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【公式】万妖邸
Last Update:2024/09/23(月) 17:30

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分類施設
所在異邦人街(落第街境界付近)
概要怪異なるアパート
利用について利用自由
設定共有派生設定作成歓迎
敵対・戦闘名簿参照
その他特記事項サイト運営作成の公式施設です。
チャットルームはこちら
  


 ▼Comment

——万妖邸——

ここに高天原皆暗く、葦原中国あしはらのなかつくにことごとくらし。此れにりて常夜往きき。
ここに万の神の声は狭蠅さばへなす満ち、万のわざわひ、悉におこりき。
——『古事記』上巻

万妖邸とは



 異邦人街の落第街境界付近に存在するアパート。万妖邸(ばんようてい・ばんようやしき)と呼ばれる。
 学園草創期の混乱期に乗じて作られたとされているが、資料が散逸しているため詳細は不明。
 建築当時の記録によれは地上二階建とされており、現在も外観はその形を保っている。
 極めて古風な日本のアパートを思わせる外観であり、建築基準を満たしているかどうかも怪しいと思えるだろう。

 しかし、アパートの敷地を入れば、その真の姿を知ることとなる。
 現在の万妖邸は、住人の好き勝手な増築や改築が繰り返されたために、幾つもの建物が積み重なり階を成している。
 更に、地下にも居住区域や部屋等が設けられているという混沌としたアパートと化している。
 それぞれの部屋に関しても住人が思い思いの改造を施しているため、部屋の内装や構造も一定しない(入居段階では和室であることが多い)。
 それどころか、内部に新しい部屋が突如生成されることすらある、極めて奇怪な場所であると言える。

 これは、万妖邸の敷地内が異界的な存在となっているためであり、《裏常世渋谷》に近い領域が形成されている。
 《裏常世渋谷》と異なる点は、人間がそこに留まること自体には身体への悪影響がないということである。
 敷地外から見える外観は、祭祀局による結界によって構成された虚像である。

 家賃が異常に安く、場合によっては万妖邸の掃除や補修・増築などの手伝いをすること条件にほぼ無償で居住することさえ可能である。
 空き部屋も数多く存在するため、一時的な宿泊施設としてそれらの部屋が貸し出される場合もある。
 なお、家賃についてはもちろん理由があってのことである。万妖邸はいわゆる「幽霊屋敷」「妖怪屋敷」的存在なのである。
 家賃が極めで安価であることと引き換えに、万妖邸内部で発生する様々な怪異や妖怪、霊障の類と共存する、あるいはそれらに耐えることが求められるのだ。
 いわゆる事故物件的なアパートではあるものの、内部の雰囲気が暗いというわけではなく、アパート内の怪異や霊障などに慣れることができるのであれば楽しく居住することも可能である。

 妖怪・悪魔・吸血鬼・異世界の亜人種(「地球」の人類から見た場合の表現であり、差別的な意図はない)などの存在が多く居住しており、同族との交流や同居を求めてやってくる学生・教職員もいる
 無論、「地球」の人間で居住しているものも少なくない。霊的な現象への耐性が強い者のほか、逆に極めて霊感が鈍い者が居住を選ぶ事が多い。
 霊感がまったくない人間の場合、敷地内で発生する霊的な現象を認識することが出来ず、問題なく過ごせる場合もあるのである。
 ただしそのような「場合もある」というだけであり、危険が存在する場所であることに違いはない。

 多くの異類が居住するアパートということで、二級学生であろうと違法入島者であろうと区別・差別はされない。
 万妖邸そのものが学園に許可を得ずに作られたアパートであることもあり(現在は黙認されている)、入居に際して出自などを詳しく問われることはない。
 ただし、中で何が起こったとしても自己責任であることが求められる。万妖邸そのものに悪意を強く向けるものも歓迎されることはない。
 実際には住人同士による相互扶助も存在するものの、「地球」の人間の価値観を持たない住人も多いため、その点は気をつける必要があるだろう。

 住人の共用施設・設備は1~3階であり、談話室や食堂、大浴場、遊技場などが存在する。
 これは万妖邸の「公式」な共用施設・設備であり、実際には1~3階以外の階層にも勝手に作られた・出現した共用施設・設備がいくつも存在する。
 住人向けに商店を開いて商売を行っている者もいるが、アパートそのものに悪影響を及ぼさないのであれば見逃されている。
 なお、地下の最下層部には後述する「門」を封じた要石を安置する「要石の間」が存在し、時折極めて危険な《怪異》が出現する場合がある。
 「門」の向こう側は罪の流れ着く先である「根国ねのくに」(「根国底国ねのくにそこのくに」)に通じていると言われている。

