2020/09/23 のログ
レイチェル >  
「ああ。
 自分の進む道を信じて、正解にするべく努力を続けるなら、足掻くなら、
 諦めないのなら――」

満面の笑みをレイチェルは浮かべる。
その笑顔は、恐れを知らぬ不敵な笑みではない。
彼の真っ直ぐな覚悟を受け入れる『包容』――『受容』の笑みだ。
沈みゆく陽光の代わりに昇る、そんな太陽を思わせる輝きを湛えているようにも
見えるだろうか。

「――そこに、『痛み』はあっても『後悔』はあり得ねぇ。
 
 たとえ今の道に陰りが見えたとしても、
 そんなのはただの『過程』でしかねぇ。
 まだ終わってねぇ道だ。
 なら、まだいくらだって正解にできる筈だ。
 考え方一つで、道に光は射す筈なんだ。

 我儘な歩き方だろうが、自分勝手な歩き方だろうが、
 それでも。
 ……お前の思う正解を、貫き通せよな。
 オレは……そして、お前の傍に居る『オレ達』は、いつだって支えになるからさ」

精一杯の言葉を伝えた。
呪いに抗いながら、それでも決戦の地に赴こうとする彼に、
レイチェルが絞り出せる精一杯の言葉だ。祝福だ。
そしてそれは、自分自身へ向けた決意の宣言でもあっただろうか。

山本 英治 >  
「あのレイチェル・ラムレイにさ……」

背を向けて去っていく。
腹は決まった。後は行動だ。

「そこまで言われて弱腰になってたら、漢じゃあないぜ」

俺にとっての正解を。俺にとっての道を。
俺にとっての……正しさを。

「また連絡する、またな」

そう言って去っていく。
俺たちはもう先輩後輩じゃない。
背中を預けるに値する戦友だ。

未来。あんたを呪いの象徴にしたまま忘却はしない。
園刃。あんたを遺して満足して死ぬような不義理をしない。

だから……俺は。

レイチェル >  
「へへっ、そう来なくちゃな。 ……連絡、待ってる」

そう、先輩後輩じゃない。戦友だ。
『親友だからこそ言っていい我儘』があるように、
『戦友だからこそ伝えられる言葉』がある。
 

「おっと、最後にもうひとつ、渡すもんがあるぜ!」

机の上に置いてある紙袋を掴み、それを英治の方へ優しく投げる。
去りゆく彼に、レイチェルが渡す3つ目の祝福。

その紙袋の中には、甘い香りのするチョコレートクッキーが入っていたことだろう。

クッキーには、人を幸せにする魔法の力がある。
それはレイチェルの母親が遺した、一つの教え。
だからこそ、レイチェルは英治にクッキーを渡す。


――彼が進む正解の道の先に、きっと確かな幸せがありますように。


呪いを打ち砕き、『山本 英治』の戦いに決着をつけられるように。


戦友の背を見送りながら。


少女はただ、切に願った。 

山本 英治 >  
もうひとつ?
振り向くと、優しく投げ渡された紙袋。
中からは、甘い匂いがした。

見てて泣きそうなほど、穏やかな笑顔が見えた。

「……ありがとう」

これ以上は言葉が出ない。
俺は彼女のために何ができるだろう。
恐らく、半人前の俺にはできることなんてもう残ってなくて。

次の世代に、俺はきっとこの温もりを渡すだろう。
今、繋いだものが。きっと次の次代にも、繋がっていく。

また、一歩。強く踏み出す。

ご案内:「風紀委員本庁 レイチェルデスク前」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「風紀委員本庁 レイチェルデスク前」から山本 英治さんが去りました。
ご案内:「委員会街」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
今日の放課後は、黄泉の穴の外周部に行ってきたのです。
周りにある封の1つに力を注ぐため。
やることは火を焚いて、その周囲で神楽舞を舞うことなのですけど。
ただ、途中から雨が激しく降ってきて大変でした。
傍に生えていた大きなフキの葉をありがたく拝借させて頂いて傘代わりに。
そうして送り迎えしてくださる車に乗っても持ってきたフキの葉は現在玄関で干してあります。
もったいないので、家に帰る時も傘になって頂く所存。

そしてあってよかったロッカーの予備のお着換え。
くしゅんっ、と身体が冷えてしまったので、シャワーを借りまして。
そして下着を変えてサマーセーターに着替えたのです。
・・また少し大きくなった気がします。
少し肌寒いので、風紀委員の上着も身に付けます。
めったに着ないもので、まだこれも3度ほどしか袖を通していないもの。

