《門》について

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《門》とは

 ――「門」とは。
 「異世界」――時空連続体の外側――へと繋がる扉。
 「異世界」からのものを招来するための虚空(アーカーシャ)の門。
 21世紀という新世紀の幕開けの破滅と歓喜とともに、閂は解かれた。
 世界の大いなる変容の始まりである。


 僅かに残る《大変容》最初期の記録によれば、「門」が「地球」上で初めて観測されたのは南極大陸の上空であった。当時の人類の科学技術では「門」が一体何であるのか観測することもままならず、この「門」については後に《第一の門》、《始原の門》などという名が与えられたが、その正体については未だに結論を見ない。
 強烈な時空の歪みと共に南極上空に現れた巨大な「穴」は、天壌に響き渡る破滅の号砲と終末の喇叭の音を齎した。当時南極に存在した各国の基地が電波に残した記録には、絶叫と断末魔の響きのみがあり、その音声記録から何が起こったかを推測するのは困難である。
 人類が有史以来一度も聴いたことのない響きが木霊し、錯乱した観測員の数人が、「混沌が溢れ出た」「あらゆるものが見えた」「虹色の極光を見た」などと証言した後に、断末魔を残して交信を終えた。その後、南極は「門」より現れた「もの」によってその大部分が消滅することとなった。南極大陸が現在でも「絶対封鎖領域」となっている所以である。
 「門」が出現した直後の南極の状況を詳細に知ることはできないが、「門」より溢れ出たものについては人類の誰もが目することとなった。

 《第一の門》が開くと共に、世界中の数多の「門」が一斉に顕現し、遥か外なる世界たる「異世界」のものが到来し、そして遠き過去に「地球」を去ったとされる神話伝説上の存在、架空の存在とされた者たちが《復活》と《帰還》を遂げたのである。「門」の開門の後に、《異能》を発現するものが急増し、《魔術》の存在は謎の「告発者」によって世界に暴露された。世界の終末を思わせる混乱と破壊、破滅、「異世界」の存在や神話伝説上の存在による災厄――これらの出来事は、「門」の顕現が発端といえるだろう。
 《大変容》直後の世界には大規模な「門」の顕現が数多に起こったとされるが、断片的な記録しか残っておらず、今なお不明な点は多い。《大変容》直後の世界に現れた大規模な「門」はいずれも消滅している――とされる。南極については今も時空が不安定であるとされ、「絶対封鎖領域」に指定され、その情報もほとんどが公開されていない。《第一の門》、《始原の門》は現在も存在しているのではないかという噂がまことしやかに語られることもあるが、そのような大規模な「門」を制御、あるいは封印する技術はまだ存在していないはずである。

 南極に《大変容》によって犠牲になった、あまりに多くの者たちを弔うための碑を建てることが、多くの団体によって計画されたが、上記の理由からそれが実行されたことはない。今再び「門」が現れた場合、世界の破滅の続きが始まる可能性が大いにあるからだ――


 《大変容》という世界の大規模な変容を何よりも象徴する出来事が、「門」の出現であった。
 「門」は基本的には時空に空いた「穴」のようなものとして現れることが多いが、必ずしも形状に一定の形があるわけではない。「異世界」と「地球」を繋ぐ扉であれば、それは即ち「門」である。一見して「門」や「扉」であるとわかるようなものから、「洞窟」「鏡」「本」「壺」など、一見すれば「門」とはわからないようなものまで「異世界」へ続く「門」となった。
 それ故に、「地球」上のあらゆる場所で「門」の顕現は発生し、人類の混乱と犠牲を多くする結果となった。
 《大変容》直後に起こった災厄についての断片的な証言や記録を集めると、《大変容》直後に「門」から現れた「異世界」の存在や神話伝説上の存在のほぼ全てが、人類に害をなす存在、意思疎通の不可能な存在であったことが知られる。人類に友好的な《異邦人》が《大変容》直後に「地球」に訪れた例がないわけではないが、それを示す証言や記録は非常に少ない。「地球」の人類からすれば、完全なる未知との遭遇であり、友好的、敵対的などを判断する余裕はなかったためとも考えられる。

