身長167cm
すらりとした痩躯に、世を斜に構える大胆不敵な微笑を浮かべた女
黙っていれば美人だが、口を開くと皮肉が飛び出る
一応医者だが白衣は着ていない
本人曰く、
『こんな面白そうな島ほっとくわけないだろう?面白そうな実験体――失礼。患者も要るしな』
本職は魔術師、だった。
型に嵌まりきった本家の教えと、世界に零れ落ちた異能の不可思議。
生来破天荒な性格の久留里がどちらを面白いと思うかなど火を見るより明らかであった
学べるだけ学ぶと実家の後を継ぐその日に脱走。
各地を飛び回り異能魔術問わず己の好きなものを見て、学び、遊び、世界を廻った。
ある遺物を手に入れて以来、常世島に辿り着き趣味のついでに診療所を開く。
異能は持たないが、異能について調べるのが大好物。
特に変わった異能や体質で苦しむ人間を見るのが大好きという人格破綻の特殊性癖持ち。
『世界で一番可愛そうなのはワタシ、みたいに思っているやつに現実を突きつけるのが大好きなだけだとも!』
魔術の良家の生まれらしく、一通りの魔術基盤の上での魔術なら使いこなす。
本人曰く実行者ではなく理論家なので別に強いわけではないらしい
炎の魔術の扱いに長けており、人の生命力を燃やし傷を癒やす魔術を使う。(傷は治るがめちゃくちゃ疲弊する)
医術の心得はかろうじてあるらしい。
それよりも薬学に長け、知識も豊富。診療院を開けたのはその経験と才能があったため。
異能や体質で乱れがちな体調を持つ患者も、正しい投薬で快復させるという
ただし、本人はあまり治したがっていない。
『なあ……こんな七面倒臭いことするより回復系の異能とかでよくないか?』
彼女の本質は、自らの性能ではなく、他者の性質や本質を見抜く点にある。
旅で培った観察眼と持ち前の魔術的、異能的知識で、他人の秘密や苦悩を予想し、推理し、見抜くことに生きがいを感じている倒錯者である。
しかしその人の弱さを否定せず笑い飛ばせる時点で強い人間。他者に対してのみだが。
物理的にも精神的にも、人の足掻く姿が好きで、人の努力を否定しない。笑う。ポジティブな意味で。
『こんなに必死に無様にあがいているのを無駄だなんてむしろ失礼だろう?
さ、もっとやってくれたまえ。我が身の危険も省みぬ荒修行とかいいんじゃないか?楽しそうで』