真実の「鍵」を、開け
第一部 《
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常世学園に来るまで |
師匠の捜索のため、世界の真実を知るため、眞人は常世学園へと入学する。
ハッカー《銀の鍵》として、師匠の居場所を掴むため、学園ネットワークに侵入し、常世財団のコンピューターにハッキングを試みつつ、学園生活を送る。
表向きは少し電子関係に強い学生として、ハッカーであることや、異能の事などを知られないように気を付けつつ学生生活を送る。
学園で怪しまれずに生活するため、学業などもそれなりに真面目に行っていた。
常世財団のセキュリティは眞人の《銀の鍵》をもってしても解除が容易には叶わず、《氷》に攻撃されて危険に晒されることもあった。
その中で、久喜棗、志葉恭介、三千歳泪など何人かの生徒や教師たちと親交を育んでいく。
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自身のハッキング技術だけでは、学園のセキュリティを守る《氷》を破ることが難しいと考えた眞人は、魔術の電子化を計画する。
師匠が使っていた《電子魔術》のようなものを目指し、魔術の勉強に取り組み始める。
魔導書を電子化した《電子魔導書》のプロトタイプを完成させ、低次の魔術の執行を可能にした。
魔術執行に必要な儀式や呪文詠唱を電子化し、それらを魔術執行のための「段階」と設定した。
それらは一種のプロテクトキーであり、それを眞人の異能《銀の鍵》で一気に開錠することで、魔術をかなりスピーディーに執行することを可能としたのである。
また、魔術をプログラム化、電子化したことにより電脳世界でも魔術の執行が可能となった。
このために電子魔導書を構想したのである。
ただし、まだまだ研究の余地があり、高次の魔術は使えないままであった。
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これでは常世財団のコンピューターなどのセキュリティ、《氷》*2は突破できないと考えた眞人は、図書館群の禁書庫へと忍びこんだ。
普通では閲覧できないような高次の魔導書を電子化し、執行するためである。
しかし、魔導書を探している最中に教師である獅南蒼二と遭遇してしまう。
眞人の禁書庫への侵入自体を咎める様子はなかったものの、眞人が禁書庫侵入時に使った異能のために、攻撃を受ける。
獅南を見てしまったことも要因の一つであったようだ。彼は異能を良しとしない思想の持ち主であったようだ。
魔術師相手に魔導書ばかりの場所で戦わなければならないという非常に苦しい状況に眞人は置かれる。
《電子魔導書》で魔術を執行し対抗するも、徐々に追いつめられていく。
最終手段として、電子魔導書に保存されている魔導書のデータに暴走プログラムを送り込み、魔術を暴走させるという賭けに出る。
非常に危険であったものの、賭けは成功し、禁書庫から脱出した。高次の魔導書は得られないままであった。
以前、サイバーカフェ「超電導」に三千歳泪を人ごみから救出したことから「命の恩人」と呼ばれ、色々あって二人で出かけることとなった。
常世島の地下領域にある《驚異の部屋》という施設に案内され、二人で探検のようなことを行う。
様々な世界の謎の遺物を見るが、古代エジプトの遺物が残された部屋で、突如棺桶に収められていた死者が蘇り、二人を襲い始める。
最終的に二人で協力して、それらを元のと通りに戻すことに成功する。
この際、眞人のハッキングテクニック、異能について三千歳泪に見られることとなった。
この学園で初めて自分の正体にまつわる情報を人に明かしたことになった。
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眞人はハッカーである。学園の情報を手に入れるため、情報屋を頼ることがある。
落第街で情報屋を渡りをつけた帰りのスラムにて、不良に襲われている機械の少女、シュリクを発見する。
見過ごしておけず助けるも、必要はなかったと言われ意気消沈する。
彼女は魔術が世界に広がっていることを知ると、絶望的な表情を浮かべ、改めて眞人に話を聞くことを約束して去って行った。
その後、眞人に、詳しい話を聞かせてほしいというシュリクからの手紙が届き、第二演習場にて待ち合わせをする。
話を聞くはずだったのだが、魔術というものが世界に広がったことを信じられないシュリクに戦いを挑まれる。
シュリクに魔術が人の力となったことを証明する為に苛烈な戦いが始まった。
最終的に、お互い全力を出し切りボロボロになるも、眞人はシュリクの全力に耐えきり、シュリクから認められることとなった。
お互いにボロボロになってしまったため、詳しい話などは後日ということになった。
シュリクから手紙が届き、以前の話の続きをするために大時計塔へと眞人は向かった。
大時計塔にてシュリクの作ったサンドイッチを食べながら、シュリクのいた時代のこと、彼女の異能について話を聞く。
