【容姿】 宙に浮かぶ、直径50cmほどの漆黒の球体である。 赤外線を含めて光を一切放たず反射せず、吸い込まれそうな黒一色。わずかに脈動している。
……その中心には、身長20cm前後の人型生物が居る。 仮に闇の球体が取り除かれたならば、白い肌、白いボサ髪、灰色の瞳を持った幼い少年の裸体が現れる。もっとも、その姿を直接目にすることはありえないが。 わずかに耳が尖ってる以外はミニチュアの人間そのもの。飛行しているが羽はついていない。体温は変温であり、摂氏20度を最大として外気温とほぼ等しくなる。
【能力:光吸収】 イナニはいわゆる『闇の精霊』である。 特性として、自らの近傍から光(正確にはあらゆる帯域の電磁波)を消し去ってしまう。これにより、イナニは常に闇の球体に覆われた状態となる。 一種の副作用として、より広い範囲(半径1m程度)の気温を5度ほど下げる。また、この闇に近づくだけでも電波は弱くなり、スマホが圏外になったりする。 ……それ以外の効果はない。闇の球体に手を触れても突っ込んでも、少しひんやりするだけである。
基本的にこの能力は解除できず、解除されない。 闇に包まれているものの、イナニ自身は外を問題なく観察できるようだ。
【能力:精霊としての特性】 精霊は本質的に生命体ではない。 よって外傷などによって死ぬことはないが、特定の条件が満たされたときには死ぬことはありえる。大きなダメージを負って人型を保てなくなった場合には一時的に消失し、しばらく後に復活する。
【来歴】 イナニは『終わった世界』からの来訪者である。 熱的死を迎える宇宙の最後の瞬間に『生まれた』闇の精霊は、すぐさま《門》を通じてこの世界の常世島に転移させられた。 誰が何のために転移させたのかは不明である。
【性格】 『死んだ宇宙』から『まだ死んでない宇宙』にやってきた存在のため、この世界の有り様について興味津々。 されど根は臆病で寂しがり屋であり、興味をひくモノを見つけてもなかなか手を出せないまま遠巻きに見つめるタイプ。 『熱』を好み、暖かい場所に行きたがり温かいモノに触れたがる。 |
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