《くみず》と読む。
【外見】 身長142cm、体重8kg(妙に軽い)。若々しい童女。 薄い金色の前髪ぱっつんショートボブヘア、頭頂から立派な狐耳を生やし、その突端で身長を測ると160cm前後に至る。 やや鮮やかすぎる蒼の瞳。丸眼鏡着用(後頭部で紐を結ぶタイプ)。 胸はないが臀部は大きく、小柄な割には妙に女性的。 尾骨の辺りからはレモン色の毛に覆われた長大な尻尾を生やす。 いわゆる化け狐。耳と尻尾以外は人間に見える。
なぜかスクール水着(旧型)を着用している。夏でも冬でも、授業の際もフォーマルな場でも。
【来歴】 それは、かつて『平成』と呼ばれた時代の残滓。世界が近代化・合理化の黎明を迎えた後に生まれた特異なる『妖怪』。さらに端的に言うなら『情報生命体』。 かつて存在したソーシャルゲーム《ROUND/Operation Universe》の、さして主要ではないがカルト的な人気を博したキャラクター。ゲーム内では『玉藻ノ前』という名を有していたが、当然、伝説に謳われし大妖怪そのものでは無い。 《大変容》の世界的混乱によってゲーム運営も終了を余儀なくされたが、クラウドの海に散った膨大な量の公式・非公式データが世界変動の波に打たれ、ヒトの形に寄せ集まり、新たなる自我を得た。玖弥瑞はそんな存在のひとつ。 ゆえに、本性は電子データの塊、プログラム。だが玖弥瑞は元となるデータ量が極めて多かったために、現実世界にアバターを顕現させることすら可能であった。それでも普段は慎ましくネットワークの中に棲んで変容後の世界を彷徨していたが、ある時《常世ネットワーク》に迷い込んだ際に常世学園の者に発見・捕縛され、拘束改竄を受ける。仕方なく常世学園に所属することとなり、正式な立場は学園所有の研究材料(サンプル)であるものの、その膨大な電子知識をもって教師としての行動も許可されている。
【性格・知識】 見た目は幼子だが中身は老獪(いわゆるロリババァだ!)。 ものを見る目は達観し、時に諦観すら感じさせる。変容後の世界を観察することを己が責務と定め、大小かかわらず事件・事変に深く関与することは避けがち。それでいてイタズラ好きな面もあり、己に許された権限内で現実世界やネット世界を引っ掻き回すこともしばしば。出自がゲームキャラクターであるために、危険に満ちた冒険を望むフシもある。 電子世界で生まれたため、生来より電子・情報技術の知識に長ける。その知識を活かしてコンピュータ技術の教鞭をとる。
【能力】 ◆異能:海底撈月(ハイテイラオユエ) 玖弥瑞を玖弥瑞たらしめている力。《大変容》の混乱で失われた膨大な電子データ群に指向性をもたせ、形をとらせる引力。データの海の底に写りし月影を、束の間『真実』にする奇跡。ネットワーク世界そのものに発現した異能、断末魔のどんでん返し。 ただのコンテンツデータだったものに人格を与え、ネット空間内で活動する力を与える。玖弥瑞はこの力で作られたアバターだが、玖弥瑞ほどにデータ量が多ければ、現実世界に仮初めの肉体(リアルアバター)を創り出すことすら可能となる。 玖弥瑞自身の異能ではない(異能の発動結果が玖弥瑞である)が、異能であることには変わらないため、何らかの方法で異能の発動を阻害されるとリアルアバターの輪郭を保てなくなったり、変調を覚えることがある。 なお、似たような存在が他にもいるかもしれない。
◆リアルアバター 現実世界における身体。常世学園においては便宜上こちらが主格として扱われる。 有機生命体ではないが、触れれば人間と同様に暖かく柔らかく(場所によってはモフモフ)、あきらかに軽すぎるが質量も有する。しかし傷をつけても血は流れず、断面はまるでポリゴンの欠損のごとく空洞。 味や匂いを感じることはできるが、モノを直接飲食することはできず、空っぽの身体をすり抜けてやがてこぼれ落ちる。しかし電子データ化する(=デジカメで撮る)ことで満腹感を感じることはできる。 身体能力は、敏捷性は人間より少し勝る程度、力は見た目通り。この状態でも付近の機械に対するハッキング行為をある程度行える。
