17の時分に異世界へ召喚され、星のめぐりに曰く「すべての因果の始まりたる赤龍を滅ぼす」という召喚者のお姫様の言葉通り、
かの赤龍「至紅の万滅」と数十年に渡る戦いを繰り広げた。
初めのうちこそただの女子校生として騎士や狩人たちの後ろで見ているばかりであったが、
その世界で古くから伝わるという屠龍の術を唯一扱えることが判明するとメキメキと頭角を現し、ついでに実際に現れた角から屠龍の術とは自らも龍になる術であったことが判明。
同じ頃からかの赤龍を信奉する者達が自らを龍として襲来、戦況は泥沼と化す。
最終的には世界中が「赤龍に滅ぼされたもの」「まだ滅ぼされていないもの」に分けられるようになり、彼女以外の全てが赤龍に滅ぼされたところでようやく決着がついたのだった。
しかし、世界の因果に不可欠となっていた赤龍の代わりとして彼女が充てがわれたため、
全ては最初から彼女がかの赤龍であったこととして因果が結ばれ、ようやくこれで後始末がついたとばかりに勝手に世界は崩壊したのである。
はたと気づけば元の17の人間の身体であり。学校に向かう最寄り駅のベンチで、目を覚ました。
右手には学校に行こうとしていた鞄。左手には、あの世界からたったひとつ持って来られたトランク。
右手を選んですべてを忘れるには、この世界に対して空けてしまった空白は大きすぎる。
左手を選んであの世界を忘れずに生きていくには、この胸の中の因果は随分と捻じ曲がってしまった。
誰かに、正しい形であの世界のことを伝えたい。それが残された自分のとりあえずの目標として、彼女は常世学園の教師を目指すことに決めた。
現状はとりあえず学生として入学し、捻じ曲げられた因果を何とかする手がかりや、教員としての心得、中から見た常世学園の様子などを勉強している。
ハントマンズギルドにも出入りを始めており、アエルという名前のマスターと「赤龍を探してほしい」という依頼が気になっている。
アエル・ニロ・ハルンドは死んでいるはずなのだから。
獅堂日成美に赤龍の因果はまだ完全に結びついておらず、
『記憶にもやがある』ように赤龍の世界を思い出せないため、常世学園を訪れた。
実際は常世学園が有る世界の獅堂日成美にはそんな記憶が無いためだが。
日成美と赤龍の結びつきが強まった結果として、赤龍の世界での記憶が段々と流れこむ。
結果として赤龍の世界での日成美の未来である、【龍狩り】シド・ハルンドとしての意識が生じる。
と、同時に『至紅の万滅』の影響も強くなり、獅堂日成美という意識は両者の葛藤の中に埋もれていく。
結局のところは龍狩りは赤龍の記憶から再生された存在であって、シドの記憶、思い出に出てくる人物はみな赤龍に食い殺される瞬間しか見えない。
龍狩りは迅竜としての力を失っているために単独では赤龍を滅ぼせない。
だから、自分の代わりに龍を倒せる者を探し始める。
龍を倒せるほどの力を持ち、
自分も含めた赤龍の犠牲者と同じ程の恨みと憎しみを持つ者を。
対龍攻撃で左足を失ったルフスは、治癒には長期間を要し、その期間中は尾や翼を使うことになると考え、
異能が衆目にさらされることを逆手に取って【龍の力を持つ風紀委員の流布堂乱子】を作り上げることを画策。
以降は風紀委員の紅い制服を着て身分詐称を始める。
花火大会の開催のために、赤龍としての力を取り込んだシイン元教員との戦闘。しかしその際に龍滅の短剣を引き抜いた反動からか、
赤龍の力を表出することができなくなってしまう。
左足の治療もままならぬまま、次なる事件に巻き込まれていく乱子であったが、なんとか花火大会の開催にこぎつける。
花火大会の帰り道、学生通りで乱子は怨念と呪詛で作り上げられた鉾と、それに縛られた”キリン”と邂逅する。
言葉をかわす乱子であったが、その表情は固く、夥しい汗が吹き出していた。
人間では触れれば正気で居られない鉾を掴み、牙を剥くように笑う少女――龍(わたし)、と名乗るモノ。ルフス・ドラコ。
どんなに遠ざけようとしても、怨念を嗅ぎつけた赤龍は一瞬で舞台へと舞い戻り、
鉾を折り砕き、その呪詛を呑み込んで、嗤った。
非常に歳を経た赤龍。
一個の精神と言っていいのかさえわからない破壊衝動の塊であり、今までにルフスの姿をとってから表に出たことはない。
紅い少女はあくまでも影響を受けただけの【龍狩り】である。
赤龍の血液はむしろ火に近く、発火させることも容易いし、火によって傷も塞げる。
存在そのものが【滅び】に近い【至紅の万滅】は炎によって自らの身体を再構成さえできる。
が、ルフスはそうして傷を癒やすことを避けている。
