2024/06/24 のログ
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に如月 槐徒さんが現れました。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に宇賀野 実さんが現れました。
■如月 槐徒 > 「さて…」
ロビーのソファに腰掛けて買ったばかりのペットボトルの水を空ける。
この水は創業150年シントリーの天然水。長らく味の変わらない水だ。
よく冷えたこの水をここで買って飲むのは何気習慣のようになっている。
「この後の用事は…あんまりないか」
長らく使っている携帯端末で予定をチェックしつつ、ペットボトルの水を流し込んでいく。
窓の外から見える光景は夕暮れ。生徒たちも大体は帰ったあとだろう。
少しぐらいだらけてもいいかと、ソファに深く腰掛けた。
■宇賀野 実 > 「う”う”ー…」
ふらふらと教室を出てロビーを歩く。
調子が悪いわけではないが、体の奥に熱いものを感じる。
こういった状態のときは、特に人ならざるものに好かれやすく…。
終わった後には、だいたい何かしらの変化が置きている。
おそらく、”先祖返り”に関連した発作のようなものなのだろう。
小さな足で廊下を歩く。 人の多くないうちにおおげつに戻り、
峠を越えるまで過ごす必要があった。
「あ…如月先生、こんにちは~。」
視界が揺れる。 相手からすれば、自分がゆらゆらと揺れているように見えるだろう。
ぽーっとした声色と表情で相手に声をかけ、頭を下げようとして…。
倒れそうになり、慌ててたたらを踏んだ。
■如月 槐徒 > 「ああ、実さ…
…大丈夫かい?」
聞き覚えのある声。端末から顔を上げて声の方向を見れば、先日出会ったばかりの実さんがいた。
…のだが、どうにも様子がおかしい。
外見にはそれほど変化はないが、足取りがおぼつかない。何かしら良くない事が起きている事は明らかだった。
「!」
近寄って支えようと、ペットボトルを置き端末をポケットに仕舞っている最中だった。
実さんが転びそうになる。その様子に慌てて駆けだすように立ち上がり近寄れば、両手で抱きかかえるように全身を支えるだろう。
「大丈夫か?体調が悪いなら保健室に行った方がいい」
心配そうな表情で声をかける。
放っておけない。
■宇賀野 実 > 「おお…おおお…?」
相手の声が上からするのと同時に体が安定した。
抱きかかえられているとわかると、安堵の表情を浮かべる。
「よろけたおじさんを助けてくれるなんて、如月先生は人ができているなあ。」
のんびりした調子で告げながら、相手の言葉に軽く首を横に振った。
「熱があったり体が悪い理由じゃないんです。
時々ある…発作みたいなものです。 ほら、異能のね。
保健室で休んでもいいんですが、その…人を寄せ付けてしまうんですよ。」
自分の身体がこんなふうになってしまった原因である、女神の血統。
それが強く発動しているときに、酩酊でもしたかのように調子が狂うのだ。
それと同時に、《神饌》が強く発動する…。一人でいようものなら、
大変なことになるのは、相手にもわかってもらえるだろう。
■如月 槐徒 > 「教師だからね。模範であらないと
そんなことより…」
保健室にでも連れていこうかと考えるが、続く実さんの言葉に耳を傾ける。
「なるほど…確かに熱とかは無いみたいだね。
実さんの異能にはそんな影響まであるのか…」
実さんの額に手のひらをそっと当てる。確かにそれほど熱いようには感じない。
ついでに目眼を外して全身を見てみるが確かに悪いものは見えない。
「なら、一人で帰るのも危ないし…少し休むか、自宅まで送ろう。
丁度この後は空いてるんだ。」
