2024/12/25 のログ
ご案内:「cleaning up the past」に追影切人さんが現れました。
■追影切人 > 風紀委員会庁舎の――何処かの部屋。
一人の隻眼の男が、制服の上からガチガチに特殊な拘束具を付けられてそこに立っている。
周囲には幾つかのモニターが浮かんでいるが、そこに映像は無く【sound only】の文字がちらついている。
「……で、人を呼びだしておいて拘束具まで付けてお話ってのが”ソレ”か?悪い冗談だろ…。」
ウンザリしたような声で男は画面の向こうの誰かに語り掛ける。まぁ返答なんて分かりきっているが。
■追影切人 > 『――君に拒否権は無い。年明けからでも動いて貰おう。』
「…俺一人でかよ…他の一級、もしくは準一級以下の連中は?」
『いいや、お前一人で全員を今度こそ始末しろ。』
(…この調子だと、監視役の凛霞とかレイチェル辺りにも話を通す気無さそうだな…。)
白崎の件の事は聞いているが、アレはまだ人間味があったように思う。”こいつら”と違って。
盛大に溜息を零せば、拘束具に仕込まれた特殊な電圧が作動し、全身に痺れが走る。
ガクッ、とその場に片膝を付く。…野郎、こっちが下手に出てりゃいい気になりやがって。
『――もう一度言おう。君に拒否権は無い。』
■追影切人 > 「……頭沸いてんのか?元・一級の7人を俺一人で始末しろだとか、無謀どころじゃ――!!」
更に一段階、電圧が増して歯を食いしばる。こいつら…!!
『――そもそも、ただの『残滓』だ。本来の連中に比べたら大幅に弱体化している。
…いわば亡霊…悪霊の類と見ていいだろう。全く、一級というのは本当に――始末が悪いな。』
淡々とした機械的な声色に、明らかに侮蔑と嘲笑が混じる。
少し前の自分なら、それに何にも感じなかっただろうが…。
「…ハッ、手綱はしっかり握っとけよ飼い主もどき。」
更に電圧増加。流石に声を出すのもしんどいのか、無言でそれに耐える。
■追影切人 > 『――身の程を弁えろ…折れて鈍になったお前に挽回のチャンスをくれてやる【凶刃】。
かつての第一級監視対象7人。
【白鯨】
【幻想恐獣】
【月蝕姫】
【地均し】
【天征翔】
【逆十字】
【悪性因子】
以上、七名。連中の”残り滓”を――今度こそ始末してこい。』
「……そもそも、別にその全員を俺が斬った訳じゃねぇんだが?」
確か、廬山が二人、ミズリが一人…つるぎとあの神出鬼没の馬鹿はやってねぇ筈だ。
…で、俺が三人斬って…一人誰が始末したのか分からんのがいるな。
…で、残り滓で”本人じゃない”とはいえ…俺一人で殺れと?
■追影切人 > 「…ちなみにバックアップとか何か保証は?」
『――あると思うのか?』
「……だろうよ。聞いた俺が馬鹿だったわ…。」
そもそも、残滓レベルで厳密には本人ではない…怨念みたいなものだとして。
(――こういうのは、祭祀局…茉璃の奴とかあっちの領分じゃねぇのか…?)
それとも、よっぽど俺を始末したいのか…他の4人がどうかは知らんが明らかに俺を殺しに掛かってるだろこれは。
■追影切人 > 『――釘を刺しておくが、【不朽祭器】と【薄氷死線】、そして【化外殺し】の3人の助力も無しだ。』
(…チッ、こっちの考えちゃんと読んでやがる…。)
この手の残り滓に強そうな奴らだけピンポイントで名指ししやがって。
「ちなみに、俺の監視役とかには――」
うぉ、ノータイムで電圧来やがった…分かり易いが。
つまり、孤立無援で【過去の後始末】をしろって事か…面倒な。
■追影切人 > 『――詳細は追って秘匿回線で通達する。他言無用だ――君なら意味は分かっていようが。以上だ。』
そして周囲のディスプレイがフッと消える。同時に、何人かの黒服連中が拘束具を取り外した。
散々過剰な電圧喰らったので、痺れがまだちょいと残っているが。
「…無茶振りするだけして後は放置とか、何時もの事だがよ…。」
年明けから過去の亡霊を斬り殺す仕事か…気が重い。
…気が重い?…あぁ、成程。これも感情ってやつかと妙に納得した気がする。
「……ってか、撤収早ぇなオイ。」
気が付いたら黒服連中の姿は消えていて、自分だけがそこに残されていた。
■追影切人 > 「…そもそも、7人中3人しか面識ねぇんだが?」
後の4人は初見なのだが、初見殺しとかされそうで洒落にならん。
「…一応、凛霞とかレイチェルにぼかして事情説明だけしとくか…?」
でもあっちに変な圧力とか何か面倒掛けるのもな…と、思っている時点で”感情”が出ている。
過去の後始末――自分も散々色々やってきたから、その罪滅ぼしみたいなものか?
(――別にそんな意識もねぇけどな。俺がやらかしてきたのは俺だけのモンだ)
贖罪でも何でも無く。ただ――自分と同じ立場だった連中がまだ足掻いているなら。
それが、例え本人とは掛け離れた残り滓なのだとしても。
「――しょうがねぇ。俺が片っ端から全員斬って成仏でもさせてやっか。」
そう、開き直り…とも諦め…とも違う。彼なりの思いが篭った呟きを漏らす。
■追影切人 > 「……まぁ、多分。」
俺が思うに、他の監視対象の連中とか”それ以外”が。
勝手にあの7人を成仏…成仏でいいのか分からんが。
まぁ、成仏でいいか…そうさせる可能性も大いにある。
(…何というか意図的に穴だらけにしてるような気がしてならねぇが。)
まぁ、上の考えなんて馬鹿な自分がどうこう考えてもしょぅがない。
「…っていうか、我ながら絶対にボロが出そうだわな…。」
カマ掛けられたりしたら引っ掛かりそうだ。嘘とか誤魔化しは下手な自覚はあるし。
「…凛霞の奴は、夏輝の馬鹿の件もあるし……んーーー…。」
少し考えるように隻眼を閉じて腕を組む。正直、監視役はアイツじゃないと俺が納得しない。
だが、今回”も”監視役を素通りしてのこの仕事…アイツが気に病むのはちょっと困る。
「――年明けからだし、直ぐに動けって訳でもねぇとなると…案外緊急性は無い…んーーー…。」
「…よし、あいつらにはきちんと話しておくか。それであっちに変な圧が掛かりそうになったら俺が身代わりなりゃいいだろ。」
結論は出た。出たので後は動くのみ――年明けからだったわ。
■追影切人 > そもそも、何か俺の監視役は風邪でダウンしたとか聞いたんだけど、大丈夫かアイツ…。
「…まぁ、年明けてからだな…あまり大事にするのもアレだが、腐っても残り滓でも元・一級となると。」
どうせ、面倒な異能やら特性やらがあるに違いないから。
取り敢えず、ここでぼぅっとしていてもしょうがないのでさっさと出るとしよう。
どうせ、七人のあれこれは追加で何か情報が通達されるだろうし。
…さて、”同類”の亡霊のお掃除か…本当、
「――気が重い…未来の自分もそうなりたくはねぇな。」
ご案内:「cleaning up the past」から追影切人さんが去りました。