炎に依る治癒は【至紅の万滅】の侵食率を引き上げるため、ということが一つ。
少女の傷跡がいくら深くとも、それは龍の傷とは完全に一致するわけではないために
二者の差異を強調することで少女は少女らしく有ることが出来るのが、もう一つの理由である。
ルフス・ドラコと名乗る以前、【龍狩り】のシド・ハルンドであった時の龍としての種族。
黒く流線的で、二足歩行も可能な体躯に、真っ白の角が一本頭頂部に生えていた。
翼は小さめで、羽撃く時に膜が開き大きな推力を生む。
継続飛行は苦手だったが、速度と運動性は高かった。
特性として"物理法則に依らない迅速化"があり、落下速度を早めるなどが可能だった。
【龍狩り】シド・ハルンドの迅竜としての姿から折れた角を、短剣の形に研ぎ直したもの。
60cmほどの長さで、白く、柄にはルフスの持つディアンドルやトランクと同じ意匠が施されている。
毒龍ガーズブリグから、真玉都市ビアキュトと珠央市国サーウェンを防衛した際に、シド自身で折り取って毒龍へのとどめとして使ったもの。
毒龍の呪毒に満ちた血液を浴びて腐食一つ無い様と、竜殺しの逸話を好んだ姉姫アエラ・リンド・ハルンドの手に渡り、
彼女の最期までその佩剣として共にあり続けた。
(尚、友好でない他国での戦闘だったために、短剣の献上を理由にして叙勲が為される予定だったが、
毒龍もまた人の転じた龍であったことが明らかになりお流れとなった。)
西極の"雪降りの"死火山フズにて、妹姫アエル・ニロ・ハルンドに突き立てられた後は世界消失に巻き込まれたはずだったが、
常世学園世界でサルベージされ、ギルドが保有していた。
ルフスはこれを手に入れるために莫大な金額を費やしている。
自らの手で突き立てれば、傷さえなく胸のうちに収まる、赤龍への楔として使うために。
誰かが突き立てれば、共有者である赤龍さえも滅ぼせる最後の切り札として使うために。
広告だけを頼りに転移を行うが、なんとか無事に常世学園に到着。
その後、遺跡を抜けて人中に出てきたところでクゥティシスさんとメアさんに出会い、ともに食事を取りました。
クゥさんは放っておけないと思いました。私が龍など受け入れていなければ似た立場だったでしょうし。自分のことも片付けられないのに何をしようというのかという話ではありますが、何か力になりたいと、そう思います。
快く奢ってくれて、寮まで紹介してくれたメアさんはとてもよいひt…ではなく。好ましい人物だと思いますので、いずれ何が有ろうと恩を返せればと思います。一宿一飯の恩義とは、命そのものの恩にほかならないのですから。
入学申請を行った後、詳細不明の団体から学費を手に入れるためのハンティングのお誘いを受けました。二級学生同士の互助組織、と言っていましたが。…歓楽街での夜食から判断されたのでしょうか。
状況を把握するため、職員室へ向かい、捕獲対象とされていた魔術師喰いについて情報を集められているコゼット先生に話を伺いに行きました。
とりあえずはコゼット先生がどんな方なのか様子を見ながら話していたのですが、責任感のある方だと思い、事情を話しました。
……さすがに、二級学生の能力だけコピーして人数調整しているのではないかとまでは言いませんでしたが。
入学できたはいいものの、学費を工面できなければ状況は好転しません。トランクの中には貴金属のたぐいも有ったと思いますが、私のドラゴンソウルが強硬に反抗するので後に回します。バイトを求めて島を探し回りました。
夕方、商店街にて追われるクゥさんを見かけ、助けに入ったところメアさんと白崎玲刃さんの助力であっという間に片付きました。心強い。私も奴の力を使うのは初めてでしたが、できる事を確認しながら、という感じでした。鈍っています。
排除指定者であるザデルハイメスと、そこにたまたま遭遇してしまった拳士(ライガ)、二人の間に割り込んだ風紀委員が即死するのを目撃。 ギルドからの依頼と違い賞金が出ないのであまり気が乗りませんでしたが、広域呪詛に巻き込まれたところから戦闘開始。 拳士は後から現れた黒服の女性(シルヴェネ)に向かい、大技を入れたところで撤退。 ザデルハイメスは焼き滅ぼしたと思いましたが、操られていた死体でした。 商店街の一部を焦土に変えながら、それでも構わないと思ったことが、私は…
東郷七生を誘拐し、常世港にて引き渡すという依頼を受注。たまたま路地裏で刀使い(石蒜)の騒動に関わろうとして居ると連絡を受けて向かったところ、炎使い(焔誼迦具楽)と件の刀使いが交戦していた。
