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一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。 しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる――ヨハネによる福音書 12:24
図書委員会所属の特務機関。現在の室長は常世学園生徒の清水千里。
公的には『図書委員会の業務全般に対して統括的な後方支援業務を行う』と定義されているが、
実態としては図書委員会管轄の任務を遂行する特殊作戦部隊、通称『SLS(Special Library Services)』の運用を行う組織である。
風紀や公安委員会の持つ類似の作戦部隊と違って組織の活動の多くに法的根拠が乏しく、敵対組織の制圧状況下や政治的に敏感な状況においても隠密に任務を実行するため、
隊員は厳格な思想調査の上、体力や精神力、知識、練度に優れた者が採用されている。
《大変容》以降「魔術書」や「遺物」の存在が公に知られるようになると、これら存在の取引が表・裏問わず世界中で行われるようになった。
国連委属のもと運営される常世学園ではこのようなオブジェクトを大規模に規制することは困難であり、「魔術書」や「遺物」の盗難や悪用事件が度々発生したことによって、
他委員会の影響力に左右されない、独立した武装抑止・強制効果を持つ特務機関を創設する必要が勧告された。
この勧告に基づいて設立されたのが図書委員会連絡室とその実働部隊としての特殊作戦部隊である。
実施している活動は幅広いため、その一部を提示する。
・違反部活・敵対組織に対する直接行動
・常世島内での遺物取引における特殊偵察任務
・遺物取り扱いに関する情報や収容に関する物資の提供
・マスメディアを利用した情報支援作戦
・危険遺物の拡散防止任務
連絡室の本部は委員会街の一角に存在しているが、SLS専用の訓練施設が弱水の海を臨む実習区北部地域の海岸沿いに存在する。
訓練施設の地所は一般には秘匿されている。
その活動の性質上他委員会との離合を繰り返しているほか、現室長の清水千里は公安委員会の監視対象リストに登録されている。