「・・成長期だからですね」

妙に窮屈です。袖も短くなっでいます。
これ、前のと交換したのは春頃です。まだ半年、着れます着れます。
ついでに、装束も干しておきます。
特別誂えですから洗濯機は使えず、帰ったら洗濯しないといけませんけど。
少しでも水気を切っておきたいのです。

素足に草履で、委員共有で使えます喫茶店(オープンカフェ)でひと休憩です。
お外が見える席で、高いスツールに上って座りまして。
注文したホットココアをちびちび頂きます。
砂糖マシマシ、甘くさせて頂いたココアなのです。
まだ定時前の夕方ですが、あまり遅くならないうちに帰りたい所存なのです。

幣美奈穂 >  
風紀委員の事務所ではありませんので、いつものクッションがなく。
椅子に上りましたが、ちょっとテーブルが高いのです。
でも、サラシを解いたお胸をテーブルに置くには都合よく。
少し行儀が悪いですが、浅い腰かけで足をぶらぶらさせながら、
お胸を乗せさせていただくのです。
ちなみにサラシは普通に洗えるので、帰るまで乾燥機行きなのです。

「・・ちょっと緩んでましたわね・・」

前に外周部の封に力を入れる前に比べ、今回はちょっと封が緩くなっていた気がするのです。
微妙な差なのですけど。

窓の先は大変な雨模様。
それをぼおっと見ながら、両手で持ったカップをくぴり。
ほお、っとなります。
あったかいので、手も体の中もぽかっとするのです。

幣美奈穂 >  
まだカップの中は熱いので、恐る恐るでちょぴっとずつしか飲めません。
風紀委員会への報告自体は、送り迎えしてくださった方がしてくださるようで。
身体を休めるようにとの配慮をされたのです。
ただ、その報告手続きが終わるまでは、美奈穂も帰るわけにはいかないのです。

その間にある程度、装束の水気がとれていてほしいのですが。
後で洗うといっても、ぐっしょりとしたままのものを持ち帰るのは重いですし大変です。

ぼおっとお外を見ていますと。
カップをもった両腕がゆっくりと下がり・・

「あつっ!?」

カップの底がセーター生地に包まれた胸の上に触れたのです。
サマーセーターなので、糸が細くて目が少し荒めなのです。

ご案内:「委員会街」に金剛 経太郎さんが現れました。
金剛 経太郎 > うさうさ。喫茶店内をちょろちょろと動くウサギが一羽。
何故か二足歩行をして、何故か学園の制服を羽織っているけれどその姿はまさしくロップイヤー。

実のところアルバイトとして手伝いをしている何でも屋に舞い込んだ依頼で古物商の棚卸を手伝っていたのだが、
その中に呪物が紛れ込んでいたらしく。うっかり触れてしまったためこんな姿と相成った金剛経太郎である。

「解呪の依頼をしに来た事無い委員会街まで来たは良いけど、祭祀局ってのはどこだろなァ……」

挙句に雨にまで降られ、逃げ込む様にこの喫茶店へとやってきたのだった。
1m弱のウサギ姿になってからは周りの物がとことんビッグサイズで居心地が悪いけれど、ニンジンスティックを貰って空いてる席を探す最中、悲鳴のような声をウサミミがキャッチ。

「なんだなんだ、だいじょーぶか?」

声のした方を見上げ、声をかけてみたり。

幣美奈穂 >  
「んもぉ~・・」

ちょっと唇を尖らしまして。
カップを置いて、カップが当たりましたところをなでなでとします。
と、ふと窓を見ますと。
映っているものに、なんか動くものがあるのです。そして掛けられます声。
振り向きますと・・なんか大きな垂れ耳うさぎさんがおられます!

