unknown_layer // 危険度: Euclid

取扱方:

unknown_layerの設置されている壁面が存在する建築物は手抜き工事による崩壊の危険性を理由として高さ3mのフェンスで周囲を囲み、閉鎖してください。

風紀委員の定期巡回経路に設定し、巡回する生徒はランクCの資格を持つかそれに準じた協力者で構成してください。

巡回の際に侵入者の形跡を発見した場合は直ちに**教師に連絡し、指示を待って行動してください。
独自判断による内部への無断侵入は懲罰の対象となります。

侵入者、または侵入を試みた者を捕縛した場合は風紀委員会の所有する尋問施設のうち、******か*********を使用し、作成した調書は所定の手順での提出が必要となります。
また、風紀委員会への提出書類はカバーストーリー"度胸試し"を参照してください。

捕縛した対象は内容に応じた記憶処理を施し、開放して構いませんが、別組織の所属であることが明らかになった場合は**教師へ連絡し、指示を仰いでください。

概要:

unknown_layer の外見は倉庫や物置部屋への出入り口として使用される一般的なスチール製のドアであり、構成物質に異常な点は見受けられません。
ただし、このドアに鍵はついておらず、誰でも開閉可能な点に注意してください。

また、設置されている壁面についても異常な点は無く、何かしらの魔術的、異能的な痕跡も発見できませんでした。

unknown_layer が設置されている建築物は当時、新しい部活棟として使用されるために建築されたものでした。
建築を発注した担当者、受注した業者間のやり取りや、設計図面にもunknown_layerとなるドア(以下、ドア1と記述)についての記述は無く、工事を担当した現場担当者全員が完成するまでの間にドア1を設置した、または見た記憶が無いと言う証言をしています。

ドア1は建築物が目的通りの使用を開始されてから、「開けると真っ暗なドアがある」「入ると色んな場所に出る」といった噂から風紀委員会の注意を引きました。

実際に風紀委員** **がドア1を開いたところ、内部を見通せない真っ暗な空間があり、入ったところ同建築物の1F会議室の中へ出たため、異常物として風紀委員会へ正式に通報が為され、内部協力員から財団への情報提供の結果、建築物の接収に至りました。

接収時までドア1を使用した生徒・教師の数ははっきりと分かっていません。
確認できる範囲で風紀委員会による事情聴取を行ったところ、ドア1が壁面に発生したタイミングを推定するに至りませんでした。

ただし、ドア1を使用した生徒・教師で行方不明になった、心身に異常をきたした人間は居ないため、記憶処理を実施せず建物自体を接収し、話題として風化させる形としています。

ランクDを用いた検証実験の結果

  1. ドア1を通過した生命体は同建築物内のドアからランダムで排出される
  2. 生命体の排出と同時に別次元、あるいはこの世界のどこかにある別の建築物の内部に複製体を出現させる
  3. 建築物を破壊することは不可能
  4. 出口については未発見で、そもそも存在するのかも不明

ここでの「別の建築物」は光源のない完全な暗闇であり、内部はコンクリートに似た材質で構成された通路が迷路のように存在していることまで判明しています。
また、これまでに通過した生命体であろうものの複製体の死体や排泄物が多数散らばっており、劣悪な衛生環境下にあると思われます。

検証実験003の結果、内部には複製体を捕食する何らかの存在が居ることが確認されていますが、その詳細は不明です。

検証実験001 / 記録削除

検証実験002 / 記録削除

検証実験003


以下は実験管理室と現地を撮影するカメラ映像、音声記録
No.2211548211にはドア1を開き、潜った後はその場で停止してこちらの指示を待つように事前に命令している。

**教師       :よし、ではNo.2211548211、実験を開始する。ドアを潜ってくれ。
No.2211548211:はいよ。うわ、なんだこれ真っ暗なんだけど?マジで入るのか?
**教師       :No.2211548211、もう一回言うぞ、ドアを潜れ。
No.2211548211:分かったよ、潜ればいいんだろ、潜れば。

No.2211548211はドアを潜り、中へと入る。すぐにドアが閉まる。
その後、同建築物の屋上へ通じるドアから排出され、その場に棒立ちになっているのを確認。

GPS、魔法的追跡装置でもNo.2211548211の座標に相違がないことを確認
複製されたであろう場所の反応は無し、カメラにも何も映らない。

**教師はマイクの1番を使用して指示を出す。

**教師       :No.2211548211、もういいぞ、実験は終わりだ。振り向いてドアを開けて、階段を下りてきてくれ。
               装備を返したら帰っていいぞ。
No.2211548211:もう終わりか?何だったんだマジで、ちょっとは教えてくれよ。
**教師       :その必要はない、指示通りにしたまえ。

No.2211548211は指示通りにドアを開け、階段を下りていく。
実験室ではマイクを2番に切替、 複製体No.2211548211-1への通信を試みる。

**教師         :No.2211548211、聞こえるか?返事をしてくれ。
No.2211548211-1:やっとかよ、先生、ここすっげえくせえんだ。真っ暗で何も見えねえし。
                 ライトつけていいか?
**教師         :構わないぞ、どんな臭いかも教えてくれ。
No.2211548211-1:どんなってそうだなあ、腐ったドブっていうか生ゴミの山みたいな……今ライトをつける、うわぁ!?
**教師         :どうしたNo.2211548211。
No.2211548211-1:なんだこりゃ、畜生!?

