■概説 若くしてこの世を去った水墨画家、各務遥秋(かがみ ようしゅう)の個展。 遺作となった四連作『苦』の最終作、『死』を目玉としている。 展示されている多くは習作があとから作品としての格を得たものばかりで、 作品として形を成しているのがその四作だけと言ってもいい。
各務遥秋は、夭逝と未完の『死』の話題性で一気に有名になった画家だ。 処女作の『生』発表時より、画壇において一定の評価を受けてはいたが、 プロではなかったこともあり、広く知られていたわけではなかった。 小さいホールを借り切った画廊で初公開と成った『死』は、 多くの怪談話を呼ぶほどの話題作となった。
そのため、開始してしばらく後に客足は増加した。 作品ではなく、怪談話の真偽を求めて――である。
しかしこの個展では徹頭徹尾、一切の魔的・霊的な事象は存在していない。 正式に式典委員会の認可を得て公開されている、安全なイベントである。
■第一作『生』 涯てなき空の雲間を翔ぶ、痩せさらばえた鳥を追い駆ける。
■第二作『老』 太陽を戴く水際に舞う、陰陽を描く双魚を湖底から見上げている。
■第三作『病』 黒く塗り込められた空に、遠くに描かれた朧月が輝く。
■最終作『死』 未完。野辺に楚々と咲く、花弁の欠けた一輪の花。
■関連NPC 本名:各務遥(かがみ はるか) 享年27歳。独身。女性。 数ヶ月前に夭逝した画家。死因は非公表。 名のある広告代理店の地方支社に勤務していた。 画業で収入を得ていたわけではなく、 プライベートの時間で作業風景の動画を配信していたアマチュアである。
本来であれば作品を広く公開することも望んでいなかったものの、 死の直前には家族に『苦』の四作を公開することを求めていた。
■PL向け 絵画、芸術、四苦などいろいろ盛り込んだロールフックです。 ファンタジックな出来事は一切起きないと想定しているロケーションです。 ご利用いただける場合、ノーフェイスPLへご相談ください。 ノーフェイスPCがロール上でこの話題を振っている方は利用フリーです。 静かに芸術にふれる個展ですので、暴れたりはしないでくださいね。 |
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