するりと、慣れた様子で椅子を滑り降りますと。
ぱたぱたっと駆け寄ってしまうのです。

「・・・うさぎさん、あなたのお声?。
 ううん、大丈夫。ちょっと胸にカップが当たっただけだから!」

上半身を傾けてにこにこと。
ほらっ、と。風紀委員の赤い制服の胸元が開いて強調されておりますベージュのサマーセーターのお胸。そこを軽く撫でて見せるのです。

金剛 経太郎 > この委員会街に来るまで色んな目に遭って来たラビット経太郎。
少しの距離がだいぶ広かったり、カラスに襲われたり、雨に降られたり、喫茶店のドアが開かなかったり。
これはもう少しバリアフリーを考えて貰うべく生活委員にも投書する必要があるな、と考えたりもした。
まあ、道すがら女子生徒や一部の男子生徒にキャーキャー言われるのは悪い気がしなかったけれど。

「そうそう、僕の声。大丈夫、幻覚とかじゃないから。
ああ、そう。胸にね……そう。」

声を掛けた少女が早業でこちらへと近付いて来たのにまず1ビビり。
その後わざわざ被害の合ったお胸を示して来て2ビビり。
この姿になってから若干ビビり気味になったなあ、と鼻をピクピク動かしながら回想しつつ。

「ともかく、怪我とかしてないようで何よりだよ。」

幣美奈穂 >  
目の前の大きな垂れ耳うさぎさん。
感性でなのですが、イナバ老子みたいな神性は感じはうけません。
若干の穢れを感じますが、それは内面からのものではないようです。
・・獣率の高い獣人さん?
なんか変なものを触ってしまったのかもしれないと感じるのです。

ちょっと乱れておられます濡れた毛並みを、無意識にハンカチを手にして伸ばして水気をとって差し上げてしまいます。
人参スティックを片手にしているのがラブリーなのです。

「よかった・・何か困りごとですかしら?」

と言いながら、伸ばした手で耳やお顔もついつい拭いてしまう美奈穂。
大きなお目めがとても可愛いのです。

金剛 経太郎 > 「そうそう、そうなんだよ。
ちょっと困りごとで委員会街に来たんだけどさ。」

赤い制服は確か風紀委員の制服だったと思い出し。
それならこの辺りの地理や委員会周りの組織にも詳しいかもと判断した経太郎。
早速身の上を相談しようかと思ったのだが、ハンカチで濡れた身体を拭かれ、顔や耳も拭かれ。
顔を上げように上げられず、俯き加減で奇しくも少女のお胸に話しかけるような状態に。

「祭祀局を探しに来たんだけどさ。
知ってる?祭祀局。呪いでこんな姿になっちゃったんだけど、何とかして貰いたくって。」

目のやり場に困りながら、ぽりぽりとニンジンスティックを齧るラビット。
味覚まで変わってるのか、普段は食べない生のニンジンがやたらと美味しく感じるのは得かなあ、と。

幣美奈穂 >  
なんか男の子っぽい感じな垂れ耳うさぎさん。
ふにゃっと笑みがこぼれてしまいます。
ちなみに、拭く動作をするたびに。背や体格に会わず豊かなものが。
うさぎさんの目の前で軽く揺れてます。

「そうなの。お困りごとなのですか?
 ―-祭祀局?。それなら・・あ、やっぱり呪いですの?」

水気を取った頭を、素手で軽く撫でるのです。
そうしますと、触れた肌から温かいものがウサギさんに流れるのを感じられるかもしれません。
もしかして・・ぴんっと立っていたお耳が垂れてしまって困っているのかもしれません。
と、やっぱり獣人さんなのね、と思う美奈穂なのでした。

「呪いがどんなものかですけど、わたくしでもなんとかなるかもしれません・・。
 あっ、でも。今、装束とか乾かしてますから・・」

ちょっと悩ましいお顔をするのです。

金剛 経太郎 > 「そうなんだよ。呪いでこんな姿に。」

目のやり場に大変困っているラビット。
しかし近くで物音がする度に条件反射で音のする方へと視線が動き、目の前で揺れるものがあっても反射的に見てしまうビビり癖。
そうこうしている内に拭き終えられ、柔らかな毛並みを撫でられればほんのり身体が温かくなって。

「うおっ、あったかい……
あ、えっと……歓楽街の古道具屋で何か変なの触っちゃったみたいで。
君が……何とか出来るの?ほんと?」

疑いの眼差しを少女へと向ける。
真面目そうで、動物が好きだっていうのは伝わるけれど。
呪いをどうこう出来る様には見えないから無理もない。

幣美奈穂 >  
「そうなの・・それで(耳が垂れた)姿に・・」

なんか、しょんもり。
ぴんっとしていたお耳が垂れますと、うさぎさんとして大変でしょう。
そんなウサギさんがどこを見ているのかなんて気付いていないのですけど。

じんわりほわほわっとしみこむような、回復の力です。

「そう?、元気出してくださいませ。
 そうですわね・・少しだけですけど、そういうのもできますわ。
 あっ、立ち話もあれですからお椅子に・・」

と自分が座っていたスツールを見て、悩みます。
そのお隣、空いてますけどウサギさんが座れるでしょうか。

金剛 経太郎 > 「うん、こんな(ウサギの)姿に。」

絶望的な行き違いが発生しているけれど悲しいかな気付く事は無く。
少女はうさぎさんの(耳の)心配をしているし、ラビットは少女の我儘さんな一部分に気を取られているから仕方ない……?