 万妖邸について常世島の妖怪・怪談系の研究会・研究者の間では、「本所七不思議」の一つである「足洗邸」との関連も指摘されている。
 「足洗邸」と類似するかのような怪異が発生するためであり、その他本所七不思議に見えるような怪奇現象も敷地内では発生している。
 外部に影響はないということを強調した上で、《怪異》発生の可能性がある建造物として学園側から指定がなされており、一般の学生にもその情報は知られている。
 居住自体は禁止されていないものの、内部で発生した事象で被った被害については、居住者の自己責任ということになる。

 「万妖」という語は『古事記』上巻に見える「万妖悉発(よろづのわざわひ、ことごとにおこりき)」が出典とされる。
 常世学園草創期の混沌の時期に様々な「妖(わざわい)」がこのアパートから出現したことや、いわゆる「妖怪」や「悪魔」の類が多く居住していることから、いつしかこのような名前で呼ばれるようになり、総管理人が魔除けの意味を込めてこの名を正式に採用したと伝えられる。

 住人の多くが異類であるため、万妖邸を知る外部の者から「化物集合住宅」と揶揄されることもある。
 しかし、「化物バケモノ」と呼ばれる異類の住人たちはこの地を去ることなく留まり続けている。
 ならば、その多くは「人間」という存在を好む者たちなのかもしれない――とある妖怪研究者は、万妖邸についてそのように評したという。
 その真偽は定かではないが、この万妖邸には妖怪と人間が同居しているのは事実である――


部屋について



 万妖邸の特性上部屋や階層が突如増える場合もあり、部屋の号数がまともに機能しないため、部屋の号数名は住人が入居時がつけることが可能。
 一般的な◯号室のほか、固有な部屋名をつけることも可能であり、非常に混沌としている。
 「管理人」から配布される札に部屋名を記載し、部屋の前にかけることで、万妖邸一階のロビーの案内図に部屋名が表示される術式が組まれている。
 部屋名が公開されてしまうというプライバシー的な問題については、この万妖邸においてはあまり顧慮されない。
 アパート内の部屋の位置が入れ替わるようなこともありうるため、案内図への部屋名の表示は欠かせないという理由も存在する。

 部屋の構造や広さ自体一定しておらず、「管理人」でもこの現象を抑制することが困難であるため、住人が好きに部屋を改造することが許可されている。
 部屋によって台所や風呂などがついている場合もあれば、それらが全く存在しない場合もあり、後者の部屋は「外れ部屋」などと呼ばれる。
 「外れ部屋」の場合は共有の台所や浴場を使用するか、自身でそれらを設置することとなる。
 なお、入居時は概ね和室であるものの、前住人の改造や家具がそのまま残されている場合もある。

 部屋内での心霊現象や妖怪の類の出現は珍しいものではなく、対策を行わなければ怪奇現象が頻発する。
 希望すれば「管理人」からある程度の心霊・怪奇現象の抑制のための術式や結界を部屋内に施してもらえるが、自ら希望しなければそういった施策が講じられることはない。
 自ら対策を行うことも当然可能であり、霊的な対策さえしっかり行えば通常の部屋のように使うことも可能である。


管理人



 管理組合という「管理人」の組合がアパート内の管理業務を行っており、入居申請もこれら管理人に行うこととなる。
 「管理人」は複数人存在しており、アパートを守る意志があるということを前提とした上で、住人の信頼があり、管理業務を遂行する能力があるのであればその一人に名を連ねることが可能。
 多くの場合、長くこのアパートに居住している妖怪の類が就任することが多いが、人間がなれないという規定は存在しない。
 アパート内に、住人との共存が不可能な危険な《怪異》が出現した場合は、住人を集めて戦いに向かうこともある(全ての「管理人」にそれが求められるわけではない)。
 戦闘などを行うことができる「管理人」やその「管理人」に委嘱された一部の住人たちにより、「要石の間」の「門」を封じた要石の保全活動や、「要石の間」に出現する危険な《怪異》を退治するといった管理業務が行われている。

