| | 「やれっつーんならやるけどさぁ。あんま期待すんなよ?」 
 「あいにく、ガンガン行く性格でなけりゃ流儀でもねぇんだ。来るなら、そっちから来てくれな?」
 
 「拘っても仕方ないだろ。全ては、虚しいもんだ」
 
 霜月 湊(しもつき みなと)
 持っている異能のコントロールと解明を主目的に、剣術修行も兼ねて入学した青年。
 190p付近の長身を持つが、性格はどちらかと言えば引き気味で、積極性に欠ける。
 やや虚無主義的なところがあり、物事に対する執着が薄く、よく言えば柔軟、悪く言えば薄情な態度を取ることが多い。
 武の名門、霜月家の分家筋の生まれで、幼少期から剣術修行をそれなりにこなしてきたが、ある日異能が開花し、それを自身も家も持て余し気味になってしまったことから常世学園に入学した。
 アウルム小隊に所属しているのも、修行の一環且つ異能の使い道としては妥当な方と思ったため。
 同時期に入学した本家のお嬢さんについては「堂々ハキハキしすぎてて、まぶしいから苦手」としている。
 
 流派:霜月詠心流
 後の先を得手とする本家の霜月流を独自に発展させ、後の先に特化させつつ要素を敢えて絞った流儀。
 霜月流の持つ「連撃」の要素を大幅にオミットし、誘いによって初動を誘発したのちにそれを返す、という方向性を突き詰めた技術体系を構築しており、そのため敢えて隙を見せる構えも多くなっている。基本的な構えが下段になっていることからも、自分から攻めかかるという方針がかなり薄いことが見て取れる。
 
 異能:「Vanitas vanitatum, et omnia vanitas.(虚無なるかな、虚無なるかな。万象悉く虚無なるかな)」
 湊の持つ異能。
 手のひらから特殊な力場を発生させ、それに触れたものを「消失」させる。
 文字通り消失であり、少なくとも本人が試した範囲で消失させられなかったものはない。
 力場自体はある程度の範囲内であれば自由にコントロール出来る他、射出も出来る。当たれば消失する。
 「ただ消失させる」という身も蓋もない能力故に、湊自身の虚無主義を加速させる(これに触れてしまえば、いかに有意義と思われるものでも消失してしまうという一種の諦念)結果となった。
 ただ、本人は必ずしもそれを良しとしているわけではなく、異能自体は好んで用いることはない。
 基本的に防御に用いるのみであり、相手を消失させる、という用法は命令されても拒絶する。
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