じんわりと体の芯から温まる様な感覚に、ほぉ、と声を漏らしながら目を細めたり。

「ふうん……ごめんだけど、そういう風には見えなかったから。
じゃあ、君も祭祀局の人なの?風紀委員の服だけど、風紀と祭祀局って同じとこ?」

そしてスツールを勧められれば、それを見上げて、そして自分のふっかふかな足を見下ろすラビット。
跳ねるのは得意な足だけど、登るのはちょっと大変そう。

幣美奈穂 >  
「大変でしたわね。
 もう、大丈夫ですわ」

手触りが良くなってきました毛並み。
すれ違い・・なんて気付く要素もなく。
美奈穂としては、雨に濡れて汚れたうさぎさんを洗ってあげたくなります。

「え、祭祀局と風紀委員は少し違いますけれど・・。
 わたくし、祭祀局から風紀委員に来ているようなものなのです。
 そういう、呪いとか穢れなどをどうこうするのには、ちょっと自信がありますの」

ふわっと案伸身してくださいませ、という笑顔を見せます。
うさぎさんの視線がその足に向けば、一緒に向けてしまいます。
スツールと見るとちょっと難しそう。
別の座席がないかときょろきょろとさせて、そこそこ埋まってますけど。
小テーブルの対面であります一人用ソファー席の方を見ます。
あっち、どお?、と小首傾げさせるのです。

金剛 経太郎 > 「まあ、確かに大変っちゃ大変だったけどさ。
こうして得する事もあったし、そこまで大変だったって実感は薄いかなー」

ぽりぽり。ニンジンスティックをかじりかじり答えるラビット経太郎。
雨に降られた結果こうして優しい子に巡り合えたと思えば結果オーライだ。

「なるほどなるほど。これは僕ってば相当ツイてると見た。
祭祀局からの出張風紀委員さんに会えるとは、日頃の行いかなあ。
……とはいえ、この姿になってるのも日頃の行いな気もするけど。」

とほほ、と肩を落とすように項垂れてから、少女が示す方へと顔を向ける。
なるほどあのひとり掛けソファなら何とかなりそうだ。最悪跳べば届きそう。
こちらを見て提案する様に首を傾げる少女へと肯きを返すラビット。垂れた耳がふるんふるん揺れる。

幣美奈穂 >  
「でも、こんなに毛並みが汚れて・・。
 ほら、足の毛も汚れておりますわ?」

雨の日なのです。歩いてきたなら大変だったでしょう・・!
でも、人参スティックを食べます姿はらぶりーです。
なんか一生懸命な感じにみえちゃいうのですよね。

「それに、相当なことや神性なものでありませんと。
 穢れを払うなどは祭祀局や風紀委員ではしませんもの」

じゃああっちね、と。
ココアのカップを片手にとりましたら。空いた方の手でうさぎさんの前足を繋ごうとします。
ご一緒に行きましょう、とちょっと前足を引くのです。
 

金剛 経太郎 > 「まあ、帰って風呂でも入れば綺麗になるでしょ。
外雨だったもん、仕方ないよ。」

そう言ってから果たしてこの姿で寮に帰れるのかと心配になるウサギ。
仮に帰れたとして、寮の大浴場はケモノ厳禁とかじゃあなかったよな、と訝しげに思い返してみたり。
ぽりぽりと食べていたニンジンスティックは最後の一本が口の中へ。

「まあ、そりゃあそうだよなあ。
なんていうか、お疲れさま。色々と苦労してるんだねえ。」

若い身空で大変だなあ、とうんうん頷いてみたりするラビット。
そんな事してるうちに手を取られ、とことこ並んで場所を移動。
ソファには難なく飛び乗れたようだ。

幣美奈穂 >  
つやつやでふわふわにしてさしあげたい・・!
もふらーな美奈穂、内心でうずうずしてしまうのです。

「寒いのでしたら、こちらの施設にありますシャワーだけでも浴びて。
 すっきりしていかれたらいいですわ」

ほんわか食べるさまを見て、片手を頬に当て可愛い・・!と思っておりますうちに。
全部食べられてしまった様子。
手を引きながら椅子に近づき、お座りすることできるかはらはらと見守りますと。
見事に飛び座れたようなのです。