 管理人室はアパートの一階に設けられているが、それぞれの「管理人」にも当然個室が存在する。
 管理人に管理業務を依頼することも可能であるが、住人による勝手な増築や改良を自身の部屋に加えているケースも珍しくないため、住人の自治に任せている部分も多い。
 どの程度住人に干渉するのかも「管理人」個々人次第という面があり、一定していない。

 万妖邸の総管理人は阿波狸合戦の主人公と言える狸「金長」(正一位金長大明神)の末裔を称す狸の変化である、幼い容姿の少女の姿を取っている。
 現在はアパートの管理を管理組合に一任し、自身は邸の奥まった場所に隠れており、住人にすら姿をめったに見せない。
 この狸の変化の女は万妖邸を作り上げた一人であるとされており、万妖邸を「門」封印のための要石とした張本人でもある。現在も「門」封印のための活動を行い続けているという。
 彼女は「門」の封じ込めのために万妖邸の存在強度を強く保ち続ける必要があり、そのために多くの住人を簡単に受け入れている――という説も存在するが、真偽は不明である。
 「管理人」の中には、総管理人とともに「門」を封じ込めた者も存在する。


学園との関係



 万妖邸は、敷地外に悪影響を及ぼさない代わりに、風紀委員会・公安委員会・祭祀局などの介入を受けないという特例の秘密協定を学園と結んでいる。
 このために、決して安全と言える場所ではないにも関わらずアパートの撤去が行われていない。
 ただし、各種委員会などによる調査の要請があった場合、管理組合は基本的に快諾している。
 住人側としても、万妖邸を破壊されるようなことは望んでいないため、騒動を起こす場合はアパートの敷地内に収めており、敷地外に悪影響を及ぼさないという協定は墨守されている。
 住人側との折り合いがつくのであれば、また妖怪などの怪異の遭遇に耐えられるのであれば、委員会所属者であろうとも居住が拒まれることはない。

 邸に悪影響を与えるような怪異が発生した場合は、住人によって退治なり調伏なり懐柔なりが行われる。
 敷地外に悪影響を与えることは協定に反するため、祭祀局の結界に加え、住人による結界も張られている。
 仮にアパート内での騒動や戦闘があったとしても、それがアパートそのものを揺るがすことはない。一時的に破壊が行われたとしても、すぐに修復されるためである。
 委員会などの跳ねっ返り的な委員が何かしらの介入を行おうとすることがないわけではないが、どういった存在であれ万妖邸そのものに何か壊滅的な影響を与えることは困難である。
 無用な介入を避けるため、何かしらの事件があったとしてもアパート側が委員会側に苦情を入れることがないのが常である。

 アパートの撤去が行えない理由はもう一つ存在する。
 学園草創期に出現した、とある「門」を封じるための要石としての役割をこのアパートが担っているためである。
 このアパートを撤去した場合、とある「門」の開門よって《大変容》災害クラスの災異が発生すると見込まれており、まさしく常世島が「万妖悉発」の状態になるであろうことが祭祀局によって予測されている。
 万妖邸については、特に祭祀局内部に撤去や「祓」を行うべしという意見を持つ者が多いものの、上述の理由により現実的でないこともよく知られているため、もしもの時に備えて住人として一部の委員を送り込むに留めている。
 「門」の封印を行い続けることと引き換えにこのアパートの存続を認めるというのが、学園側と万妖邸との間に結ばれた契約であると言えるだろう。
 なお、この「門」についてはアパートの「管理人」たちと一部の住人、一部の委員会委員にのみ知られている。

設備・施設



設備・施設一覧(クリックで展開)

万妖邸 玄関ロビー

万妖邸1階。文字通りの玄関ロビー。
異邦人街の住民が訪れ、万妖邸の住人と交流する場としても使用されている。
入居希望者に万妖邸の概要を説明する場としても使われており、応接セットも用意されている。
住人たちが持ち込んだ様々な調度品や呪物の類が雑多な形で棚に陳列されているため、万妖邸初心者にここがどういった場所かを伝える洗礼の場ともなっている。
案内は主に「管理人」たちが行うものの、「管理人」がその場にいない場合は住人たちがそれを行うこともある。
万妖邸の案内図や部屋一覧も掲示されているが、万妖邸の性格上その内容は頻繁に書き換えられている。

