2024/06/12 のログ
ご案内:「◆風紀委員会本庁 とある女子トイレ(過激描写注意)3」に端集シスイさんが現れました。
■端集シスイ >
会議中に気分がわるくなってしまい、解散後に急いで駆け込んだ。
「……う゛ぇ…………っ……」
案の定――個室に飛び込んで、鍵をかけた直後に、すべてが逆流してしまう。制服は……汚れていないだろうか?まだそんなに着てない新品だし、なによりも人の目がある。激しく痛む胃に、焼け付くような熱をもったのど、ぼやけた視界が焦点を結ぶころには、ぼたぼたと涙が溢れていた。
どうやら、制服は汚れなかったけども。しばらく、床にずるりと座り込んでしまう。ああ、めっちゃ掃除されてるな……なんて、そのあとにようやく気づくくらいに参っていた。
■端集シスイ >
常世島に限らず社会のなかでは事件が絶えないもので、どういうことがあったかなどは会議や日報で共有される。内勤担当は現場には出ないが、その事件についての注意喚起や警備のスケジューリングなどの仕事は裏方の役目だから、知らないままというわけにもいかない。
考えが甘かった。内勤なら大丈夫だと思っていた。研修が終わるまでにそんな奇妙なことも起こらないだろう、という子供の想定はなにもかもが希望に満ちていた、幻覚だった。
こうなった要因には大小さまざまなものがあるが……もっとも大きかったのは学生街でおきたという執拗な暴行事件にある。風紀委員たちが対処にあたっているようだが、どうしても後手にまわっていて、けが人もでている。厄介な異能犯罪者、テンタクロウ。それが中心だった。
■端集シスイ >
"悪"。
■端集シスイ >
ぐつぐつと煮えたぎる臓腑に、もう一度せり上がってくるものをどうにか飲み込んだ。心臓がうるさいほどに鳴っている。
人間はよほど特殊でもないかぎり自分の内側をそう簡単に切り離したり、克服したりはできない。こんなことは何度もあった。何度もあったから、端集シスイはかつて警察に逮捕され、そして此度も喧嘩の仲裁という行為に身を乗り出してしまった。望まないくせにそこに飛び込んでしまう。
目の前でなにかが起こったわけじゃない。なのに、話を聞いているだけでこうなってしまった。
「……っ……ぁ゛ー……ばくはつ、しちゃいそう……サイアク……」
風紀委員会……、こんなところ、来るべきではなかった。抑えられない。どこかから湧き上がる狂えるほどの情念。ぞり……。指が、耳を隠すイヤーカフをなぞった……その奥にあるピアスホールの形を感じた。それでもなかなか、おさまってはくれない……。
■端集シスイ >
「明日から、休もっかな……何日くらい休んだらクビだろ……いやマズいか……やっぱりやめますって言わなきゃ……」
結局げっそりとして個室から出て、洗面台に向かう。ちょっとしたホテルみたいに整えられた水回りで、色々と身だしなみを整えた。化粧は……ギリ及第点。登庁用で助かった。帰りに新商品のフラッペとケーキでリセットしよう。宝石とかアクセのお店も冷やかして……やっぱり風紀委員なんて、向いてない。
が抑えられない。こんな が、社会に存在していいハズがないんだから。
■端集シスイ >
鳴動した。ポケットから端末を取り出すと、この学校にきてからできた友人からのメッセージが入ってた。相変わらず噂好きで、根も葉もないものをどんどん引っ張ってくる。胃がからっぽなので、こういう優しいのが……いまはありがたいような。
「……んー……なに……コレ?」
メッセージグループのなかで何やら騒がれてる都市伝説の数々のなかに、ふと気になったワードがあったのできいてみることにした。お水……出しっぱなしだけどいまは許して欲しい。
『しすい@< >ってなに?』
きいたことのない単語があったので、聞いてみた。すぐにこたえがかえってきた。どうやら有名な話らしいけど、まさか……
このあとに、聞くんじゃなかったなんて、身をもって――後悔することになるなんて。
ご案内:「◆風紀委員会本庁 とある女子トイレ(過激描写注意)3」から端集シスイさんが去りました。