「うさぎさんも何か飲まれますか・・?」

と、自分も対面の椅子に浅く、背筋を伸ばして座ります。
膝上丈のニットなワンピの裾。正面から見れば、角度によっては中が少し見えそうですけど。
両膝を揃えて上品に座っておりますので大丈夫なのです。

「呪いとかですと、西洋式なら解呪とかするお店が島にはあるそうですけど・・。
 聞いた話では、結構するそうです」

金剛 経太郎 > ぞわわ、と背筋に薄ら寒いものを感じるラビット。
いわゆる悪寒というやつ。人間よりも察しの良い耳が誰かさんの内心を聞き取ったかのよう。

「ああいやあんまり毛を散らして帰るのも悪いだろうから、遠慮しとこっかなーって……
シャワーより湯船にゆっくり浸かりたい派だし!」


ちょこん、と椅子に腰かけてみたものの、相変わらず人間用に誂えられたものはどれもこれも大きめサイズ。
まあ幾らかマシか、ともそもそと座り心地の良い所を探してみたり。

「あ、僕は結構。生野菜だけで水分は充分足りるみたい。」

す、と片手を出して制してみた。もっふもふの毛むくじゃらハンド。
対面に座る少女が背筋を伸ばしたのを見て、サマーニットって良いものだよねと認識を新たにするのだった。
ただ目が粗いと何かと危ない気もしてるけど。

「ふむふむなるほど。
ごめん、まず呪いに西洋式とか東洋式ってあるの?あとお金は無いです。」

いきなり壁にぶち当たった。

幣美奈穂 >  
全身を丸洗いしまして、トリートメント。
そして念入りなブラッシングで・・!
とか、想像してみるのです。まるまるふわふわな姿に。

「そうですか・・」

残念です、としゅんっとしてしまうのです。
もふもふ計画がいきなりとん挫したのです。
ですが、とりあえずは椅子にお座りする姿を愛でるのです。
制する片手のもふかげん。肉球頂きました。

「それじゃあ・・」

と、野菜スティックの追加を注文しておくのです。

「ん~・・西洋式ですと、確か。
 呪いを無理矢理剥ぐ、という教会式が有名ですわね。
 あとは、呪術を根元で絶つとか。呪術式なら、別の呪術で押しのけますとか・・」

下唇に人差し指を当てて、少し上を見ます。
常世島での授業で習ったことを思い出しているのです。

金剛 経太郎 > 「それにこの手じゃシャワー掴みづらいし
それとも君が一緒に入って洗ってくれたり?」

なんてね、と座り心地が悪いのかもぞもぞお尻を動かしながら笑ってみたり。
よく考えてみれば尻尾があった。道理で違和感があるはずだ、と納得すれば違和感も気にならなく。

「わ、ありがとー。後でお金出すね。」

追加の野菜スティックに素直に喜びを表すラビット。
先のニンジンは店員さんのサービスだったのである。サラダに使えなかった型落ちニンジンのスティック。


「ふーむ、色々あるんだねえ。
僕はそっち方面さっぱりだから。聞いてもいまいちピンと来ないや。」

もそむ、とテーブルの上に顎を載せてみたり。
ちょっとお行儀が悪いけれど、ウサギということで大目に見て頂きたい。

幣美奈穂 >  
一緒に・・と聞こえますと。
しゅんっとしていたお顔が。ぱぁっと花開くようなお顔を見せます。

「もちろんですわ!。
 毛並みがしゅっと、ふわふわになるようにいたしますの!」

両手を前で合わせて、嬉しそうなお声になってしまいます。
テーブルに置かれます野菜スティック、うさぎさんに合わせてちょっと大ぶりなものになっています。

「あまりこういうところ行かないから、大丈夫です。
 わたくしのは巫術ですけど、無理矢理以外にも。
 穢れを散らしたり、抑えましたり・・あと、根源を守りまして、
 押し広げてお外に出す・・とかでしょうか?
 特にお金とか、いりませんですし」

