【シュルモア・ラ・エスポア著作の異説本あらすじ】 ■お伽噺《虹の希蹟のイーリス》あらすじ 一章 あるところに、マーブルの森の外れにおばあさん暮らしている少女が居ました。
夢見る少女の名前は、イーリスです。 街の英雄に憧れを抱く、夢見る少女です。
ある日、マーブルの森の外れでおばあさんと暮らしていたイーリスは、 虹の聖女さんと出会います。 イーリスが英雄に会い行きたいと思っていることを話すと、虹の聖女さんは苦笑いをしながらこう答えます。
‶それなら、この魔法を持っておきなさい。〟
こうして、聖女さんから力を授かります。 感情と想像に力する、世界を少し綺麗にしてくれるような、 平和な虹のまほうです。 ________________________________________
■お伽噺《虹の希蹟のイーリス》あらすじ 二章 ある日、イーリスは、可愛らしいりすさんと出会いました。 りすさんと仲良くしたいイーリスでしたが、りすさんはしばらくイーリスに抱かれた後にマーブルの森へと駆けていきます。
イーリスはりすさんを追って、マーブルの森に迷い込んでしまいます。
森でりすさんを追っていると、イーリスはふたたびりすさんに出会います。 イーリスはふたたび出会ったりすに抱き着いて、なかよしになりました。
ひとりといっぴきが河辺まで歩くと、 川の向こう岸まで渡りたい鹿さんと出会います。 鹿さん「川の向こう岸にいる家族に会いにいきたいけど、どうしたらいいものか……」
イーリス「鹿さん。お困りなの? それじゃあ橋を架けるから、ちょっと待ってね。」
鹿さん「ありがとうございます! 確かりました! このご恩は忘れません!」 イーリスは虹の橋をかけてあげました。 その虹の橋を渡り、鹿さんは川の向こう岸まで渡ることができました。 感謝の想いがひとつ、イーリスの中に入り込みます。
鹿さんを助けている間、りすさんはずっとイーリスの事を待っていました。 待っているりすさんは、嬉しそうでした。
イーリスも、はじめての〝まほう〟にちょっと嬉しくなりました。 ________________________________________
■お伽噺《虹の希蹟のイーリス》あらすじ 三章 次に出会ったのは、チンパンジーさん。 チンパンジーさんは、高い崖の下にあるりんごの木へと行きたいらしいです。 イーリスは虹の蔦を作ってチンパンジーさんの両手で伝っていけるように、 虹の蔦で道を示しました。 イーリス「チンパンジーさん、このツタを使って?」 チンパンジーさん「うお!? ありがてぇ! さんきゅーな! この恩は忘れないぜ!」 チンパンジーさんは虹の蔓を伝ってりんごの木まで辿り着けました。 感謝の想いがひとつ、イーリスの中に入り込みます。
チンパンジーさんを助けている間も、りすさんはずっとイーリスを待っていました。 待っているりすさんは、やっぱり嬉しそうでした。
イーリスは、階段を作ってりすさんを抱えて歩きます。 チンパンジーさんのように強い腕の力はないので、ゆっくり歩きまます。
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■お伽噺《虹の希蹟のイーリス》あらすじ 四章 空から落ちてきた天使さんが居ます。
落ちてきた理由はわかりませんが、とても困っています。
この頃になると、イーリスも〝まほう〟の使い方を少しずつ理解します。 天使さんの背中を押すように、こうします。 イーリス「天使さん、背中を押してあげるね。」
天使さん「飛べるようになったで! 人間さん、すごいな! ありがとやで。」 天使さん『──人間さんに天のご加護があらんことを』 イーリスは天使さんに虹のつばさを授けました。 天まで戻れるように、‶まほう〟の虹の翼です。
待っているりすさんも、嬉しそうでした。 見届けたイーリスも、嬉しそうな顔をしています。 ________________________________________
■お伽噺《虹の希蹟のイーリス》あらすじ 五章 天使さんがいるのなら、悪魔さんも居ます。 これまでの鹿さんやチンパンジーさん、天使さんと違い、わるい悪魔です。 なんで悪いのかは、誰にもわかりません。
悪魔は、このように叫びます。
悪魔「ふっはっははは! 俺様は人や動物を不幸にする悪魔! イーリス! お前も不幸にしてやる!」
なにかも不幸になってしまえと、 世界を呪うようにイーリスを呪おうとしました。 イーリスは悪魔を不幸にする気はありません。だから立ち止まります。 そこで、りすさんが果敢に飛び掛かります。 小さな身体で悪魔の顔に飛びついて、イーリスは不幸にならずに済みました。 ________________________________________
■お伽噺《虹の希蹟のイーリス》あらすじ 六章 イーリスは意を決して、希望の虹を作ります。 でも、‶まほう〟を覚えたばかりのイーリスは、 希望の虹そのものの作り方が分かりません。
それでもやってみようと決心したときです。 心の中にあった、みんなから受け取った想いが彩られて浮かび上がります。
あお、みどり、あか。
イーリスはこれを束ねて、希望の虹を作りました。 イーリス「幸せに、なろう?」 希望の虹で、悪魔の悪いものを弱らせます。 その時、ひとつの呪いがとけました。
なんと、先程まで一緒にいたりすこそが、 英雄エルピスだったのです。
王子様を示す凛々しく華やかな服を着て、赤いマントを羽織り、白馬に乗っている王子様です。
イーリスは、残った虹の力を託します。英雄にあこがれていたのでなく、英雄の王子様に憧れていたからです。 夢と希望を守れるように、復活したばかりの英雄さんに力を託します。
呪いから解き放たれたばかりの英雄の一撃は、まだか弱いものでした。 それでも虹の力を借りて、悪魔をやっつけて改心させます。 悪を禊がれたあくまは、彼方に退散してしまいました。 ________________________________________
■お伽噺《虹の希蹟のイーリス》あらすじ 七章 > 悪魔を追い払った二人は、本来白馬には乗れません。
だから、イーリスはこっそり虹の力を託して、 白馬さんは次に困っている人の所に行くように願いました。 イーリスとエルピスは、想いを告げ合います。 エルピスもまた、やさしいイーリスにあこがれていたのです。 呪いまで解いてくれたので、とても好きになりました。 ________________________________________
■お伽噺《虹の希蹟のイーリス》あらすじ 八章 エピローグ 二人は結ばれて、式を挙げることになりました。 お姫様をエスコートする、凛々しい服の英雄の王子様。 なれないお姫様のドレスに恥ずかしがりながらも手を振って街の人と交流するお姫様。
そんなお姫様は、街のみんなにも可愛らしいお姫様は快く受け容れられました。 王様も神父様も、納得して二人を祝福しました。
そうして想いあえた二人は、末永く暮らしました。 めでたしめでたし。
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