LLOは図書委員会本庁六階に本部を持ち、委員会所属の特務機関として、その構成員は常世島を中心とした世界各地で様々な作戦に従事しています。
彼らの主任務は大変容以降地球にもたされた超常存在(アノマリー)に対処することであり、目的のためには国連をはじめとする他の国家や組織などの強大な組織と対立することを厭いません。
常世島内での警察権を持たず、制圧状況下や政情不安の地域においても任務を遂行するため、所属委員は厳格な思想調査の上、各種能力に優れた者が採用されています。
彼らは自らの任務にあたって超常存在を積極的に利用し、また時に意図的な付随的被害をもたらすことで、LLOは非難の的になります。
しかしこのような被害でさえ、実際には彼らの目的を達成するための一手段にすぎないのかもしれません。どちらにせよ、LLOの望みが分かる人間はほとんどいません。
実際のところ、LLOがいつ創設されたのかについては正確な記録が存在しません。証言者の聴取結果には整合性がなく、意図的な情報操作や記憶操作が行われた可能性があります。
信憑性は低いものの、紀元前六十世紀に現在のイラク共和国にあたる地域おいてLLOが存在していたとする状況証拠が発見されており、
この事実が正しければ、連絡室は大変容の以前から存在し、超常存在に対処していた可能性があります。
超常存在の引き起こす災害から市民を防衛し、文明社会の安全を確保する
超常存在を保護し、その生存と自由意志の存立を擁護する
超常存在に接触し、研究成果を一般に公開する
誰が諦めようとも、我々だけは最後まで諦めてはならない。絶望した存在、迫害された存在にとって我々は自由の灯台であり、最後の避難所なのだ。――Alpha-1全体訓示
LLOのもつ技術的タイムラインにおいて魔術と異能は区別されず、両者は同一のものとして扱われます。LLOは公式に異能ステージ説を否定しています。
LLOは魔術師や異能者、霊や神格のような超常存在を現実改変者と定義しており、またそれら現実改変者の用いる現実改変の理論的手法を指して奇跡論と呼称しています。
LLOは現実改変者に対応した戦闘教義、また奇跡論についての研究を長年にわたって続けており、LLOは一部の例外的な機密情報を除いて、これらの研究成果を一般に向け無償で公開しています。
異能ステージ説、しかしこの全体論的相互主義が訴求力を持つことは憂慮すべきことだ。どんなに相互作用が複雑でも、
構成要素と相互作用を分解することによってのみそれを理解できるのだ。全体論的相互主義はそういう努力を阻害する。――奇跡論的現象研究におけるLLO研究者倫理
LLOの求める目標を達成するためには、多種多様なアプローチと専門技能が必要とされます。このため、特定のタスクまたは分野をそれぞれ専門とする数多くの部局が設置されています。
活動の一部は図書委員会、常世学園、あるいは国連に秘匿されている場合があります。
Alfa評議会はLLOにおける最高意思決定機関です。評議会で可決された提言はいかなる状況でもLLOの意志として扱われます。
倫理委員会はLLOの活動に付帯する倫理的問題について常に監視しています。倫理委員会は評議会で可決された提言に対する拒否権、またLLOの業務に対して差し止め権を保持しています。
情報保全局は情報書庫の安全性と完全性を維持することを業務とします。情報保全局は情報への接続権を担保し、それらの整合性を保全し、悪意ある他者の侵入からそれらを保護します。
法的検証局はLLO内での活動が活動当該地域で適用される各種法令に違反していないか確認し、必要であれば折衝を行うことを業務とします。
外交工作局は偽情報の流布、活動痕跡の抹消、他組織との渉外任務、パラヒューマノイドの亡命認定など、LLOと外界を繋ぐ幅広い活動を業務とします。
厚生労働局はLLO施設の公衆衛生環境・労働環境の改善および福祉厚生施策の実施を業務とします。
医療救護局は通常の医療行為に加え、超常的な原因によってもたらされた負傷・外傷・感染・疾患の治療を業務とします。
教育訓練局はLLOに所属している職員の教育訓練を業務とします。再教育、再訓練、管理者資格試験の実施なども業務の範囲です・
科学研究局は標準的な科学的手法による現象及び存在の研究を業務とします。奇跡論、神学、錬金術学なども対象です。
施設管理局はLLO施設や設備における技術的メンテナンス、定常点検及びインフラストラクチャの建造、保守を業務とします。
運輸物流局はLLOに関連する天然・財的・人的資源の実地での輸送を業務とします。物資の輸送は自動車・船舶・鉄道・航空・宇宙やその他の手段を用いて行われます。
対内保安局は外部情報機関に対するカウンターインテリジェンスおよび施設保安リスクの評価を業務とします。
