奇跡論とは

魔術や異能といった超常現象を発現させる特殊能力に対し、科学的領域からその性質を解明しようとする学問分野。
その性質上、数学・物理学・天文学・生物学・言語学・人類学など、多岐にわたる学際領域を横断することが特徴である。

一般的な魔術学・異能学と奇跡論とを区別し、分野を特徴づける重要な考え方の一つが、
「固定的な概念として見られがちな魔術と異能は、実は同じ原理の下発生する一つの自然現象である」という考え方である。

奇跡論の研究者たちは魔術と異能それぞれに留まらず、それらの超常的な力を電磁気力や重力、強い相互作用や弱い相互作用といった、
現代物理学の想定する四つの力と統合する、ToE(万物の理論)を完成させることを目的としている。

EVEとアスペクト放射

奇跡論を理解するうえで重要な概念二つが『EVE』と『アスペクト放射』である。
EVEは宇宙に遍在すると想定される奇跡論上の架空の物質であり、光学的に不可視ながら質量を持ち、
魔術や異能を行使するうえで必要であると考えられる触媒の一種であると考えられている。
EVEは宇宙全体の質量のうち、約27%を構成していると考えられている。
EVEが局所的に偏在する場では、EVEの持つ質量によって発生する重力レンズ効果を観測することが可能になる。
この時、EVEによって発生する重力レンズ効果の強度を指して『アスペクト放射の強度』と呼ぶ。

EVEの強い偏在によりアスペクト放射の強度が高くなっている場所では、EVEが強い重力波を発生させることによって、
周囲の空間の力学系で強い自発的対称性の破れが発生し、既存の物理法則に基づく未来予測が通用しなくなる。
このような基底状態における対称性の破れによって発生する超常現象が魔術や異能の正体であると考えられている。

EVEの偏在は大変容を境に極端になっており、これは重力レンズ効果の地上での観測によって確かめられている。
天文学者はこれが宇宙全体の大規模構造が膨張から縮小に転じたためと予測している。
大変容以降世界中で魔術の露見や異能の大規模発言が発生したのは、地上で利用できるEVEの量が急増したためである。

バックラッシュとECサイクル

EVEが特に密集している状況では、人類が先天的に有する恒常性維持機能の閾値を超えて、
僅かなアスペクト放射の強度の変化が自発的対称性の破れを誘発することがある。
この時引き起こされる予期せぬ超常現象の発生は『バックラッシュ』と呼ばれ、
個人の魔術や異能を暴走させ、周囲に甚大な被害をもたらす原因となる。

安全に魔術や異能を発現させるためには、その場に存在するEVEの総量を適切に保つ必要があり、
自然発生的な自発的対称性の破れを利用することで、EVE量を増加させたり、逆に減少させることができる。
これを利用して人為的により規模の大きな自発的対称性の破れを発生させる機序は『ECサイクル』と呼ばれている。
奇跡論研究者は、従来の魔術理論や異能制御術は超常現象を発現させることに主眼を置き、
方法論的にEVE量を増加させることに焦点が置かれているため、
本質的にバックラッシュを引き起こす危険性が高いことを指摘している。

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