:「コルヴィーナを舌に乗せて」から汐路ケイトさんが去りました。