漁夫の利を得るべく、何故だかこちらを庇おうとした七生さんをそのまま捕縛。飛んで逃げることにしましたが思わぬ抵抗を受けて取り落としました。命が惜しくなかったんでしょうか。
その後もう一度私を助けようとする七生さんの力を借りて無事墜落は回避できました。……本当に全く、何を考えているんでしょうか。
クゥさん 白崎さん 天堂操さん 楓森焔さん、エルピスさん
遭遇戦。
一つ、大事なものを燃やした
怪我の調子は良好、買ったものは十全に機能を発揮していて、時計塔を登るのにも苦労するほど。登る途中で七生さんに会い、手助けしてもらいました。とりあえず目の前で誰かがひどい目に合いそうなら止める、さて誰だってそうなんでしょうか。少なくとも私は…。
相変わらず怪我の調子は良好。南雲海斗さんと渡辺慧さんに頂上で出会いました。とても、楽しい時間でした。海斗さんは良い拳士になるでしょう。慧さんには、"世界の危機"に付き合っていただけるかもしれません。…それは大変都合の良いことです。
意外と簡単に訪れる世界の危機。フェニーチェの団員の一人、《殺陣師》 に接触できました。
人の欲求を煽る舞台指導には惹かれるところがあり、いずれ公演に行く約束を。
私がこの欲求に食いつぶされるよりは先に開かれるといいのですが。
この島で初めて龍を見かけたので、食欲半分征服欲半分くらいで近づいたところお友達になりました。
テリメーラさんは龍としては私より先輩なのですけれど、幼気なところがあります。…それと、意外と芯のある方です。
台風情報に備えて常世島地下用水路を使うことが難しくなったため、入江にて物資を積み卸す作業を受諾。
作業中にコゼット先生に出会い、無害な作業と偽って退去をお願いしました。さてこんな組織に属してることを知ったらどう思うのでしょうね。
そこに合流した矛海先生にも同じく作業中ということで退去していただいたのですが、潮干狩りの成果を分けていただきました。
全く学校のためになることをしていたわけでもないので、両先生の机にいずれ菓子折りを置きに行く予定です。
……今の時期ならアイスでしょうか。
慧さんに商店街で出会いました。とても楽しくお話をさせて頂いて、一緒に水着を買いに行ってアイスを買いに行く予定だったのですが。
あいにく仕事の都合で断念となりました。
……実に気の利いた言葉でしたから、お受けしても良かったのですけどね。ただ白髪三千丈と行く前に世界が滅ぶでしょう。
七生さんとトトさんに神社で遭遇しました。ちょっとした祈願の途中だったのですが、
七生さんが不調なようだったので朝食にお誘いして、奢りますからと行くことに。
やっぱり七生さんは階段に弱かった。トトさんは弱点をつけるタイプです。
嶋野陽子さんと鈴成静佳さんにお会いしました。
抱えていた用事もあって酷く空腹の状態でしたが、なんとか陽子さんとは普通にお話出来ていたならいいのですけれど。
静佳さんは生きていていいと、言ってくれました。私なんかに。
依頼していた写真を受け取りに行ったところ、待ち合わせ場所が大層派手な色彩で染まっていたのですが目当ての相手は居らず、
探したところ屋台で食事中でしたので手短に。
(同席していたのが惨月白露と五代基一郎。)非礼を詫びて、ごくごく適当にお金を出して来ました。
彼女はこれから正規の学生になるそうです。二度と会わないでしょうね。
箒とアイスと偽風紀。 アリスさんと久藤 嵯督さんにお会いしました。いささか不幸な、アイスの犠牲とか有ったりしましたけれど。 この時からは風紀委員になりすましてましたので、嵯督さんに疑われましたが無線のコールのおかげで切り抜けられました。 アリスさんは次に箒をぶつけてきたら食べると思います。
どうも、風紀委員会の方から来た流布堂 乱子です。
襲撃を受けている風紀委員会本部へ向かい、とりあえず風紀委員として行動している前例を作っておきました。
尾と翼がないと不便なので、一夏の間は愉快な風紀委員として活動するかと。
そうそう、平岡ユキエさん(と呼ばれていたので字が合っているかはわかりません)と少しだけ一緒に戦いました。性根が直ぐの人のようなのであまり付き合うとボロが出そうでした。
白いローブの人物とは……敵対したのでしょうか。どうも饗してもらっただけのように思えます。
唐沢響さんを襲撃しました。彼女は傭兵業とのことで、ギルドとしてはちょっと痛い目を見せたい。つまりチンピラ業務です。
幾つか購入した武器を試してみましたが、自分でも痛かったのでもう少し考えて使いたいと思います。
そうそう、「次こそは討つ」との書き置きがありました。ご期待に添えればいいのですけれど。
