(無印…人型 / ◆…獣型 / ★…???) | |
(ものを考える、とは、とてつもなく遠大だ) / 20150910落第街大通り | |
【暴力描写有】「こうでもしなければ、ヨキは溢れてしまうんだ」 / 20150916歓楽街の奥 | |
【生徒】 | |
日下部理沙 | 「『ほとんど』素直で親切なのが、このヨキの自慢さ」 / 20150901地区ごとの駅 |
「果たしてそこにあるものが『当たり前』かどうか」 / 20150919職員室 | |
倉光はたた | 「わからなくても、こわくても」 / 20150902浜辺 |
茨森譲莉 | 「ヨキは君の『恐怖』にはならないと、約束するよ」 / 20150907図書館 |
「振り解かれて逃げられたらどうしようかと、少し心配だった」 / 20150915異邦人街大通り | |
虞淵 | 「………………、弁償……」 / 20150910第一演習場(+獅南蒼二) |
ライガ・遠来・ゴルバドコール | 「判ずべきことはシンプルだ」 / 20150911ロビー |
鏑木ヤエ | 「ヨキの働いた汗に、君の寝坊した冷や汗、と」 / 20150914教室 |
【教師】 | |
蓋盛椎月 | 「愛が本当にあるかどうか、考えるのもくだらんな」 / 20150904保健室 |
「少しはヨキを見直したか、蓋盛よ」 / 20150912歓楽街ゲームセンター | |
獅南蒼二 | 「討ちに来い、魔の術に殉じるならば」 / 20150910第一演習場(+虞淵) |
おこん | 「甘えさせてくれて有難う、おこん」 / 20150917職員寮浴場 |
リビドー | 「獣の合理と、人間の融通から出来てる。それが今のヨキだ」 / 20150918廊下 |
【その他】 | |
2015年8月 |
2015年7月 |
美術教師。
人間の生み出す習俗と文化に魅せられ、美しいもの、美しいことを愛する。
常世島を、二元論的な善悪を超越したひとつの秩序と捉えており、人間または異邦人は元より、時として落第街や非合法組織をも庇護する。
自らの基準で美を見出だした事物については、清濁を問わず広く受け入れる。
しかしその美しさが失墜した、あるいは常世島の秩序を懐乱したと判断される場合には、一転して苛烈な非情さを見せる。
愛想に欠けた所作に反して、人付き合いを好む。
交流を尊び、未知の物事に対する好奇心が旺盛。流行にも敏感で、ほとんど不物好きの域に入る。
細身の外見に反し、非常によく食べる大食漢。
肉、野菜、魚、穀物、菓子など、人間と同じ食物を何でも口にする。
「燃費が悪い」らしく、すぐに腹が減るようだ。
自作が売れた記念に食べる、高価なデザートが楽しみのひとつ。
学園では教師として金工の授業を受け持っているが、例年履修生はあまり多くない。
デッサンや絵画など、金工以外の実技を教えることもある。
その他、芸術学や美学といった座学を担当しており、古典美術から現代の大衆文化まで広く取り上げる。
たちばな学級の非常勤講師として、絵画や造形の指導も行っている。
プライベートでも個人的に彫金を制作しており、好事家に作品が売れることがある。
数は多くなく、収入源というほどにはならない。
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室内の中ほどに、小奇麗に整理整頓された机がある。
備品のノートパソコン、伝言のメモや付箋、書類ファイル、参考用の書籍がいくつか。
窓辺から魔術教師クオンの「青空教室」を眺めるのが好きらしく、時おりスマートフォンで授業風景を撮る姿が見受けられる。
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研究区に借りている作業場。住宅用の作りではないが、自宅同然に暮らしている。
造形作家として住所を公開しているため、誰でも容易に訪問することが可能。
打ち放しコンクリートの二部屋。入ってすぐの一部屋が工房。奥が私室。
水洗トイレと申し訳程度に設えられた流し、ガスコンロ。風呂はない。
大きく頑丈な木製の机、床に確保された作業スペース。作りかけの大型作品。
工具、画材、最低限の金工設備。鉄、銅、錫、真鍮、さまざまな素材の椅子やランプやレリーフやアクセサリー。
無数のスケッチ。立て掛けられたキャンバス。こびり付いた粘土の跡。
書き物机に私物のデスクトップパソコン。小ぢんまりとした冷蔵庫やテレビ。大きな本棚と寝台。
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かつてカミと呼ばれた犬があった。
犬は山を治め、捧げられた娘を骨にして返し、地は潤い、里は富み、長く栄えた。
犬は人前に姿を顕さず、人は山へ立ち入ることなく、人と山との繋がりは畏れの上に保たれた。
時代が変わる。
里に住まう人間はいよいよ増え、世とともに移り変わる。
繰り返し産まれ育つ人々の中からは、畏れと呼ばれる心が失われて久しかった。
やがて空は青黒く冴え渡り、日は光を強め、大地は渇く。
男は痩せ、女は細り、子が絶えた。
かつてカミと呼ばれた犬は、いつしか邪霊と名が変わる。
そしてある日、旅の僧が里を訪れる。
僧は人々の声を聞き入れた。
山へ入り、人々と同じくして痩せた犬と相対した。
その姿は幽鬼に似て、まさに邪霊と呼ぶに相応しかった。
僧の振るった錫杖が、犬を打ち据える。犬は見る間に傷つき、弱った。
その牙が僧の腹を裂いたのは、自らの身を守るために過ぎなかった。
無数の火に照らされた山を降りると、そこには見も知らぬ人々の顔が並んでいた。
犬が人の言葉を解したならば、それらは鬼の一群であった。
鬼の振るった手斧が錆びながらにして閃いたのを、犬は覚えている。