「……この地よりは、四方を見霽かす山川の清き地に遷り出でまして、吾が地へと領きませと――祟りたまひ健びたまふ事なくして、山川の広き地に遷り出でまして、神ながら鎮まりませと称辞竟へまつらくと申す」
――「祟神却遷」(『延喜式』巻第八祝詞) ◆禊川 五十鈴(みそぎがわ いすず) 常世学園二年生。 身長は150cmと小柄。肩ほどで切り落とした長い灰色がかった黒髪。赤の瞳でやや吊り目がち。 小柄な体躯のため他人に与える違和感は薄いものの、ややきつい表情だと思われることが多い。当人にはそのつもりはない。 性格は真面目で、後述する祭祀局の職務にも極めて真面目に取り組んでいる。 霊的な存在への敬意は深い。ただし、自ら「生徒」となることを選択した霊的存在・神霊に対しては同じく「生徒」として振る舞う。 島内に現れた霊的存在や神霊を即座に「怪異」と断ずるような態度を嫌う。
祭祀局鎮守課および祓除課降魔隊に所属しており、日頃より常世島の霊的調和や霊的防御に努めている。 鎮守課としては、常世島内に現れ、周囲に祟りなどをもたらす霊的存在や神霊に対して祭祀を行い、祭祀局で用意した「祠」や「社」などの宗教施設に遷座を願い、交渉する役割についている。 また、学内で物故した人々の魂が怨霊と化さぬように慰霊も行う。 祓除課降魔隊においては、常世島に悪影響のみを及ぼす「怪異」と判断された霊的存在や神霊を討ち滅ぼすという任務についている。 霊的存在や神霊との交渉に失敗した場合もこのような判断を取らざるを得ない場合もあり、そういった場合五十鈴はひどく後悔する。 降魔隊としての職務にも責任感は持っているものの、あまり好んではいない。 当人いわく、巫女ではなく神職。
実家は日本に古くから存在したとある神社で、禊川家は神職として古くから日本国の霊的守護に関わってきたとされる。 禊川家の持つ魔術は時代を経るごとに陰陽道などとも混淆していき、様々な祭式作法や術式を以て神霊を崇め鎮め、魔を祓ってきた。 その働きは《大変容》の魔術同様表に出ることはなかったが、《大変容》を境に世界的に魔術の存在が暴露されたことで、祓川家の働きも露見する。 《大変容》の際に祓川家の者が神霊や怪異と戦ったことからも、周囲への周知に拍車をかけることとなった。 その時は感謝されたものの、《大変容》が落ち着く頃には魔術的なものを秘匿・独占していたという批判を周囲から受け、一時期神社や神職としての活動に大きな影響を及ぼした。 そういった批判はしばらくすると落ち着いたものの、父の代になっても影響は残り続け、神社は困窮を続けていた。 五十鈴が常世学園にやってきたのは、神霊や怪異に対するより高度な術式を身につけるため、そして自らも立派な神職/退魔師/祓魔師になり実家の復興を助けるためである。
◆対穢装束「黒」「白」 穢への防御術式を組み込んだ装束。穢による霊障などを回避するねらいがある。 姿形はやや古風な学生の制服であり、「黒」と「白」の二種類が存在する。 「黒」は降魔隊として戦いの儀に赴く際の装束、「白」は鎮守課としての神事や慰霊を行う際の装束として使い分けがなされている。 本来、祭祀局員として神事などに臨む際は、浄衣などの伝統的な装束に身を包むべきであるが、いつどこで神霊や怪異が出現するかわからないため、着替えの時間を短縮するために制服の形とされている。 なお、正式な祭祀を行う祭や、巨大な神霊を相手とする場合は正式な装束に身を包む。
◆携帯審神者 五十鈴が持つ小さな神符のようなもの。 携帯できる審神者(さにわ)といことでこの名が与えられている魔術具。 審神者とは神の託宣を聞き、それを人々に伝える役職のことをいう。また、託宣を下した神の名などを明らかにする役割も持つ。 祭祀局にはそんな審神者が常駐しており、携帯審神者を使うことでその審神者と交霊(チャンネル)することができ、遭遇した霊的存在や神霊の言葉を翻訳することが可能。 小規模な霊的存在であれば、おおよそそれがどういった存在であるかを判断することが可能。 もちろん例外はあり、全く解析不能な場合もある。 その際は五十鈴自身が霊的存在と交渉しなければならない。
◆祭祀局「鎮守課」 祭祀局において常世島の「霊的秩序」「鎮守」を担う部署。 常世島に現れた神霊・霊的存在に対して祭祀や交渉を行い、常世島を霊的に鎮護してもらえるよう神社や祠などの宗教施設に遷させることを主な任務とする。 こういった性格のため、「祟り」への対応は「鎮守課」が行うことも少なくない。 常世島内に発生した霊的な問題の解決にも出動することがあり、風紀委員に協力することも多い。 対峙した神霊や霊的存在が「生徒」として常世学園に入学することを望めば、生活委員会にそれを取り次ぐこともある。 島内の「慰霊」も行うことがある。
◆祭祀局「祓除課降魔隊」 祭祀局において常世島の「霊的守護」を担う部署。 祓除とはすなわち「祓い」のことであり、常世島内に発生した怪異を「穢」と認識し、常世島内の霊的秩序、神霊や霊的存在への悪影響を避けるために「祓う」ことを主な任務とする。 常世島内に現れた霊的存在や神霊がひたすらに荒ぶるものであり、常世島内の霊的な安寧を乱すものであるならば、やむを得ず撃ち倒すために出動する。 荒ぶる霊的存在や神霊は強大なものが多く、降魔隊はその祟りなどを直接受ける事が多いため、非常に危険な任務に従事しなければならない。 風紀委員会や公安委員会の退魔・降魔関係部署と協力することも多い。
◆交流
【PL向け】 既知フリーです。同じ祭祀局の局員という場合はもちろん既知可です。 鎮守課や祓除課や降魔隊の所属もご自由にどうぞ。 鎮守課・祓除課の下部組織を生やしていただくことも歓迎です。 |