資産運用局はLLOの財務諸表に関連する資産移動の帳簿上での管理を業務とします。LLOのフロント組織運営業務も業務の範囲です。
資材製造局はLLOの任務達成に必要とされる現場のあらゆる特異的な資材要求を充足することを業務とします。
機動任務局はMALTSの指揮監督を業務とします。原則的にLLOは任務目的の達成のために武力を行使することはありませんが、その例外が機動任務部隊MALTSです。
一般職員から「Alfa」と呼ばれるAlfa-1からAlfa-12までの12人こそが、Alfa評議会を構成する連絡室の最高位指導者たちです。
彼らはLLOの活動について知るべきことのほとんど全てを知っており、機密指定を含む全ての情報を閲覧することができます。評議会構成員の個人情報はA-1を除いて厳重に秘匿されています。
A-1"Teacher"は連絡室の創設者であり、12人の中で最も権力があるとされています。
全てのAlfa提言に対する評議手順はプロトコル『Angry Men』に従います。
女性。日本出身。超人的寿命を持ち、少なくとも一万年以上を生きている。外見は二十代前半の女性と同等に見える。
LLOの創設者とされ、多数の目撃例あり。現在の評議会構成員の中で最高齢の人物であり、評議会の議長を務める。
奇跡論の研究者であり、彼女自身現実改変者である。自らを"Eurus"あるいは"Eve"と名乗ることもある。
「1番目の女」として全ての評議会決議に賛成意見を述べ、賛成票を投じる。
男性。ドイツ出身。
数学的天才であり、かつてはある機動部隊の隊長を務めていたとされる。
理知的で、寡黙。計画主義的であるが、他人とのコミュニケーションは得意ではない。
男性。アメリカ出身。
複数の世界的大企業に強いコネクションを持つ。表側の世界における彼のSNS上での言動はしばしば物議を醸す。
世界経済への悪影響を防ぐため、A-3は無から金を生み出すかわりに資本主義的手法によってLLOの運営資金を創出し、企業献金を促進する。
独り手で育て上げた息子が一人いるが、親子仲は悪く、絶縁されている。
男性。イギリス出身。
英国貴族院のクロスベンチャーとして英国政府内の責任ある地位に就いている。
LLOの活動に関係する特定の政治的問題について、直接的あるいは間接的な対処を行う。
政治的影響力の強い重要人物が参加する会員制クラブの発起人を務める。
冷静沈着で常に平静な態度を崩さず、論理的な口ぶりで話す。
男性。ブラジル出身。
ホシーニャ・スラム出身のストリートチルドレンであり、義理人情に篤いとされる。
世界各国の裏社会コミュニティに対し強いコネクションを保持しているとされる
これまでに何度か暗殺部隊を送られたことがあるが、全て独力で撃退している。
女性。フランス出身。
常に物事の感情的側面に注目する。
評議会において唯一、LLOの秘密主義的態度を推進する。平和主義者としてA-7の活動を非難しており、仲が悪い。
A-6の主張によって、全てのLLO職員は活動を奇跡論的自己発火性用紙にのみ記録することが義務づけられている。
男性。イタリア出身。
LLOの保持する超常存在を(時に市民を危険を晒すことになるにもかかわらず)外部に意図的に流出させるほか、
機動任務部隊を派遣して要注意団体や要注意人物への襲撃を行うなど、汚れ仕事を行う。
A-7の活動内容はA-1およびA-7以外には、たとえほかのAlfaが情報開示を要求したとしても開示されないことになっている。
評議会での議論には無関心で、定例会合の場には欠席することが多い。女癖が悪いことで知られている。
男性。カナダ出身。A-6の夫。
LLOの全ての超常存在収容施設の設計者であり、A-6と同じく収容された超常存在について極めて詳細な知識を有している。
「8番目の男」として全ての評議会決議に反対意見を述べ、反対票を投じる。
男性。中国出身。
現在LLOで広く受け入れられている研究倫理規定の草案を作成した。
超常存在の研究について慎重であり、その利用については強く反対している。時にA-6と歩調を合わせ、反対派の論陣を張る。
経験則に基づいた鋭い観察眼と深い洞察力に優れている。
男性。インド出身。
超常物理学および超常工学において博士号を有する。
超常存在の研究を積極的に推進し、超常的技術を用いて有用な物品を製造・販売することを提案するが、たいていの場合却下される。
評議会が開催されるたびごとにA-10は他のAlfaたちに新たな「製品」のプレゼンテーションを行っており、彼自身そのことを楽しんでいる様子である。
男性。南アフリカ出身。
実務においてきわめて優秀な調整能力を有している。
