ヨキ †
| 性別 | 男 |
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年齢 | 外見20代半ば |
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種族 | 獣人 |
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立場 | 教師 |
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異能 | 金属操作 |
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世界 | 異世界 |
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近況 †
- 朽木次善ら生活委員会による「第八地区修繕案」の経過を気にしている。
- 秘密結社「常世カップル爆発団」を目の仇にしている。見つけ次第、異能で作った竹刀、もとい金棒で追いかけ回すらしい。
- かつて執心した違法部活「劇団フェニーチェ」の解散を知り、残ったメンバーの行方を捜している。
- 奇神萱の依頼により、譜面台を制作中。「軽くて小さく畳めて持ち運びに便利なやつ」。
- 学内にて、静物デッサンの「夏期講習会」を開催中。
設定 †
プロフィール †
美術教師。
人間の生み出す習俗と文化に魅せられ、美しいもの、美しいことを愛する。
常世島を、二元論的な善悪を超越したひとつの秩序と捉えており、人間または異邦人は元より、時として落第街や非合法組織をも庇護する。
自らの基準で美を見出だした事物については、清濁を問わず広く受け入れる。
しかしその美しさが失墜した、あるいは常世島の秩序を懐乱したと判断される場合には、一転して苛烈な非情さを見せる。
愛想に欠けた所作に反して、人付き合いを好む。
交流を尊び、未知の物事に対する好奇心が旺盛。流行にも敏感で、ほとんど不物好きの域に入る。
細身の外見に反し、非常によく食べる大食漢。
肉、野菜、魚、穀物、菓子など、人間と同じ食物を何でも口にする。
「燃費が悪い」らしく、すぐに腹が減るようだ。
自作が売れた記念に食べる、高価なデザートが楽しみのひとつ。
美術について †
学園では教師として金工の授業を受け持っているが、例年履修生はあまり多くない。
デッサンや絵画など、金工以外の実技を教えることもある。
その他、芸術学や美学といった座学を担当しており、古典美術から現代の大衆文化まで広く取り上げる。
たちばな学級の非常勤講師として、絵画や造形の指導も行っている。
プライベートでも個人的に彫金を制作しており、好事家に作品が売れることがある。
数は多くなく、収入源というほどにはならない。
異能《金属操作》 †
(編集中)
特殊能力《獣化》 †
(編集中)
所持品 †
- アクセサリ類
真鍮や錫、銀といった金属製の装飾品で、異能の触媒として買い集めたもの。
指輪やブレスレット、ネックレス、イヤーカフなど、その日の気分によって着け替える。
- スマートフォン
生活必需品。シャンパンゴールドの本体にシンプルな革のストラップが付いている。
好きなアプリはパズルゲーム。あちこちのSNSに登録しているらしい。
メール返信の速さが自慢。
- 艶紅
白磁の皿に塗られた紅。水に溶かして使う。高純度の良質な紅は玉虫色を帯びる。
目尻の化粧に用いている。
- 膏薬
落第街で買い付けている原料不明の軟膏。煎じた薬草の香りがする。
ラベルのない、ごく小さなアルミ蓋のガラス瓶に入っており、見た目はミルクジャムに似ている。
傷や火傷、打ち身に効く。『室長補佐代理』にひとつ譲ったことがある。
「長く世話になっている」らしい。
拠点 †
職員室 †
室内の中ほどに、小奇麗に整理整頓された机がある。
備品のノートパソコン、伝言のメモや付箋、書類ファイル、参考用の書籍がいくつか。
窓辺から魔術教師クオンの「青空教室」を眺めるのが好きらしく、時おりスマートフォンで授業風景を撮る姿が見受けられる。
美術室/美術準備室 †
(編集中)
アトリエ †
研究区に借りている作業場。住宅用の作りではないが、自宅同然に暮らしている。
造形作家として住所を公開しているため、誰でも容易に訪問することが可能。
打ち放しコンクリートの二部屋。入ってすぐの一部屋が工房。奥が私室。
水洗トイレと申し訳程度に設えられた流し、ガスコンロ。風呂はない。
作業場 †
大きく頑丈な木製の机、床に確保された作業スペース。作りかけの大型作品。
工具、画材、最低限の金工設備。鉄、銅、錫、真鍮、さまざまな素材の椅子やランプやレリーフやアクセサリー。
無数のスケッチ。立て掛けられたキャンバス。こびり付いた粘土の跡。
私室 †
書き物机に私物のデスクトップパソコン。小ぢんまりとした冷蔵庫やテレビ。大きな本棚と寝台。
- 机の上、抽斗の中
- 名刺
『室長補佐代理』から受け取った白紙の名刺。公安委員会調査部の連絡先のみ記載されている。
のちにヨキにより彼の本名が記された。
- 花柄の便箋
悪戯のためヨキが筆跡を偽って書いた怪文書。文字は金工履修生の女生徒を真似たもの。