帰路で人を寄せ付けて大変な事に…というのはなんとなく想像出来る。
1人にするのは危ないだろう。自分が近くにいた方がいいだろう。
■宇賀野 実 > 「素晴らしいことです…おぁぁ…。」
おでこに大きな手が当たる。大人の手だ。
目を細めてうっとりと手の感覚に身を任せる。
手当という言葉がある通り、人の手が触れると安心するのだ。
「助かります。 この状態が過ぎれば帰れるので、
ここでちょっと休んでいられると…。
まあおじさんをおうちに送ってくれたところで、
如月先生に変な傷なんてつかないでしょうけれどね!」
わははと笑う声も、どこか熱がこもっているような調子だった。
「でも、困りましたな。 ソファだと支えが無くて、
ふらふらしている自分には難しいかも…。」
座ってもふらふらしている状態でソファに座れば、
横に倒れてしまうかもしれない。 ううむと唸って、
如月先生を見上げた。
■如月 槐徒 > 「ああ、すまない。少し慌ててたみたいだ」
額に手を当てた事に妙な反応を見せる実さんに軽く謝る。
人の素肌に無断で触れるものではなかった。
「そうするといいよ。無理に動くのもよくない」
変な傷…正直つきそうな気がする。
そんなことを思いつつも休んでいくという言葉を聞けて半ば安心。
これで無理にでも帰るとか言い出したらかなり心配だった。
にしても、先日よりもキレが無いというか。やはり肉体的にも苦しいのだろうか。
「そうだね…
そうだ、膝にでも乗るかい?それなら俺が支えられる。」
恩師がかつてしてくれたように…というのもあるが、何故か手元に置いておきたいような。
そんな気分になった。実さんの異能影響かもしれない。
■宇賀野 実 > 「うん…。大丈夫です。熱は測っても全然高くないんですよ。」
手が離れるとちょっと寂しげな声を上げる。
別に変な意味ではなく、今のような状態は人恋しくなるのだ。
病気の時に誰かいてくれると安心するのと同じで。
「そうします。 お膝の上に……?
うん、そうですね…如月先生が良いなら…。」
普段なら冗談の一つもいうけれど、お腹の奥の熱は未だに冷めやらず、
なにより相手の言うように無理をするわけにもいかない。
「ん。 お願いします。」
もぞもぞ。少しだけ頬を赤らめ、少し準備をしてから
両手を上げて持ち上げてもらう構えを取る。
心なしか、外見に見合った子供っぽい態度だった。
■如月 槐徒 > 「俺は大丈夫だよ。むしろ実さんが大丈夫かを気にしていた」
断られるかとも思ったが、意外と素直に聞き入れられた。
少し意外そうに眼を丸くするだろう。
「…?あぁ、分かったよ」
両手を上げて身体を伸ばす実さんの様子に首を傾げるが、すぐにその意図に気づく。
とはいえ、どう持ち上げればいいのか分からない。
これでいいのかと思いつつ、両脇に手を当てて抱き上げるだろう。
とても軽い。自分の力が強いのもあるが、それにしたってとても軽い。
これぐらいの子供はこんなものなのか、なんて思ったがすぐに成人男性であると思いだす。
…とはいえ、先ほどから妙に反応が外見相応というか…子供っぽい。
これでは、子供に見えてしまう。
抱き上げれば、そのままソファーの方まで運んで座り、膝の上に実さんを乗せるだろう。
■宇賀野 実 > 「んふふ…。 持ち上げられるのは、なかなかおもしろいね。
おじさん、今だけはこの姿になってよかったかもしれない。」
軽い体は簡単に持ち上げられる。
ソファに座った如月さんのお膝の上に設置されると、
足をゆらゆらさせながら目を細めた。
「まさしく子供だね…。 まあまあ、今は悪い気持ちじゃない。
如月先生、しばらくよろしくお願いしますね。」
上半身を倒すようにして相手に体を寄せる。
子供らしく熱く柔らかい体の感覚、そして《神饌》のせいか
”おいしそう”な甘い香り。
「んふふふ…♪」