シュリクについてよく知ることになったが、突如シュリクから「私を貴方の物にしていただけませんか」と言われ、狼狽する。
先の戦いで力でシュリクは眞人の力を認めたといい、シュリクの生きた時代あるいは世界について知るためには本来の力が必要だという。
本来の力の発動のためには
シュリクの目的と自分の目的が似ていたためか、シュリクが師匠と似ていたためか――眞人は
その結果、マスター登録としてシュリクと口づけを交わすことになったのであった。
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第一教室棟にて志葉恭介が悩んでいるのを発見する。
聞いてみれば、恭介は記憶や力を失った神様を見つけたといい、自由に外を歩けない神のためにスマホ内に電子の依代を作れないかと相談される。
眞人は理論上それは可能だと判断し、電子神社システムの構築を考えることとなった。
その後、安室冥路とも出会い、彼と親交を結ぶ。
三人で恭介のスマホを買いに行ったり、飯を食べに行った。
恭介から相談を受けた、電脳世界上の依代、神殿のプログラムが完成したため、恭介に案内されながら、力を失った神の祠へと向かった。
そこでみかんと名乗る少女の姿の神と出会う。
そして、神を電子の世界に構築した社へと神降しする儀式を執り行う。
眞人が電子の門を開き、その中に恭介が霊体化したみかんを降ろすという荒業を行い、見事儀式は成功する。
スマホの中の依代にみかんは宿り、電子の妖精のような存在となったようである。宗教史に新たな一ページを刻んだ。
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師匠に関する情報が中々集まらず焦り始めた眞人は、一旦常世財団へのハッキングを断念し、
学園の《大電脳図書館》に収められた機密文章から師匠の情報を見つけ出そうと計画した。
学園のネットワーク上に存在する電脳世界にて、《大電脳図書館》を目指していたところ、ルナと名乗る不可思議な少女と出会う。
少女に着いては謎のままだったものの、ソラという少女についてわかることがあったら教えてほしいと頼まれる。
その後、眞人は《大電脳図書館》へと向かった。
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《大電脳図書館》――通称、《サイバーアレクサンドリア大図書館》――に眞人は《銀の鍵》を使い侵入する。
侵入の際に痕跡を残すことはなかったものの、有澤零砂が放っていたプログラムに追跡され、それを攻撃した際に猫耳少女のアバターと出会う。
素性などはお互いに語らないままであったが、互いの実力は認めた。相手もハッカーのようであった。
相手に今日出会ったことへの口止めをした後、機密文書が眠る第六六階層へと眞人は降りて行った。
師匠の居場所に繋がる情報をそこから探すこととなった。
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《サイバーアレクサンドリア大図書館》第六六階層「セラエノ」へとたどり着いた《銀の鍵》は師匠に繋がる情報を集めるためにハッキングを開始した。
しかし、その際に謎の《氷》が発動する。燃えるような瞳を中央に置いた五芒星が《銀の鍵》の前に出現した。
そして領域が一変し、闇の中から突如名状し難い存在が顕現する。
電子で構成されていながら、あまりにおぞましい姿、人間の理解を超えた存在。黄色い衣を身に着けた何か。
それを見た時、脳髄への強烈な負荷と強い嘔吐感を覚えた《銀の鍵》は、この存在にとても勝てないと直感した。
脱出しようとして逃げようとするも、叶わず、そのまま電脳死へと追い込まれそうになる。
そこで《銀の鍵》の意識は途切れた。消えたはずの師匠の言葉を聞いたような感覚を持ちながら。
――コード・ルーシュチャの使用――銀の鍵の力の開放――魂魄にして使者なるものの権能―― |
気づくと、《銀の鍵》は死んでおらず、電子の怪物も消滅していた。
記憶に欠落があり、何が起こったかわからないままであったが、《銀の鍵》はハッキングに成功。
《電子魔術師事件》という事件についての情報を得る。
師匠に関する情報を手に入れるも、セキュリティプログラムに発見されてしまう。
詳しく見る時間はなく、情報を抜きだして《大電脳図書館》を脱出する。
逃走の際にウィルスプログラムを送られ、なんとか現実世界に生還するも、サイバーデッキはウィルスに侵され故障。使用不可能になる。
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使用していたサイバーデッキが故障したため、新しいサイバーデッキの購入に落第街へと向かう。
眞人が《大電脳図書館》から抜き出した情報は電脳世界でなければ閲覧できないように高度に仕掛けが成されていたためである。
違法部活群が立ち並ぶ九龍城めいた蓬山城に存在する電脳街の《瀛州山》という店に向かう。
