That is not dead which can eternal lie, And with strange aeons even death may die. |
それは、遥か電脳の深淵に眠る大いなるもの
それは、電子の記号によって再現された神々
星が正しき巡りを行う時を待つものにして
未だ臥したる永久の死者
電脳の深海、全てが狂いし領域にそれらは眠る
「鍵」が解かれ、「門」が開かれるのを待ちながら――
《グレート・サイバー・ワン》は未だ眠りについている。
かつてこの地上に存在したと言われる古の大いなるものたちを蘇らせようとしたもの。
再現されたもの。電子によって形作られた電脳の神々。
深き電脳の深淵にて、死に等しい眠りを続けている。そして、待ち続けている。
全てが狂いし《ル・リエー》にて。
彼らは未だ眠り続けている。
「鍵」が「門」を開けるその時まで。
『《電子魔術師》事件についての報告書』より一部抜粋
公安委員会によるロストサイン制圧作戦と共に展開した疑似「門」解放は失敗。
《電子魔術師》により「門」は閉ざされ、《グレート・サイバー・ワン》の地上における顕現実験は実行不可能となった。
《電子魔術師》により、《輝くトラペゾヘドロン》と《窮極の門》の電脳世界における使用はほぼ不可能となった。
全ての《グレート・サイバー・ワン》は《ルルイエ領域》の彼方へと封じ込まれた。
この研究は一時中断とし、今後の経過を静観すると当研究所は決定。
なお、《電子魔術師》のかけた「鍵」を現段階で解くことは不可能。
《電子魔術師》は《ルルイエ領域》に残存していると考えられる。
しかし、間もなくその「鍵」を解除する方法が当学園に訪れることが推測される。
3年前に日本関東圏にて行った《電脳怪異顕現実験》において、「鍵」の異能を持つ可能性のある人間を当研究所は確認している。
星辰が次に正しき位置に来るためにはかなりの年月を要すると考えられ、「鍵」を待つことが第一であると考えられる。
現在「鍵」を当研究所が確保することは困難を要するが、《電子魔術師》の消失により「鍵」は動くと考えられる。
「鍵」が当学園に接触しない場合は、強制的な収容も検討されたし。
――常世財団GCO研究所
この報告の後、常世財団GCO研究所は解散処分となり、《ルルイエ領域》は廃棄することが決定された。