世界からの疎外、自分自身と異能とのギャップ、己の無力さ……
さまざまな理由で世界に絶望した十数人の異能者からなるテロリスト集団。
異能の存在が知れ渡ったばかりの、混迷に満ちた時代に大量発生した、
言ってしまえば一山いくらの、よくある無軌道集団のうちの一つ。
世界を焼却する火蜥蜴をシンボルとしていた。
意気込みは大したものだったが、大それたことを起こす前に
正義の味方に鎮圧され、壊滅するという冴えない、しかしよくある終わりを迎えた。
それが今より十年前の出来事である。
残党はほうぼうに散り、お互いの消息はほとんどわからない。
そのうちの幾人かは、常世学園に辿り着いたかもしれない。