ぐりぐりと頭と身体を擦り寄せる様は、甘えじゃれついているようにも見えるだろう。
■如月 槐徒 > 「それなら良かったよ。」
人を持ち上げるのはもしかすると初めて。
痛がったりせずに喜んでもらえて一安心だ。
「ああ、ゆっくりしていくといい。」
優しく声をかける。
体調不良ではないにしろ、正常ではない事は確かだ。労わるべきだろう。
なんて思いつつ、膝の上に乗っている女児もとい実さんを見下ろす。
「…」
いいにおいがする。それに、なんだかその所作が随分とかわいらしく見える。
実さんが成人男性である事を分っていても、その外見と何よりその一つ一つ言動がどうにも女児に見えてきてしまう。
それに…この匂い。甘くておいしそうな匂いがする。これが実さんの異能の力なのだろうか?これは確かに人を寄せ付けてしまうかもしれない…
なんてことを考えているうちに、自然と手が動いていた。
優しく実さんの頭の上に手を乗せて、左右に優しく動く。そう、撫でてしまっていた。
■宇賀野 実 > 「いやー、人のお膝の上でゆっくりさせてもらうなんて、
子供の頃以来ですな~。」
のんびりした調子でいうものの、外見上はまったく子供…女児である。
ぐりぐりと体を擦り寄せてじゃれついている最中にも、
楽しげに声を上げた。
「如月先生、どうですか? これが《神饌》の発動中で…。
だから先生にボディーガードをたのん”っ」
頭に大きな手が乗ると、声と動きがぴたりと止まった。
「ん、んんんんっ…♪」
手が頭を撫でるたびに、高く、かすかに震えた声を上げる。
体をふるふると小刻みに揺らしながら、頭を撫でてもらう心地よさと
安堵感に酔いしれる。 自分が思っているよりも、この心地よさは
力強く、早く全身を飲み込んでいった。
「まっ…あっ、あぁ……。」
心地よさそうな声で言ったところで相手が止めてくれるわけもない。
気がつけば全身をリラックスさせたまま、相手の手に自分を委ねていた。
■如月 槐徒 > 「そうだね…いいにおいがするよ」
実さんの問いかけに半ば無意識に応じつつ、撫でる手は止めない。
手のひらを動かす度に、そのホイップクリームのように真っ白で美味しそうな髪の毛から甘い匂いが漂ってくる。
いいにおいだ。食べてしまえたらきっと幸せだろう。
僅かに閉じかかった瞼から覗いた目はいいにおいが出ているであろう頭に釘付け。
意識も持っていかれ、膝の上で声をあげる実さんには気づいていない。
撫でていない方の手を実さんのお腹に当てて、抱きかかえるようにする。
この心地よい空間を手放さないようにしようと、優しく抱えこむだろう。
■宇賀野 実 > 「あっ、あっ…。」
優しく頭を撫でながらの答えは、どこか夢見心地。
すっかり抵抗できなくなった自分のお腹を抱きかかえるように腕が動く。
すっぽりと相手の腕の中に小さな体は収まってしまい…。
今できることは、相手が満足するまで存分に撫で回されることだけだった。
「う、うぅー……っ…!」
お腹の奥からあふれる熱がどんどんと頭の中を焼く。
小さな手は、自分のお腹をホールドしている手にそっと重ねられ、
上げる声はどんどんと甘くとろけたものへと変わっていった。
「せんせぇ…♡」
呼びかける声色は、もはや女の子のそれ。
ほんのかすかにでも残っていた口調すら、今は見る影もない。
すっかり”可愛がられる”存在として顕現し、小さな身体を
相手に擦り寄せて、さらなる愛玩をおねだりしてみせて。
■如月 槐徒 > 「どうしたんだ?」
普段ならば自分の立場を鑑みたり、人の目を気にしたり。
女児にしか見えない相手を膝上で拘束するなんて、そんな事はしないだろう。
だが、今はどうにも意識すらおぼつかないような。
まともに考える頭というものが、隠されてしまっている。
