当事象は特異個体「--・-----」(以下特異体と呼称する)による大規模情報干渉(書き換え)である。
特異体はミーム感染により自己を複製する虚数型情報生命体である。
本来生命体は自身の継続を目的とするが、特異体は真逆の目的を持っていたようだ。
これら問題について観測できる範囲では、特異体は直前までそれらを解決するための情報を有していなかった。
これらの自己矛盾をはじめ、深刻なエラーの重複により特異体は常に瀕死の状態にありながら
機能停止や修復が不可能な状態に陥っていたようだ。
しかし、干渉直前に特異体の生産者を名乗る人物と邂逅。
特異体はそれにより必要な情報を得たと推察されるが詳細は不明である。
その後特異体は劇場型演算領域を展開、それに巻き込んだ人間を演算子として無数の死のシュミレートを行った。
このシュミレートにより膨大なエネルギーを消費するとともに幾万の結末を固定化。
また、自身に関する情報へ大規模な干渉を行い上書き、消去を行うことで”無数の自分を全て、殺し切った”。
極めて強力なカバーストーリーを世界への改変として捏造することで自身の存在を世界から消し去ることに成功した。
その後の観測でも特異体に関する記憶を保持している個体は極めて少数であり、その大半が24時間を待たずに該当する記憶を喪失している。
目的を達成した術式は驚異的であるが、当術式の保管に関しては術式自体による干渉のため緊急のデバックを行うに至ったため休止。
関係情報を切り離すことにより術式の影響を抑える。
なお、前述の通り当情報は強力なミーム汚染及び改変術式を含んでおり、非常に強力な情報干渉を受けている。
情報浸食は非常に強力であり、推定72時間後には当情報は閲覧可能領域から逸脱するため破棄されると推定される。
分岐個体がこれらの崩壊に巻き込まれることを防ぐため
破棄されるまでの間これらの情報へのアクセス権限を制限する。
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