万妖邸 談話室

万妖邸1階。
広めの和室を改装した談話室で、住人たちの交流の場。
住人たちが調度品を好き勝手に持ち込んでいるほか、内装そのものが日によって突如変化することもある。
基本的には上述した通りの広めの和室であり、住人たちが思い思いの時を過ごすことが可能。
なお、万妖邸故に怪奇現象や心霊現象はこの談話室においても頻発するが、慣れれば「それらを楽しむこともできる」とある人間の住人は言った。
怪奇現象などが発生しない場合もあり、住人が自発的に対策を行えば自身の利用中はそれらの現象を抑制することも可能である。

万妖邸 食堂

万妖邸1階。
調理系の技能を持つ「管理人」や住人によって毎日食事が作られている。
テーブル席や座敷席が多く存在しており、メニューも万妖邸らしく多種多様である。
中には人間が食すには向いていないもの、毒となるものもあるため、怪しいメニューについてはよく考えてから注文する必要がある。
万妖邸の「管理人」や住人の多くは異類であるため、人間の倫理観を必ずしも守っているとは限らない。未成年の人間であろうが、彼らが望めば種類も提供される。
なお、食堂の利用は無論任意である。
共用の台所としても使用する事ができ、調理器具の使用は自由である。

万妖邸 管理人室

万妖邸1階。文字通りの「管理人」たちの部屋。
広めの和室であるが、「管理人」たちの趣味が反映されており、雑多な印象を来訪者に与えるだろう。
「管理人」たちの業務を行う部屋であるため、それぞれの私室は別に存在している。
住人と「管理人」たちの交流にも用いられており、大抵の場合は誰かしらの「管理人」が詰めている。
外部の人間や居住希望者によるアパート内見学等の受付もここで行われる。
住人名簿や部屋一覧などの資料も揃えられている。
「管理人」の管理スタンスは個々人によってかなり差があるため、真面目に万妖邸の居住性改善に取り組む者もいれば、このままで良いと半ば管理を放棄する者もおり、多種多様である。

万妖邸 売店「万妖マート」

万妖邸2階。
アパート内にいくつか存在する商店の一つであり、いわゆるコンビニである。
食品や日用品などが売られているが、妖怪屋敷らしく奇怪な物品・古物も多く取り揃えられている。どこから入手したのか、人間の血液パックなども置かれている。
万妖邸公式の店舗というわけではなく、一部の住人が勝手に店舗を開いているだけであるものの、管理組合からの咎めは特にない。
ただし、「利用は自己責任で」との告知は出されている。
万妖マートは正一位稲荷大明神の眷属・神使を自称する狐の変化が運営しているが、その信憑性は低い。
アルバイトは常に募集しており、商品の「ポルターガイスト現象」にも驚かないことが採用の条件であるなどと噂されている。

万妖邸 図書室

万妖邸2階。
住人たちが持ち込んだ多種多様なジャンルの書物の類が収められており、万妖邸らしく非常に混沌としている。
一応の司書係のような立場の住人が何名か存在するものの、自主的にその役割を担っているという者ばかりであり、万妖邸公式の役職というわけではない。
書物の持ち出しも可能であるが、二週間の貸出期限が定められている。しかしまともに守っている者は少なく、住人同士の(深刻ではない)喧嘩やトラブルの種になることもある。
魔導書の類も雑然と置かれている場合があるため、図書室が万妖邸で発生する騒動の発端となることも珍しくない。
常世学園の学生の場合は自習などにも利用する姿がよく見られるが、騒動に巻き込まれてしまうこともやはり多い。

万妖邸 大浴場

万妖邸2階。
住人共用の浴場である。大浴場と名付けられている通り、いわゆる日本の「銭湯」に近い構造をしている。
住人の多くが異類であり、性別が曖昧な者や特に気にしない者、そもそも性別が存在しない者なども存在しているため、大浴場に性別の区別は長い間存在していなかった。
一応時間で男・女・それ以外の利用が分けられていたものの、「地球」の人間の住人からの不満もあり、男湯・女湯・混浴が近年新設された。
大浴場でも怪奇現象や心霊現象が発生する可能性があるため、一人でゆっくり入浴したい者は部屋の風呂(部屋に備え付けられていない場合は増築)を利用することとなるだろう。
なお、この大浴場以外にも入浴施設は存在しており、勝手な増築により露天風呂などを上層階に作っている住人もいる。