美味しそう、ただその一心で膝上の頭を撫で続けている。
そこに、追い打ちのように呼び掛ける声。
その声が38歳の成人男性から出ているなんて事実は全く考えず、甘えたようにすり寄ってくるその美味しそうな身体に意識ばかりがいってしまう。
漂ってくる匂いも甘さを増しているように感じる。
撫でる程美味しくなるのだろうか。そんな思い込みを基に、頭を撫でる手を頬と首の間の辺りにもっていく。
そして、指の間を空けて、優しくなぞるように首から頬へと指を添わせる。
いわゆるフェザータッチという奴だ。ついでに撫でていない方の左手で、お腹を一定周期で優しくぽんぽんする。
刺激を与えるとおいしくなるものもあるという、なんてことを思い出しながら。
■宇賀野 実 > 「せんせぇ…もっと、撫でて、ください…。
わたしのこと、おいしく、してぇ…♡」
口から出るおねだりは、さらなる愛玩を求めるもの。
普段は避けていた、女の子として、子供としての扱いを求めてしまう。
相手を惑わす甘い匂いのせいで、普段なら真面目な先生すら
今や自分をしっかりと抱き寄せてくれている有り様なのだ。
「っふーっ、ふーっ…んふ、んんっ…♡」
優しく首から頬にふれる指に、自ら顔を寄せるようにして
大人の指の感覚を味わう。撫でてもらうのは大好きだ。
「っふーっ…んんっ♡ っはっ、あぁっ♡」
優しくお腹を叩かれる、そのたびに小さく体が震え、
可愛らしい声を上げる。
相手の腕の中で、甘く、おいしく、柔らかく”調理”される。
それが嬉しくて、幸せで、自ら体を寄せて、甘えるように鳴いた。
”もっと調理してほしい””おいしくしてほしい”……。
食物神としての本能のままに、甘く媚びた声を上げる。
■如月 槐徒 > 「ああ、いいとも。俺もそうしたいと思ってたんだ」
なんら違和感を感じていない。
小さな子供が撫でるのをせがんでくるから気が済むまで撫でてやっているだけ。
そんな感覚で実さんを撫で続ける。
その手つきが撫でるの範疇を逸脱していても、美味しくするために刺激を与えたりしていても、それはあくまでも求められた行為の範疇。なんらおかしな話ではない。
それが匂いに惑わされているからだとしても、この匂いには勝てない。
懐いた小動物のようにすり寄ってくる頬を撫で続ける。
手を添わせていくたびにふんわりと甘い香りが漂ってくる。辞められるはずがない。
触れれば触れただけ美味しくなるのなら、くまなく触れなければならない。
左手をお腹から放して、反対側の首に触れさせる。
そして、同じようにして優しく撫でる。
これでも薬師。指先は器用な方だ。
違うリズムで、交互に撫でていく。優しく、優しく。
■宇賀野 実 > 「うれしいっ♡ せんせぇ、わたし…んふふ…♡」
優しく優しく、丁寧なタッチで首筋に、お腹に指が触れる。
甘い香りと嬌声はより強くなり、声色も、所作も、喋り方も…
すべてが愛らしい女の子のそれへと近づいていく。
「ん、っふ、ふぅぅ、っ…♡ ――っ♡」
くまなく触れんとする相手の手が、今度は首筋へ。
もう片方の手と一緒に、交互に優しく体をなぞる。
下ごしらえでもしているかのような手つきに体は熱くなる。
体の奥の熱と自分の体温の区別がつかないぐらいだ。
頭の中で、チカチカと白い光がまたたく。
そのたびにぴくんと体を震わせ、”せんせえ”に
とろけさせてもらう喜びに満たされて。
「ん、ん―――ッ♡」
ぶるぶると体が震える。 漏れる声色が、吐息が、
快楽の渦中にあることを示していた。
■如月 槐徒 > 「俺もだ…おいしそうでたまらないよ」
匂いのみならず、その甘えた声すらも食欲を加速させていく。
甘いものが特別好きな訳ではないが、この甘さはいくらでも食せる気がする。
心なしか、だんだんと熱くなってきた気がする。熟れているのだろうか?
