2024/08/08 のログ
ご案内:「エルピスくんが寝てるだけ」にエルピス・シズメさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
 数ある事務所のソファー。
 冷房メカの冷風で涼をとりつつ、ソファーの上に転がる少年が一人。

「すぅ……」

 眠気に微睡みながら息を吸う。
 眠いような眠くないような。思考が纏まらない微睡みへの入り口。

エルピス・シズメ >   
「んぅ……」
 
 風が冷たい。けど暑いのもやだ。
 風を避けるように丸まったかと思えば、再び涼を求める様に身体を伸ばす。

「あふぅ……」

 身体を伸び縮みさせていると、自然と身体が解れてきもちがいい。

 頭のなかはねむいので、さむい、あつい、ぼんやりとしたきもちがそのままうかぶ。

 さむい、あつい、さむい、きもちいい。
 ごろごろ。

「はふ……」

 いつのまにか"ごろごろ"することそのものが気持ちよくなって、
 猫になった気分で身体をゆらす。
 

エルピス・シズメ >  
「いーりす……」
 
 まどろみながらごろごろしてふわふわとした頭が、想い人の名前を出した。
 口に出すだけ、口元が緩む。想い出の中の幸せなきもちが浮き出てきて、感情を満たす。

 どきどきと、やすらぎ。どっちもあるけれど、いまはやすらぎがでてくる。

「すき……」

 ねごとのような、ねぼけのような。
 だれもいないしきもちがいいので、
 わきあがった言葉をそのまま吐き出す。
 
「ふぁ……」

 ねているのかねていないのかすらわからない。
 だけれど、なやむとかできないから、きっととてもねむい。
 
 桃色のトップスを支える紐がずりおちた。
 
 

エルピス・シズメ >  
 なんだっけ。そうだあつかったんだ。

 身体は涼を求めてふたたびころがり、そのはずみで服がずりおちる。
 服と機械にかくされた 透き通ったはだいろとももいろが露わになる。

「なな……しあ……みあ……すぅ……」

 知り合いのなまえがぼんやりうかぶ。
 みんないいひとだちだった。ねむいあたまだと、すこしこんがらがる。

「はぅ……」

 すってー、はいてー、すってー、はいてー。
 さむくもあつくもない心地よい姿勢を見つけると、呼吸をするのがきもちよくなる。

 だらしなく、のんびりとねむりがちかづいてくる。
  

エルピス・シズメ >  
「でざい……ちぇる……さえき……しず……」

 よくわからないおとがもれる。
 いきをはきだしたら、ことばがでた。

 ごめんねといいたくなるような、ほんのすこしだけさみしいきもち。
 おもわずきゅっとからだをまるめてから、のばす。

 こうすると、ちょっと気持ちいい。

「んね……」

 ふわふわとしたねむけがもどってきた。
 いまはこうして、きもちよくしていたい。
 
 すって、はいて。すって、はいて。
  

エルピス・シズメ >  
 ももいろのトップスは役目を放棄して、完全におちている。

 ちいさなむねがでていても、おとこのこだから大丈夫。 

「はぁ……ぁふ……」

 すって。はいて。

「いぁ……ふぅ……」

 すって、はいて。

 ねむいきもちがどんどんつよくなってくる。

 でも、なんだかものたりないから。
  

エルピス・シズメ >  
「いーりす……」

 いちばんしあわせになることばをみつけて、
 しあわせなきもちになって、

「おやすみ……」

 ねむりにおちるじゅもんをとなえて、
 しあわせなきもちにくるまってねむりにおちた。
  

ご案内:「エルピスくんが寝てるだけ」からエルピス・シズメさんが去りました。
ご案内:「「エルピスくんが寝てるだけ」」にDr.イーリスさんが現れました。
Dr.イーリス > 右脚が欠損して機械の車椅子に乗るイーリス。
応接間に訪れると、エルピスさんがとても気持ちよさそうに眠っていた。

「エルピスさん、ふふ」

車椅子をソファの前に動かして、エルピスさんの寝顔を眺めながら微笑む。

Dr.イーリス > 寝言なのだろう。
ふと、エルピスさんがイーリスの名前を呟いた。
それを聞けば、イーリスはにこっ、と嬉し気に笑う。
その後に、おやすみという言葉が続く。

「ふふ。おやすみって、もう寝ているではございませんか。夢の中でもまたおやすみするのでございますか」

愉快気に声を出して、笑い声を上げた。

Dr.イーリス > 眠っているエルピスさんの髪をそっ、と撫でる。
とても手触りの良い髪……。可愛らしい寝顔……。愛らしい寝息……。

「エルピスさん……」

イーリスは、目を細めた。

「すき……ですよ……」

眠っているエルピスさんに、そっ、とそう告げる。
そうしてしばらく、イーリスはエルピスさんの髪を撫でていた。

ご案内:「「エルピスくんが寝てるだけ」」からDr.イーリスさんが去りました。