違法部活『ロストサイン』のマスタークラスだった男。
表向き鉄道委員会に所属しており、島中を走る列車の運行管理についての仕事をしていた。
公安委員会のロストサイン制圧作戦に際して、列車の運行を乱れさせるとともに
“時刻剽”のコードネームの元である『視界内(映像可能)に存在する対象の時間間隔を狂わせる』という広域魔術を使用し、公安委員会の足並みを大幅に混乱させた。
結局は作戦中に裏切りが露見し、派遣されたアルベール?との戦闘で死亡する。
しかしオーランド・ウィルマース本来の所属は委員会でもロストサインでもない。
常世学園を調査するためにアメリカの抗魔組織『財団W』が派遣したエージェント魔術師というのが彼の素性である。
学園運営の裏側へ探りを入れるべく、ロストサインという違法組織に接触、これを利用して情報収集にあたっていた。
また、常世が持つ多くの技術をアメリカへ流すという役目も負っていたようだ。
あるいは取引先があることはロストサインにとっても有意義で、ウィルマースの素性はいくらか知られていたのかもしれない。
とはいえ、ロストサインが行っていた違法行為に対して平然と加担するような性格の人間だったのもまた事実である。
オーランド・ウィルマースという名前は財団Wが用意した偽のアメリカ国籍であるため、本名は別だったと思われる(が死んだのでもう意味はない)。
なお、ウィルマースが生前行った鉄道委員会への工作は今でもかなりの数が生きている。
鉄道委員会はウィルマースの事態が露見したあと徹底的に調査を行ったが、ウィルマースはあまりにも膨大で複雑な不正を仕掛けており、全てが根絶しきれていない。
そのため、ウィルマースがロストサインの構成員が利用できるように工作した偽IDなどが一部現在でも有効で、
潜伏した残党のなかにはそれらを利用している違反学生も居る。