現在(2020.06頃の設定時間)より2年前に発生した。
摘発対象組織が組織同士の抗争により壊滅したとみられている。
組織は、異能を所持する不法入島者・二級学生・違反学生などを対象に人攫いを行い
外部へと人身売買、臓器売買を行っていた記録がある。
ごく限られた地域内のみのイントラネットワークによって歓楽街から落第街までを繋いでおり、
外部に情報漏れがなかったため発見から摘発が遅れた。
ただの人身・臓器売買であれば「裏切りの黒《ネロ・ディ・トラディメント》」が動く理由など何もない。 実際当初「ルナティック・バイヤーズ」の情報が入った際にも、何の動きも見せなかった。 ▼ ところが当時組織の長であった、ヴィランコード「裏切りの律者《トラディメント・ロワ》」の指示により、 「ルナティック・バイヤーズ」の裏を洗い出す調査が行われることとなる。 しかし調査をいくら重ねても、組織のまともな情報は出てこない。そこで裏切りの黒は、実地へ赴いて潜入捜査を行うこととなったのだった。 結果、明らかとなったのは、衝撃の事実だった。 「ルナティック・バイヤーズ」のボスは文字通り、人の皮を被った化け物であったのだ。 そして「ルナティック・バイヤーズ」のメンバーは既に理性を失い、「X」を崇める傀儡と化していた。 「X」と呼ばれていたその男は、《門》より現れた《異界の存在》であった。臓器売買など副次的なものに過ぎず、彼が本当に欲していたのは《異能者の脳》だったことも判明した。 彼は《異能者の脳》を食すことで犠牲者の持つ記憶、そして《異能》に関する知識までも手に入れていたのだ。 その上、《異能者の脳》を演算装置、あるいはエネルギー源として利用した兵器を作り上げようとしていたことも研究室の探索から明らかとなった。 予想外の事態の中、裏切りの黒は多くの犠牲者を出しながらも「X」と交戦。 結果として長である「裏切りの律者《トラディメント・ロワ》」の自爆により、彼と異界の存在たる「X」が刺し違える形で事件は終着を迎えた。 そうして、全ての証拠も灰と化した。それは空前の、規格外の制裁であった。これは語られることのない、影の物語である。