店に入る直前、三千歳泪と遭遇してしまう。出会ってしまったことや、選ぶのに協力してくれると言われたため、共に店に入る。
新しいサイバーデッキを選びながら、泪と会話する。そこで、初めて人に師匠のことなどを明かした。
泪の勧めもあり、故障品である、サイバー=アーカムハウス者の『プロヴィデンス』を購入する。
店を出た後、泪の工房へと向かい、サイバーデッキを修理してもらう。
報酬はケーキバイキング一回のおごりであった。
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新しいサイバーデッキを手に入れて、眞人はいよいよ盗み出した情報を閲覧するときがきた。
電脳世界に没入し、データを呼び出せば、それは「門」の容を取っていた。
《銀の鍵》で「門」を開くと、非常に不思議な世界へと眞人は誘われた。
顔をヴェールで隠したもの、不定系のもの、薔薇色の海、それらを越えて巨大な門を眞人は潜り抜けた。
その先で様々なイメージを見ることになる。過去と現在の眞人。色んな世界に存在する眞人。
そして、そのイメージは常世島へと収束し、《電子魔術師事件》の概要を眺めることとなった。
理解できないことがほとんどであり、おぞましい怪物とも遭遇したものの、《鍵》を用いることで現実世界に脱出。
師匠のいる場所を突き止めた眞人は、師匠を救いだすための準備に取り掛かることとなった。
門の向こう側で見たイメージは、それが非常に危険なことに師匠が巻き込まれているということを示唆するものであった。
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《ルルイエ領域》の場所を掴んだ眞人は、そこにアタックするための準備を進めていた。
電子の門を開き、さらなる深淵に向かおうと《銀の鍵》を手にしたとき、あるイメージが眞人の中に流れ込んできた。
それは師匠と別れたときのこと。失われた記憶であった。
師匠の示唆する謎について、当時の眞人は理解ができなかった。
そして、常世島に眞人が来ないように、師匠は眞人の記憶の一部を吸い取ったのだ。
記憶について思い出しても、完全にそれを理解することはできなかった。ただ、師匠が自分に話していない真実があるということだけを理解した。
だがそれでも、眞人は師匠のために、もう一度出会うために、《ルルイエ領域》への探索を続けるのだった。
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ある学生によって引き起こされた事件の同日。
《窮極の門》が地上に開かれたことにより、電脳世界にも一つの「門」が出現する。
眞人はその「門」に遭遇する。
それこそ、眞人が追い求めていた《ルルイエ領域》へ繋がる「門」であった。
眞人はあるものと出会う。それは、《電子魔術師》とうり二つの容姿の少女? だった。
師匠にはうり二つであっても、その纏う気配は真逆のものであった。
困惑する中、その少女は眞人に意味深な言葉を投げかけていく。
そして、眞人は、その少女からハッキングを受ける。
電脳化していない眞人にもそれは強烈な影響を与えた。
眞人は少女によって操られ、強制的に「門」を開くことになる。
その《銀の鍵》の力によって。
――眞人は、「門」の向こう側へと向かった。
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ついに眞人は《ルルイエ領域》にたどり着いた。
何者かに導かれたものにせよ、ここに師匠がいるのは間違いがなかった。
《銀の鍵》は、ルルイエ領域の奇怪な神殿の「門」を開く。
燃えたる五芒星の印は消え失せ、名状しがたい文字列が洪水のように流れ来る。
そこで、眞人は囚われた師匠の姿を見た。《電子魔術師》テクノの姿を。
彼女は磔になりながら、何かを封じていた。
だが、《銀の鍵》が訪れたことによって、その「門」は開いていく――
その後、眞人の脳裏に残る記憶は多くない。
理解できぬものが現れ、師匠の静止する声が響き、どこからか嘲笑う声が聞こえ。
眞人は、師匠を失った。最後の家族と思っていたものを。
最後に、眞人は彼女から《コード・ルーシュチャ》を受け取った。
それにより、再び「門」は閉じられていく。
眞人が理解したのは、師匠が自信を常世島に来させなかった理由。
自身は、あの師匠とうり二つの少女によってここまで誘導されたのだということ。
そして、自分のために、解いてはならぬものを解いてしまったこと――
再び星辰の時がめぐり来たれば、きっと、眞人がその封印を解いてしまったものが、彼を狙う。
《銀の鍵》を。
気づいたとき、眞人はセーフハウスの一つにいた。
電極は頭から外れていた。
自身は肉体ごと数か月の間、電脳空間に没入していたのを眞人は知った。
――探し求めていたものを、失ったことに。ようやく気づいたのだった。
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構成などはストーリー/Cloverやストーリー/真実の瞳を真似させてもらいました!