万妖邸 遊技場

万妖邸3階。
将棋、囲碁、オセロなどのテーブルゲームやトランプなどのカードゲーム、卓球・ビリヤードなどを始めとし、かなり多くの遊戯を楽しむことができる遊技場。
アナログゲームだけでなくデジタルゲームの類も多く持ち込まれているが、その多くは《大変容》以前のものである。
《大変容》の混乱を生き抜いた筐体・端末故に強力な霊性を帯びており、一部は付喪神が宿っているためゲームの内容が突如変わることも珍しくない。
万妖邸は異邦人街に位置しており、異邦人の住人も存在するため、彼らが再現した異世界のゲーム類も多く存在する。
極めて希少価値の高いゲーム類も多いため、これらのゲームのプレイや研究のためにやってくる来客者も稀に見られる。
アパート内に最初から用意されていたものではなく、住人たちがゲーム類を好き勝手に持ち込んだ結果形成された部屋であり、いわゆるレクリエーションルームと言えるだろう。
《大変容》以前の、忘れ去られつつある遊びたちが集う部屋、と評されることもある。

万妖邸 映写室

万妖邸3階。
一種のシアタールームであり、内装は古風な映画館である。
これまた古風な幻燈機風の映写機によって、古風なスクリーンに映像が映し出される。
最新の映像作品を視聴することも可能だが、住人たちが持ち込んだ映像ソフトの多くは《大変容》以前の古いものが多い。
用意されたフィルムも付喪神が憑いている場合があり、突如物語の内容が変化したり、突飛な展開に転換することも珍しくない。
映像の中の存在が実体化し、騒動に発展することもあるが、毎回そうなるというわけではない。

万妖邸 廊下・階段・エレベーター

万妖邸の階層の移動に使用される廊下、階段やエレベーター。
妖怪屋敷らしく階段などでは怪奇現象が発生することもありうる。
廊下が異常に伸び、階段の段数が増え、エレベーターがいつまで経っても到着しないなどの現象が確認されている。
多くの場合、万妖邸に住み着いた魑魅魍魎や付喪神、精霊や妖精の類の悪戯であり、時間が経てば解消される事がほとんど。
あるいは自身の魔術や異能、謎解きなどで脱出することも可能である。

万妖邸 屋上

万妖邸の最上階。
一種の展望台として機能しており、異邦人街を一望できる。
利用方法は様々であり、単に展望としての利用だけでなく、時折住人達による宴会の舞台ともなる。
万妖邸は階層などが変化するという建物自身が《怪異》的要素を備えているため、最上階の高さは変化することがある。

万妖邸 庭

万妖邸の庭である。日本庭園風ではあるが、整備されたそれではなく「妖怪屋敷」らしい庭園となっている。
大きめの池が存在しており、伝説上の魚類や怪異が住み着いている。
釣りを行うこともできるが、この池で釣れた者を食す場合は注意が必要であろう。
気難しい住人などは、万妖邸内部の騒がしさを避けて庭に勝手に小屋を建てて暮らしているケースもある。
由来不明の井戸や何かしらの存在が封じられた祠(封印は剥がれやすい)も点在している。

万妖邸 武道場

万妖邸の庭に設けられた武道場。
文字通り武道場であり、武術などを嗜む住人が利用しており、住人同士の手合わせにも使われる。
古風な日本の武道場を思わせる外観をしているが、内部は頻繁に変化する。
外観通り道場然としていることも多いが、日によっては西洋の騎士の訓練場にもなり、少林寺風になることも多い。
木人などが勝手に生えて来ることも多く、「今日は少林寺風か」と呟く利用者の姿もよく見られる。
魔術に長けた住人であれば、ある程度好きに内装を臨時に弄ることも可能である。
武道場自体が一つの堅固な異界と化しているため、内部でかなり激しい戦闘が行われたとしても武道場自体が崩壊することはない。

万妖邸 墓地

万妖邸で事故死・呪殺された人間などが葬られている墓地。万妖邸の庭に存在する。
主に日本の寺院にあるような墓石が多いものの、異邦人の文化に倣った特殊な墓も存在する。
場所の性格上、あまり悲痛に満ちた墓地とは言えず、死した人間が「化けて」出ることも少なくない。
幽霊現象は解明されていない面も多く、必ずしも死者が幽霊として出るわけでもなく、その幽霊がまさしく死者の霊であるか証明することも難しいが、住人の多くは死者の霊そのものと認識している。
日本の一部地域で行われるような、墓地での宴会も頻繁に行われている。初めて訪れる人間の居住者などはその様子に驚くこともあるだろう。
墓場で運動会も行われることがあるとか、ないとか。

