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「異能」と「魔術」
大変容についての詳しい説明はこちら。なお必ずしもリンク先を読まなければならないわけではない。
21世紀初頭の世界の《大変容》により、これまで歴史の表舞台に出てこなかった様々なものが復活を遂げた。
「異能」と「魔術」はその代表格である。異能も魔術も、現実に存在していたが、その存在は隠されていた。
近代以降、その存在を知るものはほとんど存在していなかった。架空のもの、信仰的世界の中に存在するものとされてきた
世界の変容以前、「異能」は人間などがもつ様々な特殊能力で、いわゆる超能力などがその代表例だったが、その能力をもつ者の絶対数が少なかった。
「魔術」は様々な魔術協会や魔術を扱う集団、東西問わず様々な魔術を行使する者達がいた。
彼らは歴史の裏舞台で活躍するものの、その存在は巧妙に隠され、魔術という存在は架空のものとして認識されてきた。
しかし、世界の変容により、突如「異能」に目覚める者達が現れ、何者かによって魔術の存在は世界に暴露された。
こうして、「異能」や「魔術」は世界に知られることとなったのであった。
世界の変容直後はかなりの混乱があったものの、現在では「異能」「魔術」については研究が進み、ある程度体系だった学問が打ち立てられるようになった。
「異能」と「魔術」の区別は難しいところもある。異能や魔術を組み合わせて新たな能力を作り出す者も存在しており、そのような研究もなされている。
「異能」
異能は人間に発言した様々な特殊能力、超常の力を総称したものである。
いわゆる超能力などはその代表であり、多種多様な能力が存在し、その全容は未だ明らかではない。
空を飛ぶ異能、炎などを自在に操る異能、己の身体能力を向上させる異能などを始めとし、戦闘向けのもの、日常生活で使えるようなもの、またどちらにも属さない珍奇なものなど、バラエティに富む。
魔術との違いは、あくまで自身の能力であるということ。また、一人に一つというわけではなく、一人の身に複数の異能が発現することもある。
異能の種類は以上のように様々であり、発現ずる人間によって異なるといっていいぐらいである。
基本的に異能は一度発現してしまうとそれを消すことや変化させることはできない。
しかし、本人の努力次第で異能は変化するということが報告されている。
異能の強弱は様々で、最初にあまりに強い能力が発現してしまうと、力が暴走することもある。
異能によっては、力を使うことで使用者の見に反動が加わったり、変異する場合もある。
そのようなことを避けるために、学園都市では異能の制御法を学ばせるのである。
また同様に、訓練しだいでその異能の力を伸ばすことも可能である。
この異能が犯罪に使われると非常に厄介であり、現代兵器などでは太刀打ち出来ない事が多く、異能者には異能者、あるいは魔術師が対応することが多い。
異能発現の原因は未だにわかっていない。また、21世紀初頭からの大規模な異能発現に関しても、原因は不明である。大脳の構造の変異などが見られる場合もあるが、それも一例に過ぎない。
おそらく、何か一つの原因のためというのではなく、様々な原因により異能は発現するものと考えられている。
異能発現の契機も人それぞれであり、あるときなんの前触れもなく異能が発現する事もあれば、自身の身に危険が迫った時に発現する場合もある。激しい感情によって発現する場合や、生まれつきの異能者ということもある。
学園の一部では、この異能をランク付けしようとする動きもある。それはレベルやステージなどと呼ばれ、能力が強力なほどそれらも上昇する。
しかし、異能そのものに様々な種類が存在するため、明確な分類やランク付けは難しい。
また、格付けを行うことによって差別的な感情も生まれるのではないかという懸念も学園内では唱えられ、事実そのような意識を持つ者も現れてきている。
研究区域ではこの異能を人工的に発現させる実験も行われている。賛否両論であるが、異能の研究のためと、常世財団はその研究を禁止していない。正式には発表されないものの、その実験によって異能を発現させた生徒も存在するという。
また、違反学生や二級学生など、存在が消えても問題のないような者に異能の実験を施す組織・機関も存在するという黒い噂も存在するが、真偽は不明である。
常世学園ではこれらの異能についてのことを「異能学」として講義している。
「魔術」
魔術は、魔法、呪術、法術、道術など、マジカルな術法を総称したものである。
そのため、魔術と一言に言っているものの、それぞれの国や文化によって呼称が異なる場合がある。
伝統的な西洋的な魔術、東洋的な魔術、異界の魔術、新たに生み出された魔術、それら全て「魔術」と称されている。
魔術を行使する者の名前も文化によって違い、魔術師、魔法使い、道士、陰陽師、行者など、統一されているわけではない。
マジカルで神秘的なものが多いが、一種の技術、学問でもあると主張する向きもある。異能は当然発現しなければ使えないが、魔術は学ぼうと思えば程度の差はあれ誰でも習得が可能だからである。勿論例外も存在はする。
超常の存在の力を借りる場合、儀式を必要とする場合、魔導書を用いる場合、魔力と呼ばれる力を使う場合、龍脈と呼ばれるようなものを利用する場合……魔術のシステムについても様々なものがある。
これら魔術は近代化の中で秘匿されてきたものの、21世紀初頭に全てが世界に明らかにされてしまう。
そのため、その存在を新たに知った者が学ぼうとすることもあるが、魔術は決して安全とは限らない。ゆえにこそ、学園都市で研究され、学ばれている。
異能との違いは、誰でも学べ習得できる可能性があること、もちろん才能などで違いも出るが本人の体質などは大きく関わらないことである。
ただ、この区分には問題もあり、魔術によっては当人の体質などが関係してくるものもある。必ずしも上記の限りではない。
常世学園ではこれらの魔術についてのことを「魔術学」とひとつにまとめ、講義している。
なお、伝統的な考えを大切にするものからはこの扱いは否定的に見られる場合もある。