と、テーブルにお顔を乗せるご様子に。
美奈穂も前に・・テーブルにお胸を乗せるようにしまして。
近付けたウサギさんのお顔、そのお鼻を指先でつんつんっとするのです。

金剛 経太郎 > 冗談のつもりで言ったんだけど、と今更口に出来ない喜び様。
いやいや、見ず知らずのウサギ……幾ら愛くるしいウサギでもそういうのは宜しくないのでは。仮に正真正銘のウサギが相手でも、だ。
真っ当な思考でそう考えるのがおかしいのかと思えるくらいの喜びっぷりに言葉を失うラビット経太郎。

「あ、えーと……お手柔らかにお願い申す……」

今断わればさっき以上のしょんぼりになりそうでお願い申すしかなかった。
だが、テーブルに置かれた野菜スティックによって困惑とかは吹っ飛んでしまう。わーいって。

「ふじゅつ。
あ、お金要らないの?本当?後から要求されない?
それにしても……基本は西洋も東洋も変わらない感じなのかな?
祓ったり、抑えたり……押し出したり。
………押し出したり。」

ぽふん、と目の前に再びお胸さんが。
テーブルの上に載せられた事でより強調される形に。
サマーニットということもあって下着とか透けてしまわないかと自分の事のように心配したり。
鼻先を突かれても特に集中が切れない程度に心配したり。

幣美奈穂 >  
もふもふに罪はないのです。
ただ、そこにいるだけで愛される存在になるのです。

「安心してくださいませ。
 ぴっかぴかな自慢の毛並みにしてさしあげますわ!」

ふんふふ~ん♪、と思わず鼻歌がこぼれてしまう喜びようなのです。
うさぎさんって、カリカリ食べている姿が一生懸命なんですよね。

「わたくしがする分には、とくには・・。
 あっ、シャワー浴びますのなら。ついでにそれで水被りに入れますわ。
 そうしましたら、穢れも落ちやすくなりますから・・。
 どうしましたの?」

毛糸が細めで目が粗めな風通りのいいサマーセーターです。
去年の夏に買っておりますそのセーターはちょっと窮屈でのびて、少し肌が透けて見えているかもしれません。
それが前かがみで更にちょっと伸ばされて。
おかげで、今の美奈穂は素肌の上にサマーセーターを身に着けているのが判るかどうかは。
うさぎさんの目次第なのです。
そんなのは気が付いてもいない美奈穂さん。
動きが止まったのをいいことに、ひんやりする湿ったウサギさんのお鼻を、
ぷ~にぷ~にと指先で突いて楽しんでしまっています。

金剛 経太郎 > 罪はないのならしょうがない。
もふもふ無罪、素晴らしい文化だと思う。尊重しなければ。

「ぴっかぴか……いやまあ、それは大変ありがたいけれど。」

あんまり綺麗になると戻りたくなくなってしまいそう。
そんな事を考えながらニンジンさんをもっしゃもっしゃと咀嚼しているラビット。

「シャワーを浴びるだけで一つ済むの?
穢れ……穢れかあ。よく分からないけども、穢れてるんだね僕は。
ああいや、どんなことをされてしまうのだろうって考えてて……」

あたふたと誤魔化しながらも目線は正直なウサギである。
だって思った以上に大変宜しくなかったから、頭の中の宜しくないものリストに並べるべくしっかり観察してしまう。
遠目に見ていれば分からなかったけど、今の色んな条件が重なれば自ずと結果は見えるというもの。
ぷにぷにと鼻を突かれれば、それに合わせてふんすふんすと鼻息が荒くなるのも仕方ないこと。

幣美奈穂 >  
「任せてくださいませ!。
 わたくし、ブラッシングには自信がありますの!」

数々のもふをもふもふにしてきた腕前です。
腕がなります。

「日頃から修練しておりましたら、穢れが落ちやすいのですけど。
 今日しますのは、穢れ・・呪いを緩めるものです。
 穢れの隙間に、清水が入り込む感じです。
 ――穢れって、呪いの事ですからね?」

呪いを解く、というより浮かべてある程度を流してしまいましょう。
そうして、それでも取れない者を、結界術で散らして・・と。
出来るだけ負担が少ない方法を考えます。
ただ、この方法だけだと一時的に穢れが薄れるだけですので。
穢れの元――呪いの元に近づくと、戻っていってしまいますが。

ふんすっと指に息がかかってくすぐったいのです。
くすくすっと笑ってから身を起こしますと。
両手でカップをとりまして、こくりっ。
温くなってきたので、甘いココアが飲みやすくなったのです。