◆電子潜伏+拘束改竄 リアルアバター状態において、電子機器に瞬時に身を隠すことができる。ネットに繋がった機器からはネット空間に逃げることができ、手近にそういった機器がなくても電力網に逃げ込めればいつかネットに繋がった端末を見つけられるだろう。デジタル腕時計など、あまりに貧弱な電子機器にはデータを収められない。 潜伏している間は直接現実世界を観察・干渉することはできないが、モニターに顔を表すなどすれば周囲を見聞きしたり会話したりもできる。 ただし、常世学園によって施された拘束改竄により、常世島の外には移動できない。たとえ船などで物理的に移動したとしても、常世外のネット空間で行動することはできない。
◆ネットアバター 常世電脳空間における身体。本質的にはこちらが本性。 ネットゲーム《蓬莱オンライン》も含め、あらゆる電脳空間においてリアルアバターと同一の見た目を他者に観察させる。電脳空間において各種能力が飛躍的に跳ね上がり、上位魔術師めいた芸当も可能。それゆえに、常世電脳空間における公平な競争空間(オンラインゲーム等)では正当な参加権を有さず、《蓬莱オンライン》においてもイベントGM(ゲームの恒久的改変やBAN等の権利を持たないが越権行為を行使できるPC)に近い存在として扱われる。 ハッキング技術や情報検索能力も極めて高いが、拘束改竄により、常世学園の情報データベースへのアクセスには制限がかかる。常世財団のような深部の情報はもちろん、生徒・教師の情報も公然のもの以外は閲覧できない。
◆アバター改変・狐化 リアルアバター、ネットアバターともに『狐』の姿を取ることができる。やや体格が増大し、ニホンオオカミほどに体長が増すが、胴体や脚は細っこい。人間態のときに1本だった尻尾は、獣態では細い9本の尻尾に分かれる。 変化することで体格相応に敏捷性が増し、かわりに手指の器用さを失うが、それ以上に大きな能力変化はない。 ネットアバターの時はもっと無茶な自己改変を行える。例えば身長20mの巨女になったり、逆に2cmの小人になったり。しかしどちらにせよ、『スク水幼女』と『九尾の狐』という2つの基本形態から大きく離れた姿にはなれない。スク水以外の衣服を着ることすらできないのだ。
◆クラウドデータ 玖弥瑞はその来歴ゆえに、世界各地のあらゆるストレージに己のアイデンティティを分散させて保持している。コアはあくまでも常世島にあるが、データを欠損しても短期的にはほぼ無尽蔵に修復できる。リアルアバターにせよネットアバターにせよ、99%欠損しても残る1%が電脳空間に逃げ込めればいつか復活できる(かなり時間はかかるが)。そのような全損からの復活を少なくともあと9回は行えると推測している。
【ロールについて】 ◆戦闘: 一応可能。ただしリアル世界においてはほとんど戦闘力がなく、それでいて逃げ足速くほぼ不死身という対処に困るタイプのキャラなので、避けるか舌戦で籠絡するが吉。 サイバー空間においては力が増すが、チート臭い逃げを打つことも困難になるため、少なくとも『戦闘』はできる。 怪異などNPCに対抗する共闘は大好き。その場合もリアル世界ではやはり攻撃力に乏しいため、お荷物になっても許して(肉壁くらいにはなる)。 ◆恋愛: 一応可能。ただし玖弥瑞は情報生命体という自覚がある上に『想い人』もいるため、きっと成就しないだろう。刹那的な邂逅であれば特殊Freeも可。 ◆既知: こちらは教員のため、学園で見たことある・講義(情報系)を受けたことがあるという既知は歓迎。『大変容以前に存在したソーシャルゲームのキャラが素である』という背景は、それほどの長命であるなど強い理由がない限り避けてほしいです。 こちらからの既知は同様に「見たことある」程度か、既知なしで挑みます。
【Appendix】 ◆《もふもふワールド》 《蓬莱オンライン》のチャットルームの1つ。ユーザが作成したインスタンスルームの中に紛れているが、なぜかログイン人数が0になっても消滅しない。実のところ、玖弥瑞の住居に等しい。 中に入ると、地面は見渡す限りの「毛」。柔らかい毛布のような床から毛足50cm程度のきつね色の毛が何億本と立ち、歩くのが困難なほど。空も山吹色で、常に晩春のごとき暖かさ。ジャックインしていればそのモフモフ感を堪能できるだろう。 基本的にパスワード等なく誰でも入れるが、家主不在時はモフモフ以外になにもなく、大して面白みはないだろう。 MOTD(ログイン時メッセージ)に曰く『このワールド内で寝てはいけないよ。狐に喰われてしまうからね』とのこと……だが、まだ部屋が立ち始めて日が浅く、これを試した者はいない。 |
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