 だがそれでも、《大変容》直後は破壊的な性格を持つ「異世界」の存在が「門」より大量に現れたことは事実であり、何故《大変容》直後にそれが集中したのか、その原因についてはまだ何もわかっていない状態である。
 「門」から《帰還》を遂げた神話伝説上の神々や架空の存在は、かつて「地球」に存在していた者たちであるとされるが、それを証明する方法もまた存在していない。故に、神話伝説上の神々や、かつて架空の存在とされたものの全ては「門」より現れた「異世界」の存在であり、「地球」には本来そんなものは存在していなかったと信じる者たちも数は少ないないがら現在も存在している。
 《大変容》という世界の転換に、「門」が非常に大きな働きをしたことは誰もが認める事実である。

 「門」の活動は《大変容》の間は非常に活発であったものの、現在ではかなり落ち着きを見せてきている。しかし、「門」の顕現がなくなったわけではなく、ほぼ毎日といっていいほど世界のいたるところで「門」は開き、「異世界」の存在――主に《異邦人》を――「地球」へと招き入れている。「門」顕現による事故や、「門」から人類に友好的ではない怪異の出現なども現在でも続いているため、「門」は現在も「地球」に影響を与えている。常世島の転移荒野のように時空が不安定な場所が世界に幾つか存在し、そこでは特に多くの「門」が顕現している。


 「門」の特徴としては、基本的に「一方通行」であるということである。「異世界」の存在を送り出した後は、「門」のほぼ全てが消滅しており、「門」が顕現し続けることは異常事態となる。仮にそのような現象が起こり、発覚した場合は周囲は封鎖され、あらゆる封印措置が試されることになる。
 また、基本的に「地球」側から「異世界」への門を開くことは現時点では不可能、あるいは非常に困難とされている。「門」を一時的に開くなどの実験は行われ、成功例もあるものの、科学的・魔術的・異能的にも安定した「門」を顕現させ続けることは未だ成功していない。「門」を自由に開閉する《異能》や《魔術》の存在が確認された場合、それらの存在は非常に貴重なものとして扱われることになるだろう。常世学園においてはそのような措置が取られることはまずないが、常世学園の外では拘束や監視、あるいは実験対象とされることは十分に有り得る。常世学園の場合、自らそのような《異能》、《魔術》の行使が可能だと申告した場合はそれらの所持の公表や使用を行わないように学園側が要請する可能性がある。申告しない場合はその限りではない。
 仮に、公的な機関において「門」の開閉技術が確立した場合、その使用には多くの制限や、国際社会の承認などが必要となるだろう。現時点では、「地球」側からの「異世界」への「自由な交通」は一般には不可能であるといえる。

 「異世界」には「門」のような超・時空間のゲートを開閉する技術、転移技術(科学的、魔術的など問わず)が普遍的に存在している場合があるが、その技術も「地球」では上手く動作しないことが確認されている。その原因についても未だに解明はされていない。成功例がもちろんないわけではないが、その数は非常に少なく、大々的に公表されることもまずないだろう。そういった存在、人間、組織などが観測された場合も同様である。「門」を開閉するということは、常に《大変容》のような災厄と繋がる可能性があるからである。
 故に、「門」によって「地球」に到来した《異邦人》の多くは故郷に帰る手段を持たないことになる。

 「門」を安定的に自在に開閉するような技術は「地球」にはまだ存在していないが、「門」についての研究は進んでいる。「門」の開閉を常時監視する監視所が世界中に作られ、「門」の出現については、地震のようにある程度予測が可能となってきている。ただしこれも完全ではないため、顕現を予測できない「門」も存在している。

 なお以上に記した「門」の性質、開閉の制限などについては、当然のことながら例外も存在するため、上記の記述が全てというわけではない。しかし、殆どの場合は上記のような性質を持つことになる。


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Last-modified: 2020-07-25 (土) 04:39:41
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