・禍津那美
黄泉の怪物、或いは
伊邪那美命の呪いにより生じた「魔」の総称。
イザナミの眷属であり、穢れそのもの。殺めることに特化した力を持つ。
直属の配下たる「黄泉派」と、外様の「禍津派」に分類される。
黄泉派には「六獄」、禍津派には「穢徒」という頭領たちが存在する。
詳細
あらゆる怪異や怪物の起源にあたる存在とも言われるが、通常の怪異や悪霊などが後天的に加護を授かることで変質する事例も確認されており、詳細不明。
だが、イザナミの眷属と言える存在である為か、イザナギの後継者ともいえる那岐流の使い手を敵視している事だけは明確である。
尚、主たる派閥として「黄泉派」と「禍津派」が存在している事が知られているが、その差異は純粋に「イザナミの意を汲んでいるか否か」である。黄泉派はまさに彼女の僕と言える存在であり、「人類種を一人残らず殺害せよ」というイザナミの命を忠実に遂行する。一方の禍津派は、己の目的のためにそのイザナミの加護を利用しているに過ぎない。黄泉派以外の大多数が此方であるが、どのような形であれ「人の世を死と穢れに溢れた世界へと変貌させる」という一点に於いてはイザナミの目的に合致している。・六獄
六道をそれぞれ象徴する黄泉の統治者にして、黄泉派の統領。
イザナミの血肉より生じた者、或いは直に力を授かった者たちであり、強大な力を有している。各々が黄泉の国の小世界を保有しており、殺めることに特化した権能を持つ。
地獄鬼 地獄道を司る。炎と苦痛を操る。その炎が人々の心の中の恐怖を具現化する力を持つ。
餓鬼媛 餓鬼道を象徴。飢えと渇きを撒き散らす。その瞳は永遠に満されぬ渇望を宿している。
獣妃 畜生道を支配。獣の群れを従える。従えるその獣たちは、獣妃の身より産まれ落ちた獣である。
修羅将 修羅道の闘士。戦乱と殺戮を好む。血と死を糧に強さを増し、戦い続けることで力を高める。
冥巫女 人間道を操る。人の心に呪いを植え付ける。禍津那美において唯一純粋な”人”だとされている。
天墜 天道の堕天者。天に在った者が黄泉に堕ちた存在。その頭上には今も光輪が輝いている。・穢徒
自らの欲望のために黄泉の力を求めた者にして、禍津派の代表者。
禍津派の中でも特に力に秀でた者を指し、授かる力に依存せずとも凶悪な者が多い。中には高名な怪異や異国の存在も混ざっている。
禍剣 血塗られた呪いの剣。数年前、那岐流の者たちにより討伐された筈なのだが…。
虚面 呪われた西洋の面をかぶる怪異。あらゆる姿になる事が出来るが、何者でもないという。
瘴霧 穢れた霧で周囲を蝕む存在。呼吸する度に命が奪われ、最期には存在ごと霧へと飲まれる。
骸楼 巨大な骨の城を従える死の王。埋葬されなかった死者の集合体だと語られている。
血妃 血で呪術を行う妖婦。西洋より渡来した吸血種だと噂されている。
影狼 影に紛れて獲物を狩る獣。闇の中でのみ形を成し、その身ではなく存在を食らうとされる。
夢喰 人の夢を喰らい現実を歪める存在。夢から夢に移ろい身を隠す力があり、討伐が困難。
蟲骸 腐蝕の巣を築く蟲。骸を肥やしとして眷属を増やし、骸そのものを眷属の鎧とする。
渾狐 九の尾を持つ傾国の大妖。尾の一つ一つが大妖と呼ばれる程の力を持つ。
…etc・荒神
荒魂の側面に完全に呑まれ、「魔」へと変じた神々の総称。
その名の通りに荒ぶる神たち。災いを振りまき、我欲や渇望のままに活動する。
八岐大蛇の旗印に集った「八劫連邪」と呼ばれる荒神の集団が存在する。
また、在野の荒神も単身で相応の名を知らしめる存在は数多い。
詳細
云わば暴走した神であり、災いを振りまき、我欲や渇望のままに活動する。戯れとして欲に塗れた人物に加護を授けてみたり、怪しげな宗教団体を組織したりと、その方向性は様々だが、そのどれもが碌な事にならないからこその荒神と言える。
その出自は様々だがもっとも代表的なのは、分霊として分かたれた一側面が個別に信仰を確立し、荒神として顕現する例。そうした場合、彼らは「起源を同じくする神は己だけでよい」という思想の元、元となった神を浸食せんと行動を起こす。
かの八岐大蛇はそうした荒神の代表的な存在。現代においてもその魂は死していないとされ、「八劫連邪」として多大な影響力を残している。今でもかつて己を滅ぼした須佐之男命の末裔達への復讐を謀ろうとしているらしく、那岐流はまさにその末裔たちの一つと見做されている。・八劫連邪
八岐大蛇の怨念に呼応して集った荒神やその眷属。
八つの劫難を象徴した権能を有しており、荒神たちの中でも頭一つ抜けた力を持つ。彼らが習合して産み出した「八岐信仰」は現代でも一部地域で根付き、その信徒らは数多い。