責任感が強く、誠実な人間として知られ、正確性にこだわる。多くのAlfaから信頼を勝ち得ている。
男性。ロシア出身。
A-12はかつてソビエト連邦において、同国の外交部門できわめて強い政治的影響力を持っていた高官であると主張される。
非常にタフで、厳格な人間として知られる。知的で、常に平静を保つ能力を持ち、ユーモアのセンスに長けているとされる。
MALTS(Mobile Associate of Librarian Task Service)は超常存在に対峙するため世界各地から招集された人員によって構成される精鋭部隊で、LLO直属の高機動任務部隊です。
特定の脅威又は当該地域の法執行機関・軍事的組織若しくはLLO現地連絡員の対応能力を超えた状況に対処すべく動員されます。
隊員は一人一人が超常存在に対処するために訓練された何らかの分野におけるエキスパートであり、その中には軍人の他に科学者・技術者・医療従事者・報道関係者・宗教家・文化人などが含まれます。
以下に示す例はその一部であり、全てを示しているわけではありません。
一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。 しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる――ヨハネによる福音書 12:24
部隊コード | 任務概要 | 備考 |
Arkbird | Alfaたちの警護 | |
Bacchus | 地域の生物相および全球気候変動の監視 | |
Cachets | 郵便物および配送物の監視 | |
Dataria | 公的組織の監視 | |
Eclipse | 宇宙空間および天体運動の監視 | |
Faberge | 芸術品および美術品の保護 | |
Galatea | パラヒューマノイドの保護 | |
Habitus | 文化的ミーム進化の監視 | |
Iceboat | 極地域の監視 | |
Jackass | CBRNE物質を含めた廃棄物、裏社会、スラムの監視 | |
Keelage | 海上交通および港湾の監視 | |
Labeled | 要注意団体の監視および人物物品の追跡 | |
Maglevs | 鉄道交通および鉄道駅の監視 | |
Nacelle | 航空交通および空港の監視 | |
Obelisk | 公表された出版物および印刷物の監視 | |
Pacific | 海上および海中地域の監視 | |
Quartic | 出現した時空間異常の監視 | |
Rabbles | 非公的組織の監視 | |
Sabbats | 魔術的および奇跡論的実体の監視 | |
Tachyon | 遠宇宙および平行宇宙に存在する知的文明との交信 | |
Unreals | 電気通信および電子的実体の監視 | |
Vacancy | 抽象的および概念的実体の監視 | |
Wakener | 生体への生理学的干渉を誘発する実体の監視 | |
Xerotes | 文明社会圏を含む陸上および地下地域の監視 | |
Yahwism | 過激派宗教およびカルティズム団体の監視 | |
Zikurat | 自然文化遺産の保護 | |
∅ | 存在しない部隊 |
当然ながら、LLOだけが超常存在に接触しているわけではありません。私利私欲若しくは思想的、又は文明社会のため活動する団体があります。
それらの組織の一部はLLOと敵対的若しくは中立的な関係にあり、又は友好的です。
以下に示す例はその一部であり、全てを示しているわけではありません。
組織 | 関係性 | 概要 | 備考 |
クライン生命保険相互会社 | 友好的 | 民間の多国籍企業 | 多額の資金援助を受ける |
風紀委員会 | 中立的 | 常与島の法執行機関 | 活動を監視されている |
公安委員会 | 中立的 | 常世島の法執行機関 | 活動を監視されている |
祭祀局 | 友好的 | 常世島の祭祀機関 | 広範な活動協力 |
異能学会 | 友好的 | 常世島の研究機関 | 広範な情報協力 |
魔術学会 | 友好的 | 常世島の研究機関 | 広範な情報協力 |
世界魔術協会 | 敵対的 | アメリカの魔術師組織 | 学園施策を巡り対立 |
国際異能発現者連絡会議 | 敵対的 | ドイツの異能者組織 | 学園施策を巡り対立 |
国際異能者協会 | 敵対的 | 異能者による政治結社 | 超常存在を巡って武力衝突 |
人類を滅びから救え。
思考は統一され、行動は矛盾する。
防衛は攻撃であり、安全は危険である。
保護は迫害であり、擁護は侵害である。
理性は盲目であり、公開は機密である。
考えるな。暗黒のあぎとへと進め。信仰を保ち、希望をつなげ。