そうして、先に首筋を撫でていた手を一度放す。
そして、人差し指と中指をそろえて…実さんの口の中へと入れ込む。
その甘い香りと食欲をそそる全てに我慢が出来なくなっていた。
だから、欲したのだ。食せる物を。
指先が柔らかい舌に触れる。ぬるぬるとして、あったかくて、心地よい。
これは、絶対に美味しい。そんな直感に従い、指先に唾液を絡めるべく口中を指で撫でまわす。
くまなく、美味しさを逃さないように…
■宇賀野 実 > 「っふぁい、っひ、ぁ…♡」
どこまでも相手に甘え、思う存分に”食べられる”。
己を捧げる食物神の血が生み出す暴走は、
こんな状況を幸福だと判断していた。
「んぁ、んむ…♡んっふ、んうぅ……んっ…♡」
小さな口の中に指が入り込む。
舌に触れたそれが、口内をたっぷりと撫でて回る。
口内に入り込んだそれにしゃぶりつき、舌を絡める。
自分を求めてくれていることが無上の幸福であり、
それに対して夢中になり、舌を動かした。
「っはっ、んはぁ…♡ せんへぇ…♡」
相手に呼びかけながら、指を甘噛みする。
たっぷりとほぐされた今の状態なら、この相手に
”美味しく食べてもらう”こともできるだろう。
■如月 槐徒 > 存分に口内を弄りまわす。
唾液が指に絡み、甘噛みによって小さな歯型が浮かび上がる。
その感覚すら、美味しさを加速させるためのスパイスに感じる。
絡んでくる舌の感触が心地よい。
強く触れば崩れてしまいそうな柔らかさと蕩けるような滑らかさに直接食べたくなるほどだ。
だがその前に…
指に十分に唾液が絡みついたと判断し、ゆっくりと指を引き抜く。
繋がった唾液が垂れ、明りを反射して艶めかしく光る。
そして、指先についた唾液を、自分の口へと運び…食らいつく。
赤子のような所作。甘い味が口内に広がり、恍惚とした表情を見せる。
「ああ…あまい…」
余りのおいしさに言葉が漏れる。
指先についた甘味が無くならないように、指先をしゃぶる。
情けない動作だが、それほど美味しいという事だ。
■宇賀野 実 > 「んんっ、んぁ、っは、ぁ……あーっ…せんせぇ…♡」
口内をたっぷりと蹂躙した指が引き抜かれる。
ちょっとだけ拗ねるように呼びかけながら、大事なそれを
振り返るようにして見送る。
相手の指が徐々に口に近づくにつれて、ドキドキと胸が高鳴る。
そして、自分の口内にあった指を彼が自分で咥えたその瞬間…。
「―――――っ♡」
得も言われぬ幸福感が頭の中で爆発する。
眼の前が真っ白になり、バチバチと電撃のように劇しい喜びが
全身を塗りつぶしていく。
…やがて、ぶるぶると大きく震えていた身体が落ち着くと、
先ほどまでの甘い香りはすっかりと…まるで幻であったかのように消え失せていた。
■如月 槐徒 > (ああ…美味しい。もっと欲しい、もっと―)
指をしゃぶりつくし、それでもまだ鳴りを潜めない食欲。
まだ欲しい、今度は直接いただこう…
なんて、両手で実さんの頭を掴もうとした時だった。
スン、と甘い香りが消える。
先ほどまで嗅覚と食欲を刺激し続けていた甘い匂いが消え、それを境に思考も澄んでくる。
そうなれば、真っ先に気づくのは…
「?!?!?!?!?!?!?」
頭を掴もうとしていた両手をパッと放し、その両手を交互に見ながら目を丸くする。
一体何をしようとしている?!いや、何をしていた!?
記憶は残っている、何をしていたかも全部覚えている!
でもそれが到底自分がしたことだとは思えない!!!!!!
膝上の実さんに目を向ける。
先ほどまでの甘く美味しそうなホイップクリームは艶やかな普通の白髪になっている。
「すすすすすみません?!俺一体何を?!」
状況が理解できていない様子で口元を拭ったり周囲を見渡したり。
とにかく混乱した様子だ。
■宇賀野 実 > 「…せんせぇ…?」
突如として正気に返った相手を見上げ、小首をかしげる。
あれだけおいしそうに見てくれていたのに、どうしたんだろう?
大慌ての様子を眺めていると、だんだんと自分にも正気が戻って来る。
そろそろと目をそらしながら、相手に頭を下げた。
「その…《神饌》のせいだと思います。 如月先生、すみません……。」
口調も所作も元に戻りはしたけれど、どことなく纏う雰囲気は
少女らしいそれ。 恥ずかしさと申し訳無さで耳まで赤くなりながら、
もにょもにょと早口で必死にお詫びするしかなかった。
「と、とりあえず収まりましたから、今日のところはこれで大丈夫かと…。
その、おじさんのせいで大変なことに巻き込んでしまって本当にすみません…!」
ばたばたと動いて、相手のお膝の上から降りようとする。
お膝の上は居心地がいい。なんとかして逃れないと、いつまたおかしくなるかわからない。
ちょっとだけ必死だった。