龍煙 台風や竜巻を司る神。長年の攻防により力を失いつつあるが、再起の時を伺っている。
洪流 数多の水神が荒神へと堕ち習合した存在。最も八岐大蛇の化身に近しいとされる。
震滅 大地を震わせ崩壊させる地の神。既に封じられているが、現代でも時に災厄を引き起こす。
疫使 病魔を操り人々を蝕む神。八劫連邪の中では、現代においては最も力ある荒神とされる。
焰鬼 神すら焼き滅ぼす災いの炎を持つ。かの火之迦具土神より力を賜っているとされる。
雷霆 文字通りの雷神。その権能を利用して、現在は情報の海の中にその核を置いているという。
餓魔 飢えを齎す神。飽食の世となった現代を羨んでいる亡者の念が強く、神というより怨霊に近い。
霞羅 大気を穢す災いの神。近代に産まれた神であり、新参者。それ故に現代に対する造詣が深い。・在野の荒神
異国の神や眷属も含んだ、ただ自由気ままに世を乱す荒神たち。
多くは辺境の地で信仰を集めて教団やカルトを成し、その地で好き放題に振舞っている。その活動形態故にホームグラウンドから出る事は殆どなく、数を利用した社会的な力をも有していることが多い。討伐には相応の根回しや策が必要となり、厄介な存在と言える。
ミン 豊穣の神と称される異国の神。一説では異国どころか異界から来たる魔とされるが……。
欲天 あらゆる欲を肯定し、人々を陥れると語られる者。その眷属は頭上に光輪を浮かべるとされる。
天津甕星 日本神話屈指の悪神。その来歴から那岐流を不倶戴天の敵と見做している。
ヨーニ 女神たちへの習合により生じた神。ある神の化身が変質した結果、元の神からは逸脱した存在。
ワダツミ 原初の海に住まう海の神。最も閉鎖的な神々の一柱で、その神域に普段は引きこもっている。
幻夢 暴虐と破壊の限りを尽くす悪神。長きに渡る戦いにより、鎧に封じられた筈だったが……。
…etc・妖魔
人の想念より産まれた「魔」。その中でも特異な穢れし者たち。
ただ存在するだけで人の世を穢す、最も多様な魔の存在。
中でも魔性に堕ちた那岐流の使い手は「蛭子」と呼ばれ、脅威とされる。
無論、在野の妖魔も決して無視できる存在ではなく、最も多様にして多数。
詳細
人の恐れや憎悪といった負の感情が集積した結果として生じるとされ、ただ存在するだけで人の世を穢して行く。その出自故に彼らは積極的に人々を狙い、災いを無差別に振りまく。正しく人類の敵と言える存在である。
何よりも、彼らを凶悪たらしめるのはその生態にある。彼らは人々に憑りついたり呪うことはあっても殺すこと無い。人間を可能な限り生かしながらも存在を穢し、恐怖や憎悪を育むことで「糧」とするのだ。彼らにとって人間とは、肥沃や養分を産み出す家畜であり、新たな同胞を産み出す苗床なのである。そうした性質上、その被害者の多くは精神を壊す。
また、彼らは理由こそ定かでないが、「人から外れつつある者」を優先的に狙う事でも知られている。那岐流の使い手はまさしく格好の標的であり、過去に犠牲となったものも少なくない。中には自らの意思で妖魔に組した使い手たちも存在し、「蛭子」とも称される彼らは、当然ながら那岐流にとって不倶戴天の天敵と言える。そうした経緯から妖魔は那岐流にとっても要警戒対象とされている。
・蛭子
那岐流の使い手だった者が妖魔に堕ちた存在。
かつての技や信念は穢れに歪められ、今では妖魔の尖兵として暗躍している。その出自からか、那岐流のやり口や人間社会を熟知しており、一度狙われれば、その魔の手から逃れる事は非常に困難。幸いにも彼らは特定の個人や家を狙うものが多く、大胆に事を起こす事は殆ど無い。
無間の鏡 「何か」と繋がってしまった御雷の元後継者。因果や並行世界を見通すと言うが…。
淀みし刃 神器に呑まれ己を失った尾羽張の天才児だった者。その技だけは今も陰りを見せない。
血塗られた経典 異界の書や信仰を取り込んだ果てに妖魔へと堕ちた玉依の異端者。異形の怪物を操る。
淀みの血色 純然たる肉体と格闘術の強さを追い求め、妖魔へと到ってしまった小碓の求道者。
虚無よりの唄 死者や怨念にその魂を呑まれ、それらを生み出す者へと変じた巫女の末路。
…etc・在野の妖魔
最も多様にして、文字通りの魑魅魍魎を体現する者たち。
妖魔ごとにその性質・能力・活動目的が異なっており、一概に語る事は出来ない。ただ唯一、人にとって脅威となる存在である事は共通している。
涅狐 かつて御雷家の退魔師に討伐され、玉依家によって調伏された大悪妖とされているが……。
兇眼 人を惑わし、その身に憑りつく妖魔。瞳に魅入られた人間に巣食う、妖魔らしい妖魔。
雪女/源時代 鏡心流の創始者と同じ名を持つ妖魔。伝承に語る雪女と同様の能力を有する刀使い。
…etc