「あちきの琵琶と唄が気に入ったかイ? そりゃ良かっタ。でもね、お客さン。後ろめたいことがあるンなら、聴きすぎには注意することだネ。なにせ、あちきの唄は――人を食っちまう唄、だからネ」
近頃落第街に出没するようになった「傀儡女の柰《くぐつめのからなし》」を名乗る鬼。
【外見など】 見た目は13歳ほど。長く薄桃色をした髪に少々小麦がかった肌、透き通った海のように美しい青の瞳が特徴的。 落第街の荒んだ空気には不釣り合いな外見である。 耳の中を擽るような柔らかな声色をしており、琵琶を弾きながら唄う彼女の声は多くの者の心を打つという。 また、そのゆったりとした口調には独特の訛りがある。
【性格】 その所作やゆっくりとした独特の語りから、一見穏やかで何事にも動じない性格に見える。 しかし実のところは冷めきった心の持ち主であり、それを隠そうともしない。 世の全ては移ろいゆき、全ては虚構のようなものであるという、世の「無常」と「虚構」を説く。 会話は可能であるが、一般的な人間とは価値観が乖離していることも多い為、思うように会話が成り立たないこともある。 実は現代的な生活に少し憧れている所があるらしい。
また、「罪を犯す」人間に対して異常なまでの執着を見せることがある。 理由はシンプル。「罪を犯し、それを自覚した人間」ほど彼女にとって美味なものはない。 つまり、食事に最適だからである。
【経歴】 かつては、「蒼宿衆(あおやどしゅう)」という、表は人々を楽しませる雑芸、裏は売春から暗殺までこなす傀儡子の一座に加わって全国を旅していたようである。聞かれない限り多くを語ることはないが、愉快な経歴でないことは間違いない。
【特殊能力】 元居た時代に国宝とされていたという「幻象」と呼ばれる琵琶を常に持ち歩いている。 「鬼奏《おにかなで》」と呼ばれる技を有しており、妖力を込めて「秘曲」を弾くことにより、様々な現象を引き起こすことができる。また、禁忌とされる「忌曲」と呼ばれる技も有しているが、こちらは膨大な妖力を使うらしく、滅多に使わない。 代表的な「秘曲」「忌曲」は以下の通り。他にも様々な曲を奏でることができる。 当然だが、幻象が使用出来ない状態ではこれらの力は一切使用できない。
秘曲刃式・『流閃』《ひきょくじんしき・りゅうせん》 音を刃と変じて繰り出す技。その切れ味は、日本刀と変わりない。
秘曲獄式・『竜閃』《ひきょくごくしき・りゅうせん》 『流閃』の演奏に、更に妖力を込めた奥義の一つ。その切れ味は、鉄を容易く切り裂くほど。
秘曲絡式・『妖心操』《ひきょくらくしき・ようしんそう》 聞いた者1名の身体の自由を奪い、一時的に操ってしまう技。心が弱い、或いは弱っている者であればある程かかりやすい。
秘曲獄式・『影心操』《ひきょくごくしき・ようしんそう》 『妖心操』の演奏に、更に妖力を込めた奥義の一つ。聞いた者全てを完全な操り人形にしてしまう。 これによって操った者は、「影人形」と呼ばれる。心が弱い、或いは弱っている者であればある程かかりやすい。
忌曲・『九葬杜』《ききょく・くそうず》 音に対象を食らわせ自らの肉体へと吸収させる禁忌の一つ。 特定の条件を満たした相手にのみ使用可能。 吸収された対象のエネルギーは、柰の力となる。
※イラストはShiontyさんに描いて頂きました。
※悪い鬼を平気でやってしまう「鬼」です。そういったキャラクターに抵抗のある方はご注意ください。
※相談も歓迎です。何かありましたら私書箱まで連絡を頂ければありがたいです。
|
|