ゲマインシャフト |
違反学生たちを取り巻く実体なき組織 |
違反学生や不法入島者らによりまことしやかに囁かれる、落第街を牛耳っているという組織。
ゲマインシャフトは形なき組織である。キッカケは一通のメール、あるいは手紙だ。
『生きるということは素晴らしいことだ Yes/No』
唐突に送られてくるこの言葉に返信すれば、その人物は既にゲマインシャフトの一員である。
メンバーには"速報"が届けられる。
それは学園都市で起きるいざこざであったり、委員会の新しい動きであったり多様な情報を受け取ることができる。
奇妙なことに、それらすべては、ゲマインシャフトの誰かが巻き込まれる可能性のある事案ばかりだ。
なぜそのようなメールが届くのか。なぜそのような情報を仕入れることができるのか。
それを気にするものは多いが、その真実を知るものは島内でもごく僅かだろう。
少なくともメンバーたちはこれを有効利用している。利権に、自衛に、或いは友好に。
危険にこそ利益が見いだせる。危険があれば遠ざかればいい。危険ならば助けあおう。
そこにルールはない。届けられるのは情報だけだ。
しかし、いつからかそこには連帯感が生まれていた。
曰く、彼らは仲間を尊重する。
曰く、彼らは仲間同士での争いを好まない。
曰く、仲間の敵は己の敵である。
――曰く、"彼ら"に実体はない。
それらはただの噂だ。根の葉もないただの噂。
しかし、<ゲマインシャフト(共同体)>の名が示す通り、いつからか彼らは"そんな空気"を共有しあうようになった。
もちろん彼らの多くは犯罪者である。ゲマインシャフト同士で争い合うこともあるし、ともすれば殺しあうことも少なくない。
だが、どこか無秩序ではなくなった。メンバーたちが"空気を読んだ"結果か、静かに連携を取り合うようになったのだ。
誰がリーダーで誰が幹部というわけではない横のつながり。
しかし中には「マイスター」などとメンバーがもてはやす、メンバーへの影響力の高い生徒も生まれ始めているようだ。
近頃はこの"ゲマインシャフト"が、一般生徒にも……?
昨今、自らがゲマインシャフトであることを証明するとして、
黒い石を携帯したりアクセサリの一部に使用することが密かな流行りとなっているらしい。
隠して持ち歩くもの、あえて見せびらかし立場を誇示するもの様々であるが、
これが無ければゲマインシャフトではないというわけでもない。
また、"速報"を受け取るための携帯端末を無償で配布するものも居るようだ。
このおかげか、ゲマインシャフトに入るためのハードルはいかなるものであっても高くはない。|
落第街の外れ、第八区画。ここはゲマインシャフトにとって"非戦闘区域"として認識されており、
何故か"速報"で、そこに建つ居酒屋の広告がたまに紛れ込むそうだ。
お陰でその居酒屋は現在、ゲマインシャフトの駆け込み寺のような様相を呈している。
このメールやゲマインシャフトの名前が表に出てきたのは一年ほど前から。 しかしこの"速報や"ゲマインシャフトのつながりはそれよりも昔のようだ。
私書箱『Gemeinscha』
Pass『blacks』
BBSを使うまでもないちょっとした"速報"にどうぞ。
また、ゲマインシャフトは加入した際の連絡は特に必要ありません。