ここでカメラにも映像が入るが、ノイズが酷く、分かり辛い。
後で解析したところ、折り重なるように詰まれた人間その他の死体の山が確認された。

**教師         :こちらのカメラではよく分からない、細かく説明できないか?。
No.2211548211-1:死体だよ死体、おぇえ、腐ってドロドロになってたり、やべえ吐きそうだ。
                 もう帰っていいか?っておい!!
**教師         :どうした?何があった?
No.2211548211-1:入ってきたドアがない!何でだ、おい、どういことだよ!!

No.2211548211-1が振り向いた際、ライトで背後の壁面が照らされるが、そこには壁しか映って居なかった。

**教師         :落ち着け、出口はそこじゃない。こちらで指示する。
No.2211548211-1:本当か!?嘘じゃねえだろうな、クソなんだこの壁、何かぬるぬるしたモンがくっついてる。
**教師         :触ったのか?どういったものか詳しく説明を。
No.2211548211-1:透明のなんかよくわかんねえけど、生ぐせえなこれ、うぇえ。
**教師         :とりあえず周囲を確認してくれ、死体は学園の生徒か?
No.2211548211-1:コレを触れってのかよ、くそったれ……
                 あぁ、そうだなうちの制服だな、いやまて、私服もあるからよくわかんねえな。
**教師         :何か人間以外の死体は?
No.2211548211-1:骨もあってそういうのはわかんねえが……変な、人間のには思えねえ頭蓋骨はある、うぇえなんかこびりついてる……
**教師         :カメラに寄せてくれ。

カメラの映像には何かの異形と思われるものの頭蓋骨に判別不明の肉片のようなものが付着しているものが映る。

**教師         :もういい、他には何か無いか。
No.2211548211-1:鼻がもう何も感じねえ。ぁー、正面に通路が続いてるが、出口はこの先か?
**教師         :そうだ、慎重に進んでくれ。死体は何か気付くものがなければ無視して構わない。
No.2211548211-1:できれば見たくもねえよ。じゃあ進むぜ、ちゃんとナビしてくれよ。

以降、30分に渡り通路を探索させるが、複雑な形状の通路である以外は目立ったものは無し。

No.2211548211-1:なぁ先生。
**教師         :なんだ?
No.2211548211-1:これいつになったら出られるんだ?道あってんのか?
**教師         :……
No.2211548211-1:おい!!まさか
**教師         :待て、今カメラに何か映った。背後のT字路を何か横切ったぞ。
No.2211548211-1:はぁ?

実験後、No.2211548211-1が立ち止まって後ろを振り向いた際の映像を確認すると、確かに黒い布?のようなもので全身を覆った何かが映っていた。

**教師         :追跡してくれ、慎重にな。
No.2211548211-1:マジかよ、本気か?こんなところに居る奴がマトモなわけじゃねえか!
**教師         :追跡するんだ、No.2211548211。どちらにせよ、こちらの指示がなければ君は出られない。
No.2211548211-1:ファック!!(以下、罵倒のため削除)

通路を戻るNo.2211548211-1がT字路を右に曲がり、数メートル歩いたところでいきなり映像が更に乱れる。

No.2211548211-1:ぐぁあああ!なんだこいつ、イテェ!先生なんだこいつ、なんだこいつ!!
                 止めろ、離せ!!足から、ぎゃああああ!!
**教師         :どうした、何が起きてる!No.2211548211!No.2211548211!!
No.2211548211-1:ふざけんなクソ、テメェぶっ殺すぞ、ぶっ殺すぞ!クソがああああオレの指が、ぁ、待って、待て、止めろうぎぇ、ぎぎぎえあ―――

懐中電灯が転がったせいでカメラに映像がないが、激しく何かがぶつかり合う音と、何かを引き千切るような音が続く。
No.2211548211-1の絶叫を最後に音は一旦途切れ、数十秒後に何かを引き摺るような音が聞こえ、段々遠ざかっていく。

**教師         :No.2211548211、生きているか?応答しろ、No.2211548211、No.2211548211     くそ、駄目か。
No.2211548211-1:セン    セ    センセ   ェ
**教師         :No.2211548211、何に遭遇した?何を見た?
No.2211548211-1:ニンゲ    ォレぉ   バけ   タスけェ       センせぇ
No.2211548211-1:―――――――

5分間待機するも、反応無し

**教師         :実験を終了する。



内部の空間に何か敵対的なものが存在することを確認したため、004からの実験は中断。
内部の空間の所在も不明のため、不要な干渉は更なる状況の悪化を招く恐れもあるため、以降はドア1の設置された建物を閉鎖することで封じ込めるものとする。

以下は**教師のコメント
・まさかとは思うが、あれはいずれかの複製体の成れの果てか?

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