万妖邸 「要石の間」

万妖邸地下領域の最下層。永遠に燃え続ける灯籠がいくつも存在し、常に空間を薄暗く照らしている。普段は非常に静謐な空間である。
いわゆるジオフロント的地下空間であり、霊的な防御力を高めるためにいくつもの小さな神社や祠、仏像・地蔵、聖像の類が節操なく置かれている。
この空間の名称の由来となった「要石」は地下空間の中央に鎮座している巨大な「石」であり、明日香村の「石舞台古墳」に近い見た目をしている。
「要石」によってとある「門」が封じられており、万妖邸自体がこの「要石」と連動することによって封印の強度を強めている。

万妖邸地下の「門」は日本の神話や伝承、大祓詞の中に登場する「根国」(「根国底国」)に通じているとされ、あらゆる罪が行き着く先であるとされる。
「門」が再び完全に開かれれば、「根国」への道が開き、荒ぶるものたちが一斉にこちらの世界に押し寄せまさしく「万妖」というべき《大変容》災害クラスの災異が発生すると目されている。
総管理人である狸の変化や「管理人」たちによる強力な封印術式が「要石」には施されており、現状「要石」の封印が解ける気配はない。
要石はいくつもの鳥居と注連縄によって円状に取り囲まれており、それらは一種の結界として機能している。

しかし、封印の隙間をくぐり抜けて「根国」の《怪異》が地下領域に出現することもあり、その際は「管理人」たちや一部の住人による《怪異》退治や祓が行われる。
出現する危険な《怪異》は様々であり、必ずしも日本の神話に由来しない場合もある。
「根国」から溢れ出した「罪」に呼応すうるかのように、罪障・後悔・怨念・怒り・悲しみなどの感情に対応した《怪異》が出現することも多い。
「地球」という異世界に迷い込み、故郷の土を踏むことなく死した異邦人街の異邦人の無念・怨念が「根国」より溢れ出した「罪」と結びつき、強大な《怪異》を発生させることもある。
異邦人の無念・怨念が形となった《怪異》の場合、「罪」の象徴とも言えるドラゴン・蛇の姿を取ることが多い。
こういった《怪異》との激しい戦いが繰り広げられるのも、この「要石の間」である。

万妖邸が撤去されない理由の一つであり、万妖邸がこの「要石」を守る限りにおいて、学園側からその存在を許されている。

万妖邸 個室

万妖邸の住人たちの個室。
共用階含めて全ての階層に個室が存在し、構造も内装も一定しておらず、混沌としている。
何かしらの魔術の暴発や霊障が隣室に塁が及ぶことも珍しくないため、それを避けるには各部屋の住人による自発的な対策が必要である。
部屋が破壊された場合も多くの場合は自然的に修復されるため、それが救いであると言えるだろう。
また、個々人による改装・改造・増築の類も許可されているため、空き部屋を自室に勝手に取り込んでしまっている者たちも存在する。
改築や改造・増築であれば自動的な修復は行われることはないようであり、万妖邸には意志が存在すると言われる所以でもある。
騒動は頻繁に起きるが、住人の自発的な対策により静かに暮らすことも一応は可能である。

PL向け情報


  • 委員会の介入を受けないという設定は、サイト運営作成の設定故のものです。
  • 管理組合所属の「管理人」の一人としてのPC/NPCの登録は問題ありません。管理人は複数人いる設定ですので、「唯一」の管理人というような設定は行わないようお願いします。
  • 部屋名を自由としているメタ的な理由としては、部屋の号数で設定した場合、ユーザー同士が気づかずに同じ部屋の号数を使用してしまう可能性があるため、このような設定しています。万一被った場合は上手く調整してください。
    運営側による調整は行いません。設定、同じ号数の部屋が存在したとしても、それはこのアパートの不可思議さ故というような理由になります。
  • 部屋や階層が増加・変化する設定になりますので、万妖邸の部屋や施設の設定などを追加していただくことが可能です。設定名簿に派生設定を追加することも可とします。
  • 設定上、万妖邸内での戦闘や騒動も可能ですが、日常的なロールプレイも可能な場所でありますので、他の利用者への配慮や収拾はつけていただくようお願いします。
  • 「要石の間」の存在については住人や一部の委員・学生・教職員に知られているという設定がありますので、存在を知ることについて特に禁止はしていません。「要石の間」で戦うことなども自由ですが、要石そのものを破壊することはできません。

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Pass:
Miniりすと v4.01