―学生起業プログラム―
常世島の「外」へと羽ばたく大鳥のための支援制度
学園の卒業後、学生が常世島の外の世界で生活できるような自立支援の一環として設けられたのが「学生起業プログラム」である。 近年、このプログラムの適用により商業系の部活動の多くが躍進を遂げ始めている。 正式な手続きを行い承認されれば、学園から金銭面での支援や、部活動によって取得可能な単位数の増加などの学業面での支援、専門知識を持つ学生・教職員によるアドバイスや人材派遣などのソフト面での支援等を得ることが可能である。 学園からの支援や予算配分は通常の部活動も申請すれば審査のもと対応がなされるものの、「学生起業プログラム」が適用された部活動は学外からの出資を受けることが出来るという点で大きく異なる。
外資が投入されることになるため、学内企業への外部からの干渉や乗っ取りの可能性が当初より危惧されているが、《常世財団》の存在もあり、現状は危惧されるような状況には至っていない(小規模な事例は存在するが、基本的には乗っ取りを行うメリットは薄い)。 出資者としてもあくまで可能なことは出資および事業拡大への支援のみであり、運営そのものに携わることはできないが、支援した「学生起業プログラム」適用の部活動から報告を受ける権利を持ち、経営への過干渉になりすぎない程度のアドバイスを行うことが出来る。 学内の商業系の部活は必ずしも利益を重視する必要はないが、「学生起業プログラム」に基づいて起業した部活は、出資を受けているがために利益も追求する必要がある。
常世学園の運営に関わることが出来るのは「学生」(年齢は問わない)であるため、国家や企業の息のかかった者が入学生として送り込まれる例も見受けられる。 そういった学生が「学生起業プログラム」適用の部活動と関わりを持つことは十分あり得る。 ただし、常世学園は「地球」の特異点であり、《常世財団》も存在することから、過去も現在も国家や企業による支配は成功していない。 学園側としても、企業が様々な思惑を以て関わろうとしてくるのは前提としており、そういった企業をどのように対処していくかも「学生起業プログラム」適用の部活動を通じて学ぶことが可能である、と言える。
学園卒業後、支援を受けて起業に成功した部活はそのまま学外に企業として独立することを可能とするフローが確立されている。 このため、一部の学園生は時折学外の企業と面会することもあるが、制度としての歴史は浅いため模索されている点も多い。 卒業までは原則として設立された企業は部活動として常世島内に本拠が置かれることを求められる。 先述した通り、通常の部活と同様「学生起業プログラム」適用の部活もその活動が単位として認められており、起業を通じてのレポート等を提出することで追加単位を取得可能であり、起業・事業への集中をしやすいようにされている。 学外への営業やサービスの提供は企業である以上認められており、常世島にいながらネットワーク等を通じて常世島の外と取引することも可能である。ただし、地理的な問題や常世学園の特殊性の問題など存在するため、卒業までは学内での取引が主要な形となっている。
「学生起業プログラム」を管轄し責任を負うのは《生徒会》であり、各種委員会の経済に明るい委員や部局等の委員がオブザーバーを務める。経済や企業経営に明るい学生・教職員が「学生起業プログラム」適用部活動に派遣されるため、委員でなくとも経営顧問のような形で関わることは可能である。 《常世財団》とつながりを持つ《生徒会》が背後にあるからこそ、この制度の盤石性は担保されているといえる。 《異邦人》には貨幣経済や資本主義などの制度が存在しない異世界より到来する者も少なくないため、「学生起業プログラム」の始まりとともに《異邦人》向けの経済学系の授業(無論「地球」人も受講可能である)もその数を大きく増やした。
学生や教職員のチャレンジとしての側面も大きいため、「正しく申請・申告行えば」たとえ起業や事業に失敗しても傷は浅く、保障を受けることも可能である。通常であれば破産するような事態は起こらない。 ただし、「学生起業プログラム」にかこつけての起業支援詐欺を行うような者もいないわけではなく、そういった者の奸計に嵌り正しい申請・申告を行うことも出来なかった場合、破産するという事態も発生する。そういった学生が歓楽街の暗部や落第街に消えたり、学生証や学生としての登録情報を違反部活・組織に売却してしまうような事例もあり、問題となっている。このような場合でも救済を求めれば支援も可能だが、こういった事態に至った場合、それに思い当たらない者も少なくないのである。
起業支援パーティー
常世島では「学生起業プログラム」に基づいて起業することを希望する部活動・学生・教職員によって、学外のインキュベーター(起業に関する支援を行う事業者)や投資家、企業関係者などを招いて出資を募るためのパーティーが、常世大ホールなどで頻繁に開かれている。 そのパーティーにおいて、起業希望者が起業・事業計画のプレゼンテーションを行い、それに期待を寄せる者たちは出資を行う。 常世学園ならではの学知などを活かした《異能》/《魔術》/《異邦人》に関わる事業が特に注目を集めており、出資を集めやすい傾向にある(無論それ以外の事業でも出資が成功することもある)。 学園からの支援と、学内外からの出資が起業に必要なほど集まれば晴れて起業することが可能である。当然ながら注目も浴びやすいため、スタートアップの場として利用が増加している。
犯罪に関わるような事業は無論のこと、常世学園の理念上大量破壊兵器のようなものを開発・販売するような事業での起業は原則支援の対象外ではあるが、対怪異用兵器の開発で起業を行った例もある。特殊な事業内容であっても、それがどれだけ「地球」の発展と平和等に繋がるを説明することができれば、支援の対象となるだろう。 珍妙と言えるような事業内容であっても起業成功例は少なくないため、試すだけ試そうとばかりに様々な部活動が起業支援パーティーでのプレゼンテーションを行っている。近年の例で言えば、魔法少女に変身が可能なアイテムの開発という事業案で起業に成功した「株式会社ルクス・マギカ」(元は「魔術的ポストヒューマン研究会」という部活)がその一つである。 そういった成功例を見て、見果てぬ夢に挑戦する者たちも存在する。
なお、この起業支援パーティーはあくまで出資を得るための手段の一つに過ぎないため、必ずしも「学生起業プログラム」において利用する必要があるわけではない。
「学生起業プログラム」の意図
「学生起業プログラム」の始まりは、《異邦人》問題と深く関わっている。 学園卒業後の卒業生の未来が全て明るい者であるわけではなく、外部に馴染むことが出来ず、生活基盤を築くことが出来ずに常世島に戻ってきてしまう者も決していないわけではない。 特に《異邦人》の受け入れについては未だに諸国家や地域によって違いがあり、困難に陥る《異邦人》卒業生の問題について話し合われた結果、「学生起業プログラム」が生まれた。 学園からの手厚い支援を受けて学生時代から起業を行うことで、卒業後の生活基盤を安定させることが当初の目的であり、行き場所のない《異邦人》卒業生を従業員として雇うことなども模索されている。 なお、当然ながら「学生起業プログラム」を利用できるのは《異邦人》だけではない。「学生」のための制度ではあるが、教職員も利用可能である。 常世学園は未来の社会のモデルケースであり、学園である。学生を外の世界に輩出することを目的としている以上、今後はこういった進路支援がますます重要となってくるだろう。
PL向け情報
弊サイトの部活動に関わる設定の追加です。 「学生起業プログラム」という学内での起業への支援制度ということになります。 基本的に制度の変更などを行っているわけではないので、部活動の設定が何かしら変わるというわけではありません。 特に本設定に関わることがないという場合は、これまで通りにお遊びいただくことも可能です。 また、経済的な知識なども特に不要です。運営も特に詳しいわけではありません。 |
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