数年ごとにこうした匿名での茶会を開いているようだ。
- 彼岸花
怪しげな自販機の飲料を飲んで迷い込んだ世界で、仮面の少女から受け取った。手製の一輪挿しに飾られている。
生花ならざる瑞々しさを保ち、微かな燐光を放っている。
- 似顔絵
ネコメドリによるヨキのスケッチ。シンプルな額縁に入れて飾られている。
- 大学ノート
横罫タイプの市販品。美術品の模写や、個人的な勉強に使われている。
あるページの隅に「Yvette ― HELIOTROPE.」という走り書きがある。
- メモ
奇神萱から受け取った、劇団フェニーチェの『伴奏者』梧桐律の墓地の所在地。
- デスクトップパソコン
24インチディスプレイ、オクタコアCPU、DDR5メモリ16GB、高解像度対応VGA搭載のハイスペックPC。
周辺機器を含め、黒を基調としたカラーリングにまとめられている。
メールやインターネット、画像編集、音楽、動画と、さまざまな用途に使われているようだが……
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- 《キヨヒメ》
ヨキがインターネット上で用いるハンドルネーム。IDは「omniverse」。
複数のポータルサイトやSNSサービス、オンラインゲームに登録がある。
いわゆる「ネカマ」であり、趣味で少女然とした振る舞いを行っている。
アバター機能を有するサイトでは、決まって桃色の髪に緑色の瞳、黒いタイツを着用した少女が設定されている。
美術系科目の履修生など、《キヨヒメ》の正体を知る一部の者からは「キヨ先生」と呼ばれている。
とあるMMORPGにおいては、有名ギルドのサブマスターとして名を馳せているらしい。
生半可に訊き出そうとすると、実名で登録しているサイトしか教えてもらえない。
関係者の間でも、とてつもない緘口令が敷かれているようだ。
【※ヨキ=《キヨヒメ》である旨の既知不可】
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記録 †
常世の犬 †
いくつかの手掛かり †
- 「(ヨキは……異邦で魔物と呼ばれていた/この傷は人間に討たれたときに付けられたものだ
毒に満ちた金気がヨキを蝕み――異能を得た)
(……この傷は、人々の怨嗟の成したものよ。……
身を縛り、傷を塞ぎ、人の定めに身を任せる/そうすればヨキが償いに殉じていると見えて、傷も鳴りを潜める)」
- 「たとえばこの島も、生き物の身体に有象無象の細菌が暮らすことと同じと思わんかね。
ヨキはそういう考えをしている。行き過ぎた清浄は、むしろ学園の害になると」
- 「たしかに死んだはずだった。だがあのときヨキは、彼岸へ――渡れなくされたのだ。
このヨキを、大いなるものの御許へは渡すまいと、……。ヨキは、呪われたのだ」
- 「言ったろう、ヨキは教師である前に、ひとりの男だと。
君が学園のルールから外れれば、ヨキは教師として君を叱るが、
君がひとりの女性として在るならば、ヨキはそれを大切にする」
- 「犬の体力に人間の胃袋は、随分とちぐはぐであるからな。量を食べねばとても持たん。
腹の中に胃袋どころか、炉が燃えているのではないかと錯覚するほどだ」
- 「この化生が、おまえの顔を女のように化粧(けわ)うのは、どんな気分だ。
なあ。汚らわしい――稚児めが」
- 「気が合うな。……君は身体を使う。このヨキは口を使う。
人の心を掌握するに……ただ必要であるに過ぎん。
――ヨキはそうして、秩序を守る。この学園の」
- 「色や形の見えていない美術教師が人を教えるなど、嘘にならぬかいつも不安でな」
『門』の向こう †
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| | 山犬の調伏せらること
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かつてカミと呼ばれた犬があった。
犬は山を治め、捧げられた娘を骨にして返し、地は潤い、里は富み、長く栄えた。
犬は人前に姿を顕さず、人は山へ立ち入ることなく、人と山との繋がりは畏れの上に保たれた。
時代が変わる。
里に住まう人間はいよいよ増え、世とともに移り変わる。
繰り返し産まれ育つ人々の中からは、畏れと呼ばれる心が失われて久しかった。
やがて空は青黒く冴え渡り、日は光を強め、大地は渇く。
男は痩せ、女は細り、子が絶えた。
かつてカミと呼ばれた犬は、いつしか邪霊と名が変わる。
そしてある日、旅の僧が里を訪れる。
僧は人々の声を聞き入れた。
山へ入り、人々と同じくして痩せた犬と相対した。
その姿は幽鬼に似て、まさに邪霊と呼ぶに相応しかった。
僧の振るった錫杖が、犬を打ち据える。犬は見る間に傷つき、弱った。
その牙が僧の腹を裂いたのは、自らの身を守るために過ぎなかった。
無数の火に照らされた山を降りると、そこには見も知らぬ人々の顔が並んでいた。
犬が人の言葉を解したならば、それらは鬼の一群であった。
鬼の振るった手斧が錆びながらにして閃いたのを、犬は覚えている。
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