蒼穹さんに出会いました。風紀委員の先輩に当たる方(刑事課なので制服は着ないのだそうです)。
風紀委員会らしく権力を振りかざしてみたらいい感じに反応して頂けたんですけど、
実際は私なんか目じゃないレベルで職権を私用してる人…じゃなくて幽霊風紀委員でした。
…助けてもらったのであまり飛行能力に敵愾心を抱かないようにします。でも、強がってるけどわりと良い人…人?なのだと思いました。
コーンスープを頂くことと、今度風紀委員会本部に顔を出すことは忘れずに。
…『火龍に火酒を』なんてことは、今更思い出してもしょうがないのですけれども。
有志による花火大会が有るはずでした。
何処を見たって事件が起きて、そのたびに解決の報道は明確にされなくて。
不安を吹き飛ばすための、有志の花火大会のはずでした。
朝に見つかった血痕から大会は中止。夜までに初動捜査がなされ、
私が公園に足を運んだ時に、その容疑者はそこにいました。
棘鱗剣を埋め込んで場所はわかるようにしたものの、こちらは左手と翼と尾を撃ちぬかれました。
昨日の容疑者、シイン教員が狙っているという学生、静歌さんに面会。病室にはエルピスさんと柩さんがいらっしゃいました。
昨日の問答の中で気になった、シイン教員の「結果」へのこだわりを聞いたところ、
彼は人の歩みと、輝きに惹かれるのだそうです。…なるほど。
エルピスさんは、人違いをされているのだと思います。…そうでなかったら、あんなにも惹かれる誘いを断れたはずがないですもの。
開拓村で洲崎の起こした誘拐事件を追った後、
風紀委員会本部で昨晩出会った薙さんと、芙蓉さんが口論をしているところに出くわしました。
強いものに目がない、という姿勢はなるほどあの隊には向いているのかもしれません。
……ユキエさんに好印象を持たれている覚えがないのでこれ以上は言及しません。
また、本日付で嘱託職員となった寄月秋輝とも知り合いました。連絡先の交換も済み、これでいつ刀の注文が来ても大丈夫です。早くこないでしょうか。
どれくらいの手数料が相場でしょうか。
反省文が思いの外難産だったため、気分を変えるべくカフェテラスを訪れたところ、
お話することの有った静歌さんがお眠りになっていたのでじっくりと観察致しました。
起きられてからは、少しお話を。
寝顔が可愛いこと。
占いを初められていたこと。何時か占っていただこうと思うこと。手品を見せていただいたこと。
それから結局のところ、私はあの事件に関わっていたのかどうかについて。
…どうも、手遅れだったみたいですけれど。
反省文を出したものの、学生通りをぶらぶらしていたところで辻占いの魔女に出会いました。
自分でもよくわかりませんがなぜだか恋愛運を占ってもらいました。
過去のことは気にせず、か…。
とても……とても、ねむ……眠くて…
お昼に公園で、妖精と、アンドロイドと、女の子の諍いを解決した後に、私の電池が切れかけましたので、
とりあえず燃料を投入して午後のお仕事を乗り切ったあたりで燃料と電池切れ。
最後は甘いものに頼るしか無いとカフェテラスに向かったところで貴子さんにお会いしました。
お話したことはあまり思い出せないのですけれど、
貴子さんがシュークリームを食べるのが可愛らしかったのでよろしかったと思います。
英霊プリーストをマティアスさん、七生さん、あともうお一方の協力の下なんとか討滅。
とかく被害を、とりわけ精神的な被害を増やそうとする方でした。学園に何らかの被害があれば、私の因果を解きほぐす何らかの発見が遅れる一方でしょうし、あいにくと見逃せず。
とはいえ、模倣毒龍の力にはまだまだ使いみちがあるはずでした。私の不徳のいたすところ、でしょう。
その翌日、同ファミレスにて復旧の手伝いをし、運営再開後はそちらのお手伝いも。
雪城氷架さんとその彼氏さんに松茸づくしと栗パフェをご馳走しました。
……ああして人をからかうのも、楽しいですね。
スタッフで出し合う予定だったお代と引き換えに気になる情報を得ましたので、行ってみようかと。
ファミレスで聞いた話では、プリーストが居るファミレスに平然と現れたあの騎士のような少女は地下闘技場で見かけられたとのことで。
探しに行ってみたのですけれど、これがなかなか面白い場所で。
自分の試合の終わった後に、リビドー教員と、確か…鏑木ヤエ。二人の試合も観戦致しました。
……職業柄、結局のところ戦闘行為はその結果にしか意味を見出さないところなのですけれど。
あくまでも意の発露として握られる拳というのもあるものですね。
手段を変えても話し合いの一形態でしょうから、通じない相手も、居るのでしょうけれど。